マイホームを購入する際は「今が買い時」かどうかが気になるものですが、買い時を住宅の価格変動のみで決めると判断を誤りやすくなります。

2026年の住宅市場は価格や金利が下がりにくい状況が続いており、待っていれば必ず有利な状況になるわけではありません。だからこそ、ライフプランから「自分たちの買い時」を考えることが大切です。

この記事では、2026年の市場動向を紹介するとともに、マイホームの「買い時」を判断するためのライフプランの視点について、住宅専門ファイナンシャルプランナーとして活躍する草野芳史さん監修のもと解説します。

 

2026年の住宅市場は、価格も金利も待てば必ず有利になるとは言い切れない状況です。現状を正しく理解したうえで、買い時かどうかを判断しなければなりません。

 

まずは、2026年の住宅市場や金利の動向、今後の展望について解説します。

 

2026年も建築資材価格や人件費など住宅価格を押し上げる要因が続いています。近年、住宅価格は上昇傾向にあります。

 

一般社団法人 日本建設業連合会は、2021年1月から2026年3月にかけて建設にかかるコストが平均28~32%上昇したと発表しています(※)。

 

建築資材の価格高騰や円安による輸入コストの増加に加え、人件費の上昇も住宅価格を押し上げる主な要因となっています。

 

地域や物件種別によって価格動向は異なりますが、今後も建築資材や人件費の高騰など住宅価格を押し上げる要因は続いており、待っていれば住宅価格が大きく下がるとは考えにくい状況です。

 

※出典 一般社団法人 日本建設業連合会「建設資材高騰・労務費の上昇等の現状[総括版](2026年5月)」

 

住宅ローン金利は、2026年以降も上昇圧力がかかる状況が続いています。

 

日本銀行は2026年9月に政策金利を1.25%程度へ引き上げました。こうした金融政策の正常化により、変動金利には以前より上昇圧力がかかっています。

 

また、固定金利は長期金利の動向などに影響されるため、今後も市場環境によって上下する可能性があります。ただし、金利の先行きを正確に予測することは困難です。

 

「もっと上がる前に急いで借りる」「下がるまで待つ」と金利予測だけで判断するのではなく、金利が上昇した場合でも返済を続けられるかを確認することが重要です。

 

国土交通省が公表している「令和8年都道府県地価調査」(※)によると、全国的には地価の上昇傾向が続いている一方、地域による差も見られます。

 

住宅地の1平米当たりの平均価格は東京圏が27万500円、大阪圏が16万1,200円など、地域によって価格水準に大きな差があります。

 

また、地価の変動を見ても、東京圏や大阪圏だけでなく、地方の主要都市や住宅需要の強い地域でも地価が上昇する一方で、横ばいや下落が続く地域もあります。

 

こうした背景には、人口の増減や転入状況、交通利便性、再開発、住宅需要など地域ごとの事情があります。

 

そのため、住宅価格や地価は「都市部か地方か」という単純な区分ではなく、需要が集まる地域とそうでない地域との二極化が見られると考えた方が実態に近いでしょう。

 

全国一律の買い時を探すのではなく、エリアごとの相場や家計負担を考慮して買い時を判断することが重要です。

 

※出典 国土交通省「令和8年都道府県地価調査」

 

専門家からのアドバイス

草野芳史
 
 

マイホームの「買い時」を、住宅価格や金利の予測だけで決めるのはおすすめしません。

 

価格が下がるのを待っている間に金利が上がることもあれば、その逆もあり、もっとも有利なタイミングを事前に見極めることは困難だからです。

 

大切なのは、これからの家族構成や仕事、暮らしの変化から考えることです。

 

結婚や子どもの誕生、入学・進学、転職、退職など、今後のライフイベントを整理し、これらの変化に対応できる住まいがどのようなものかを考えると、自分たちにとっての「買い時」も見えやすくなります。

 

 

マイホームを購入する際は、市場動向に振り回されずに「自分たちの買い時」を決めることが重要です。

 

「金利が上がる前に買うべきか」「住宅価格が下がるまで待つべきか」など、住宅ローンを組むときに湧く疑問はいくつかあります。

 

しかし、市場の波を読むのは簡単ではなく、家族で話し合っても正確なタイミングを見極めるのは難しいでしょう。

 

ライフプランをベースに考えることで、家族の暮らしに合った購入のタイミングを判断しやすくなります。

 

以下では、家族のライフプランを軸にした買い時の考え方と、無理なく返済を続けるための住宅ローン選びについて解説します。

 

ライフプランの視点でいえば、子どもの進学や家族構成の変化に合わせて考えると、マイホームの買い時が見えやすくなります。

 

教育費の負担が本格化する前や、引越しや転校の負担が少ない時期を選べば、家計と暮らしの両方を整えやすいからです。

 

たとえば、子どもが未就学児のうちに住宅を購入すれば、間取りや通学先を柔軟に選びやすく、進学前の住み替えも避けやすくなるでしょう。

 

一方、中学や高校、大学の進学時期と重なる場合、教育費のピークと住宅ローン返済がぶつかりやすいため、家計の負担が大きくなる可能性があります。

 

ただし、子どもが小さいから早く買うべきとは限りません。

 

出産・育休による収入減や今後の子どもの人数、働き方などがまだ固まっていない場合は、購入を少し待った方が適切な予算や住まい方を判断しやすいケースもあるからです。

 

ライフプラン全体を考慮し、マイホームの購入時期を判断しましょう。

 

完済年齢から逆算することで、住宅ローンの返済を開始すべきタイミングを判断しやすくなります。

 

多くの金融機関では、完済時の年齢の上限を80歳未満とするなど、商品ごとに申込時や完済時の年齢に上限があります。

 

返済開始の年齢が遅くなると、その分、返済期間が短くなるため、月々の負担が重くなる場合があります。

 

完済時の年齢上限が80歳で35年ローンを希望する場合、計算上は45歳までに住宅ローンの返済を始めるということになります。

 

ただし、「何歳まで借りられるか」だけで判断するのはおすすめできません。

 

退職による収入減や老後資金も考え、何歳まで、どの程度の返済を続けるのかをライフプラン上で確認することが大切です。

 

ライフプランを考慮して長期間安定した返済を続けたいのであれば、【フラット35】などの全期間固定金利型も有力な選択肢となります。

 

【フラット35】は、民間の金融機関と住宅金融支援機構が提供する最長35年の全期間固定金利ローンであり、借入時に完済までの金利と返済額が確定します。

 

そのため、将来の金利上昇に振り回されにくく、教育費や老後資金も含めた長期の家計設計を立てやすいのがメリットです。

 

専門家からのアドバイス

草野芳史
 
 

住宅ローンの審査に通ることと、安心して住宅を購入できることは同じではありません。

 

私が相談を受ける際には、現在の収入だけではなく、出産や育休、教育費、転職・退職、住宅の維持費、老後資金まで含めて家計を確認します。

 

そのうえで、金利が上がっても返済を続けられるのか、固定金利にして返済額を確定させた方が家計に合っているのかなどを検討します。

 

「借りられる時」ではなく、将来まで無理なく暮らせる見通しが立ったときが、その家族にとっての本当の「買い時」といえるでしょう。

 

 

マイホーム購入において「今が買い時」かどうかは、市場動向だけでなく、家族のライフプランと返済計画で判断することが大切です。

 

2026年以降も住宅価格や金利の先行きは読みづらく、待てば必ず有利な状況が訪れるとは限りません。

 

また、子どもの進学や家族構成の変化、完済時の年齢、将来の働き方などによって住宅を買うべきタイミングは変わるため、買い時は人それぞれです。

 

相場に振り回されるのではなく、無理なく返済できる予算か、今後の暮らしに合った住まいかを確認したうえで、購入時期や住宅ローンを判断しましょう。

 

金利の高低だけでなく、将来の金利上昇リスクとライフプランを踏まえて、住宅ローンの金利タイプや返済方法も含めて検討すれば、自分たちが納得できる買い時を見つけやすくなります。

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