結論①2026年改正で40m2(平米)台も住宅ローン減税の対象に
2026年の税制改正により、住宅ローン減税の床面積要件は原則50m2以上から40m2以上に緩和されました。ただし、判定には広告上の専有面積ではなく登記簿面積が使われ、合計所得金額が1,000万円を超える場合などは50m2以上が必要です。
詳しくは、2026年改正で住宅ローン減税はどう変わった?をご覧ください。
結論②40m2(平米)台の駅近物件は、広さと通勤時間・返済負担を比べて選ぶ
単身者やDINKS(共働きで子どもを持たない夫婦)にとって、広さを抑えて駅近を選ぶことは、住宅価格を抑えつつ通勤時間を短縮できる選択肢です。一方で、郊外の広い物件より返済額が高くなる場合や、管理費・修繕積立金のm2単価が割高になる場合もあるため、減税額だけでなく総合的に比較しましょう。
詳しくは、【FP監修】「小さく駅近を買う戦略は本当に得か?をご覧ください。
結論③40m2(平米)台は減税よりも資産性と出口戦略を重視する
40m2台のコンパクトマンションを選ぶ際は、減税を受けられるかだけでなく、将来売却・賃貸しやすい物件かを確認することが大切です。駅からの距離やエリア、管理状態、間取り・収納などを確認し、結婚や出産などで住み替える可能性も見据えて選びましょう。
詳しくは、新築コンパクトマンションで資産性を落とさない物件選びの視点、将来の住み替え・賃貸転用まで見据えた出口戦略をご覧ください。
  1. 2026年改正で住宅ローン減税はどう変わった?
    1. 床面積要件が「50m2(平米)→40m2(平米)」に緩和
    2. 登記簿面積と専有面積の違いに注意
    3. 所得1,000万円超は50m2(平米)以上が必要
    4. 適用期間は2026年1月〜2030年12月
  2. なぜ今、単身・DINKSに40m2(平米)台が選ばれている?
    1. 新築価格高騰で「面積を削り立地を買う」動きが広がる
    2. 世帯人数減少(平均2.2人前後)が需要を後押しする
    3. 共働き・パワーカップルは「時間対効果」を重視する
  3. 【FP監修】「小さく駅近を買う」戦略は本当に得か?
    1. 40m2(平米)×駅近と60m2(平米)×郊外で減税額・返済額・通勤時間を比較する
    2. 適用条件を1つ外すと減税ゼロになる
    3. パワーカップルはペアローンで40m2(平米)要件をクリアできる
    4. 管理費・修繕積立金のm2(平米)単価割高に注意する
  4. 新築コンパクトマンションで資産性を落とさない物件選びの視点
    1. 資産価値が落ちにくいエリア・駅要件
    2. 総戸数・賃貸比率のチェックポイント
    3. 専有面積以上に住み心地を左右する間取り・収納率
  5. 将来の住み替え・賃貸転用まで見据えた出口戦略
    1. 結婚・出産など、住み替えの目安を知る
    2. 賃貸に出す場合の利回りと需要を確認する
    3. 売却時にかかる税金と3,000万円控除を押さえる
  6. 新築コンパクトマンションに関するよくある質問
  7. 40m2(平米)台新築は「減税」より資産性で選ぼう

 

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税制改正で注目が高まる40㎡台の新築マンション。通勤時間を短縮し、資産性も重視したい単身者・DINKSにぴったりな新築物件をチェックしてみましょう。

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住宅価格も住宅ローン金利も上がっている今、「都心の駅近に住みたいが、予算が追いつかない」といった悩みを抱える単身者やDINKS世帯(子どものいない共働き夫婦)は少なくないでしょう。

 

2026年の税制改正では、住宅ローン減税を受けられる床面積の要件が「50m2以上」から「40m2以上」に緩和されました。広さを抑えて立地を取る選択が、減税の面でも現実的になったのです。一方で、40m2台には、コンパクトならではの注意点もあります。たとえば、広告と登記簿では面積の測り方が異なるため、広告上は40m2台でも減税の対象から外れるケースや、管理費・修繕積立金が割高になりやすい点が挙げられます。

 

この記事では、改正の内容と適用条件を整理したうえで、都心の駅近にある40m2台の物件と郊外の60m2台の物件を、減税額・返済額に加えて通勤時間の価値でも比べます。さらに、将来の売却や賃貸まで見据えた資産性を落とさない物件選びのポイントを、マンションを所有する筆者の実例も交えてFP視点で解説します。「小さく駅近を買う」戦略が自分に合っているかを判断する材料として、ぜひ参考にしてみてください。

床面積要件の緩和と聞いても、どんな物件が減税の対象になるのか、すぐにイメージしにくいのではないでしょうか。まずは、今回の改正のポイントを確認します。

住宅ローン減税とは、住宅ローンを利用してマイホームを購入した人の所得税・住民税が、一定期間軽減される制度のことです。2026(令和8)年1月1日から2030(令和12)年12月31日までに入居した住宅について、床面積要件が「40㎡以上」に緩和されました(※1/ただし合計所得金額1,000万円以下などの要件あり)。

 

固定資産税の減額措置(※2)と不動産取得税の軽減措置(※3)も、2026年4月1日以降の新築・取得分から、同様に40m2以上へ緩和されています。住宅取得に関わる主要な税制が、そろって40m2台を対象に含めた形です。

 

※1 出典:国土交通省「住宅ローン減税」

※2 出典:国土交通省「令和8年度税制改正概要」

※3 出典:千葉県「不動産取得税の軽減」

40m2要件を確認するときに知っておきたいのが、同じ住戸でも、書類によって面積の表示が異なることです。不動産広告などに表示される専有面積は、壁の厚みの中心線で測った面積(壁芯)です。

 

一方、登記簿面積は壁の内側で測った面積(内法)なので、その分小さくなります。住宅ローン減税の判定に使われるのは、登記簿面積のほうです(※4)。

 

筆者が購入した中古マンションでも、重要事項説明書に次のように併記されていました。

面積の種類

記載されていた数値

専有面積(広告などの表示・壁芯)

73.16m2

登記簿面積(内法)

69.00m2

 

差は4.16m2で、広告などの専有面積の方が約6%大きい計算です。この比率で考えると、広告で「42m2」の物件は、登記簿面積では40m2を下回る可能性があります。

 

購入前には、重要事項説明書で登記簿面積を確認し、登記事項証明書の「専有部分の建物の表示」でも床面積を確かめておきましょう。新築で登記が済んでいない場合は、登記予定の面積を販売会社に確認しておくと安心です。

 

※4 出典:国税庁「No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」

 

床面積要件の緩和には例外があります。次のどちらかに当てはまる場合は、引き続き50m2以上の住宅であることが要件となります(※1)。

  • 合計所得金額が1,000万円を超える人
  • 子育て世帯・若者夫婦世帯への上乗せ措置を利用する人

合計所得金額とは、給与所得や事業所得などを合算した、所得税法上の所得の合計額のことです。給与収入のみの場合、年収およそ1,195万円がその目安です。年収850万円を超えると給与所得控除が一律195万円になるため、1,195万円-195万円=1,000万円となります(※5)。

 

なお、この基準は世帯で合算するのではなく、控除を受ける本人ごとに判定されます(※4)。共働き世帯では、ローンの組み方次第で40m2要件を使えるかどうかが変わります。詳しくは「パワーカップルはペアローンで40m2要件をクリアできる」で解説します。

 

上乗せ措置とは、子育て世帯や若者夫婦世帯(夫婦のいずれかが40歳未満の世帯)が一定の省エネ性能を持つ住宅を取得する場合に、借入限度額(控除額の計算対象となる住宅ローン残高の上限)を引き上げる措置のことです。40m2台を選ぶ場合、この上乗せ措置は使えないと考えておきましょう。

 

※1 出典:国土交通省「住宅ローン減税」

※4 出典:国税庁「No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」

※5 出典:国税庁「No.1410 給与所得控除」

今回緩和された床面積要件は、2026年1月1日から2030年12月31日までに入居した場合に適用されます(※1)。判定の基準になるのは契約日ではなく入居日なので、時間をかけて住まいを探す場合は、入居予定時期が期間内に収まるかを頭に入れておくとよいでしょう。

 

もうひとつ押さえておきたいのが、期間の途中で変わる省エネ性能の条件です。2028年以降に建築確認を受ける新築住宅は、省エネ基準に適合しているだけでは対象外となり、より高い省エネ性能が求められます(※1)。新築マンションを選ぶ際は、床面積と併せて物件の省エネ性能も確認しておきましょう。

 

※1 出典:国土交通省「:住宅ローン減税」

40m2台のコンパクトマンションが現実的な選択肢になりつつある背景には、今回の減税の緩和だけでなく、価格・世帯構成・働き方という3つの変化があります。

LIFULL HOME’S総研が2026年4月に発表した調査によると、首都圏で掲載された新築一戸建てのうち、敷地面積60m2未満の「狭小戸建」は、2020年の1,011戸から2025年には2,815戸へと2.8倍に増えました(※6)。

 

同調査では、東京23区で敷地面積100m2前後の一戸建ての平均価格が1億円を突破する一方、敷地面積60m2未満の狭小戸建は約半額の5,157万円にとどまることも示されています(※6)。

 

敷地を小さくすることで、立地をあきらめずに価格を抑えるといった選び方は、マンションで専有面積を抑えて駅近を選ぶ発想と共通しています。40m2台の新築コンパクトマンションも、この流れの延長線上にある選択肢のひとつです。

 

※6 出典:株式会社LIFULL「【2026年版】LIFULL HOME’S、首都圏『新築狭小戸建』調査」

 

総務省統計局が2026年5月に公表した2025(令和7)年国勢調査の速報によると、1世帯あたりの人員は2.15人で、2020年の2.26人から減少しました(※7)。1世帯に暮らす人数が2人程度であれば、3LDKや4LDKといった広い間取りは必ずしも必要ありません。

 

使わない部屋の分まで住宅ローンを負担するより、必要な広さを見極めて、その分の予算を立ちに回す。単身者やDINKS世帯にとって、40m2台はそうした選び方を実現しやすい広さといえます。

 

※7 出典:総務省統計局「令和7年国勢調査 人口速報集計結果 結果の概要」

 

夫婦2人で暮らす共働き世帯は、子育て世帯に比べて部屋数を必要としない分、住まい選びで広さより立地を優先しやすい立場にあります。間取りや床面積を抑えて通勤時間の短い駅近を選ぶ、費やした時間に対して得られる成果や満足度を重視する、いわゆる「時間対効果」の考え方です。

 

特に夫婦ともに高い収入を得ている共働き夫婦、いわゆるパワーカップルは、都心の住まいへの関心が高い層です。LIFULL HOME’Sの調査でも、東京23区の中古マンション市場で関心の高さが指摘されています(※8)。

 

では、通勤時間の短さには、床面積の広さと比べてどれほどの価値があるのでしょうか。次の章で、具体的な数字をもとに比較していきます。

 

※8 出典:株式会社LIFULL「LIFULL HOME’Sマーケットレポート(2026年1〜3月版)」

 

駅近のコンパクトな住まいに惹かれていても、「広さを削って後悔しないか」と気になる方もいるのではないでしょうか。ここでは、郊外の広い物件と比べながら、減税額・返済額・通勤時間の3つの軸で確かめたうえで、40m2台を選ぶ際に見落としやすい注意点も確認していきます。

都心の駅近にある40m2台の新築マンション(6,000万円)と、郊外の60m2台(5,000万円)を比べてみましょう。物件価格や通勤時間は、比較のために仮定した数値です。

 

【前提条件】頭金なし、金利年1.0%、35年元利均等返済(毎月の返済額が一定になる返済方式のことです)、上乗せ措置は利用しない、年間出勤日数240日

比較項目

ケースA(40m2・駅近)

ケースB(60m2・郊外)

借入額

6,000万円

5,000万円

毎月の返済額

約16万9,000円

約14万1,000円

1年目の控除額

同額

同額

通勤時間(片道)

20分

50分

年間の通勤時間(往復)

160時間

400時間

毎月の返済額はケースAが約2万8,000円高くなりますが、1年目の控除額は同じです。住宅ローン減税で控除の対象になるのは、借入限度額(新築で最大4,500万〜5,000万円)までの残高です。今回はどちらのケースも借入額が上限を超えているため、1年目の控除額に差は出ません(※9)。

 

差が大きいのは通勤時間で、年間240時間の違いがあります。これを時給に換算すると、次のとおりです。

  • 時給の目安=年収÷年間労働時間
  • 通勤時間の価値=時給×年間の通勤時間の差

年収800万円・年間労働時間2,000時間なら時給4,000円、240時間分で年間96万円、月8万円になります。共働きで夫婦ともに通勤する場合は、2人それぞれの時給で計算して合計した金額が、世帯にとっての時間の価値です。この金額を、返済額の増加分(年間約34万円)と比べてみてください。

 

もっとも、実際の差は出社の頻度や通勤の仕方によって変わります。自分の働き方に当てはめて、判断材料のひとつにしてみてください。

 

自分に最適な返済計画や予算を知りたい方は、プロに試算してもらうのもおすすめです。

 

※9 出典:国土交通省「住宅を新築したとき・建築後使用されたことのない住宅(分譲住宅、建売住宅)を取得したとき」

 

月々の返済額を調べる 家計から住宅購入予算を試算する

住宅ローン減税は、新築の場合、最大13年間にわたって控除を受けられる制度です(※9)。その分、床面積や所得など、確認しておきたい条件もいくつかあります。

 

40m2台の物件で特に確認したいのは、次の2点です。

  • 登記簿面積が40m2以上あるか
  • その年の合計所得金額が1,000万円以下か

所得の条件は、購入時だけでなく、毎年判定されます。40m2台の物件では、昇進や転職で合計所得金額が1,000万円を超えた年は、その年の控除を受けられません(※4)。ただし、翌年以降に1,000万円以下に戻れば、再び控除の対象になります。将来の収入の見通しも含めて検討しておくと安心です。

 

※4 出典:国税庁「No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」

※9 出典:国土交通省「住宅を新築したとき・建築後使用されたことのない住宅(分譲住宅、建売住宅)を取得したとき」

 

共働き夫婦の場合、ローンの組み方によって、使える面積要件が変わることがあります。

 

合計所得金額1,000万円の判定は、世帯ではなく、ローンを契約して控除を受ける本人ごとに行われます(※4)。たとえば、所得が1,000万円を超える人の単独名義で借りると、40m2台の住宅では減税を受けられません。

 

一方、夫婦それぞれが住宅ローンを契約する「ペアローン」なら、2人の収入を合わせて借り入れつつ、判定は1人ずつ行われます。夫婦それぞれの所得が1,000万円以下であれば、世帯年収が1,000万円を超えていても、40m2台で減税を受けられる可能性があります。

 

ただし、ペアローンには注意点もあります。

  • 契約が2本になるため、事務手数料や印紙代、登記費用などの諸費用が多くかかる
  • 団体信用生命保険(団信)も別々の契約になる

団信とは、契約者が亡くなるなどした場合に、保険金でローンの残りが返済される保険のことです。ペアローンでは、片方に万一のことがあっても返済が免除されるのはその人の分だけで、もう片方のローンは残ります。メリットと注意点の両方を踏まえて検討しましょう。

 

※4 出典:国税庁「No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」

 

40m2台は面積が小さい分、管理費・修繕積立金の月額も比較的安くなります。ただ、金額だけで判断すると見落としやすいポイントが2つあります。

 

1つ目は、月額が安くても、広さあたりで見ると割安とは限らないことです。管理人の人件費やエレベーターの保守費用などは建物全体にかかるため、総戸数が少ない小規模なマンションほど、1戸あたりの負担が重くなりがちです。

 

国土交通省のガイドラインでも、延床面積5,000m2未満の小規模なマンションは、それより規模の大きいマンションと比べて、修繕積立金のm2単価(1m2あたりの金額のことです)の目安が高くなっています(※10)。物件を比べる際は、月額ではなく、専有面積で割ったm2単価で見比べてみてください。

 

2つ目は、購入後に金額が上がる可能性があることです。特に修繕積立金は、新しいマンションほど当初を低めに設定して、段階的に引き上げる計画が多い傾向にあります(※11)。筆者が所有するマンションでも、購入時と十数年がたった現在とでは、次のように変わりました。

項目

購入時

現在

管理費

1万6,500円

1万4,300円

修繕積立金

1万2,310円

2万1,093円

合計

2万8,810円

3万5,393円

修繕積立金は約1.7倍に増え、管理費が下がった分を差し引いても、月6,583円の負担増です。

 

購入前には、長期修繕計画(将来必要になる修繕工事の時期や費用と、修繕積立金の額をまとめた計画のことです)で、修繕積立金が将来いくらまで上がる予定かを確認しておきましょう。管理費・修繕積立金は住宅ローンを完済したあとも払い続ける費用なので、毎月の返済額と併せて、長い目で家計への影響を見ておくと安心です。

 

※10 出典:国土交通省「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」(令和6年6月改定)

※11 出典:神戸市「マンション管理に関する情報」

40m2台のコンパクトマンションは、ファミリータイプに比べて、将来売却したり賃貸に出したりする可能性が高い住まいといえます。だからこそ、購入時点から資産性を意識しておくことが大切です。

コンパクトマンションの主な需要層である単身者やDINKS世帯は、通勤やアクセスの利便性を重視する傾向があります。そのため、駅近・都心のエリアであれば、将来売却したり賃貸に出したりするときも、次の買い手や借り手が見つかりやすいといえます。物件を選ぶ際は、自分にとっての住みやすさだけでなく、「次に買う人や借りる人にとっても魅力的なエリアか」という視点を持っておくと、資産性の判断がしやすくなります。

 

利便性の高い都心エリアや駅近の物件をお探しなら、条件を指定して検索してみましょう。

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総戸数と賃貸比率は、そのマンションの管理が将来もきちんと機能するかを見るための目安になります。管理状態の良し悪しは、売却するときの評価に直結するためです。

 

総戸数が多いマンションは、修繕にかかる費用を多くの住戸で分担できるため、計画どおりに修繕を進めやすくなります。管理費・修繕積立金の項目でも触れたように、小規模なマンションほど修繕積立金のm2単価が高くなりやすく、1戸あたりの負担も重くなりがちです(※10)。

 

賃貸比率とは、住戸のうち所有者が住まずに賃貸に出している割合のことです。住んでいない所有者が多いほど管理への関心が薄れやすく、修繕積立金の値上げや大規模修繕の判断が先送りされて、管理状態が悪化しやすくなります。

 

新築の場合、購入時点で賃貸比率は分かりません。ただ、入居後に住み替えや転勤で賃貸に出す所有者が増えることもあります。購入時には総戸数と管理体制を確認し、入居後も修繕の実施状況などに目を向けておくと安心です。

 

※10 出典:国土交通省「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」(令和6年6月改定)

 

面積が限られるコンパクトマンションでは、1m2の使い方が暮らしやすさを分けます。同じ40m2台でも、廊下の長さやリビングの形によって、実際に使える空間の広さは変わります。廊下が短く、リビングが家具を置きやすい形になっている間取りなら、数字以上のゆとりを感じられるでしょう。

 

収納の量も見逃せません。専有面積に占める収納スペースの割合を示す「収納率」が低いと、部屋に収納家具を置くことになり、限られた広さがさらに狭く感じられます。クローゼットや玄関収納の大きさも確認しておきましょう。

 

また、水回りの配置や窓の向きによっても、使い勝手は変わります。可能であればモデルルームや現地を見学し、自分の家具を置いた状態をイメージしてみることをおすすめします。

単身で買った住まいも、夫婦2人で選んだ住まいも、暮らし方や働き方が変われば見直すときが来るかもしれません。購入の時点で「いずれ売るのか、貸すのか」まで考えておくと、いざというときに慌てずに済みます。

国土交通省の2023(令和5年)住生活総合調査によると、64歳以下の単身世帯が住み替えた理由で上位に入っているのが、結婚などを含む「世帯からの独立」です。子どものいる世帯では、「子どもの誕生・成長・進学」も上位です(※12)。単身で40m2台を購入した場合も、結婚や出産が住み替えを考えるきっかけになりやすいでしょう。

 

ただし、結婚や出産を迎えても、すぐに住み替える必要があるとは限りません。夫婦2人であれば40m2台に住み続ける選択もあり、子どもが小さいうちは手狭に感じないこともあります。大切なのは、購入時点で何年住むかを決めきることではなく、住み替えが必要になったときに動けるだけの資産性を確保しておくことです。

 

※12 出典:国土交通省「令和5年住生活総合調査(確報集計)結果のポイント」

 

住み替えの際は、売却せずに賃貸に出すという選択肢もあります。その場合、まず確認したいのが借り手が見つかるかどうかです。資産価値の落ちにくいエリアの項目でも触れたように、駅近・都心の40m2台は単身者やDINKS世帯からの需要を見込みやすいため、賃貸に出す場合にも強みになります。

 

次に、家賃収入で住宅ローンの返済をまかなえるかも確認しておきましょう。その目安になるのが「表面利回り」で、年間の家賃収入を物件価格で割った割合を指します。

 

たとえば6,000万円の物件を月20万円で貸す場合、年間の家賃収入は240万円なので、表面利回りは4.0%になります。ただし、実際には家賃から管理費・修繕積立金・固定資産税などを支払うため、手元に残る金額はこれより少なくなります。

 

なお、住宅ローンは本人が住むための融資です。賃貸に出す際は、事前に借入先へ相談しておきましょう。また、賃貸に出している間は住宅ローン減税を受けられない点も、頭に入れておくと安心です(※4)。

 

※4 出典:国税庁「No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」

 

マンションを売却して利益が出た場合、その利益(譲渡所得)には所得税・住民税がかかります。ただし、自分が住んでいた住宅を売る場合は、「3,000万円の特別控除の特例」により、譲渡所得から最高3,000万円を差し引けます(※13)。利益が3,000万円以内に収まれば、税金はかからない計算です。

 

なお、住まなくなってから一定の期間が過ぎると、この特例は使えなくなります。賃貸に出したあとで売却を考える場合は、売るタイミングに注意しましょう(※13)。

 

もうひとつ押さえておきたいのが、この特例と住宅ローン減税は併用できない点です。住み替えで旧居を売って3,000万円控除を使うと、新居では原則として住宅ローン減税を受けられません(※13)。住み替えの際は、どちらを使うほうが有利かを比べて選ぶことになります。

 

売却を具体的に検討したい場合は、信頼できる不動産会社への相談がスムーズです。

※13 出典:国税庁「No.3302 マイホームを売ったときの特例」

 

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ここでは、新築コンパクトマンションに関するよくある質問について解説します。

 

Q1. 40m2(平米)未満の物件は今回の改正でも減税対象になりませんか?

A1.対象になりません。今回の改正で緩和されたのは「40m2以上」までで、40m2未満の住宅は引き続き対象外です。また、40m2の判定は登記簿面積で行われます。広告表示が40m2台前半の物件でも、登記簿面積では40m2を下回ることがあるため、購入前に確認しておきましょう。

 

Q2. 単身者とDINKSで減税適用の条件に違いはありますか?

A2.床面積や所得などの基本的な要件は、単身者もDINKSも同じです。ただし、合計所得金額は1人ずつ判定されるため、共働き夫婦はローンの組み方によって、40m2台で減税を受けられるかどうかが変わります。

 

また、夫婦のどちらかが40歳未満なら、借入限度額の上乗せ措置を使える場合があります。ただし、対象は50m2以上の住宅です。40m2台と50m2以上の物件で迷っている場合は、この違いも比較材料にしてみてください。

 

Q3. 40m2(平米)台のコンパクトマンションは将来売りにくくなりませんか?

A3.コンパクトな広さでも、将来売りやすい物件はあります。カギになるのは、立地と管理状態です。主な需要層である単身者やDINKS世帯は、通勤の利便性を重視する傾向があるため、駅近で都心へのアクセスがよい物件は、将来も買い手や借り手が見つかりやすいといえます。併せて、長期修繕計画や管理体制など、管理状態も確認しておきましょう。

2026年の税制改正で、40m2台の新築マンションも、一定の条件のもとで住宅ローン減税などの対象になりました。単身者やDINKS世帯にとって、都心の駅近を選べる可能性が広がったといえます。

 

ただ、物件選びで優先したいのは、その物件が長く価値を保てるかどうかです。購入を検討する際は、次のポイントを確認しておきましょう。

  • 将来売却したり賃貸に出したりするときに、買い手や借り手が見つかりやすい立地か
  • 管理費・修繕積立金のm2単価が割高になっていないか
  • 登記簿面積が40m2以上あるか
  • 所得の判定を踏まえたローンの組み方になっているか

減税は、判断の軸というより、購入を後押ししてくれる存在として捉えるのがおすすめです。資産性の高い物件を選び、その結果として減税も受けられる。そうした順序で考えることが、40m2台で後悔しない住まい選びにつながります。

 

理想の新築コンパクトマンション探しを始めましょう

減税制度をかしこく活用しながら、将来の資産価値も期待できる都心・駅近の新築マンション。最新の物件情報やシングル・DINKS向け特集から、あなたにぴったりの住まいを見つけてみてください。

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