40m2台の中古マンションも住宅ローン減税の対象に
2026(令和8)年以降、既存住宅にも床面積40m2以上への要件緩和が広がりました。ただし、40m2以上50m2未満の住宅では、合計所得金額1,000万円以下などの条件があります。広告の面積だけでなく、登記簿上の床面積を確認することが重要です。
詳しくは、2026(令和8)年から40m2(平米)以上の中古マンションも住宅ローン減税の対象にをご覧ください。
住宅ローン減税の適用条件と必要書類を確認
中古マンションの住宅ローン減税では、所得、返済期間、入居時期、耐震性などの要件を確認します。住宅性能によって借り入れ限度額と控除期間も異なるため、確定申告に使用できる証明書を購入前に確認しておきましょう。
詳しくは、40m2(平米)台で住宅ローン減税を受けるための適用条件をご覧ください。
駅近コンパクトマンションは減税以外の資産性も重視
駅近のコンパクトマンションを選ぶ際は、減税の有無だけでなく、間取り、管理状態、周辺の取り引き価格、将来の売却や賃貸のしやすさも確認します。減税を受けない場合でも返済できる予算を基準に比較することが大切です。
詳しくは、駅近コンパクトマンションの資産性を左右する4つの条件をご覧ください。
  1. 2026(令和8)年から40m2(平米)以上の中古マンションも住宅ローン減税の対象に
    1. 2025(令和7)年までは中古住宅の床面積要件が原則50m2(平米)以上だった
    2. 駅近の1LDKを探す単身者・DINKSの選択肢が広がった
  2. 40m2(平米)台で住宅ローン減税を受けるための適用条件
    1. 床面積は登記簿上で40m2(平米)以上必要
    2. 合計所得金額が1,000万円以下であること
    3. 住宅ローンの返済期間が10年以上必要
    4. 取得後6ヶ月以内に入居し、主に自宅として使用する
    5. 中古住宅は一定の耐震要件を満たす必要がある
    6. 住宅ローン減税の条件と金融機関の融資条件は別
  3. 中古マンションの省エネ性能で借り入れ限度額と控除期間が変わる
    1. 認定住宅・ZEH水準省エネ住宅は控除期間が13年
    2. 40m2(平米)台では子育て世帯等への借り入れ限度額上乗せを利用できない
    3. その他の中古住宅は借り入れ限度額2,000万円・控除期間10年
    4. 省エネ性能は確定申告に使える証明書で確認する
  4. 駅近コンパクトマンションの資産性を左右する4つの条件
    1. 単身者とDINKSの両方が検討できる立地
    2. 40~50m2(平米)を無駄なく使える間取り
    3. 管理状態と修繕積立金
    4. 周辺の中古成約価格と賃貸需要
  5. 40m2(平米)台を買って後悔しないための将来設計
    1. 単身者は結婚・転勤時の出口を決めておく
    2. DINKSは出産後の住み替え時期を考える
    3. 住宅ローン減税以外の税制優遇は別に確認する
  6. 【FP・AFP監修】減税を含めた資金計画を立てる
    1. 住宅ローン減税を受けなくても返済できる予算にする
    2. 年末残高×0.7%を必ず全額控除できるわけではない
    3. 単身者とDINKSのモデルケースで控除見込み額を計算する
    4. 減税対象物件との価格差を10年間の総負担で比較する
  7. 40m2(平米)台の住宅ローン減税に関するよくある質問
    1. Q1.広告に40m2(平米)と書かれていれば住宅ローン減税を受けられますか?
    2. Q2.会社員でも住宅ローン減税のために確定申告が必要ですか?
    3. Q3.年収が1,000万円を超えると40m2(平米)台は対象外ですか?
    4. Q4.独身でも40m2(平米)台の住宅ローン減税を利用できますか?
    5. Q5.DINKSでも若者夫婦世帯への上乗せを利用できますか?
    6. Q6.購入後に賃貸へ出しても住宅ローン減税は続きますか?
  8. 40m2(平米)台は減税・暮らし・出口の3点で選ぼう

都心の駅近で40m2台の中古コンパクトマンションを検討する単身者やDINKS(共働きで子どものいない夫婦)にとって、2026(令和8)年は物件選びの幅が広がる節目となりました。2026(令和8)年以降、一定の中古住宅は登記簿上の床面積が40m2以上であれば、住宅ローン減税の対象になり得ます。

 

ただし、40m2以上なら無条件で利用できるわけではなく、所得や入居時期、耐震性などの要件も確認が必要です。本記事では、減税の適用条件に加え、資産性や間取り、将来の売却まで見据えた資金計画の考え方を解説します。

中古マンションを探す 1LDKの中古マンションを探す

2026(令和8)年から、住宅ローン減税の対象となる中古住宅の幅が広がりました。住宅ローン減税とは、住宅ローンを利用して自宅を購入した場合に、一定の要件を満たすことで、所得税などの負担を軽減できる制度です。

 

2026(令和8)年度の税制改正では、この制度の適用期限が5年間延長され、2026(令和8)年1月1日から2030(令和12)年12月31日までに入居する住宅が対象となりました。あわせて、これまで新築住宅などに認められていた床面積40m2以上への緩和が、中古住宅にも広がっています。

 

そのため、これまで床面積が50m2に届かず住宅ローン減税を利用できなかった40m2台の中古マンションも、購入候補として検討しやすくなりました。

 

ただし、「40m2以上なら住宅ローン減税を受けられる」という意味ではありません。所得や住宅ローンの返済期間、入居時期など、ほかにも満たす必要がある条件があります。具体的な条件は次の章で確認していきます。

今回の改正で大きく変わったのが、中古住宅の床面積要件です。2025(令和7)年まで、中古住宅で住宅ローン減税を利用するには、床面積が原則50m2以上必要でした。2026(令和8)年以降は、この基準が原則40m2以上に緩和されています。

 

入居時期

中古住宅の床面積要件

2025(令和7)年まで

原則50m2以上

2026(令和8)~2030(令和12)年

原則40m2以上

※登記簿上の床面積が40m2以上50m2未満の場合は、住宅ローン減税を受ける年の合計所得金額が1,000万円以下であることが必要です。床面積が50m2以上の場合でも、原則として合計所得金額2,000万円以下などの要件があります。また、子育て世帯・若者夫婦世帯への借り入れ限度額の上乗せを利用する場合は、床面積50m2以上が必要です。

 

たとえば、登記簿上の床面積が45m2の中古マンションは、2025(令和7)年までの基準では床面積の要件を満たしませんでした。2026(令和8)年以降は、ほかの条件を満たせば住宅ローン減税の対象になる可能性があります。

 

今回の改正によって、40m2台の中古マンションも税制面を含めて比較しやすくなったといえます。

40m2台には、1LDKを中心に単身者やDINKSが暮らしやすい間取りもあります。今回の床面積要件の緩和によって、こうした中古マンションでも住宅ローン減税を利用できる可能性が広がりました。

 

特に、広さよりも駅からの近さや通勤のしやすさを重視する場合、50m2以上に絞って探す必要がなくなるため、物件を比較する際の選択肢が増えます。ただし、住宅ローン減税の対象になる物件だからといって、その物件の価格が割安だったり、将来高く売れたりするとは限りません。

 

40m2台の中古マンションを選ぶときは、減税を利用できるかだけでなく、立地や間取り、管理状態、将来の売りやすさなども分けて確認することが大切です。

一人暮らしにぴったりな中古マンションを探す 駅まで徒歩5分の便利な中古マンションを探す

40m2台の中古マンションが住宅ローン減税の対象になったとはいえ、床面積だけで利用できるかどうかは決まりません。所得や住宅ローンの返済期間、入居時期、住宅の耐震性など、いくつかの要件を満たす必要があります。

 

特に40m2台では、広告に記載された面積と税制上の判定に使われる面積が異なる場合があります。購入を決める前に、物件と購入者の両方が条件を満たしているか確認しておくことが重要です。国土交通省は、2026(令和8)年以降の住宅ローン減税について、床面積や所得、入居、返済期間などの要件を示しています。

住宅ローン減税の床面積は、物件広告に記載された面積ではなく、登記簿上の面積で判定します。

 

マンションの広告やパンフレットでは、一般的に「壁芯面積」が使われます。壁芯面積とは、壁や柱の厚みの中心を基準に測った面積です。一方、マンションの登記では、壁の内側を基準に測る「内法面積」が使われます。そのため、登記簿上の面積は広告に表示された面積より狭くなるのが一般的です。

 

たとえば、広告で40m2台前半と表示されていても、登記簿上では40m2未満となる可能性があります。40m2の基準に近い物件では、広告だけで判断せず、契約前に登記事項証明書の床面積を確認しておきましょう。

登記簿上の床面積が40m2以上50m2未満の場合、住宅ローン減税を受ける年の合計所得金額が1,000万円以下であることが条件です。2026(令和8)年以降も、合計所得金額が1,000万円を超える人は50m2以上の床面積が必要とされています。

 

ここで注意したいのは、「年収」と「合計所得金額」は同じではない点です。合計所得金額とは、給与や事業、不動産などから生じた税法上の所得を基に計算する金額を指します。そのため、給与以外に副業や不動産から所得がある場合は、それらが判定に影響することがあります。

 

また、1,000万円以下かどうかは購入した年だけでなく、住宅ローン減税を受ける各年で判定します。購入時に条件を満たしていても、その後の所得が増えた年には控除を受けられない可能性があります。

住宅ローン減税を利用するには、金融機関などから対象となる住宅ローンを借り、10年以上にわたって分割返済することが必要です。国税庁によると、この10年は借入日からではなく、最初の返済から最後の返済までの期間で判定されます。

 

そのため、住宅を現金で購入した場合は住宅ローン減税を利用できません。また、ローンを利用していても、返済期間が10年未満であれば対象外です。

住宅ローン減税は、自分が暮らすための住宅を対象とした制度です。中古住宅を取得した場合は、原則として取得後6ヶ月以内に入居し、控除を受ける年の12月31日まで引き続き居住する必要があります。

 

投資用マンションや、普段は住まないセカンドハウスとして購入した住宅は対象になりません。また、店舗や事務所を兼ねる住宅では、床面積の2分の1以上を自宅として使用することが必要です。

中古住宅では、建物の耐震性も確認が必要です。

 

原則として、1982(昭和57)年1月1日以後に建築された住宅であれば、住宅ローン減税の耐震要件を満たします。それより前に建築された住宅でも、一定の耐震基準に適合していることを証明できれば対象となる場合があります。国土交通省は、耐震基準適合証明書や建設住宅性能評価書などによって耐震性を確認する方法を示しています。

 

そのため、築年数だけを見て対象かどうかを決めるのではなく、1981(昭和56)年12月31日以前に建築された中古マンションでは、耐震基準への適合を証明できる書類があるかを購入前に確認しましょう。

税制上は住宅ローン減税の対象となる中古マンションでも、希望する金額を必ず借りられるとは限りません。

 

監修者の実務経験上、住宅ローンの審査では、購入者の収入や返済状況に加え、物件の床面積や築年数などが確認される場合があります。具体的な融資条件は金融機関や商品によって異なるため、購入を申し込む前に確認しましょう。

2026(令和8)年に中古マンションへ入居する場合、住宅ローン減税の控除率は0.7%ですが、借り入れ限度額と控除期間は住宅の省エネ性能などによって異なります。借り入れ限度額とは、住宅ローン減税を計算するときに対象にできる年末のローン残高の上限です。

認定住宅とは、認定長期優良住宅や認定低炭素住宅を指します。ZEH(ゼッチ)とは、Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の略称です。住宅ローン減税におけるZEH水準省エネ住宅は、断熱等性能等級5以上かつ一次エネルギー消費量等級6以上の性能を備え、その性能が証明された住宅を指します。

 

2026(令和8)年に入居する中古住宅の借り入れ限度額などは、次のとおりです。

中古住宅の区分

通常の借り入れ限度額

子育て世帯・若者夫婦世帯※

控除率

控除期間

認定住宅

3,500万円

4,500万円

0.7%

13年

ZEH水準省エネ住宅

3,500万円

4,500万円

0.7%

13年

省エネ基準適合住宅

2,000万円

3,000万円

0.7%

13年

その他の中古住宅

2,000万円

上乗せなし

0.7%

10年

※借り入れ限度額の上乗せを利用するには、登記簿上の床面積が50m2以上必要です。40m2以上50m2未満では利用できません。

DINKSでも夫婦の年齢によっては特例対象個人に該当します。ただし、登記簿上の床面積が40m2以上50m2未満の場合、借り入れ限度額の上乗せは利用できません。

 

たとえば、入居年の12月31日時点で夫婦のいずれかが40歳未満である夫婦が、登記簿上の床面積45m2のZEH水準省エネ住宅を購入しても、4,500万円ではなく3,500万円が借り入れ限度額となります。住宅ローン減税そのものの床面積要件と、上乗せを受けるための床面積要件は分けて考える必要があります。

認定住宅やZEH水準省エネ住宅などに該当しない中古住宅でも、前章で紹介した要件を満たせば住宅ローン減税の対象になります。2026(令和8)年入居の場合、借り入れ限度額は2,000万円、控除期間は10年です。

 

たとえば、年末の住宅ローン残高が3,000万円あっても、2,000万円を超える部分は控除額の計算には使われません。そのため、「住宅ローン残高×0.7%」をそのまま控除できるとは限らない点に注意が必要です。

物件広告に「省エネ」「高断熱」などと書かれているだけでは、住宅ローン減税でどの住宅区分に該当するかは判断できません。

 

ZEH水準省エネ住宅では、住宅省エネルギー性能証明書または必要な等級が記載された建設住宅性能評価書の写しを使用します。省エネ基準適合住宅では、これらに加え、2025(令和7)年4月1日以降に建築確認を受けたことが分かる検査済み証の写しを使用できる場合があります。購入前に、該当する書類を用意できるか確認しましょう。

 

条件を満たす中古マンションを探してみる

住宅ローン減税の対象となる40㎡台をはじめ、お探しのエリアやご希望の条件に合う中古マンションをチェックしてみましょう。

中古マンションを探す

40m2台の中古マンションを選ぶときは、住宅ローン減税を利用できるかだけでなく、将来売却したり、状況によっては賃貸へ出したりする場面も考えておく必要があります。

 

マンションの資産性は、駅からの距離だけで決まるものではありません。立地、間取り、建物の管理状態、周辺で実際に取り引きされている価格などを併せて確認することが重要です。

駅近の物件を見るときは、「駅徒歩○分」という表示だけで判断せず、普段の生活のしやすさまで確認します。

 

たとえば、主要駅へ移動しやすいか、複数の路線を利用できるか、スーパーや飲食店、医療機関などが徒歩圏内にあるかといった点です。単身者だけでなくDINKSにとっても暮らしやすい立地であれば、将来売却する際に検討する人の幅を広げやすくなります。

 

通勤だけでなく、買い物や通院などの日常生活を車なしでどの程度まかなえるかまで見ておくと、実際の暮らしやすさを判断しやすくなります。

同じ40m2台でも、間取りによって実際に使える広さは大きく変わります。

 

確認したいのは、独立した寝室があるか、収納が十分か、在宅勤務のスペースを確保できるか、家具を無理なく配置できるかといった点です。廊下が長い、室内に大きな柱が出ているといった間取りでは、床面積の数字ほど広く感じられない場合があります。

 

単身者だけでなく2人でも暮らしやすい間取りであれば、将来売却するときの購入候補者を広げることにもつながります。面積だけでなく、実際にどのように使えるかを確認することが大切です。

中古マンションでは、専有部分の室内だけでなく、建物全体の管理状態も確認します。

 

特に見ておきたいのが、長期修繕計画、大規模修繕の実施履歴、修繕積立金の状況、滞納の有無、今後の修繕積立金の値上げ予定などです。長期修繕計画とは、外壁や屋上、給排水設備などをいつ、どの程度修繕するかを長期的にまとめた計画です。

 

国土交通省も、マンションを適切に維持していくには、長期修繕計画を作成し、必要な修繕積立金を確保することが重要だとしています。

 

また、管理費や修繕積立金は住宅ローンとは別に毎月負担します。金額が高ければ、それだけ購入後の住居費が増えるため、将来の購入希望者にとっても負担になります。安さだけでなく、必要な修繕に対応できる水準になっているかを見ることが重要です。

物件価格が妥当か確認するときは、現在売りに出されている価格だけでなく、周辺で実際にいくらで取り引きされたかも確認します。

 

国土交通省の「不動産情報ライブラリ」では、中古マンションなどの取り引き価格や成約価格を確認できます。 同じマンションの事例が少ない場合は、駅からの距離、築年数、床面積などが近い物件も比較すると判断材料になります。

 

将来賃貸へ出す可能性がある場合は、周辺の募集賃料だけでなく、どのような間取りが募集されているか、長期間募集が続いていないかなども確認します。

 

なお、賃料から計算した「想定利回り」だけで判断するのは避けたいところです。想定利回りとは、年間の想定賃料を物件価格で割って求める目安です。実際には管理費や修繕積立金などの支出もあるため、売却価格と賃貸のしやすさを分けて確認すると、将来の選択肢を考えやすくなります。

 

資産性の高い・管理状態の良い中古マンションを探す

将来の売却や賃貸も見据えて、建物管理が行き届いた安心感のある中古マンション物件を検索できます。

管理状態の良い中古マンションを探す

40m2台の中古マンションは、現在の暮らしに合っていても、結婚や転勤、出産などによって住み方が変わる可能性があります。購入時には「今住みやすいか」だけでなく、数年後にそのまま住み続けるのか、売却するのか、賃貸へ出すのかまで考えておくことが大切です。

単身で購入する場合は、結婚後に2人で暮らせる間取りか、住み替える場合に売却しやすいかを確認しておきます。転勤の可能性がある人は、将来賃貸へ出す選択肢も考えられますが、住宅ローンの契約内容によっては金融機関への相談や手続きが必要です。

 

また、住宅ローン減税は本人が主として住む住宅を対象としています。転勤などで本人や家族が住まなくなった場合、その期間は原則として控除を受けられません。一定の事情で再び居住した場合には、残っている控除期間について再適用を受けられる場合があります。

将来子どもを持つことを考えているDINKSは、現在2人で暮らせるかだけでなく、家族が増えた後の生活も想定しておきます。収納量や寝室数に加え、周辺の保育環境なども確認しておくと、住み続けられる期間を考えやすくなります。

 

数年後の住み替えを予定している場合は、住宅ローン減税だけで損得を判断しないことも重要です。購入時と売却時にはさまざまな費用が生じるため、減税による負担軽減よりも住み替えにかかる費用のほうが大きくなる可能性があります。何年住む予定なのかまで含めて購入時に考えておきましょう。

住宅を購入するときには、住宅ローン減税のほかにも、不動産取得税や登録免許税などに軽減措置が設けられています。ただし、それぞれ別の制度であり、床面積の基準や住宅に求められる条件が同じとは限りません。

 

そのため、「住宅ローン減税の対象になったから、ほかの税制優遇も利用できる」とは考えず、購入する物件ごとに確認する必要があります。40m2台は制度によって扱いが分かれる可能性があるため、利用を予定している優遇制度を購入前に整理しておくと判断しやすくなります。

住宅ローン減税を利用できる物件でも、減税額だけを見て購入予算を決めるのは避けたいところです。住宅購入後はローン返済だけでなく、管理費や修繕積立金、固定資産税なども継続してかかります。減税を受けられる金額と、無理なく負担できる住居費は分けて考えましょう。

まず、毎月無理なく負担できる住居費を考え、そこから住宅ローンの返済額を逆算します。マンションでは、ローン返済に加えて管理費や修繕積立金が必要で、毎年の固定資産税も考慮しなければなりません。

 

住宅ローン減税は、毎月のローン返済額そのものを安くする制度ではありません。一定の要件を満たした場合に、所得税などから税額を控除する仕組みです。そのため、「減税されるから月々これくらいまで返せる」と先に見込むのではなく、減税がなくても続けられる返済額を基準に購入予算を決めると、家計に余裕を持たせやすくなります。

住宅ローン減税の控除率は0.7%ですが、単純に「住宅ローンの年末残高×0.7%」が戻ってくるわけではありません。

 

まず、住宅の性能ごとに決められた借り入れ限度額までしか計算の対象になりません。さらに、計算された控除額より本人が納める所得税などが少なければ、計算上の金額をすべて控除できない場合があります。国税庁も、年末の住宅ローン残高などを基に控除額を計算するとしています。

 

つまり、「計算上の控除額」と「実際に税負担が軽くなる金額」は分けて考える必要があります。

たとえば、2026(令和8)年に40m2台の「その他の中古住宅」を購入したケースで考えてみます。同区分の借り入れ限度額は2,000万円、控除率は0.7%です。

 

以下は説明用のモデルケースです。取得対価は単身者3,500万円、DINKS4,000万円とし、補助金や住宅取得等資金の贈与はないものとします。

 

ケース

年末ローン残高

控除計算の対象額

0.7%で計算した額

実際に控除できる見込み額※

単身者・単独ローン

2,800万円

2,000万円

14万円

例:12万円

DINKS・ペアローン

夫婦各1,500万円

各1,500万円

各10万5,000円

例:夫10万5,000円・妻7万円

※単身者は持ち分100%、DINKSは夫婦各50%です。単身者の所得税額と住民税から控除できる金額の合計は12万円、夫は10万5,000円以上、妻は7万円と仮定します。実際の控除額は、所得税額、住民税から控除できる金額、借入額、取得対価、持ち分などによって異なります。

 

単身者の例では、ローン残高が2,800万円あっても、借り入れ限度額が2,000万円のため計算上の控除額は14万円です。

 

ペアローンとは、夫婦などがそれぞれ住宅ローンを契約する方法です。夫婦それぞれについて控除額を計算するため、2人でローンを組めば住宅ローン減税も単純に2倍になるわけではありません。それぞれの借入額や持ち分、税額を確認する必要があります。

住宅ローン減税の対象になるかどうかだけで物件を比較するのではなく、購入から売却までにかかる費用を含めて考えることが大切です。

 

10年間住んだ場合を想定するなら、主に次の項目を確認します。

  • 購入価格
  • 購入時の諸費用
  • 住宅ローンの利息
  • 管理費、修繕積立金
  • 固定資産税
  • 住宅ローン減税による負担軽減額
  • 売却時の諸費用
  • 10年後の想定売却価格

たとえば、住宅ローン減税を利用できる物件でも、購入価格が比較対象の物件より高ければ、減税分を考慮しても10年間の総負担が大きくなる場合があります。また、管理費や修繕積立金、将来の売却価格によっても結果は変わります。

 

そのため、「いくら減税を受けられるか」だけでなく、「購入してから売却するまでに、実質的にいくら負担するのか」まで比較して物件を選ぶことがポイントです。

40m2台の中古マンションを検討するときに、特に迷いやすいポイントを質問形式で整理します。

A1.必ず受けられるとは限りません。住宅ローン減税の床面積は、登記簿に記載された面積で判定します。マンションでは登記上の専有部分の面積を用いるため、広告に40m2以上と書かれていても、登記面積では40m2未満になる場合があります。購入前に登記事項証明書を確認しておきましょう。

A2.初めて住宅ローン減税を受ける年は、給与所得者でも原則として確定申告が必要です。2年目以降は、必要な書類を勤務先へ提出することで年末調整による適用を受けられます。

A3.判定するのは年収ではなく、税法上の「合計所得金額」です。床面積40m2以上50m2未満では、住宅ローン減税を受ける年の合計所得金額が1,000万円以下である必要があります。1,000万円を超えた年は、40m2台の住宅について控除を受けられません。

A4.独身であることを理由に対象外になる制度ではありません。床面積や所得、入居、住宅ローンの返済期間など、必要な要件を満たしていれば利用できます。

A5.夫婦のいずれかが40歳未満であれば、子どもがいないDINKSでも「若者夫婦世帯」に該当する可能性があります。ただし、借り入れ限度額の上乗せを受けるには床面積50m2以上が必要です。そのため、40m2以上50m2未満の物件では上乗せを利用できません。

A6.本人がその住宅に居住しなくなった場合、その期間は原則として住宅ローン減税を受けられません。転勤など一定の事情があり、再び居住した場合には、残っている控除期間について再適用を受けられるケースがあります。また、住宅ローンの契約上も取扱いが異なるため、賃貸へ出す前に借入先の金融機関へ確認が必要です。

2026(令和8)年以降は、一定の中古住宅も登記簿上の床面積が40m2以上であれば、住宅ローン減税の対象になりました。ただし、40m2以上50m2未満では合計所得金額1,000万円以下などの条件があり、住宅性能によって借り入れ限度額や控除期間も異なります。

 

40m2台の中古マンションを選ぶときは、減税額だけでなく、間取りや管理状態、将来の売却・賃貸のしやすさまで確認することが大切です。まずは減税がなくても無理なく返済できる予算を決め、その範囲で暮らしや将来設計に合う物件を比較していきましょう。

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