営業マンは個人事業者として取引。報酬の大半が個人のものに

社長の中宮亜紀子さんと営業本部長の山崎義英さん。不動産業界の変化が楽しみだ社長の中宮亜紀子さんと営業本部長の山崎義英さん。不動産業界の変化が楽しみだ

アメリカコロラド州デンバーに設立して42年、現在では年間29.7兆円という世界最大規模の取引高を誇り、全世界の100カ国の6,000店舗に10万人が働くという巨大不動産エージェントネットワーク「リマックス」が日本に上陸した。世界では97番目となる日本上陸の要因は2020年の東京五輪を睨み、海外から見ると割安に見える日本の不動産を世界に流通させるというもの。今後の展開をリマックスジャパン社長の中宮亜紀子さんに聞いた。

「日本では全く知られていませんが、リマックスは世界ではマクドナルドやコカ・コーラ、アフラックなどと並んで名の知れた会社。1年間に130万件もの取引を行っています。日本の不動産会社と違うのは、実際の不動産取引を行う人、これを私たちはエージェントと呼んでいますが、この人たちは会社員ではなく、個人事業者であるということ。日本では営業マンが取引をまとめても、その報酬の大半は不動産会社に入りますが、リマックスの場合には報酬の50%以上が営業マンに入る仕組みです」。

この仕組みは保険業界の代理店を想像すると分かりやすい。社員ではなく、代理店という個人事業者として取引にあたり、取引の報酬をもらう、そんなやり方である。

働く女性、シングルマザーに新しい働き方を提供

「働いた分が自分の収入になるわけですから、このやり方は自ら学び、より良いサービスを提供しようという意識に繋がり、最終的には消費者にとって安心で透明性の高い取引の実現に繋がるものと思います。また、社員ではないため、会社にいなくても仕事ができます。ですから、子どものいる女性、特にシングルマザーなどには向いており、実際、リマックスのエージェントの52%は女性です。会社設立当初は80%が女性だったと言いますから、女性にとっては新しいやり方の仕事が登場したとも言えます」。

エージェントとして理想的なのはもちろん、不動産のプロである人だが、そうでなくても大丈夫と中宮さん。「リマックス独自のトレーニングメニューがあるため、未経験者でも問題はありません。また、リマックスでは弊社の下に地域の権利を取得したリージョナルオーナー、その下にフランチャイズで店舗展開をするオフィスがあり、そこに個人がエージェントとして所属するという仕組みになっていますから、もし、宅地建物取引士を持っていなくてもオフィスで契約ができます」。

時間や場所、経験に縛られない働き方が可能になるというわけである。こうした働き方なら女性だけでなく、定年退職者や若者も積極的に関われるはずで、となるとワーク・ライフバランスが実現できる新しい働き方が生まれたともいえる。

リマックスエージェント10万人が取扱う世界38カ国の言語に対応したグローバルサイトも公開

利用者側からのメリットしては前述のやる気のある人による、透明性の高い取引が可能になることが何より。エージェントを選べる自由度も挙げられる。

「従業員を抱える必要がなくなるので、フランチャイズ店舗はオフィススペースを有効に使うため、弁護士や司法書士その他、不動産取引に関連のある士業などとシェアするケースが考えられ、そうなるとひとつのオフィス内で様々な専門家を活用できるスペースが生まれることに。不動産にまつわる相談などに役立つのではないかと考えています」。

もうひとつ、エージェント間の横のつながりが強いネットワークでもあるため、自分の物件を海外の人に売る、あるいは海外の物件を買うという時にはそれが生きてくるものと思われる。実際、早々に加入した店舗はカンボジアの新築マンションを日本人向けに紹介する業務を受託したという。また、同社では日本の不動産を海外に積極的に売っていきたいという考えとか。海外からの目が日本の不動産に向いている今、このネットワークが不動産のグローバル化にも寄与するというわけだ。


リマックスジャパン http://www.remax-japan.com/

2015年 04月30日 11時07分