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遺産相続の手続きは自分でできる?難しいケースや相続登記の流れも解説

遺産相続に関する手続きを行う場合には、専門家にサポートを依頼するのが一般的です。しかし、「自分で手続きを行いたい」と考える人もいるでしょう。

  • 遺産相続の手続きを自分自身でやりたいと考えているが、やり方が分からない
  • そもそも自分だけで遺産相続の手続きをできるか不安

この記事では、遺産相続の手続きを自分で行う場合の流れや実際にかかる費用について解説をしていきます。

この記事で分かること

  • 遺産相続を自分でやるのに向いている人・向いていない人
  • 遺産の相続登記の手続きを自分で行うフロー
  • 遺産の相続登記にかかる費用
  • 遺産の相続手続きを自分で行う場合のリスク

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もくじ

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遺産相続の手続きを自分でしやすいケース

まず、遺産相続の手続きを自分でできると考えられるケースについて解説します。

  • スケジュールに余裕がある場合
  • 根気強く最後まで対応できる場合
  • 遺産が預貯金のみの場合
  • 相続人が少ない場合

自分が実際に当てはまるか、確認してみましょう。

スケジュールに余裕がある場合

スケジュールに余裕がある場合は、遺産相続の手続きが自分でやりやすいでしょう。

遺産相続を自分で進める場合、書類の入手など平日の方が実施しやすいタスクに対応する必要があります。なぜなら、市区町村の役所や法務局が対応するのは主に平日の日中であるからです。

代理人を通じての申請、郵送での取り寄せも可能ですが、自身で行う場合は、平日の日中に対応する必要があります。特に役所や法務局が遠い場合は、移動時間も考慮しておく必要があるでしょう。

また、銀行口座の名義変更を含む多くの金融手続きも、金融機関の窓口が開いている平日にしか行えません。相続手続きは多くの人にとって経験がないプロセスであり、適切な準備には相当な時間と労力が必要になります。

こうした事情を考慮すると、スケジュールにかなり余裕がないと自身での対応は、難しいでしょう。

根気強く最後まで対応できる場合

自分で遺産相続に関わる手続きを行う場合は、根気強く最後まで対応する必要があります。

相続手続きでは、以下のような知識が必要であり対応が困難になるケースもあります。

  • 遺産相続手続きの全体的な流れ
  • 必要な書類の取得方法・場所
  • 不動産の評価方法
  • 財産の種類
  • 利用可能な税制上の特例

上記をはじめ、多くの情報を把握しなければなりません。

また、銀行口座の名義変更や解約に必要な書類は銀行ごとに異なり、土地の評価に際しては路線価を調査するなど、各手続きの詳細を調査し、完了させる能力が求められます。

そのため、根気強く最後まで対応できない場合、途中で挫折するおそれもあります。こうしたタスクへの対応が難しい場合は専門家への相談も検討するべきでしょう。

遺産が預貯金のみの場合

遺産が預貯金のみの場合も、自分で遺産相続の手続きがしやすいといえます。相続税において財産の評価を行う際、一般的に時価が基準として用いられます。

そのため株式や不動産については評価額を算出する必要がありますが、故人が残した預貯金に関しては、そのまま財産評価額となります。故人が100万円を銀行に預けていた場合、その100万円が相続財産として評価されるわけです。

このため預貯金の評価は比較的簡単であり、複雑な計算を伴うことは少ないと言えます。しかし相続財産が土地や建物といった不動産、または株式などの金融資産の場合、評価は格段に複雑になります。

土地の評価には”路線価”や”公示価格”など、さまざまな価値指標を考慮する必要があります。建物の価値は耐用年数や立地、現状の市場価値によって変動し、一定の専門知識が必要です。株式の場合も、評価時点での株価などを踏まえて評価しなければなりません。

さらに故人が複数の賃貸物件を所有していた場合、相続手続きは複雑化します。賃貸物件の収益性や将来性を評価し、適切な相続税額を算出するには専門的な知識が不可欠です。

複数物件に対する相続登記の手続きについても、法的な手続きの理解が求められます。

相続財産の種類によって評価の難易度は大きく変わり、特に不動産や金融資産の場合、専門的な知識がなければ適切な評価が困難です。

そのため、一般の方がこれらすべてのプロセスを単独で行うことは現実的ではなく、相続に関する専門家のアドバイスや支援を受けることが望ましいでしょう。

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相続人が少ない場合

相続人が配偶者と子どものみ、または相続人が一人だけの場合、必要となる書類が少ないため、相続手続きを個人で完結しやすくなります。

相続登記には、すべての相続人の戸籍謄本が必要になりますが、相続人の数が少なければ、準備に要する手間も少なく済みます。

また遺言が存在しない状況で遺産分割協議が必要となったとしても、相続人が一人だけの場合は分割協議を行う相手がいないため、このプロセスは必要ありません。

手続きが簡略化されるため、相続人自身でも対応しやすいでしょう。

遺産相続の手続きを自分で進めるのが難しいケース

遺産相続の手続きを自分で進めるのが難しいと考えられるケースは、主に以下4つが挙げられます。

  • 遺産分割割合や方法が特殊になりそうな場合
  • 相続登記が間に合わない場合
  • 遠方の不動産を相続する場合
  • 相続人同士でトラブルや揉め事が発生している場合

遺産分割割合や方法が特殊になりそうな場合

遺産分割の割合や方法が特殊なケースの場合は、自分で手続きを進めることが困難になりがちです。

具体的には、以下のようなケースが考えられます。

  • 故人に認知された子どもがいる場合
  • 養子縁組や離縁があった場合
  • 故人が複数回の離婚と再婚を経て、異父母の兄弟がいる場合

上記のような状況では、戸籍謄本を正確に解釈することが法定相続人を正しく特定する上で不可欠です。不確かな解釈は法定相続人の間違いにつながるので注意が必要です。

複雑な相続状況は法定相続分の計算も困難であり、相続人間でのトラブルに発展する可能性が高まります。そのため、問題が発生する前に専門家に相談し、適切なアドバイスを得ることが望ましいと言えます。

相続登記が間に合わない場合

相続税の申告は、相続が発生した翌日から数えて10ヶ月以内に完了させる必要があります。

遺産相続は、専門的な知識を有する税理士でも簡単には処理できない複雑な手続きです。そのため、個人で相続を進める際には、関連する法律や手続きについて一定の知識を身につける必要があります。

もし、知識不足のまま申請すると、過剰な相続税の支払いが発生する可能性や、過小な申告した後に追加で税金を支払う必要が発生する可能性があります。

LIFULL HOME'Sが独自に実施したアンケートによると、不動産を相続してから売却が完了するまでに要した期間は、「6ヶ月~1年未満(27.5%)」が最多でした。

順位 相続してから売却完了までの期間 割合
1 6ヶ月~1年未満 27.5%
2 3ヶ月~6ヶ月未満 21.4%
3 3ヶ月未満 15.9%
4 2年以上 13.4%
5 1年~1年6ヶ月未満 11.9%
6 1年6ヶ月~2年未満 4.5%
- 分からない・覚えていない 5.5%

※参考:相続不動産の売却に関する意識調査レポートー「会社・担当者への信頼」「地元の詳しさ」が売却仲介のポイント

期限直前での申告作業は、資料の準備や書類収集でのミスが許されないため、専門家の力を借りることでリスクを軽減した方が望ましいと言えるでしょう。

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遠方の不動産を相続する場合

不動産が自宅から遠方に位置する場合、法務局での手続きが困難となります。相続登記は、不動産がある場所を管轄する法務局へ提出しなければなりません。

例えば、東京に住む人が北海道にある実家に関する相続登記を行う場合、提出先は東京ではなく北海道の法務局となります。

登記手続きはオンラインでも可能ですが、電子署名の設定など準備に手間や時間がかかるため、法務局へ直接訪問や郵送で対応するケースも多くあります。

専門家に依頼した場合、オンラインでの申請手続きに慣れていることが多く、どの地域の物件にも対応可能です。

法務局との連絡が必要になることが多いため、不動産が遠方にある場合は、手間を省くためにも専門家への依頼がおすすめと言えます。

相続人同士でトラブルや揉め事が発生している場合

相続人同士でトラブルや揉め事が発生している状況では、遺産分割協議が合意に至りにくくなります。そのため、弁護士の介入が必要になることがあります。

司法書士や行政書士は、当事者間の協議内容を文書化することは可能ですが、仲裁や一方の当事者を代表する役割は果たせません。

また、不動産の相続登記は、相続人同士で揉め事があり遺産分割協議が未成立であっても、法定相続分に基づいて適切に相続登記は行えてしまいます。

他の相続人が知らないうちに登記を勝手に進めると、新たなトラブルの火種となり得るので専門家無しで個人で登記を進める場合はリスクが高くなってしまいます。

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相続登記の手続きを自分で行う流れ

相続登記の手続きを自分で行う流れは、主に以下の4ステップです。

  • STEP1.相続財産を調査する
  • STEP2.遺産分割協議を実施して相続人を決定する
  • STEP3.必要書類を揃える
  • STEP4. 登記申請書を作成・申請する

STEP1.相続財産を調査する

相続登記の手続きは、対象となる不動産を特定することから始めます。特定するためには、固定資産税の納税通知書に同封されている固定資産税課税明細書を利用しましょう。

明細書を通じて、故人が所有していた不動産の種類や場所を確認できます。

課税明細書が手元にない場合は、不動産が所在する地域の市区町村役場にて、不動産の名寄帳の提出を申請しましょう。

名寄帳は個人が所有する不動産の詳細が一覧になっている書類で、所有不動産の全体像を把握するのに役立ちます。

STEP2.遺産分割協議を実施して相続人を決定する

相続財産が確定した後、相続人同士で遺産の分割について協議を行います。遺産分割協議には、すべての相続人の同意が必要であり、一人でも不参加の場合、協議は成立しません。

協議を終えたら、遺産分割協議書を作成します。具体的にどの相続人がどの財産を受け継ぐかを記載し、全員の署名や押印を得ましょう。

遺産分割協議書は、預貯金の引き出しや不動産の名義変更をはじめとした、さまざまな相続手続きに不可欠です。記載漏れや不十分な内容によって、他の相続人との関係性が悪くなるケースもあるため、記載内容には細心の注意を払い、正確に作成しましょう。

なお、遺言書が存在する場合は内容にしたがって遺産を分配するので、遺産分割協議や遺産分割協議書の作成が必要ない場合もあります。

STEP3.必要書類を揃える

相続手続きには、複数の必要書類を提出しなければなりません。

下表に代表的な書類をまとめました。

必要書類 書類提出が必要となるケース 入手先
残高証明書 遺産分割協議
相続税の申告
200円
被相続人の戸籍謄本 ● 相続人の調査
● 不動産の相続登記
● 相続放棄や限定承認の申し立て
● 預貯金の名義変更や払い戻し
● 有価証券の名義変更・売却・解約
● 自動車の名義変更
● 相続税の申告
被相続人の本籍地のあった市区町村役場
相続人全員の戸籍謄本 ● 相続人の調査
● 不動産の相続登記
● 相続放棄や限定承認の申し立て
● 預貯金の名義変更や払い戻し
● 有価証券の名義変更・売却・解約
● 自動車の名義変更
● 相続税の申告
本籍地の市区町村役場
相続人全員の印鑑証明書 ● 複数相続人がいる場合の遺産分割協議
● 金融機関・証券会社での払い戻し手続き
● 不動産の相続登記
● 相続税の申告
遺産分割協議書:相続人
遺言:被相続人
(専門家による作成代行でも可能)
登記申請書 不動産の相続登記 法務局
不動産の登記事項証明書 不動産の相続登記 法務局
固定資産評価証明書 不動産の相続登記 法務局
被相続人の住民票の除票 不動産の相続登記 被相続人が最後に住んでいた住所の市区町村役場

【2024年4月現在】最寄りの役所で戸籍謄本が請求可能に

これまで戸籍謄本などの証明書を取得する際には、本籍が登録されている市区町村役所の窓口に直接申請する必要がありました。

しかし、2024年3月1日から戸籍情報連携システムが導入され、全国どこでも自分の最寄りの役所窓口で戸籍情報の請求が可能となります。

ただし、証明書の申請は以下に限られます。

  • 本人
  • 配偶者
  • 直系尊属(例:父母、祖父母)
  • 直系卑属(例:子、孫)

※兄弟姉妹による申請は認められていない

申請にあたっては、申請者本人の顔写真付き身分証明書が必要です。有効な身分証明書は主に以下3点のいずれかです。

  • 運転免許証
  • マイナンバーカード
  • 有効期限の切れていないパスポート

※参考:戸籍法の一部を改正する法律について(令和6年3月1日施行)|法務省

STEP4. 登記申請書を作成・申請する

必要な書類がすべて用意できたら、申請書の作成に取り掛かります。申請書には、細かなルールに従って必要事項を適切に記入しなければなりません。

提出時に申請書の内容はチェックされません。不備がある場合には後に修正を求められる、もしくは申請プロセスを一からやり直す必要が出てくるケースもあります。

法務局では、申請書の様式とその記載例が公開されているので、参考にしてください。

※出典:土地地目変更登記申請書|法務局

法務局への申請には、以下3つの方法があります。

  • オンライン申請:Web上で申請が可能(※)
  • 郵送申請:必要書類を法務省宛に郵送で申請
  • 窓口申請:必要な書類一式と印鑑を用意して直接、法務局の窓口で申請

※電子署名や電子証明書が必要

オンライン申請は、自宅やオフィスからいつでも申請でき、手数料も比較的抑えられます。

もし、法務局に直接出向くことが困難な場合、郵送申請も選択肢の一つですが、書類に不備があった場合の即時対応が難しいため書留郵便を利用しましょう。

手続きに不安がある場合や直接相談を希望する場合、法務局の窓口申請がおすすめです。窓口であれば、申請内容に誤りがあっても直接修正の指導を受けられるほか、不明点についても相談できます。

相続登記の手続きを自分で行う場合にかかる費用

相続登記の手続きを自分で行う場合でも、以下2つの費用が発生します。

  • 取得費用
  • 登録免許税

取得費用

相続登記を行う際には、戸籍謄本などのさまざまな証明書が必要となります。市役所や区役所で取得できますが、それぞれ発行手数料が必要です。

具体的な証明書と手数料は、主に以下の通りです。

  • 戸籍謄本(戸籍全部事項証明書):各450円
  • 除籍謄本(除籍全部事項証明書):各750円
  • 改製原戸籍謄本:各750円
  • 戸籍の附票の写し:各300円
  • (除)住民票の写し:各200~300円(市区町村役場によって異なる)
  • 印鑑証明書:各200~300円(市区町村役場によって異なる)
  • 固定資産評価証明書:各200~400円(市区町村役場によって異なる)

一見すると、1通あたりの手数料は高額ではないように見えますが、必要な証明書の数は通常1通では済みません。例えば、配偶者と子が法定相続人となる典型的なケースでも、5〜10通程度必要になることが一般的です。

さらに、転籍を繰り返したり兄弟姉妹が法定相続人となったりするケースでは、証明書の数は増加します。代襲相続や数次相続が関係する場合には、数十通が必要になることもあるでしょう。

登録免許税

登録免許税とは、登記申請時に国へ支払う税金です。土地や建物の固定資産税評価額に対し、法定の税率を適用して計算されます。

相続登記における税率は0.4%であり、例えば固定資産税評価額が1,000万円の土地の場合、登録免許税として4万円が必要です。ただし、遺言で相続人以外の人が不動産を受取る場合、税率は2%に変わるため注意しましょう。

また、相続登記の積極的な推進を目的として、登録免許税の免税制度が設けられています。

一定の条件を満たす場合、登録免許税が免除される可能性があります。免税措置の詳細については、法務局の「相続登記の登録免許税の免税措置について」を確認しましょう。

遺産の相続手続きを自分で行う場合のリスク

ここでは、遺産の相続手続きを自分で行う場合のリスクについて解説します。

  • 間違いが生じやすくなる
  • 相続税を払いすぎることがある
  • 本来得るべき権利が行使されないことがある

あらかじめ、注意点を理解しておくことで本当に自分で手続きをすべきかどうか、判断しやすくなるでしょう。

間違いが生じやすくなる

相続登記を自分で行う際によくある問題は、登記すべき不動産を見落としてしまう”登記漏れ”です。

例えば、一戸建ての実家を相続する場合、建物と敷地だけでなく、私道の持分や道路の後退部分(セットバック)が存在することがあります。マンションの場合も自分の部屋以外に、集会所やポンプ室といった共有部分への持分があることが一般的です。

私道や共有部分の持分は相続人だけでなく、故人自身も所有していることを見落としていることが多い傾向にあります。

法務局は、提出された申請書に記載された物件のみを対象に登記を行います。あらかじめ故人が所有していたすべての物件を申請人が特定する必要があり、完全に行われなければ登記漏れは避けられません。

私道などの登記漏れに関しては日常生活に直ちに影響はないものの、不動産の売却や建て替えを検討する際に問題となることがあります。

買主や不動産業者から登記漏れを指摘された場合、急いで相続登記をやり直すケースも少なくありません。他の相続人から相続登記を行う協力が得られない場合、売却や建て替えが白紙になるリスクもあります。

相続登記は自分で行えますが、法律に基づいた複雑な手続きを要するため、進め方に不安がある場合は司法書士や税理士といった専門家に相談した方が良いでしょう。

相続税を払いすぎることがある

自身で手続きを行うことで相続税を払いすぎてしまう可能性もあります。

相続税の計算は性質上、非常に複雑です。適用される控除や評価方法、さらには税率に至るまで、さまざまな要素が絡み合っています。

一見シンプルに思える相続税の計算も、細かいルールを知らないと、正確な税額を導き出すことは困難です。自分で計算を試みた場合、結果として実際に必要な金額よりも多く税金を支払ってしまうリスクが高くなります。

相続税の計算過程では、まず相続財産の総額を算出しますが、財産評価が一つの難関です。 不動産や株式をはじめ、財産の種類に応じて評価方法が異なり、税法上の評価額と市場価値との間に大きな差が生じることがあります。

さらに、以下のような控除項目を見落とすことで、誤って高い税額を算出してしまうリスクも考えられます。

  • 基礎控除額
  • 配偶者控除
  • 小規模宅地の特例

相続税は申告期限内に適切な額を申告し、納税しなければなりません。万が一、過剰に納税して過払い分を取り戻す場合には、さらに時間と労力が必要となります。

本来得るべき権利が行使されないことがある

法律によって保障された権利の知識が不足していると、本来得るべき権利を十分に活用できないリスクに直面します。特に、相続では顕著に現れやすいといえるでしょう。

法律が定める相続権や遺産分割のルールを理解していないと、相続人は遺産を公平に分割する権利を適切に行使できないおそれがあります。

例えば、相続人が相続法に基づく自分の正当な権利や遺産分割に関する知識が乏しい場合が考えられます。他の相続人から提案される遺産分割案に対して、以下のような不公平さに気づかずに同意してしまうことがあります。

  • 遺産に含まれる不動産の価値を過小評価してしまう
  • 相続税の計算における控除を適用し忘れる

その結果、一部の相続人が不当に多くの遺産を受取る、または相続税の負担が不公平になる可能性があります。遺言がある場合でも、内容を正しく理解せず、遺言の意向に反する遺産分割に同意してしまうケースもあるので注意が必要です。

遺産の相続手続きに関するよくある質問

最後に、遺産の相続手続きに関するよくある質問に回答します。

  • 相続手続きを自分でやる人の割合は?
  • 相続手続きを専門家に依頼した場合に費用はいくらかかる?
  • 相続手続きで発生した費用は誰が払う?
  • 2024年度から義務化された相続登記をしないとどうなる?
  • 相続登記以外で7日以内に必要な手続きがあるって本当?

相続手続きを自分でやる人の割合は?

10人中1〜2人が自分で申告手続きをしていると考えられます。財務省の調査によると、令和4年度の相続税申告に税理士が関わる割合が約85.9%となっています。

※参考:令和4事務年度 国税庁実績評価書(P160)|財務省

相続手続きを専門家に依頼した場合に費用はいくらかかる?

専門家に依頼した場合のおおよその費用は下表のようにまとめられます。

専門家 費用
行政書士 数万円〜
税理士 遺産総額の0.5~1.0%
司法書士 数万円〜
弁護士 10万円〜

相続の手続き内容によって、頼むべき専門家は異なります。詳細は下表を参照ください。

時期 手続き内容 行政書士 税理士 司法書士 弁護士
検討時 遺言検認の申し立て × ×
※2
3ヶ月以内 法定相続人の調査・確定
相続財産の調査
※3
相続放棄に関する申し立て × ×
※3
4ヶ月以内 相続に関するトラブル解決 × ×
※4
10ヶ月以内 遺産分割協議書の作成
※1

※2
不動産の名義変更 × ×
※5
有価証券の名義変更
※2
自動車の名義変更 × ×
※6
相続税の申告 × ×
※7

※1. 相続税が発生する場合に限る
※2. 遺産に不動産が含まれる場合に限る
※3. 代理申請は不可
※4. 認定司法書士に限り140万円以下の遺留分侵害額請求の対応は可能
※5. 司法書士に一任するケースが多い
※6. 本人または行政書士に一任するケースが多い
※7. 国税局長に税理士業務を実施する通知をした弁護士のみ対応可能

相続手続きで発生した費用は誰が払う?

相続における最終的な決定は、協議によって行われます。一般的な例としては以下のようなケースが挙げられます。

  • 特定の相続人が不動産を引き継ぐ場合、関連する費用はその相続人が負担
  • 相続によって得た不動産を売却し、売却金を分配する場合、発生する費用は全員で分担

法律では、相続登記に関する費用の負担者を具体的に定めていません。相続人同士で話し合い、納得感を持った上で合意してもらうことがポイントです。

2024年から義務化された相続登記をしないとどうなる?

2024年4月から相続登記が義務付けられました。

相続が発生してから3年以内に相続登記を行わなければ、10万円以下の罰金が課される可能性があるので忘れずに、手続きを進めましょう。

相続登記以外で7日以内に必要な手続きがあるって本当?

相続開始から7日以内に必要な手続きは存在します。 主に、以下3つの書類を用意しましょう。

  • 死亡届の提出
  • 死亡診断書(または遺体検案書)の取得
  • 死体埋葬火葬許可証の取得

死亡診断書は病院から取得できます。死亡届とともに市区町村役場へ提出しましょう。

遺産の相続手続きは自分でできる場合もあるがリスクが大きい

遺産相続の手続きを進めるためには、郵送やオンラインで手続き可能な場合もありますが、原則として自分で役所や金融機関を複数回、訪問しなければなりません。

しかし、相続財産が広範囲に及ぶ場合は、自分で手続きするのは困難といえるでしょう。相続手続きに専門資格は不要ですが、自力で完結することが必ずしも最良の選択とは限りません。期限内に手続きが完了しなかったり、ミスが発生したりすれば、結果的には更なる手間を招くことになります。

事態が手に負えなくなり、後になって専門家へ急ぎで相談する人も少なくありません。自分の状況や対処能力を適切に評価し、専門家へ依頼するか決めましょう。なお、2024年以降は相続登記が義務化になったため、早めの対応をおすすめします。

相続財産に不動産があり、売却を検討している場合はまず不動産会社に相談してみると良いでしょう。場合によっては税理士など適切な専門家を紹介してくれる場合もあります。不動産会社を探す場合には、LIFULL HOME'Sの一括査定サービスの利用をご検討ください。各不動産会社の実績や特徴などの情報が充実しているため、自身の置かれた状況に沿った不動産会社を探しやすくなっています。

初回公開日:2024年5月9日

記事執筆・監修

監修者:山口 貴弘(やまぐち たかひろ)

金融系に特化したライター。2級FP技能士として執筆業を中心に活動中。マーケティング会社でWebディレクターを経て、現職は生命保険会社。資産運用や不動産、保険の記事を中心に編集・監修も担当。