駅徒歩10分を毎日通勤するのは大変？

距離としては800m程度

 

賃貸物件の広告でよく見かける”駅徒歩○分”という情報。まずは、この時間がどのように決められているかを知っておきましょう。

 

徒歩の所要時間は「不動産の表示に関する公正競争規約」（※1）で定められている、“徒歩の速さ=80m/分”という算出ルールに基づいています。

 

このルールに従って徒歩10分を距離に置き換えてみると、“10分×80m=800m”になります。1kmにも満たない距離なので、毎日往復したとしてもそれほど苦にならなそう、と感じる人も多いのではないでしょうか。

自転車で移動した場合は3～4分程度

 

次に、自転車で移動した場合を見ていきます。国土技術研究センターのデータ（※2）によると、成人の場合、自転車の平均速度は時速15km程度とされています。

 

これは、幹線道路において調査された速度であるため、住宅街などではもう少し速度が落ちると想定されます。また、自転車の種類によっても多少の違いが生まれるでしょう。

 

そのため概算にはなりますが、時速15kmとして計算した場合、“自転車の速さ=250m/分”となり、徒歩10分の距離（800m）は自転車で3～4分程度となります。徒歩と比べると、一気に短縮されることが分かります。

道路状況や地形、天候などによって所要時間は異なる

 

ただし、これらの算出方法には、信号や踏切、坂道や悪天候などは考慮されていないため、“実際の所要時間”と異なることが多々あります。

 

また、物件情報の徒歩所要時間は駅の出入り口までの時間になるため、改札まで遠い駅の場合はその時間もプラスされ、自転車の場合は駐輪場に止める時間も必要です。

 

賃貸物件情報の駅までの所要時間はあくまで目安と捉え、実際に歩いたり自転車で走ったりして確認するのがおすすめです。

 

※1参照：不動産の表示に関する公正競争規約

※2参照：日本の自転車交通の現状と改善への取り組み

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駅徒歩10分の物件に住むメリット

 

徒歩でも自転車でもそう遠くないイメージのある“駅徒歩10分”の物件について、入居した場合の具体的なメリットを4つ紹介します。メリットを知ることで、駅徒歩10分の物件を検討しやすくなるでしょう。

駅近の物件よりも家賃が安い

 

まずは、駅からの距離に対する家賃相場を見てみましょう。LIFULL HOME’Sの「家賃相場」で東京都の中野駅周辺の賃貸物件を調査した結果、次のようになりました。

 

中野駅
駅徒歩	1分～5分	5分～10分	10分～15分
家賃相場	9万1,500円	8万8,800円	8万6,300円

（ワンルーム・1K・1DK/マンション・アパート・一戸建て、築10～15年、専有面積25ｍ2～30ｍ2、バス・トイレ別の相場表、2020年7月7日時点）

 

駅徒歩5分以内の物件と比べて、駅から離れれば離れるほど家賃相場が安くなっていることが分かります。つまり、毎日の通勤で片道わずか5分多く歩くことで、年間の支出を大きく抑えられる可能性があるということです。

駅近の物件よりも広い部屋に住める

 

専有面積についても、家賃が同じアパートやマンションの場合、駅近と比較して、駅徒歩10分のほうが広い物件に住める可能性が高くなります。

落ち着いた環境で暮らせる

 

駅から5分以内のエリアよりも、10分程度離れているエリアのほうが人通りは少なくなるため、静かな環境で生活できるでしょう。特に、駅前に歓楽街がある駅の場合、その差は大きくなります。

 

駅徒歩10分のエリアは、通勤にある程度便利で、かつ落ち着いた環境で暮らしたい人に向いているエリアといえるでしょう。

運動不足になりにくい

 

毎日通勤で往復20分歩けば、適度な運動になります。運動不足の解消やダイエットにも効果的かもしれません。駅徒歩10分の物件には、通勤時間をウオーキングの時間として役立てられる良さがあります。

駅徒歩10分の物件に住むデメリット

 

では、駅から徒歩10分のエリアにある物件に入居すると、どのようなデメリットがあるのでしょうか。ここでは、２つのデメリットを紹介します。

悪天候の日は通勤が大変

 

冒頭で紹介した徒歩の速さには、天候は考慮されていません。しかし、毎日の通勤では、大雨や降雪、強風など悪天候に見舞われることもあります。

 

そうした日に800m歩いたり自転車で走ったりすれば、体力を消耗しますし、時間も倍近くかかってしまうかもしれません。

荷物が多い日の通勤がつらい

 

仕事終わりに駅近くで食料品を買ったり、旅行や出張から戻ってきたりした日は荷物が多くなりがちです。そのようなときに10分歩くのは大変かもしれません。

 

特に、真夏や真冬、また道中に坂道がある場合はなおさらです。重たい荷物を持って歩くことも想定しておくことが大切です。

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ときどき違うルートを通って駅徒歩10分の距離を快適に通勤しよう

 

800mの道のりは慣れてしまえばそれほど気にならない距離であるといえますが、せっかくなら楽しみながら通勤したいですよね。

 

そこでおすすめしたいのが、通勤ルートの変更です。可能であれば、ときどきルートを変えてみると気分転換になったり、新しいお店を発見したりして日々にメリハリが生まれます。

 

時間に余裕がある帰り道など、いつもと違う景色を楽しんでみてはいかがでしょうか。

まとめ

 

これまでに駅から徒歩15分、20分以上離れた物件に住んだことがあるという人であれば、“駅徒歩10分”という距離はとても近くに感じるかもしれません。

 

また、駅近物件から駅徒歩10分の物件を検討している場合は、近さだけではない良さに注目してみるとよいでしょう。

 

駅徒歩10分のメリット・デメリットと自分の生活スタイルを照らし合わせ、家賃や部屋の広さも考慮しながら、ぜひ自分にとって暮らしやすい物件を見つけてください。

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