賃貸物件の中でもデザイン性で人気の鉄筋コンクリート(Reinforced Concreteで略称RC)に今回はフォーカスしたいと思います。

鉄筋コンクリートの知っておきたい基本情報と、実際に住んだときの住み心地とは?

 

まずは鉄筋とコンクリートについて改めておさらいします。

 

鉄筋コンクリート自体は、コンクリートの芯に鉄筋をいれることで強度を高めたものです。鉄筋とコンクリートのお互いに異なる弱点をカバーしながら強い構造を作り上げているのが特徴の鉄筋コンクリートです。

 

 

鉄筋:引張力に強いけれども錆びやすく耐火性も低いという弱点
コンクリート:圧縮力に強いけれども引張力に弱い

 

柱・床・壁がこの鉄筋コンクリートでできている建物は、これらの特徴が生かされています。これらから鉄筋コンクリートは、耐震性・耐火性・遮音性・断熱性・耐久性があります。より具体的に見ていくと・・・

モノコックと呼ばれる構造を持っていて、地震の力を面で吸収しバランスよく力を分散します。

1000度の温度で2時間さらされてもコンクリートの強度は変わらないと言われています。

同じ条件の木造と比べると約10倍の音をシャットアウトします。

スキマなどもないために熱などを外に逃がさない特性は冷暖房を有効的に使うことができます。

鉄筋とコンクリートのお互いの特性を生かして作られているために、木造に比べるとはるかに耐久性に優れています。また木造にはよくあるシロアリの被害にあうことがありません。

 

住まいの基本構造としては優れているといえる鉄筋コンクリート造。では実際の住み心地はいかがでしょうか?

 

では実際の住み心地はどうなのか、というところから鉄筋コンクリート造の賃貸物件を考えてみたいと思います。

 

特に私たちが日常住む中で最も気になるところを中心に、鉄筋コンクリートの賃貸物件に住んだケースを想定して考えてみます。

隣人とのトラブルにもなりやすい「音」。木造の場合は特に遮音性に弱いためにこうしたトラブルはよく聞く話です。また音というのは一度気になり始めると継続します。それでは鉄筋コンクリートの建物の場合はどうでしょうか?

 

木造の約10倍という遮音性はドアの開け閉めや歩く音で悩まされることを防ぐことができます。しかし音の反応には個人差があること、またこれには建物の建築年数・壁や床の厚さなども大きく影響してくるために、鉄筋コンクリートだからと言って安心は禁物です。

 

最低限、気を付けるとよいのは壁や床の厚さです。壁の厚さ200mm以上のものがかなりの防音効果が期待できるため、音の気になる方は不動産屋さんにこの厚さを確認するのをお勧めします。また家の間取り(これは隣の家の間取りも含め)や近所の環境も確認することもお忘れなく。

 

遮音性が高いといっても、完全に音がしないという状況は難しいのが実情です。ペットや楽器、そして赤ちゃんの泣き声、洗濯機の音など、様々な音が世の中にはあふれています。入居前にお隣や上下の部屋に住む住民も可能であれば確認したほうがよいでしょう。

 

コンクリートは面の特徴をそのまま生かして、打ちっぱなしや吹付の塗装また石やタイルの貼り付けなど様々な表面加工ができるのが特徴です。

 

そうした特徴を生かした賃貸物件は、デザイン的に魅力といえるでしょう。特に打ちっぱなしはとてもシンプルなのでデザイン性ではとても人気です。木造と比べると柱がない分広く感じるのもコンクリートの建物の特徴です。

気密性の高いコンクリート造の物件は、隙間がないために冷暖房の熱は逃げにくいでしょう。

地震の多い日本の建物でやはり気になるのは耐震性ではないでしょうか。鉄筋コンクリートは構造上の強度が強いために地震に耐えます。

 

しかし、強い地震を受けた場合には、明確な破壊がなくとも部位にひび割れが生じるなどダメージは受けます。築年数が古い建物でチェックしたいのがひび割れ。どんなに強度があっても幾度も受けているとだんだんとダメージは蓄積していきます。

 

ひび割れがひどい建物は専門家による補修が必要な場合もあり、幅2mm以上のひび割れは構造的にも影響がある可能性もあり、鉄筋コンクリートの建物だからと安心せずによくチェックすることが重要です。

 

築50年など古いものは現在の建築基準法に満たしていない建物もあるので、あわせて確認しましょう。また高温にも耐えられるので万が一の火災の時でも、木造に比べれば火のまわりが遅いです。

 

メリットだけを見るととても住みやすいように見えますが、しかしデメリットの面も当然あります。

 

では住み心地面から鉄筋コンクリート物件でのデメリットを挙げていきます。

 

気密性は高いものの、外の熱を室内に伝えるというコンクリート特徴があるために、夏は暑く、冬は寒いのが弱点です。打ちっぱなしは見た目は涼しく見えますが、夏は熱がこもるので冷暖房の使用頻度が高くなります。

 

また気密性が高いというのはカビも発生しやすいことに繋がります。いったん発生したカビはコンクリートの汚れとなっていきます。またコンクリート自体が砂、砂利、水などを混ぜ合わせて固めたものなので、この水が乾くのにとても時間がかかります。

 

新築の場合でこの水が乾いていない場合、問題になるのが家の中にこもる湿気です。家を借りる際には、窓の位置・風通しを確認することが重要なポイントとなってきます。

 

ポイント

鉄筋コンクリート造の賃貸物件は、気密性が高いのはメリットですが、熱伝導率が高いため、あわせて言えば断熱性は低いといえるでしょう。ただし、物件の外壁に外断熱が施されている物件であれば、熱伝導率はさがり、そして気密性が高いので断熱性は高くなります。断熱性が高いと光熱費も抑えることができるため、こうした外断熱がされているかどうかを確認することが重要です。

コンクリートの床は畳などに比べても硬いです。これは歩行時に負荷がかかること、また転んだ時にけがをする可能性があるので、カーペットを敷くなどの対策が必要かもしれません。

 

混同されやすいのですが、鉄筋コンクリート造(RC)と鉄筋鉄骨コンクリート造(SRC)の違いについてご存知でしょうか。

 

鉄筋コンクリート造には今までお届けしましたが、耐火・耐震・遮音性にすぐれており、賃貸物件で言えば10階未満の中低層マンションに多く採用されています。一部では高層マンションに用いられるケースも増えてきているといいます。

 

鉄筋鉄骨コンクリート造は、コンクリートの中に鉄筋以外にもさらに補強をするために鋼材をいれ、鉄筋コンクリートよりもしなやかさと強度を増加させたものです。

 

性能は高まるものの、建設コストが高くなるため中低層のマンションではあまり用いられずに高層マンションで採用されるケースが高いです。ただ遮音性は鉄筋コンクリートとほぼ変わらないと言われています。

 

住まいについて、多少賃貸の料金が相場より高くても耐久・耐震性に重きを置く人は、鉄筋鉄骨コンクリート造のマンションのほうがいいでしょう。

 

鉄筋コンクリートのメリット・デメリットをみてきましたが、当然築年数が経つごとにメリットの性能はだんだんと劣化していきます。では鉄筋コンクリート造の寿命はどのくらいなのでしょうか?

 

一般的には税法上からの法定耐用年数で60年、使用自体に焦点をあてると65年以上あるといわれています。

 

また、取り壊される理由としてはコンクリート寿命ではなく設備や機能の劣化、経済的な理由が起因することが多く、コンクリート自体の使用年数を言えば高濃度のセメントであれば100年以上の寿命を保てるといわれています。

 

ただし鉄筋コンクリートだと、中の鉄筋が錆ることで強度がなくなるため約20%腐食した状態が鉄筋コンクリート寿命の限界のようです。

 

耐震性のところにも触れましたが、地震などによるダメージの蓄積度合によっても寿命は変わってくるために、検討中の住まいについては、ご自身の住まいの条件を洗い出し、その物件における想定居住期間などもあわせて、よく確認したほうがいいでしょう。

 

ポイント

鉄筋コンクリート物件のメリットは、気密性、遮音性、耐火性能、耐震性能が高いこと。また、デザイン性がある物件も多いです。デメリットとしては、熱伝導率が高く外気温に左右される、床が痛いこと。

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