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離婚時に家の査定は必要?方法や財産分与までの流れも徹底解説

新川 優香

記事執筆・監修

新川 優香

宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士

フリーランスライター・2級FP技能士。大学卒業後、不動産仲介業務に従事し売買を経験。その後は不動産賃貸の事務職を経て、現在は専属ライターとして活動。不動産売買仲介から賃貸仲介、物件管理まで幅広い分野の執筆経験を持つ。宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、FP2級の資格を保有。

離婚時に家を所有している場合、財産分与や住宅ローンの扱いをどうするかによって、その後の生活設計は大きく変わります。

特に家は預貯金のように簡単に分けられる財産ではなく、価値を把握しないまま話し合いを進めると、不公平感や金銭トラブルにつながるおそれがあります。

また、査定価格より住宅ローン残債が多い場合、売却しても借入が残るケースもあり、「売れば解決する」とは限りません。名義や連帯保証人の問題が残っていると、離婚後も思わぬ負担を抱える可能性があります。

この記事では、離婚時に家の査定が必要になる理由や査定方法、財産分与までの流れを分かりやすく解説します。家を売却するか住み続けるか判断するポイントや、査定を依頼する際の注意点も紹介しているので、後悔のない選択をするために確認しておきましょう。

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もくじ

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離婚時に家の査定が必要になる理由

ここでは、離婚時に家の査定が必要になる主な理由として以下を解説します。

  • 家が財産分与の対象となるため
  • 家の評価額を適切に把握する必要があるため

家が財産分与の対象となるため

婚姻期間中に取得した家は、名義が夫婦どちらか一方であっても、夫婦が協力して築いた財産とみなされ、財産分与の対象になることがあります。そのため、離婚時の財産分与を考えるうえで、家の価値を把握することは非常に重要です。

預貯金のように分割しやすい財産と異なり、家はそのまま半分に分割できません。そのため、離婚時に財産分与を進める際は、家の査定を行って現在の価値を把握し、売却するのか、どちらかが住み続けるのかを検討する必要があります。

また、住宅ローンが残っている場合は、査定価格と残債の差によって対応が変わります。価格を把握しないまま話し合いを進めると、不公平感や認識のズレから協議が長引く原因にもなりかねません。

財産分与の方法によっても、家の査定が果たす役割は異なります。主な財産分与の方法と、査定の必要有無は以下のとおりです。

財産分与の方法 内容の概要 家の査定
現物分割どちらか一方が家を取得し、他の財産で調整する必要
換価分割家を売却し、売却代金を分ける必要
代償分割家を取得する人が代償金を支払う必要
共有分割離婚後も共有名義で所有する原則不要

現物分割や代償分割では、家の評価額次第で分配額が大きく変わるため、査定結果をめぐってトラブルが生じやすくなります。客観的な査定価格を把握したうえで、話し合いを進めることが重要です。

離婚時の家の財産分与では、主に以下の方法が想定されます。

  • 売却して代金を分ける
  • どちらかが住み続ける

家を売却する場合は、査定を依頼して価格の目安を把握し、売却後に住宅ローンを完済したうえで残った金額を夫婦で分け合う流れが一般的です。ただし、売却価格よりローン残債が多い場合は、不足分を自己資金で補う必要があります。

離婚後も家を売らずにどちらかが住み続ける場合は、住み続ける人が家を取得し、もう一方へ代償金を支払って調整するケースがあります。たとえば査定価格が3,000万円、ローン残債が1,000万円であれば、差額2,000万円が資産価値の目安となり、その一部を相手へ支払うイメージです。

この場合は支払い方法だけでなく、名義変更や住宅ローン契約の見直しが必要になることもあります。

家の評価額を適切に把握する必要があるため

離婚時の家の査定は、財産分与のためだけでなく、今後の選択肢を整理するうえでも重要な役割を果たします。家の価値が分かれば、新居の購入費用や賃貸への住み替え資金、引越し費用、教育費など、今後必要となるお金の見通しを立てやすくなります。特に熟年離婚では、老後資金も含めて慎重に判断することが大切です。

また、家は築年数や立地、市場動向によって価値が変動するため、購入時の価格や古い感覚だけで判断すると、実際の相場とズレる可能性があります。早い段階で査定価格を確認しておけば、売却して資金を確保する、住み続けながらローン返済を続けるなど、現実的な選択肢を比較しやすくなるでしょう。金額の目安を夫婦で共有することで、感情的な対立を避け、冷静に話し合いを進めやすくなります。

離婚時の家の査定方法

離婚時の家査定には、知りたい内容や状況に応じていくつか方法があります。早く概算を知りたい場合と、より正確な価格を知りたい場合では適した方法が異なります。

  • 大まかな査定価格を早く知りたいなら「机上(簡易)査定」
  • 正確な査定価格を知りたいなら「訪問査定」
  • 複数の不動産会社を比較検討したいなら「一括査定」
  • 不動産鑑定士による「有料査定」もある

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大まかな査定価格を早く知りたいなら「机上(簡易)査定」

机上(簡易)査定は、所在地・築年数・面積・周辺の成約事例などの情報をもとに、現地確認をせず概算価格を算出する方法です。当日から3日程度で結果が出やすく、忙しい離婚協議中でも利用しやすい点が特徴です。

「大まかにいくらの価値があるのか知りたい」「売却するか、まだ決めていない」といった方向性を考える初期段階でも役立つでしょう。ただし、室内の状態やリフォーム歴、日当たり、設備状況などは反映しにくいため、実際の売却価格と差が出ることは珍しくありません。あくまで目安として活用し、正式な判断は訪問査定につなげるのがおすすめです。

正確な査定価格を知りたいなら「訪問査定」

訪問査定は、不動産会社の担当者が実際に家を訪れ、建物の状態や室内設備、周辺環境などを確認したうえで価格を算出する方法です。机上査定よりも精度が高く、売却を具体的に検討している場合に向いています。

離婚時の財産分与では、代償金の金額や売却後の手取り額を現実的に把握することが欠かせません。そのため、具体的な話し合いに進む段階では訪問査定が有効です。また、修繕が必要な箇所や売却時の注意点、販売戦略などの提案を受けられることもあるため、住み続けるか売却するか迷っている場合でも、現実的な選択肢を比較しやすくなるでしょう。

複数の不動産会社を比較検討したいなら「一括査定」

一括査定は、1回の入力で複数の会社へまとめて査定依頼できる方法です。各社の査定価格や販売方針を比較しやすく、相場をつかみやすい点が大きなメリットです。

家の価格は、会社ごとに査定の考え方や得意分野によって差が出ることがあるため、1社だけの結果を信じてしまうと、相場より低い価格で判断してしまう可能性もあります。特に、離婚後も家を売らずにどちらかが住み続けることを検討している場合でも、現在の価値を客観的に把握しておくことは重要です。複数社の査定結果を比較することで、夫婦間でも納得感を持って話し合いやすくなります。

不動産鑑定士による「有料査定」もある

家の評価額をめぐって意見が対立している場合や、調停・裁判などで客観的な資料が必要な場合は、不動産鑑定士へ依頼する方法もあります。国家資格者が評価を行うため、第三者性の高い判断材料として活用しやすい点が特徴です。

ただし、一般的な無料査定とは異なり、20万〜30万円程度の費用がかかります。そのため、通常の離婚協議であれば、まず不動産会社の査定結果を比較する方法が現実的です。不動産鑑定士による有料査定は、高額な家で査定価格に大きな差が出ている場合や、財産分与を行う時点の評価額・評価方法について夫婦間で意見が分かれている場合などに限って検討するとよいでしょう。

離婚時の家査定で重要!査定額とローン残債を比較しよう

離婚時の家査定では査定価格だけを見るのではなく、住宅ローン残債との関係まで確認しましょう。家の価値よりローン残債が多いのか、少ないのかによって、財産分与の進め方や売却の可否が大きく変わります。

  • 家の住宅ローンがオーバーローンの場合
  • 家の住宅ローンがアンダーローンの場合
  • 配偶者が連帯保証人になっている場合

家の住宅ローンがオーバーローンの場合

家の住宅ローンがオーバーローンの場合、原則として財産分与の対象になりません。オーバーローンとは、家の査定価格よりも住宅ローンの残債が上回っている状態を指し、売却しても負債だけが残る状況です。

したがって、家の評価額がオーバーローン状態だった場合は財産分与の対象から外され、名義人が取得して引き続き住宅ローンの支払いを続けることになります。無理に売却や分配を進めようとすると、返済負担をめぐるトラブルにつながりやすいため、まずは査定価格と残債の関係を正確に把握することが重要です。

家の住宅ローンがアンダーローンの場合

アンダーローンとは、家の評価額が住宅ローン残債を上回っている状態です。つまり、売却すれば住宅ローンを完済でき、資産価値が残るため離婚時の財産分与の対象となります。

アンダーローンの家は財産分与の対象となるため、夫婦のどちらが取得するのか、ローンの支払いをどうするのかを話し合わなければなりません。アンダーローンの場合、主に以下のケースが想定されます。

住宅ローンの名義人が持ち家を取得するケース

住宅ローンの名義人がそのまま家を取得する場合、名義人が引き続き住宅ローンを支払っていくことになります。名義変更やローン契約の変更が不要なため、手続きが比較的シンプルで、トラブルが起こりにくい点が特徴です。離婚後の生活設計や返済能力に問題がなければ、実務的には進めやすい選択肢といえるでしょう。

住宅ローンの名義人でない配偶者が持ち家に住み続けるケース

住宅ローンの名義人ではない配偶者が家に住み続け、名義人が退去する場合は、所有名義や住宅ローン契約について慎重に確認する必要があります。

なぜなら、住宅ローンは契約者本人が住むことを条件としているケースが多いからです。名義人が住まなくなったにもかかわらず、別の配偶者が住み続けていることが金融機関に判明した場合、契約内容の見直しや一括返済を求められる可能性もあります。

こうしたリスクを避けるには、家の名義変更だけでなく、住宅ローンの名義変更や借り換えを検討することが重要です。ただし、住み続ける人が新たにローンを引き継ぐ場合は、金融機関の審査に落ちてしまうと変更は認められません。

夫婦間だけで判断せず、早い段階で金融機関へ相談し、名義変更が可能か、借り換えが必要かなどを確認しながら進めることが大切です。

配偶者が連帯保証人になっている場合

家の査定価格と住宅ローン残債を確認する際は、あわせて配偶者が連帯保証人になっていないかも確認しておくことが重要です。ローンが残っている状態で離婚する場合、連帯保証人の扱いが後々のトラブルにつながることがあるためです。

住宅ローン契約時に配偶者が連帯保証人となっている場合、離婚しても自動的に保証責任はなくなりません。主債務者の返済が滞れば、離婚後でも請求を受ける可能性があります。また「離婚するので連帯保証を外したい」と金融機関へ申し出ても、原則としてすぐに認められるケースは多くありません。

連帯保証人を外したい場合は、別の保証人を立てる、借り換えを行う、家を売却してローンを完済するなどの対応が必要になります。査定価格と残債だけでなく、保証契約の有無まで含めて確認しておくことが大切です。

離婚時に家はどうする?売却するor住み続ける?

離婚時に家をどうするかは、多くの人が悩みやすいポイントです。大切なのは感情面だけで決めるのではなく、査定価格・住宅ローン残債・子どもの生活環境・離婚後の収入などを踏まえて判断することです。

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離婚時に家を売却するメリット・デメリット

離婚時に家を売却する場合は、財産分与を進めやすくなる点が大きなメリットです。家という分けにくい資産を現金化できるため、公平に分けやすくなります。

メリット デメリット
  • 現金で分けやすい
  • ローン完済しやすい
  • 離婚後の金銭トラブルを回避しやすい
  • 新生活資金に充てやすい
  • 希望価格で売れない場合がある
  • 引越しが必要
  • 売却まで時間がかかることがある
  • 売却費用がかかる

特に、離婚後に元配偶者との関係をできるだけ残したくない場合は、売却して名義や金銭関係を整理する方法が有効です。共有名義や連帯保証が残ると、後々トラブルにつながることもあります。

一方、査定価格より住宅ローン残債が多いオーバーローンの場合、自己資金で不足分を補う必要があるケースもあるでしょう。離婚時に家の査定を進める際は売却価格だけでなく、最終的に手元へいくら残るのかまで確認したうえで判断することが大切です。

離婚時に家に住み続けるメリット・デメリット

離婚後も家に住み続ける方法は、生活環境を大きく変えずに済む点がメリットです。特に子どもがいる家庭では、転校や生活リズムの変化を避けやすくなります。

メリット デメリット
  • 引越す必要がない
  • 子どもの生活環境を維持しやすい
  • 住み慣れた家で生活できる
  • ローンや名義問題が残りやすい
  • 元配偶者との関係が続く
  • 将来売却時にも調整が必要

特に、住宅ローンの名義人ではない配偶者が住み続ける場合は注意が必要です。返済が滞れば強制退去を命じられる可能性があり、名義人が勝手に売却を進めるリスクもゼロではありません。

離婚後も家を売らずに住み続けることを検討している場合でも、現在の価値を把握したうえで、代償金の金額や住宅ローンの返済負担、名義変更が可能かどうかなどを事前に整理しておくことが大切です。必要に応じて、公正証書の作成や金融機関への相談も進めておくと安心でしょう。

離婚時の家査定から財産分与までの流れ

離婚時に家の査定を行う際は、いきなり依頼するのではなく、名義や住宅ローンの状況を整理したうえで段階的に進めることが重要です。

  • STEP1. 名義人を調べる
  • STEP2. 住宅ローン残債を確認する
  • STEP3. 不動産会社に査定を依頼する
  • STEP4. 特有財産の有無を確認する
  • STEP5. 夫婦間で話し合う

STEP1. 名義人を調べる

まず確認すべきなのが、家の名義人です。登記簿謄本を取得し、単独名義か共有名義か、持分割合はどうなっているかを把握しましょう。名義の状況は、査定の進め方や財産分与の方法に大きく影響します。たとえば、共有名義の場合、売却や住み続けるかどうかの判断には双方の合意が不可欠です。

一方、単独名義であっても婚姻期間中に取得した家であれば、原則として財産分与の対象になります。名義を曖昧にしたまま査定を進めると、誰の同意が必要なのか、どこまで話し合うべきかなどが分からずトラブルになるおそれがあるでしょう。最初に、名義関係を整理しておくことが非常に重要です。

STEP2. 住宅ローン残債を確認する

次に行うのが、住宅ローン残債の確認です。金融機関の残高証明書や、インターネットバンキングの明細などで、いくら残っているのかを確認します。あわせて、ローンの名義人や連帯保証人の有無も確認しておきましょう。

住宅ローン残債と家の査定価格は、財産分与の方向性を左右します。査定価格がローン残債を大きく上回る場合、売却や代償金の支払いが現実的になります。一方、残債が大きく下回る場合は、自己資金の補填や別の対応を検討する必要があるでしょう。家の査定を有効に活用するためにも、ローン状況を正確に把握し、査定結果と照らしあわせて判断できる状態を整えておくことが大切です。

STEP3. 不動産会社に査定を依頼する

名義と住宅ローンの状況を整理したら、不動産会社に家の査定を依頼します。査定時には売却の見込み時期や販売方法、必要な手続きについても相談できるため、価格だけでなく、今後の選択肢を整理する機会として活用するとよいでしょう。

なお、査定時の必要書類は主に以下のとおりです。

  • 本人確認書類
  • 登記済権利証・登記識別情報
  • 住宅ローンの返済予定表・残高証明書
  • 登記簿謄本(登記事項証明書)
  • 公図・測量図・建物図面
  • リフォーム契約書
  • 購入時のパンフレット
  • インスペクション報告書・耐震診断報告書・アスベスト使用調査報告書 など

ただし、査定段階で書類が揃っていなくても不動産会社が代わりに取得してくれるケースも多いため、まずは担当者に相談してみるとよいでしょう。

STEP4. 特有財産の有無を確認する

査定結果から話し合いを進める前に、その家がどこまで財産分与の対象になるのか確認しておきましょう。特有財産とは、夫婦の協力とは無関係に取得した財産を指し、原則として財産分与の対象外とされています。具体的には、以下のようなケースが該当します。

  • 結婚前から単独で所有していた家
  • 独身時代の預貯金を使って購入した家
  • 片方の親族から相続や贈与を受けた家

また、親から購入資金の援助を受けていた場合、その負担部分だけ対象外になることもあります。ただし、婚姻中に住宅ローンを夫婦の収入で返済していた場合や、共有資金でリフォームを行っていた場合には、一部が共有財産と判断されるケースもあります。財産分与においてどの時点の評価額を基準にするかだけでなく、その家をいつ・どのような資金で取得したのかといった経緯まで整理しておくことが重要です。

STEP5. 夫婦間で話し合う

名義や住宅ローン、査定価格、特有財産などの整理ができたら、夫婦間で財産分与について具体的に話し合います。検討すべき内容は、主に以下のとおりです。

  • 家を売却するか、売却せずに住み続けるか
  • どちらが家を取得するのか
  • 売却を依頼する不動産会社はどこにするか
  • 代償金を支払う場合、その金額や支払い方法
  • 住宅ローンの残債をどのように負担するか

この段階では、査定価格を確定した金額と捉えるのではなく、判断材料の1つとして共有することが重要です。金額の前提条件や将来的なリスクも含めて話し合うことで、合意形成しやすくなります。また、話し合いで決めた内容は後々のトラブルを防ぐためにも、書面に残しておくことが重要です。合意内容を文書化しておくことで認識のズレを防ぎやすくなり、売却する方向で合意した場合も、その後の手続きを円滑に進めやすくなります。

離婚時に家査定を依頼するときの注意点

ここでは、離婚時に家査定を依頼するときの注意点を紹介します。

  • 家が財産分与の対象外となるケースがある
  • 家が共有名義の場合は双方の同意を得る必要がある
  • 必ずしも査定価格で売却できるとは限らない
  • 家や設備の不具合を隠さない
  • 1社のみに査定依頼すると適正価格を把握しづらい

家が財産分与の対象外となるケースがある

離婚時に家の査定を行う前に確認しておきたいのが、財産分与の対象になるかどうかです。夫婦で築いた財産は財産分与の対象になりますが、すべてが該当するわけではありません。たとえば、結婚前から所有していた家や、親からの相続・贈与によって取得した家は特有財産とされ、原則として財産分与の対象外です。

婚姻後に住宅ローンを夫婦の収入で返済していた場合や、大規模なリフォームを共有資金で行っていた場合には、その寄与分が問題になることもあります。家が共有財産か特有財産かによって、査定の必要性や分与の方法は大きく変わります。不要なトラブルを避けるためにも、査定を依頼する前に取得時期や資金の出どころを整理しておきましょう。

家が共有名義の場合は双方の同意を得る必要がある

家が夫婦の共有名義になっている場合、査定を依頼する際にも注意が必要です。共有名義の家は原則として共有者全員の合意がなければ、売却や重要な判断を進めることは難しくなります。査定自体は単独でも依頼できる可能性がありますが、後から「勝手に進めた」と不信感を招くケースが少なくありません。

特に離婚協議中は、些細な行き違いが大きな対立に発展しやすい状況です。査定を依頼する段階から、どの不動産会社に依頼するのか、査定結果をどのように扱うのかを事前に共有しておくことが大切です。また、売却や住み続けるかどうかを判断する場面では、名義割合や住宅ローンの名義人・連帯保証人の有無も影響します。査定と並行して権利関係を整理し、双方が納得できる形で進めましょう。

必ずしも査定価格で売却できるとは限らない

家の査定価格は、あくまで売却できそうな価格の目安であり、不動産会社から提示された金額で必ず売れることを保証するものではありません。実際の売却価格は、市場の需給状況や買主の条件、売却時期などによって左右されるでしょう。そのため、査定価格をもとに財産分与の計算を行う場合には注意が必要です。

想定より低い価格でしか売れなかった場合、分配額の見直しが必要になることもあります。特に売却を前提とした換価分割では、査定価格と実際の成約価格が異なる可能性を踏まえておくことが大切です。離婚時には査定価格を確定額として扱うのではなく、幅を持った目安として捉え、柔軟に対応できるよう話し合いを進めておきましょう。

家や設備の不具合を隠さない

査定を受ける際に、家や設備の不具合を隠すのは避けるべきです。雨漏りやシロアリ被害、給排水設備の故障などを隠したまま売却すると、後から契約不適合責任を問われ、補修費用や損害賠償を請求される可能性があります。

契約不適合責任とは、売却した家が契約内容と異なる状態であることが引渡し後に判明した場合、売主が修繕や代金減額、損害賠償などの責任を負う制度のことです。離婚時は精神的にも余裕がなく「早く手続きを終えたい」と考えてしまう傾向にありますが、結果的にトラブルを増やしてしまっては本末転倒です。査定時には分かっている不具合や修繕履歴を正直に伝えたうえで、査定価格への影響を確認することが大切です。

1社のみに査定依頼すると適正価格を把握しづらい

離婚時の家査定では、1社のみに査定を依頼するのは避けたほうが無難です。不動産の査定価格は会社ごとの販売戦略や得意エリア、市場の捉え方によって差が出ることがあります。そのため、1社だけの査定結果を基準にすると、相場からずれた判断をしてしまうおそれがあります。

特に財産分与では、提示された査定価格が妥当なのかという点で意見が分かれやすく、査定価格そのものが争点になるケースも考えられます。数社に査定を依頼し、金額の幅や根拠を比較することで、より客観的な相場観を持つことができるでしょう。複数の査定結果をもとに話し合いを進めれば、一方に有利・不利と感じにくくなり、合意形成もしやすくなるため、離婚時の家査定では比較前提で依頼することが重要です。

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離婚時の家査定に関するよくある質問

離婚時の家査定は無料で依頼できる?

離婚時の家査定は、不動産会社に依頼する場合に無料で行うことができます。不動産会社の査定は売却を前提に市場価格の目安を算出してくれ、費用はかかりません。まずは家の価値を把握したい段階でも、利用しやすい方法といえます。

一方、不動産鑑定士に依頼する不動産鑑定は有料で、一般的に20万〜30万円程度の費用が発生します。評価額の公正性や法的な証明力を重視する場合は鑑定を、費用を抑えて相場を知りたい場合は不動産会社の査定を選ぶなど、目的に応じて使い分けることが大切です。

離婚時の財産分与は必ず半分に分けるの?

離婚時の財産分与は原則2分の1とされることが多いものの、必ずしもすべてを半分に分ける必要はありません。財産分与の対象となるのは、離婚前に夫婦が協力して築いた共有財産に限られます。たとえば、結婚前から所有していた家や、相続・贈与によって取得した家は特有財産とされ、原則として分与の対象外です。

また、夫婦の収入状況や財産形成への貢献度、住宅ローンの負担割合などによって、分け方が調整されるケースもあります。家の査定結果をもとに、個別の事情を踏まえて話し合うことが重要です。

片方が子どもを引き取る場合に家の財産分与は上乗せできる?

子どもを引き取る場合でも、財産分与の割合は原則として2分の1です。ただし、例外として2分の1を超える分与が認められるケースもあり、その1つが扶養的財産分与です。

扶養的財産分与とは、離婚によって一方の生活が著しく不安定になる場合に、一定期間その生活を経済的に支える目的で行われる財産分与を指します。たとえば、幼い子どもの養育によりフルタイムで働くことが難しい場合や、長期間専業主婦(主夫)で離婚後すぐに安定収入を得られない場合などが該当します。ただし、あくまで例外のため、必ず認められるわけではない点に注意が必要です。

離婚時には複数社への家査定が判断・成功のカギ

離婚時に家の扱いを決める際は、感情だけで判断せず、現在の価値や住宅ローン残債を正確に把握することが重要です。査定価格が分かれば、売却するのか住み続けるのか、代償金をいくらにするのかといった判断もしやすくなります。

ただし、家の査定価格は依頼先によって差が出ることもあり、1社だけの結果では相場を見誤る可能性があります。離婚時の財産分与では、提示された金額の妥当性が争点になるケースもあるため、複数社を比較しながら客観的な判断材料をそろえることが大切です。

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初回公開日:2023年1月24日

記事執筆・監修

新川 優香(あらかわ ゆうか)

大学卒業後、不動産仲介業務に従事し売買を経験。現在は不動産賃貸の事務職に従事。不動産売買仲介から賃貸仲介、物件管理に関わる執筆経験もあり。宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、FP2級の資格を保有。