最新の建材や関連製品を展示

東京ビックサイトで3月5~8日まで開催された「建築・建材展2019」。
最新の建材や関連製品・サービスなどの展示、デモンストレーションなどが行われる、多くの建築関係者・デザイナーやコーディネーター、消費者が訪れ、新しい商品やデザインに触れることができるイベントである。

メーカーやブランドごとの展示はもちろん、地方からの発信、業界団体からの提案などがみられるのも特徴。
構造関連や現場関係の商品など、専門的な製品の展示もあるが、一般住宅の新築やリフォームの際に取り入れる建材や設備機器なども数多く紹介されている。

それらの商品を中心に、最近の家づくりの傾向をみていく。

今年の「建築・建材展」は、過去最多の310社を超える出展者が最新の建材商品などを展示今年の「建築・建材展」は、過去最多の310社を超える出展者が最新の建材商品などを展示

自然の素材を用いた商品、環境に配慮した技術

家づくりの際には、環境や省エネルギーに配慮することは基本。
今回の展示でも、自然の素材を用いた商品、環境に配慮した技術などがみられた。

自然素材を用いた内外装材のバリエーションは豊富になってきている。特に内装に用いられる塗り壁材にはさまざまなタイプがみられ、たとえば、優れた吸放出性能を持つと同時にマイナスイオンを放散する漆喰、大理石が主原料の化学物質を吸着する素材などがある。価格面を抑えたり、施工性を高めたりした天然素材などもあり、一般的に多く用いられているクロスだけでなく、塗り壁が身近な素材となってきていることが感じられた。

また、さまざまな樹種の無垢の床材はもちろん、壁面用の木製パネルなど、自然素材を取り入れた新しい空間づくりの提案も。屋外用の建材にも、耐久性を高めた天然木材を用いた製品もみられ、今後も、環境への負荷を低減する商品は増えていくことが期待される。

その他、軽量化した太陽光発電システムやコンパクト化した蓄電池ユニットなども。空気浄化やセルフクリーニングなど環境に役立つ効果を生み出し、外装材や内装材などに用いられている光触媒技術に関しての展示もみられ、さまざまな角度から環境への配慮がうかがわれた。

コンセントや水栓金具。こだわりの空間を実現するアイテム

さまざまなデザインのコンセントやスイッチプレート、フック、タオルハンガーなども豊富にさまざまなデザインのコンセントやスイッチプレート、フック、タオルハンガーなども豊富に

家づくりの際には、間取りやデザインだけでなく細かなパーツにこだわりを持つ方も多くみられる。たとえば、スイッチやコンセント・水栓金具やシャワーなど、使い勝手はもちろん空間のアクセントとして個性的なデザインを求めるケースもあるようだ。

展示では、スイッチやコンセントプレート・フックなど豊富なデザインバリエーションが紹介され、国産だけでなく海外の製品なども多くみられた。最近の人気は、シンプルなデザインやナチュラルな雰囲気を持つタイプだとか。すっきりとしたスクエアな形状のプレートやフックなどのラインナップが充実していた。

また、水まわり空間で用いられる水栓金具などもさまざまなタイプが揃っている。建築家による住宅のプランなどでは、個性的なデザインの水栓金具やアクセサリーなどを取り入れるケースも多いという。デザイン性はもとより、シャワー水流の浴び心地までこだわった製品、ブラック色などの色を揃えた水栓など空間のポイントにもなるようなアイテムが増えてきているようだ。
水栓金具やシンク、カウンターなど、水まわりにブラック色を取り入れる傾向は、数年前より注目されており、今回も各メーカーからいくつかの提案がみられた。

人気のタイル素材。バリエーションは豊富に

多種多様なタイルデザインを知ることができる多種多様なタイルデザインを知ることができる

内外装材として、タイルは根強い人気のあるアイテムだ。
特に内装タイルは、水まわり空間だけでなく、居室空間への提案もみられるようになっている。展示では、各メーカーだけでなく地場産業としてのタイルを紹介するブースもあり、タイルの可能性も感じることができた。

取り入れ方によっては空間のイメージを大きく変える素材だが、最近の注目はなんといってもモザイクタイル。DIYでも取り入れることができるタイプなど、さまざまなデザインがみられた。
また、サブウェイタイルと呼ばれる表面に光沢のあるもの、木目などがプリントされたタイプなども多く提案され、人気の「カフェスタイル」「ブルックリンスタイル」の空間を実現できるデザインのタイルが揃っている。

その他、キッチンなど水まわりで用いられるパネル、メラミン化粧板などの内装建材のデザインにもモザイクタイル柄を取り入れた商品も。タイルの魅力を取り入れた空間づくりの人気はしばらく続くように感じた。

和の要素、畳の新しい方向性。リフォーム向けの商品も

畳を含む日本文化を発信する展示も充実していた。
たとえば、柔らかくクッション性のある衝撃緩和型の畳は、子どもや高齢者の部屋に向いている。また、天然のいぐさを用いながら撥水機能を持たせたタイプなども。デザイン面でも工夫がみられ多角形の畳を敷き詰められるタイプ、色や柄を組み合わせることができる畳もみられた。

バリエーションの豊富さに驚いたのは畳縁だ。
伝統的な柄だけでなく、花柄や水玉、格子などがみられる。自然素材としての魅力だけでなく、デザイン性や機能性など、床材としての畳の魅力を再発見することができた。

また、インテリア空間にコーディネートしやすい和紙の展示も。手漉和紙とアクリルを融合させた建材など、和の要素を取り入れたアイテムが増えてきているようだ。

その他、リフォーム向けの商品が多くみられるのもここ数年の特徴だろう。
既存の壁の上から張ることのできる内装材、限られた空間や配管など条件的に厳しい場合などでも設置しやすい小ぶりの洗面台などの提案もみられる。また、採光・通風だけでなく気配を感じることができるアイテムとして、マンションリフォームなどでも人気の室内窓の展示も。無垢材を用いて製品化したタイプなどは「カフェスタイル」などのインテリアにも向いているだろう。

住宅に用いられる設備や建材は、暮らしを取り巻く環境を踏まえ、技術的な進歩はもちろん、デザイン傾向なども変化している。ここ数年、自然の素材を用いたアイテム、リフォーム向けの商品などの新しい提案が多くみられるが、今回は、畳素材など、伝統と最新の技術を融合させた和のアイテムなどに新しい傾向を感じることができた。家づくりや日々の暮らしの中でも、古くからあるモノに新しい機能を持たせたり、異なるデザインを加えることで、豊かさを生み出す、というひとつの流れなのかもしれない。

■記事内画像提供
日本経済新聞社/日経メッセ 街づくり・店づくり総合展/建築・建材展 2019

■取材協力
日経メッセ 街づくり・店づくり総合展 「建築・建材展」
https://messe.nikkei.co.jp/ac/

和の要素を持つアイテムも豊富にみられる和の要素を持つアイテムも豊富にみられる

2019年 03月24日 11時05分