
平屋は暮らしやすい住まいとして人気がありますが、売却時は2階建て住宅と異なる視点で評価されやすい特徴があります。築年数や立地、土地の広さによって価格相場や売れやすさに差が出るほか、再建築の可否が影響するケースもあります。
また、売却方法によって結果が変わりやすく、選択を誤ると想定より安く売却してしまう可能性も少なくありません。
この記事では、平屋の一般的な売却方法や価格相場、売却ターゲット、売却時にアピールできるメリットなどを解説します。少しでも高く・スムーズに売却するコツや、手取り額を増やすために知っておきたい控除制度も紹介しているので、売却前に確認しておきましょう。
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もくじ
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そもそも平屋とは?

平屋とは、1階建ての住宅のことで、昭和時代には多く建築されました。最大の特徴は階段が不要なため移動が楽で、高齢者や小さな子どもがいる家庭に安全で便利な点です。
構造がシンプルで建築コストやメンテナンスが比較的抑えられるメリットもあります。庭との一体感を楽しむことができ、家庭菜園やアウトドアアクティビティに最適です。
一方、隣家や道路からの視線が気になる場合があるため、プライバシーの確保には工夫が必要です。平屋の特徴を理解し、その魅力を活かすことで、平屋売却をスムーズに進めることができるでしょう。
平屋が売却において「人気がない」といわれる理由
平屋は一定の需要がある一方、エリアや物件条件によっては売却に時間がかかるケースもあります。いわゆる「人気がない」といわれる主な理由は、以下のとおりです。
- 部屋数が少なく、大家族向けではないから
- すべての居室が1階にあり、防犯面を気にする購入検討者がいるから
- 浸水想定区域では水害リスクを懸念されやすいから
- 周辺建物の影響で日当たりや風通しが左右されやすいから
- 広い土地が必要なため、総額が高くなることがあるから
ただし、上記は平屋全体に当てはまる話ではありません。たとえば、駅距離・土地の広さ・築年数・リフォーム状況・駐車場台数などの条件が良ければ、スムーズに売却できるケースも多くあります。
現在は高齢者世帯や子育て世帯、共働き世帯などから需要も見られるため、「平屋だから売れない」と決めつける必要はありません。正しい売却方法を選び、相場にあった価格設定を行うことが売却のポイントです。
平屋の一般的な売却方法

平屋の売却方法には、主に以下のようなものが挙げられます。どの方法が適しているかは、築年数や建物状態、土地の需要、売却までの期限によって異なります。物件ごとの差が出やすいため、相場だけでなく物件状況にあわせた売却方法を選びましょう。
- 現況のまま売却する
- リフォームをして売却する
- 建物を解体して売却する
- どうしても売れない場合は専門の買取業者に依頼する
現況のまま売却する
現況のまま売却する方法は、リフォームや解体をせず、そのまま不動産会社に依頼して買主を探す方法です。追加費用を抑えやすく、売却準備の手間も少ないため、まず検討しやすい方法といえます。
築浅の平屋や、定期的にメンテナンスされている住宅であれば、現況のままでも十分に売却できる可能性があります。中古住宅を購入して、自分好みにリフォームしたい購入希望者から需要があるケースも少なくありません。
一方、設備の老朽化や室内の傷みが目立つ場合は、内覧時の印象が悪くなることもあります。まずは不動産会社に査定を依頼し、現況売却でどの程度の価格相場が見込まれるか確認するとよいでしょう。
リフォームをして売却する
建物の状態が比較的良い平屋であれば、必要な部分だけリフォームして売却する方法も1つの選択肢です。特に、水回り設備・壁紙・床材・外壁など、見た目や使い勝手に直結する箇所を整えるだけで資産価値が向上する物件に向いています。
平屋は、高齢者世帯や子育て世帯からも注目されやすいので、すぐ住める状態に整っていると売却しやすくなるでしょう。築年数がやや古くても、清潔感や管理状態が伝わればプラス評価につながることもあります。
ただし、リフォーム費用をかけすぎても、その分を売却価格へ上乗せできるとは限りません。内容によっては費用回収が難しいケースもあるため、自己判断で進めず、不動産会社にどこまで直すべきかを相談したうえで進めることが大切です。
建物を解体して売却する
築年数が古く老朽化が進んでいる平屋は建物を解体し、更地として売却する方法もあります。特に、土地需要が高いエリアでは、古家付きより更地のほうが買主が見つかりやすい傾向があります。買主にとっては解体費用や手間がかからず、住宅新築や駐車場活用など自由に計画しやすい点がメリットです。
木造住宅の解体費用は建物規模や立地条件にもよりますが、一般的に30坪前後で120万円〜150万円程度が1つの目安です。アスベスト対応や重機搬入の難しさで増額することもあります。また、再建築不可物件の場合は更地にすると新築できなくなる可能性もあるため、注意が必要です。解体前に不動産会社へ相談し、土地としての売却相場や法的条件を確認しておきましょう。
どうしても売れない場合は専門の買取業者に依頼する
仲介で一定期間売り出しても反響が少ない場合や、早期売却を優先したい場合は、専門の買取業者へ売却する方法があります。買取は不動産会社が直接買主となるため、一般市場で探す必要がありません。
築古の平屋やリフォームが必要な物件でも、基本的には現況のまま売却が可能です。売却までの期間も比較的短く、条件がまとまれば数週間〜1ヶ月程度で進むこともあります。
一方、買取価格は仲介で個人へ売却する場合より2〜3割程度低くなることが一般的です。そのため、最初から買取を選ぶのではなく、まずは仲介で売却活動を行い、難しい場合の選択肢として検討することをおすすめします。
平屋の売却相場はいくら?他の物件と比べて低い?

平屋の売却相場は、立地・土地面積・築年数・建物状態によって大きく異なります。平屋のみを対象にした公的なデータは限られますが、大手ポータルサイトの中古平屋の掲載価格を確認すると、50万円〜300万円台の物件が多く、築古住宅が中心となっています。
一方、土地が広い物件や部屋数が多い物件では400万円以上となるケースも見られます。
| 物件条件 | 売却相場の目安 |
|---|---|
| 築40〜50年・土地150㎡未満 | 50万〜150万円 |
| 築40〜50年・土地150㎡以上 | 150万〜300万円 |
| 築40〜50年・建物80㎡以上 | 200万〜400万円 |
| 土地300㎡超・5DK以上 | 250万〜500万円 |
| 駅徒歩10分圏内 | 100万〜300万円 |
※関東の中古掲載価格ベース・目安
平屋は、2階建て住宅より価格が低いと一概にはいえません。建物面積だけを見ると小さい傾向にありますが、その分広い土地を必要とすることも多く、土地価格が高いエリアでは総額が高くなる場合もあります。築年数や立地条件によって差が出やすいため、他の物件種別と単純比較するのではなく、個別査定で判断しましょう。
平屋の主な売却ターゲット

平屋は売却しにくいといわれることもありますが、実際には一定の需要があります。特に、ライフスタイルや価値観にあう購入層へ訴求できれば、スムーズな売却につながる可能性があります。
- 古民家などの風情ある物件を探している人
- 高齢者や子どものいる家族
- 共働き世帯(パワーカップル)
古民家などの風情ある物件を探している人
古民家や風情ある物件を探している人は、平屋の有力な売却ターゲットです。平屋はその構造上、伝統的な日本家屋の特徴を多く持っているため、風情や趣を重視する購入者にとって理想的といえます。特に、古民家風の平屋は独特の落ち着いた雰囲気や、自然との調和を感じられる点が魅力です。
また、古民家風の平屋は、コワーキングスペースや高齢者グループホームとしても活用できます。用途の幅広さが購入意欲を高めることもあるでしょう。
高齢者や子どものいる家族
高齢者や子どものいる家族にとって、平屋は魅力的な住まいといえます。平屋はすべての生活空間が1階に集約されているため、階段の上り下りが不要です。そのため、体力の衰えた高齢者や小さな子どもにとって安全かつ快適に生活できます。
また、バリアフリー設計を取り入れやすいため、介護が必要な場合でも柔軟な対応が可能です。食事から入浴、就寝までの生活をワンフロアで見守ることができます。
共働き世帯(パワーカップル)
近年では、共働き世帯(パワーカップル)も平屋の売却ターゲットとなります。世帯収入にゆとりがあり、家事効率や住環境の質を重視する層にとって、平屋は魅力的な選択肢になりやすいためです。
たとえば、洗濯・掃除・料理などの家事動線が短く、上下階の移動がないため、忙しい日常でも効率的に生活しやすい特徴があります。在宅ワーク用の書斎スペースや駐車場2台分を確保できる土地付き平屋は、特に人気が出やすい傾向があります。立地やデザイン性が良い平屋であれば、若い世代にも十分需要が見込めるでしょう。
平屋の売却においてアピールできるメリット

ここでは、平屋の売却においてアピールできるメリットを紹介します。
- 家族間でコミュニケーションが取りやすい
- 家事動線がシンプルで使いやすい
- 火事や地震に強い
- 子育てや家事に適している
- 老後の生活に適している
家族間でコミュニケーションが取りやすい
平屋はすべての居室がワンフロアにまとまっているため、家族が自然に顔を合わせやすい住まいです。2階建てや3階建ての住宅では、玄関から上階に直接上がれるようになっていることも多く、家族が帰ってきてもコミュニケーションが取れません。
平屋のほとんどはリビングやダイニングが家の中心に配置され、子ども部屋や寝室から遠くないため、親が子どもの様子をすぐに確認できる安心感があります。家族間でのコミュニケーションを大切にしたいと考える人にピッタリです。
家事動線がシンプルで使いやすい
平屋は上下階の移動がないため、家事動線がシンプルになりやすい特徴があります。たとえば、キッチンや洗濯機、物干し場が近くに配置されている平屋では、料理や洗濯の合間に他の家事を並行して行えます。
また、掃除をする際も、階段を上り下りすることなく、掃除機や掃除道具を持ち運ぶことが可能です。
高齢者や身体に障害のある人にとっても、1階だけで生活が完結する平屋は非常に使い勝手が良いといえます。
火事や地震に強い
地震に強い住宅の設計として知られる「耐震住宅」や「免震住宅」では、構造自体を強化することが重視されますが、平屋はそもそも階数が少ないため、その点で有利です。また、火災など万一の際にも避難経路がシンプルで、屋外へ出やすい点も安心材料です。
ただし、実際の耐震性や安全性は築年数・構造・メンテナンス状況によって異なるため、耐震補強歴や点検履歴があれば売却時に伝えるとよいでしょう。
子育てや家事に適している
小さな子どもがいる家庭では、平屋の住みやすさが評価されやすい傾向があります。階段がないため転落リスクを抑えやすく、親の目が届きやすい環境をつくりやすいためです。また、料理をしながら子どもの様子を見る、洗濯しながら遊びを見守るなど、家事と育児を並行しやすい点もメリットです。売却時には、ファミリー層への訴求材料になりやすいでしょう。
老後の生活に適している
平屋は階段の上り下りがないため、高齢者や身体に障害のある人に最適です。また、2階建てや3階建ての住宅に比べるとバリアフリー設計を導入しやすく、車いすの使用や歩行補助具を必要とする人でも自由に移動しやすくなります。
すべての居住スペースが地面に近い平屋は、屋外にも出やすくなっています。そのため、ちょっとした散歩に出かけたり、庭でガーデニングを楽しめたりする点も魅力です。
平屋をより早く・高く売却するコツ
ここでは、平屋をより早く・高く売却するためのコツを紹介します。
- 余裕のあるスケジュールを立てる
- 自分でも価格相場を調べておく
- 査定は複数の不動産会社に依頼する
余裕のあるスケジュールを立てる
平屋を売却する際は、できるだけ余裕のあるスケジュールを立てることが大切です。時間的余裕を持つことで物件の魅力を最大限に引き出す準備ができ、適切な売却戦略を立てることができるからです。また、焦って売却しようとすると価格交渉で不利になりやすく、安く買い叩かれかねません。
一般的な売却では、査定依頼から売り出し開始までに数週間、そこから成約までに3ヶ月前後かかるとされています。特に平屋は、建物として売るのか、土地として売るのかで売却方法の判断も分かれやすいため、焦らず進められる余裕があるほど有利です。住み替えや相続で売却する場合も、早めに準備を始めておくと選択肢を広げやすくなります。
自分でも価格相場を調べておく
平屋を売却する前に、自分でも価格相場を調べておくことは重要です。不動産会社から提示された査定価格が妥当かどうかを判断しやすくなり、相場から大きく外れた価格設定を避けやすくなります。
価格相場は以下のようなサイトからチェックすることが可能です。
- レインズマーケットインフォメーション
- 不動産情報ライブラリ
- 不動産ポータルサイト
特に平屋は、建物の評価だけでなく土地の広さや使いやすさが価格に影響しやすいため、有利な条件で売却するためにも、周辺の相場を把握しておきましょう。
査定は複数の不動産会社に依頼する
平屋を少しでも早く・高く売却したいなら、査定は複数の不動産会社に依頼することが大切です。1社だけでは査定価格や販売戦略を比較できず、適正価格を見極めにくくなります。
不動産会社によって、平屋を建物付き住宅として見るか、土地としての価値が高い物件として見るかは異なるため、査定価格や提案内容に差が出ることも珍しくありません。価格の高さだけで決めるのではなく、査定価格の根拠や販売方法、担当者の対応まで比較しましょう。
なお、複数社へまとめて依頼するなら、一括査定の活用も有効です。ホームズの一括査定なら、全国4,900社以上(2026年4月時点)と提携しており、各社の強みや査定価格の根拠も比較しやすくなっています。
平屋売却で少しでも多く手取り額を残すなら?控除・特例制度が有効
平屋の売却では、売却価格だけでなく税金を差し引いた後にいくら残るかも重要です。特に、取得費が不明な古い平屋や相続した物件は譲渡所得税が発生しやすく、想定より手取り額が減るケースもあります。
少しでも多く手元に残したい場合は、控除や特例制度を確認しておきましょう。
| 控除・特例 | 概要 |
|---|---|
| 居住用財産の3,000万円特別控除 | マイホーム売却時の譲渡所得から最大3,000万円を控除できる制度 |
| 軽減税率の特例 | 所有期間10年超などの条件を満たすと、譲渡所得税率が軽減される制度 |
| 居住用財産の買換えの特例 | 一定条件で買換え時の課税を将来へ繰り延べできる制度 |
| 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例 | 相続した空き家を売却した際、一定条件で譲渡所得から最大3,000万円控除できる制度 |
どの制度も居住実態・所有期間・売却時期など細かな適用要件があります。使えると思っていた特例が使えないこともあるため、売却前に税理士や不動産会社へ相談すると安心です。
平屋売却は相場と方法の把握から!一括査定で少しでも高く売ろう
平屋は高齢者や子どものいる家族、共働き世帯など一定の需要があり、物件の特徴や売却方法によって十分に売却できる可能性があります。大切なのは、現況のまま売るのか、リフォームするのか、解体して土地として売るのかを見極め、自宅にあった方法を選ぶことです。
また、平屋は建物だけでなく土地条件も価格相場に大きく影響します。1社だけの査定で進めると、本来の価値より低い価格で売り出してしまうおそれもあります。納得のいく条件で売却するためには、複数社を比較しながら進めることが欠かせません。
ホームズの一括査定なら、全国4,900社以上(2026年4月時点)の不動産会社と提携しており、査定価格や各社の強みを比較しながら、自分にあった売却先を見つけやすくなっています。少しでも高く売りたい人は、まず相場確認から始めてみてください。
初回公開日:2024年7月18日