賃貸アパートやマンションを探す際、築年数の浅いことを条件に物件を絞ったことのある方は少なくないでしょう。

築年数の浅い物件はきれい、設備が新しい、セキュリティが万全など良いイメージがあります。一方で、築年数の古い物件にもメリットがあることをご存じでしょうか。

ここでは、賃貸物件における築年数の考え方や、耐用年数や耐震性を判断する目安、新築・築浅・築古物件それぞれのメリット・デメリットをお伝えします。

築年数とは?

築年数とは建物が完成した後、経過した年数のことです。

 

建物が完成してから誰も住んでいない建物でかつ、築年数1年未満のものを新築と呼び、築年数の若いものを築浅、築年数の古いものを築古と呼びます。

 

築年数は、新しければ新しいほど設備もきれいなことが多く好まれますが、築古のものと比べると家賃は高くなるのが一般的です。

 

ただし、最近ではリフォームやリノベーションに力を入れた賃貸物件も増えつつあり、場合によっては新築同然の内装になっている部屋もあります。

 

築年数が経つと建物や設備が劣化していきますが、具体的にどのような点が変わっていくのでしょうか?

築年数と劣化の相関性、アパートとマンションで変わる?

 

一般的に、アパートは木造や軽量鉄骨造の2~3階建てを指し、マンションは鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造で3階建て以上のものを指します。

 

これらを比べた時、基本的には鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造のマンションの方が、木造や軽量鉄骨造のアパートより頑丈です。

 

木造で築20年と聞くと古く感じますが、鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリートで築20年であればそう古く感じないのではないでしょうか。

 

構造ごとの築年数の目安については、法定耐用年数が1つの目安となります。
■木造:22年
■軽量鉄骨(S)金属の厚みが3mm以下:19年
■軽量鉄骨(S)金属の厚みが3mmを超え4mm以下:27年
■重量鉄骨(S)金属の厚みが6mmを超えるもの:34年
■鉄筋コンクリート(RC)造:47年
■鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)造:47年

 

もちろん、法廷耐用年数は税務上で定められた数字であり、実際の寿命とは異なるのですが、目安として考える分には問題ないでしょう。

 

一般的に、築年数が経つと家賃は安くなっていきます。

 

三井住友トラスト基礎研究所の「経年劣化が住宅賃料に与える影響とその理由」によると、新築時の賃料を100とした時、築10年のもので89、築20年のもので83(18m2以上30m2未満)、81(30 m2以上60 m2未満)となっています。

 

なお、同データは、築年数10年以下の段階では賃料の下落率が1.7%~2.2%なのに対し、築11年~20年の段階では下落率が0.6%〜0.9%となっており、築浅の時の方がより下落率が高いという調査結果が出ています。

 

※出典元:三井住友トラスト基礎研究所「経年劣化が住宅賃料に与える影響とその理由」(2013年1月)

 

築年数で耐震基準を見分けることができます。耐震基準とは、建築基準法に定められた地震に対する強さを定めた基準のことで、これを満たさなければそもそも建物を建てることができません。

 

耐震基準は過去の大地震の度に改正がなされてきており、特に1981年に改正された耐震基準では「震度6~7でも倒壊しないこと」とされ、「新耐震基準」と呼ばれています。

 

新耐震基準は、その後起こった阪神淡路大震災などでも一定の成果を示しています。賃貸アパートやマンションでは、この新耐震基準が施行された1981年6月1日以降に建築確認を受けた建物を選ぶと安心です。

 

新築や築浅の賃貸物件は築古のものと比べると、以下のようなメリット・デメリットがあります。

新築・築浅のメリット1内装も外観もきれい
新築・築浅物件は、やはり内装も外観もきれいなのがメリットです。他人が生活した中でついてしまった汚れがないため、気持ち良く生活することができるでしょう。

新築・築浅のメリット2設備の充実
新築・築浅物件はIHクッキングヒーターや浴室乾燥機、ウォークインクローゼット、防犯カメラ、モニター付きインターホンなど最新の設備を備えていることが多く、また、それら設備の状態も良好です。

新築・築浅のデメリット誰も住んでいないという問題
新築・築浅のデメリットとして意外でもあるのですが、「過去に誰も住んでいない」あるいは「住んだ人が少ない」という点が弱点になることがあります。
例えば、設備の不具合や新築ならではの臭いに関する問題が発生する場合もあります。しかし、これは実際に住んでみなければ分からないことが少なくありません。

 

一方、築年数の古い物件だと以下のようなメリット・デメリットがあります。

築古物件のメリット1家賃が安い
「築年数と家賃の関連性」でご説明したように、基本的には築年数が経った物件は家賃が安くなります。築年数10年ものでおよそ1割、20年のものでおよそ2割安くなりますが、築年数10年程度であればまだまだ設備が新しいことも多いです。

築古物件のメリット2選択肢が多い
一般的に、築年数が古い物件よりも新築や築浅物件の方が人気は高いため、築年数の古いものの方が空室は多いです。賃貸を探す際には、より多くの候補の中から物件を探すことができます。

築古物件のメリット3リフォームやリノベーション物件なら新築のように綺麗でお得
築年数が古くなるとリフォームやリノベーションを行っているものもあり、お部屋の中のきれいさは新築同然という物件もあります。新築のようでありながら、家賃は新築や築浅のものと比べると安く設定されていることが多いため、お得に利用することができます。

築古物件のデメリット耐震性や建物の強度が不安
1981年5月31日以前に建築確認を受けている建物だと、旧耐震基準の建物となり、耐震性で不安が残ります。基本的には新耐震基準の建物か、そうでなければ新耐震基準を満たすよう耐震リフォームを施されている建物を選ぶようにするとよいでしょう。

築年数よりメンテナンス体制に着目を

築年数よりメンテナンス体制に着目を

ここまでお伝えしてきたことを総括し、築年数が古い賃貸物件を選ぶポイントとして以下を挙げます。

 

築年数によって資産価値や建物の寿命などが変わることから、築年数は重要な指標となりますが、こと賃貸として利用する場合、実は築年数はそれほど重要ではありません。設備の古さや建物のきれいさに関しては、大家さんが必要に応じてリフォームやリノベーションを施すからです。

 

それにも関わらず、家賃は安く設定されているのであれば、築年数が古い賃貸を選ぶのは悪くない選択だと言えるでしょう。

 

築年数が古くてもしっかりメンテナンスがされていれば、新築や築浅物件と同様に使えるものもあります。しかし、メンテナンス不良なら汚くもなりますし設備も古くなります。

 

そのため、築古物件を選ぶ際にはメンテナンス体制がしっかり取られているかを確認するとともに、内見時にキズや汚れが放置されていないかどうかを確認しましょう。

 

まとめ

  • 築古物件よりも、きれいで設備の充実している築浅・新築物件が人気はある
  • 築年数が経つごとに家賃は安くなる傾向にある
  • 築古物件の中には、リフォームやリノベーションをして新築のようにきれいに住めるものもある
  • 建物の構造により、耐用年数は変わる
  • 築古物件の耐震性については、1981年6月1日以降に建築確認を受けているかどうかで安心度が変わる
  • 築古物件では、不動産会社の担当者との会話や内見を通じて、しっかりメンテナンスされているか確認することが大切

 

不動産情報ポータルサイトLIFULL HOME’Sでは、さまざまな条件を組み合わせて、希望に沿った物件を探すことが可能です。

 

また、「新築・築浅賃貸特集」では、築5年以内の物件に絞ったうえで、エリアや家賃、間取り、オートロック付きやバス・トイレ別など、より細かな条件で検索できます。

 

さまざまな物件情報を見ることで相場も知れるので、まずは一度チェックしてみてはいかがでしょうか。

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