固定資産税とは
不動産を保有していると、ほとんどのケースで固定資産税が発生する。固定資産税はその年の1月1日時点の所有者に対して毎年課税される市区町村税(東京23区は都税)である。
固定資産税は、土地と建物のそれぞれに課税される。市区町村に備え付けられた固定資産課税台帳に所有者として登録されている人に対し、毎年、市区町村から納税通知書が送付されてくる。
納期は、一般的に4月、7月、12月、翌年の2月の4期に分かれており、各期日までに納税する仕組みだ。
納税通知書には、主に土地と建物の「評価額」「課税標準額」「税額」の3つが記載されている。評価額とは、固定資産税を求めるための基となる価額であり、課税標準額は税率を直接乗じて税金を求めるために用いる価額のことである。
固定資産税の税率は標準が1.4%であるため、以下の算式で求められることになる。
固定資産税 = 課税標準額 × 1.4%
ここで、固定資産税は評価額に1.4%を乗じるのではなく、課税標準額に1.4%を乗じることがポイントだ。
建物の場合、課税標準額は固定資産税評価額と同額となる。
一方で、土地の場合、課税標準額と固定資産税評価額は一般的に同額とはならない。土地の課税標準額は、一定のルールに基づき固定資産税評価額よりも低く算出されている。
固定資産税評価額は、固定資産税を決めるために求められた価格であるため、時価のことではない。建物の固定資産税評価額は、新築当初は請負工事金額の50~60%程度の金額で評価される。その後、築年数が経過してもほとんど価額が下がらないのが建物の固定資産税評価額の特徴だ。
一方で、土地の固定資産税評価額は、地価公示価格の70%程度を目安として評価されている。地価公示価格とは国が毎年全国約2万6,000地点で行っている1月1日時点の土地の評価額のことだ。
地価公示価格は、建前上、時価相当額ということになっており、土地の固定資産税評価額はある程度時価を反映しているといえる。ただし、地価公示価格は毎年評価が行われているが、土地の固定資産税評価額は3年に1度しか評価が行われない。
そのため、土地の時価が急激に上昇するようなことがあっても、土地の固定資産税評価額は急激には変動することはない。
このように固定資産税評価額は、建物も土地も時価との連動性が抑えられていることから、結果的に固定資産税は毎年ほぼ一定額が課税される仕組みとなっている。ほぼ一定額とすることで、課税当局には税収が安定するというメリットがある。
よって、不動産を購入したら固定資産税は「毎年ほぼ同じ額」が発生すると考えておけばいいだろう。なお、固定資産税は課税標準額が土地なら30万円、建物なら20万円に満たない場合には固定資産税が課税されないという免税点が設けられている。
たまに山林などは固定資産税評価額が安いため、課税標準額が免税点である30万円未満となっており固定資産税が発生しないケースもある。
都市計画税とは
都市計画税とは、原則として都市計画で指定されている市街化区域内の土地や建物の所有者に課される税金のことである。市街化区域とは、すでに市街地を形成している区域または概ね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域のことを指す。
都市計画税も仕組みは固定資産税とほぼ同じで、課税標準額に税率を乗じて計算される。
都市計画税の税率は標準が0.3%である(若干異なる税率を採用している地域もある)。
都市計画税 = 課税標準額 × 0.3%
都市計画税が課税されている地域では、固定資産税納税通知書の中に都市計画税の税額も記載されており、固定資産税とともに納税する形となっている。
住宅用地の軽減措置
専用住宅等、土地の上に一定の要件を満たす住宅が立っている場合、「土地」の固定資産税が安くなる。この制度は住宅用地の軽減措置と呼ばれる。
軽減措置を受けられる住宅用地には「小規模住宅用地」と「一般住宅用地」の2種類がある。
小規模住宅用地:住宅の敷地で住宅1戸につき200m2までの部分
一般住宅用地:住宅の敷地で住宅1戸につき200m2を超え、家屋の床面積の10倍までの部分
小規模住宅用地と一般住宅用地では、固定資産税の課税標準額が以下のように計算される。
【固定資産税の課税標準額】
小規模住宅用地:固定資産税評価額 × (1/6)
一般住宅用地:固定資産税評価額 × (1/3)
また、都市計画税においても同様のルールで住宅用地の軽減措置が適用される。
都市計画税の課税標準額は以下の通りである。
【都市計画税の課税標準額】
小規模住宅用地:固定資産税評価額 × (1/3)
一般住宅用地:固定資産税評価額 × (2/3)
なお、東京23区内の小規模住宅用地の都市計画税については、さらに税額が2分の1に減額される。
新築住宅の減額制度
一定の要件を満たす新築住宅においては、新築から3年間(地上3階以上の中高耐火建築物については5年間)にわたり、「建物」の固定資産税が2分の1となる。
新築住宅の減額制度が利用できる建物は、以下の要件を満たす必要がある。
・住宅として使用する部分の床面積が全体の床面積の2分の1以上であること
・居住用部分の床面積(区分所有の住宅にあっては専有居住部分の床面積)が、50m2以上280m2以下であること
ただし、別荘については新築住宅の減額制度は適用されない。
なお、2022年3月31日までに新築された認定長期優良住宅については、新築から5年間(中高耐火建築物にあっては7年間)にわたり、建物の固定資産税が2分の1となる。
中古住宅購入時の精算金
中古住宅の購入では、税金ではないが固定資産税精算金というものが発生する。
固定資産税精算金とは、売主と買主との間で固定資産税の負担を調整するために生じる金銭のことだ。
固定資産税および都市計画税の納税義務者は、毎年、1月1日時点の所有者となる。その1年間の納税義務者はあくまでも1月1日時点の所有者であるため、1年間の間で所有者が何人も変わったとしても納税義務者は1月1日時点の所有者のままとなる。
例えば、年間で12万円の固定資産税がかかる住宅を2月1日に取引したとする。
2月1日以降の所有権は買主に移転するが、その年の固定資産税の納税義務者は1月1日時点の所有者のままであるため、売主が引き続き固定資産税を納税していくことになる。
しかしながら、実際には2月1日以降は買主が購入した住宅を自分の不動産として自由に利用できることから、売主が引き続き固定資産税を負担するのは合理的ではない。
そこで、固定資産税の実質的な税負担を買主へ移転するために、買主が支払う調整金が固定資産税精算金なのである。年間12万円の固定資産税を2月1日以降から11ヶ月分負担するとなると、買主が負担すべき固定資産税は11万円となる。
買主は引き渡し時に売買代金に加え、固定資産税精算金として11万円を売主に支払うことで、固定資産税の実質的な税負担者を買主に移転するのだ。
中古住宅の購入者は、引き渡しの翌年から固定資産税の納税義務者となる。購入の初年度は、固定資産税を納税することはないが、固定資産税精算金を売主へ支払うことで実質的に初年度から固定資産税を負担していくことになる。
買主は、特に何もしなくても翌年以降に固定資産税の納税通知書が自動的に送られてくるため、固定資産税に関しては申告等の手続きの必要はない。
実際の納税は、翌年以降に送られてくる固定資産税納税通知に従って行うことになる。
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