エリア初の『IoTパッケージ』付き建売住宅をセキスイハイム中部が発表

「アレクサ、テレビをつけて」「電気を消して」。家電製品にいまいち疎い筆者としては、こんなスマートスピーカーとの生活はTVコマーシャルの中だけのものかと思っていたが、意外に“当たり前の生活シーン”になる日は遠くないのかもしれない。

2018年12月発表の『世界モバイル利用動向調査2018』によると、先進国におけるスマートスピーカーの普及率は中国22%、イギリス 12%、オーストラリア 9%、カナダ 9%。今のところ日本は 3%にとどまっているものの、スマートスピーカー先進国であるアメリカ国内では、昨年のホリデーシーズンのギフト需要を受けて普及率が50%近くに達したとの見解もあり、アメリカの“スマスピ”ブームに牽引される形で今後日本国内の普及率も高まりそうな気配がある。

また、日本の住宅業界でもスマートスピーカーをはじめとして、先進システムを導入した次世代型IoT対応住宅が注目を集めている。セキスイハイム中部株式会社(本社:名古屋市東区)では2018年12月、中部エリア初・セキスイハイムとしても全国初の『IoTパッケージ』を搭載した建売住宅を発表。遂に建売住宅にもIoTシステムが標準装備される時代がやってきたのだ。

▲2018年12月に発表されたセキスイハイム中部のIoTパッケージ付き建売住宅『ユーストーリーズハイム天白区高坂』(分譲地:名古屋市天白区高坂町)。完成した棟内では「これからの未来の住まいのカタチ」としてスマートスピーカーを使ったIoTシステムの実演が行われている。今後同社ではこのシリーズを建売住宅の中心ブランドとして展開していく予定だ▲2018年12月に発表されたセキスイハイム中部のIoTパッケージ付き建売住宅『ユーストーリーズハイム天白区高坂』(分譲地:名古屋市天白区高坂町)。完成した棟内では「これからの未来の住まいのカタチ」としてスマートスピーカーを使ったIoTシステムの実演が行われている。今後同社ではこのシリーズを建売住宅の中心ブランドとして展開していく予定だ

“建売住宅は設備が簡素”というイメージを覆すべく、他社に先駆け導入決断

▲セキスイハイム中部株式会社 企画部の三宅さん(右)と販売推進部の皆さん。「実は私たちスタッフもIoTシステムを操作するのは今回が初めて。私自身は“アレクサ、電気をつけて”とスピーカーに向かって話しかけることが最初のうちはとても照れくさかったのですが(笑)、慣れるとやっぱり便利なものです」と三宅さん▲セキスイハイム中部株式会社 企画部の三宅さん(右)と販売推進部の皆さん。「実は私たちスタッフもIoTシステムを操作するのは今回が初めて。私自身は“アレクサ、電気をつけて”とスピーカーに向かって話しかけることが最初のうちはとても照れくさかったのですが(笑)、慣れるとやっぱり便利なものです」と三宅さん

「もともとスマートスピーカーは、2016年の年末にアメリカでクリスマスのヒット商品になったことから世界的にブームが広がったと記憶しています。

その頃は住宅用ではなく、あくまでも音声アシスタントを目的としたツールでしたが、次第にホームアプリの仕組みが追加されるようになり、1年ほど前から“住宅業界としてもこの動きは見逃せない”ということで、各社が導入を考えるようになったのです」(以下「」内は三宅さん談)。

セキスイハイム中部株式会社の三宅さんは今回の『IoTパッケージ付き住宅』の企画担当者だ。一般的な住宅メーカーであれば、まず『注文住宅』の展示場に先進設備を導入して新企画のPRを行うイメージがあるが、同社では注文住宅を飛び越えてまずは『建売住宅』で勝負に出た。

「いち早く先進設備を採り入れる、という点では注文住宅より建売住宅のほうがスピーディな対応が可能です。注文住宅の場合は、お客様個人個人の住まいづくりのニーズを最優先に考えてプランをご提案することになりますが、建売住宅ではまず我々がコンセプトを組み立てて、“未来の住宅はこうなっていきます”という新しい暮らし方をお客様に向けてご提案できます。

テレビのコマーシャルで見たような生活が“未来の住まいの標準になる”というのは、あくまでも今回我々が立てた“仮説”ですが、今後この仮説がお客様からどのように評価されていくか?で、注文住宅のご提案内容も変わっていくと思います。

また、建売住宅の場合は“注文住宅よりも設備が簡素になる”といったネガティブなイメージをお持ちの方も多いのですが、それを払拭し、私共の建売住宅に付加価値をつけていきたいという狙いもあります。注文住宅より建売住宅のほうが“先発部隊”となるのは、セキスイハイム中部の古くからの社風ですね(笑)」

セキスイハイム中部オリジナルのIoTパッケージ『カジサポ』とは?

では、三宅さんたち企画担当者が「近い未来に日本の住宅の標準になる」と仮説を立てた『IoTパッケージ』の中にはどのような設備が含まれているのだろうか?

「セキスイハイムの建売住宅では、従来から標準パッケージとして『太陽光発電』『スマートハイム・ナビ(HEMS)』『快適エアリー(通年型空調システム)』『スマホ連動インターホン』を装備しているのですが、今回はその標準パッケージに加えて、セキスイハイム中部オリジナルのIoTパッケージを設定し、IoT住宅パッケージ『カジサポ』としました。

当社の顧客リサーチでは、近年圧倒的に共働き世帯が増え、住まいの中の家事シーンに対する不満が多いことがわかりました。また、パパの家事負担時間は10分~2時間未満という方が多いのに対し、ママの家事負担時間は4時間以上と答えた方が4割近くにのぼっています。ママは外でも働き、家でも働かなくてはいけない…家事と仕事の両立を負担に感じている働くミセスがとても多いのです。

となれば、住宅メーカーとしては毎日の家事シーンでのちょっとしたストレスを軽減し、家事の時短を叶えることによって少しずつゆとりを積み重ねながら『働くミセスが快適に過ごせる家』を提案したい。そのためには先進のIoTシステムが欠かせないツールだと考えました。

システムの中枢を担うのが、スマートスピーカーに対応した『家電コントローラー』です。このコントローラーがあれば、音声認識で照明をつけたり消したりテレビの音量を変えることもできますし、外出先からスマートフォンを使ってエアコンのオン・オフなどが可能になります。他にも『照明シーンコントローラー』や『スピーカー付ダウンライト』を装備。オプションでIoT家電を追加することも可能です」

例えば、キッチンでハンバーグの具をこねているとき、テレビの音量を変えたいと思ったら、一度手を洗ってからリモコンを取りにいって操作しなくてはいけないが、『カジサポ』導入住宅なら目の前のスマートスピーカーに話しかければ、キッチンを“司令塔”として家の中の家電を遠隔操作できる。いちいち手を止めることなく家事を続けることができる点は、確かに魅力的だ。

「ほんのちょっとした動作のように感じますが、こうした“小さな時短”の積み重ねが“働くミセスのゆとり”を生み出すものと考え、『カジサポ』のある暮らしを提案しています」。

▲働くミセスにとって“留守番をする子どもたちが安心して過ごせる家かどうか?”も重要なポイント。『カジサポ』導入住宅では、インターホンや空調システムなどの各種設備をスマートフォンに連動することで、子どもの留守番中も戸締り確認などを遠隔サポートできる。「IoT機器の遠隔操作には赤外線やWi-Fiを使いますが、わざわざすべての家電製品を新しいIoT対応家電に買い替える必要はなく、コントローラーからの配線により対応可能。以前の家で使っていたエアコンや照明器具等もそのままお使いいただけます」と三宅さん
▲働くミセスにとって“留守番をする子どもたちが安心して過ごせる家かどうか?”も重要なポイント。『カジサポ』導入住宅では、インターホンや空調システムなどの各種設備をスマートフォンに連動することで、子どもの留守番中も戸締り確認などを遠隔サポートできる。「IoT機器の遠隔操作には赤外線やWi-Fiを使いますが、わざわざすべての家電製品を新しいIoT対応家電に買い替える必要はなく、コントローラーからの配線により対応可能。以前の家で使っていたエアコンや照明器具等もそのままお使いいただけます」と三宅さん

今や住宅と家電は切っても切れない関係、家電の進化のスピードで住宅も変化する

気になるのは顧客の反応だが、「最先端の設備が搭載されていてすごい」「家事をサポートしてくれる機能(照明シーンコントローラー等)が最初から付いているのはとても嬉しい」など、三宅さんたちの“仮説”は概ね好意的に受け止められているようだ。

「これから家を建てようと考えている方は、“今の暮らしに必要なもの”に関してはじっくりと検討されていますが、5年後、10年後の住まいのスタンダードがどのような状況になってるのか?ということまで考えて検討している方はまだまだ少ないと思います。

だからこそ、私共ハウスメーカーが“先を見て予測しながら提案する”ということがとても大切。30年前にはなかった携帯電話が今や当たり前のものになり、クルマも住宅も家電化が進んでいます。そのスピードに私共も追いついていかないと、10年先に時代遅れと言われる家を造ってしまう可能性もゼロではありません。これからは“家電業界のスピード感”に合わせて、住宅業界もスピーディに進化することを考えなくてはいけないのです」。

▲一見したところ普通のキッチンのようだが、実はダウンライトの照明部分にスピーカーが組み込まれている。「キッチンは働くミセスの“主戦場”ですから、キッチンの快適性には特にこだわりました。洗いものをしながらスピーカー付きダウンライトでお気に入りの曲を聴くこともできます。また、寒い冬場のキッチンで“朝誰が一番早く起きて暖房を入れるか?”というと、多くの場合は奥さまでしょう。しかし、セキスイハイムの『快適エアリー』を搭載した家なら、冬の朝でもあのキッチンのヒヤっとした感じがありません。こうした基本性能を備えている家だからこそ“働くミセスがストレスを感じない住まい”をご提案できるのです。光熱費も節約できますから、家計を考える上でもストレスの軽減につながるかもしれませんね(笑)」▲一見したところ普通のキッチンのようだが、実はダウンライトの照明部分にスピーカーが組み込まれている。「キッチンは働くミセスの“主戦場”ですから、キッチンの快適性には特にこだわりました。洗いものをしながらスピーカー付きダウンライトでお気に入りの曲を聴くこともできます。また、寒い冬場のキッチンで“朝誰が一番早く起きて暖房を入れるか?”というと、多くの場合は奥さまでしょう。しかし、セキスイハイムの『快適エアリー』を搭載した家なら、冬の朝でもあのキッチンのヒヤっとした感じがありません。こうした基本性能を備えている家だからこそ“働くミセスがストレスを感じない住まい”をご提案できるのです。光熱費も節約できますから、家計を考える上でもストレスの軽減につながるかもしれませんね(笑)」

単なる“スマートスピーカーのある家”ではなく、基本性能も伴う家づくり

▲セキスイハイム中部では、住まいのIoT化にあわせ物件広告の手法もネットにシフトしている。「今は若い世代のお客様に“現地モデルハウスまでお越しいただく”というのが難しい時代。まずはネットで情報収集を行う方が多いため、私共もSNSで随時情報発信を行い、関心を持っていただけるように努めています」と三宅さん。本物件でも『ユーストーリーズ』というシリーズ名のアカウントで、イベント告知や設備・仕様の特徴について週に2度のペースで情報配信を行っている▲セキスイハイム中部では、住まいのIoT化にあわせ物件広告の手法もネットにシフトしている。「今は若い世代のお客様に“現地モデルハウスまでお越しいただく”というのが難しい時代。まずはネットで情報収集を行う方が多いため、私共もSNSで随時情報発信を行い、関心を持っていただけるように努めています」と三宅さん。本物件でも『ユーストーリーズ』というシリーズ名のアカウントで、イベント告知や設備・仕様の特徴について週に2度のペースで情報配信を行っている

三宅さんによると、IoTパッケージ『カジサポ』を搭載することによって分譲価格が大きく高騰することはないそうだ。

「テレビや洗濯機、冷蔵庫、お掃除ロボットなど先進のIoT家電をもっと取り入れたいという方の場合はオプション料金が発生しますが、それはあくまでも家電製品の代金ですからIoTパッケージ自体に大きなコストがかかることはありません。

また“家電コントローラーの設定がよくわからない”という方もいらっしゃるのですが、そうした機器の設定もすべて当社のほうで行いますので、ネットの通信環境さえ整えば、引越し後すぐに“アレクサ、電気をつけて”という暮らしがスタートします。

まずは、セキスイハイムの躯体性能で“快適な暮らし”を体感していただき、そのベースに加えて、家事の時短により“ストレスを感じない暮らし”が叶えられるという点が『カジサポ』導入住宅の強みとなっています。単なる“スマートスピーカーのある家”ではなく、基本性能も伴った家であることもしっかりとお客様にお伝えしていきたいですね」

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振り返れば、筆者が住宅ライターをはじめた20年前は『ブロードバンド対応住宅』がもてはやされた時代だった。そのブロードバンドもあっという間に浸透してさらなる大容量通信が可能となり、今では日常生活の中のあらゆるモノとインターネットがつながっている。この変化のスピードは、今後もっと加速されていくことだろう。

今回三宅さんらが“仮説”を立てた先進のIoTパッケージ導入住宅は、近い未来に“日本の住宅のスタンダード”として、ごく当たり前に私たちの暮らしの中に定着しているかもしれない。

■取材協力/セキスイハイム中部株式会社
https://www.816chubu.jp/

2019年 03月12日 11時00分