木造3階建てアパートは、広い土地がなかなか確保できない都心部での住宅供給に適した賃貸住宅として期待が高まっています。

ここでは、そんな木造3階建てアパートの特徴とともに、住み心地はどうなのか、失敗しないための選び方のポイントなどをご紹介します。
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 木造3階建てアパート
木造3階建てアパートとはどんな住宅なのかを知るうえで、まずは「アパートとマンションの違い」「木造3階建てアパートの種類」について確認していきましょう。

 

 

アパートとマンションは“建物構造の違い”によって分類されています。

 

アパートは木造・軽量鉄骨造で作られた賃貸住宅。マンションは重量鉄骨造(S造)・鉄筋コンクリート(RC)造・鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)造で作られた賃貸住宅として区別されています。

 

 

木造3階建てアパートには、大きく“木造3階建共同住宅”と“木造3階建長屋”の2タイプが存在しています。

 

“共同住宅”とは、複数の住戸が“階段・廊下・ホールなど”が共用となっている集合住宅。

 

対して“長屋住宅”とは、各住戸がそれぞれ直接外部から出入り可能な間取となっています。複数の住戸が共用する階段、廊下、ホールなどの共用スペースが存在していないのが特徴です。

 

 木造3階建てアパート

 

通気性・吸湿性が高い
木造3階建てアパートは、構造部材を含めて木材で作られています。そのため、木材の持つ“通気性の良さ(換気機能)”や“吸湿性(湿度調整機能)”が、季節変化のある日本において、住み心地の良さをもたらしてくれるのです。

 

例えば、夏においては、余分な湿気(湿度)を木材が吸収。室内の湿度低下に役立ちます。反対に冬では、乾燥した室内に木材から適度な水分が放出。湿度調整の役割を担っています。

 

部屋の形が使いやすい
マンションや軽量鉄骨造アパートの場合、室内に“柱型・梁型”が存在するケースが多いものです。対して、木造アパートでは原則“柱型・梁型”が室内に現れることはありません(意図的な意匠上の工夫は除く)。ゆえに、木造アパートの部屋は整形で使いやすい形状となっています。

 

比較的家賃が安い
マンション(S造・RC造)や軽量鉄骨造のアパートと比較して、木造3階建てアパートは、比較的に家賃が安いことも利用者にとって大きな魅力となります。

 

それは建物の建設費が一般的に、マンション(S造・RC造)や軽量鉄骨造のアパートと比べて木造3階建てアパートの方が安くなることに起因しています。

 

木造3階建てアパート
木造3階建てアパートは、木造2階建てアパートよりも耐震性能が高い場合があります。

 

その理由は2つ。“耐震基準の異なる建物の混在有無”と“構造設計の有無”です。

 

(1)耐震基準の異なる建物の混在有無
建物の耐震性能は、建築基準法の“耐震基準”によって定められています。この耐震基準は過去に2度ほど大きな改変(変更)がなされています。

 

・1981年の建築基準法改正(新耐震基準の誕生)
・2000年の建築基準法改正(木造の耐震基準強化)

 

現行の耐震基準は2000年以降のもの。木造2階建てアパートの中には、現在の耐震基準に適合していない、1981年以前に作られた建物も存在しているのです。

 

対して、木造3階建てアパートが法規制上建築可能となったのが1998年(実質2000年)以降。つまり、構造計算書通りに施工されていれば、原則、すべての木造3階建てアパートが現在の耐震基準に適合していることになるのです。

 

(2)構造設計の有無
また、木造2階建てアパートが、構造計算書の審査を簡略化でき、提出をしなくても良いのに対して、木造3階建てアパートは構造設計が義務付けられています。

 

理論的には、構造設計がなされていない建物よりも、構造設計に基づいて作られた建物のほうが、耐震性能が高いことになります。このことは、木造3階建てアパートの大きな性能上のメリットとなっています。

 

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遮音性の低さ
木造3階建てアパートにおいて一番の課題となるのが“遮音性(防音性能)”です。

 

“遮音性”は建物構造に関わらず、すべての住宅(戸建て・マンション・アパート)に共通した課題であり、木造3階建てアパートに限った話ではありません。

 

とはいえ、木造3階建てアパートにおいては、必要以上に高い水準の防音性能は施されない傾向があります。

 

 木造3階建てアパート

 

先に記したように、木造3階建てアパートの課題となるのが“遮音性”です。

 

そういう意味で、住み心地の良い木造3階建てアパートを選ぶ上で必ず確認しておきたいのが、“遮音性(防音性能)に関する課題の有無”です。

 

高水準の防音性能を備えているかどうか
実際には、なかなか高水準の防音性能を満たしている物件は少ないものです。ただ、物件選びのひとつの知識(基準)として、知っておくといいかもしれません。

 

ポイント

  • 高い遮音性を有している内壁仕様(壁ボードの二枚貼り、グラスウールの多め設置)
  • 天井の防振吊り木仕様
  • 厚みのある(24mm以上の合板)床仕様

騒音トラブルの有無をチェック
物件選びをする過程において、しっかりと“物件の音環境(騒音トラブルの有無)”をチェックしておくことも大切なポイントとなります。

 

騒音発生源の有無の確認方法として、まずは実際に現地を訪れて状況確認することが大切です。周辺環境は昼と夜で大きく様変わりするケースがありますので、少なくとも日中と夜間の状況を確認するようにしましょう。

 

また、“過去の騒音トラブルの有無”に関して、不動産担当者に確認することも有効でしょう。特に居住者特性(ペット、小さな子どものいる世帯数など)の確認は可能であればしておきたい要素です。

 

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木造3階建てアパートは、構造計算を用いて作られているため、木造2階建てアパートよりも耐震性(設計上)が比較的高い傾向にあります。

 

しかも、マンションと比較して安価な家賃となっているのも大きな魅力の要素です。

 

・木造3階建てアパートは耐震性(設計上)の高い賃貸住宅
・マンションよりも安めの家賃が魅力
・遮音性の課題を軽減するために、騒音の少ない生活環境の物件を選ぶ

 

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更新日: / 公開日:2019.01.23