異業種ブランドとのコラボレーションが流行中のマンション業界

『〇〇コラボ マンション』『〇〇コラボ ルーム』…こうしたキーワードを、当【HOME'S PRESS】の記事の中でも最近頻繁に目にするようになった。
現在のマンション業界において、ひとつのトレンドとなっているのが『コラボ物件』だ。
もともとは、賃貸マンション業界で“効果的な空室対策のひとつ”として他物件との差別化を図るためにスタートしたのがブームのきっかけだったと記憶しているが、近年は賃貸マンションのみならず、新築分譲マンションでも異業種ブランドとの『コラボ物件』が続々と登場している。
中でも、積極的にコラボレーション企画を採り入れているのが、大手マンションデベロッパーの三菱地所レジデンスだ。『無印良品』『The SAZABY LEAGUE』などの異業種企業とのコラボ物件のほか、大手花卉販売会社『日比谷花壇』と共用スペースの庭園造りをおこなうなど、ユニークな物件企画力が目を惹く。
『なぜ、いま、コラボ物件がブームになっているのか?』
現在、京王線『千歳烏山』駅徒歩3分の場所で建設が進められている三菱地所レジデンスらの【ザ・パークハウス 千歳烏山グローリオ】で販売担当者に話を聞いた。ちなみに、この『ザ・パークハウス 千歳烏山グローリオ』は、NY発の高級食材店『DEAN&DELUCA』とのコラボレーションが話題を集めている新築分譲マンションである。
『売れ行きの差』がハッキリと分かれる新築分譲マンション
「近年の新築分譲マンションは、売れ行きの二極化が目立つようになってきたと言われています。たくさんのマンションが販売されている中でお客さまに選んでいただくためには、他物件との差別化が不可欠です。“駅から近い・商業施設等が充実している”といった立地条件に加え、その土地のポテンシャルを最大限に引き出す商品企画など、『物件の魅力付け』が売れ行きを左右するポイントになってきているのです」
【ザ・パークハウス 千歳烏山グローリオ】販売担当者の近藤里香さんは、まず現在の新築分譲マンションの販売事情について解説してくれた。
「販売戦略的に考えて、“どうやったらお客様の目に留めていただくことができるのか?”というのは、わたしたち販売スタッフにとって重要な課題です。その点、異業種ブランドとのコラボレーション企画というのは業界内外からの注目を集めやすく、ふだん不動産業界に接点が無い方にも、コラボしたブランドを通じて三菱地所レジデンスの『ザ・パークハウス』ブランドを知っていただくチャンスにもつながります。
せっかくクオリティの高い良質なマンションを作っても、情報が埋もれてお客様に“知っていただけない物件”は売りにくい時代…そのため、『お客様との接点』を生み出しやすいコラボ物件が時代のブームになっているように感じますね」(近藤さん談)。
エンドユーザーにとってのメリットは“物件コンセプトのわかりやすさ”

こうして話を聞いていると、コラボ物件というのはデベロッパー側の販売戦略的なメリットのみで、わたしたちエンドユーザーには何もメリットが無いように思えてくるが、実は決してそうではないと近藤さんは語る。
「異業種ブランドとのコラボレーション企画というのは、マンションの住空間に“新しい感覚を採り入れる”という点でも大きなメリットがあります。また、“どこのブランドと組むか?”によって、そのマンションの物件コンセプトがお客様にしっかりと伝わりやすくなるのです。
例えば、この【ザ・パークハウス 千歳烏山グローリオ】の場合は、弊社のほうからコラボ企画をご提案し、マンション業界では初めて『DEAN&DELUCA』とのコラボレーションをおこなっています。そのきっかけは、『DEAN&DELUCA』がこれまで培ってきた“流行り廃りのない本物志向のブランドイメージ”が、ザ・パークハウスの“一生ものに、住む”のブランドコンセプトにぴったりマッチしたからでした。
おかげさまで、ギャラリーにご来場いただくお客様からは、“あの『DEAN&DELUCA』とのコラボだと聞いたから見学にきた”とか、“いつも通っている『DEAN&DELUCA』のお店の雰囲気が好きで、あんなイメージのマンションなら住んでみたいと思った”など、とても好意的な反響を頂戴しております」(近藤さん談)。
実は、コラボ物件は割高?!ではなかった!
ところで、異業種ブランドとのコラボレーションをおこなうということは、当然のことながらブランドに対して何らかのロイヤルティが発生しているということ。
コラボ物件の分譲価格が、一般の物件と比較して“割高”になっている可能性はないのだろうか?
「確かに、コラボするブランドへのロイヤルティは発生しますが、コラボブランドの協力もあり様々なところでお客様との接点を生み出すことができるため、宣伝効果がより大きくなります。
そのぶん、チラシやネットでの広告に関する費用が抑えられる結果につながることが考えられるため、コラボレーションによって分譲価格が割高になるということはないと思います」(近藤さん談)。
コラボ企画はエンドユーザーにとって“わかりやすい目標”に

コラボ物件の場合は、特定のブランド名が目を惹くぶん、購入検討者の好き・嫌いの好みがハッキリ分かれてしまう傾向もある。
ただ不思議なことに、マンションというのは、そもそも“感性や志向が似た人たちが集まりやすい場所”でもあるため、好みが分かれるということはむしろメリットのようにも感じられる。
わたしたちエンドユーザーにとっては“コンセプトがわかりやすく”、物件の販売担当者にとっては“注目を集めて売りやすい”というふたつの利点を持ったコラボレーションマンションは、様々な情報が溢れかえっている今の時代にマッチしたマンション企画だと言えるようだ。
■取材協力/ザ・パークハウス 千歳烏山グローリオ
http://www.mecsumai.com/chitokara265/index.html
2015年 09月10日 10時59分