騒音トラブルが気になりやすい

 

アパートやマンションなどの集合住宅では、一戸建てと比べて近隣との騒音トラブルが発生しやすい面があります。特に、木造アパートは騒音トラブルが気になりやすく、住んでから後悔してしまうケースも少なくないようです。

後悔してしまう理由

 

木造アパートは、マンションなどの鉄筋コンクリート造と比べて遮音性が低く、隣室や上下階からの音が気になりやすい面があります。コンクリートと比べて壁の厚さが薄いため、ドアを開閉したり、掃除機をかけたりする生活音が伝わりやすいのです。

 

特に、小さな子どものいる世帯などでは、自室からの騒音が気になり、ストレスを感じてしまうケースもあります。子どもの足音が階下に響いてしまったり、夜泣きの声が隣室にまで届いてしまったりと、子育てには不向きといえるような部屋もあります。

対策…部屋探しで意識したいポイント

 

部屋の防音性能を重視するのであれば、木造よりも鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造のほうが安心感はあります。しかし、部屋の防音性は、構造の種類だけでなく実際のつくりによっても左右されるので注意が必要です。

 

たとえば、壁の厚みによっては、鉄筋コンクリート造マンションでも隣室の音が気になってしまうケースがあります。一方、きちんと遮音材などが導入されていれば、木造でもそれほど気にならないといった物件もあります。

 

そのため、防音性を意識するのであれば、実際に内見をして状態をチェックすることが大切です。そこで試しておきたいのが、以下の3つの方法です。

部屋の真ん中で手をたたき、音がきちんと返ってくる場合には、室内の防音性はきちんと確保されていると考えられます。反対に、音の響きが返ってこなければ、外部に音が抜けてしまっていると判断できるのです。

 

また、四方の壁を軽くたたいてみると、壁の厚みや材質を確かめることができます。軽く響くような高い音が鳴ったら、防音性が低い壁である可能性があります。

 

防音性をチェックするうえで、意外と見落としがちなのが「窓」です。窓から室内の音が抜けてしまうことも多いので、2人以上で内見できるのであれば、室内と室外で音の違いを確かめておくといいでしょう。

 

また、防音性は部屋のつくりだけではなく、配置によっても異なります。最上階の部屋や角部屋は、周囲の騒音が気になりにくいのが特徴であり、1階の部屋や階下が店舗や共用部分になっている部屋なら、階下への足音を気にしなくて済むのがメリットです。

木造の物件

冬場の光熱費が高くなりやすい

 

木造アパートの2つ目のデメリットは、冬場に寒く感じやすい点にあります。ここでは、具体的に後悔してしまう理由と部屋探しで考えるべきポイントについて見ていきましょう。

後悔してしまう理由

 

木造アパートは鉄筋コンクリート造と比べて気密性が低く、外気の影響を受けやすい特徴があります。通気性が良いため、冷暖房効率が下がってしまい、冷え込む冬場にはどうしても光熱費が高くなりやすいのが難点です。

 

また、だからといって夏場は必ずしも涼しいというわけではなく、外気温の影響を受けることで室温が上昇しやすい面もあります。そのため、入居する物件によっては、一年を通して電気代の管理に苦労してしまうこともあります。

対策…部屋探しで意識したいポイント

 

条件によっては、木造でも気密性に優れた物件を見つけることはできます。また、冬場の室温については日当たりに左右される部分も大きいため、方角も含めて事前にチェックしておくことが大切です。

 

そのうえで、木造アパートに住んでみて、どうしても寒さが気になってしまう場合は、自分で工夫することによってある程度断熱性を高めることもできます。

 

断熱性の高い厚地のカーテンを導入したり、窓ガラス用の断熱シート・サッシ用の断熱テープを貼ったりすることで、外気の侵入を予防しやすくなります。

 

一定の範囲であれば、自分で寒さ対策を行うことも可能なので、部屋探しに迷ってしまったときには判断材料のひとつにしてみるといいでしょう。

耐震性に不安がある

 

木造アパートの3つ目のデメリットは、耐震性に不安を感じやすいことです。ここでは、木造の耐震性について詳しく解説します。

後悔してしまう理由

 

実際のところ、木造はほかの構造に比べて寿命が短いとされており、築年数が経過していると劣化が目立ちやすくなります。賃料の安い理想的な物件が見つかったと思っても、内見に訪れたときに不安を感じてしまうことはあるでしょう。

 

快適さや利便性に関する課題は自力で解決できる部分も大きいですが、住まいの安全性に関するポイントは、住んでから解消できるものではありません。そのため、物件を借りる段階で十分にチェックしておくことが大切です。

対策…部屋探しで意識したいポイント

 

耐震性や耐久性を重視する場合には、物件の築年数にも注目しておくといいでしょう。

 

そのうえで、特に重要なポイントとなるのが、2000年6月に行われた建築基準法の改正です。主な内容は木造住宅の耐震性に関する基準の厳格化であり、基礎や構造部から使用する金物まで、建材や工法が細かく指定されています。

 

そのため、木造アパートの耐震性に不安がある場合には、建築基準法の改正以降に建てられたかどうかを判断基準にするのもひとつの方法です。

 

なお、2022年時点でいえば、築20年以内の物件であれば現行の基準で建てられていると判断できます。

木造の物件

木造にはメリットもたくさん！ 特徴を理解して部屋探しに役立てよう

 

これまで解説したように、木造にはさまざまなデメリットがあるのは確かですが、部屋探しの方法によってはある程度解消できる部分もあります。

 

また、木造には以下のようなメリットもあるので、部屋探しの有力な選択肢になる可能性も十分にあります。

ただ、木造アパートは立地や築年数、メンテナンスの度合いなどによって、住み心地に大きな差が生まれやすい傾向もあります。

 

そのため、部屋探しをするときには、初めから候補を1つに絞ってしまうのではなく、いくつかの物件を内見しながら比較してみるのがおすすめです。

まとめ

• 木造アパートには遮音性が低い物件が多い傾向がある
• 気密性が低く、夏は暑く冬は寒い部屋も多い
• 遮音性や気密性は物件のつくりや年式によっても異なり、部屋ごとに差がある
• 耐震性については、2000年の建築基準法改正以降に建てられているかどうかがひとつの判断基準
• 木造は物件ごとに性能差が大きくなりやすいため、いくつか内見しながら部屋を見極める

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