賃貸物件のなかには、アパートやマンションだけでなく、一戸建て(一軒家)タイプの物件もあります。一戸建てには集合住宅にはない特徴があり、幅広いライフスタイルに対応できるのが魅力です。

今回は賃貸一戸建てのメリット・デメリットを紹介したうえで、購入する場合との費用の違いも詳しく解説します。

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賃貸一戸建てのメリット

 

賃貸一戸建てのメリットについて、ここでは「集合住宅に住む場合」と「一戸建てを購入する場合」との違いを比較しながら見ていきましょう。

 

集合住宅を借りる場合と比べると、一戸建ては住まいとしての独立性が高く、使い方の自由度が高いのが特徴です。

集合住宅を借りる場合と比べたメリット

  • 騒音トラブルの心配が少ない
  • プライベート空間を確保しやすい
  • 利用のルールが緩やかな場合も多い
  • 庭を自由に使える

一戸建てはマンションやアパートと比べて、隣の世帯との間に物理的な距離があるため、騒音をそれほど気にしなくてもいいのがメリットです。

 

上下階への影響も気にせずに済むので、小さなお子さんがいる世帯でも安心して住むことができます。また、部屋数やフロア数が多いため、複数人で住んでもプライベートを確保しやすいのも魅力です。

 

もうひとつのメリットとしては、居住ルールの自由度が高い点が挙げられます。一戸建ての場合、ペットの飼育や楽器の演奏など、集合住宅ではなかなか認めてもらいにくい行為が許可されるケースも多いです。

 

さらに、庭付き物件ならガーデニングなども楽しめるため、さまざまなライフスタイルの人に適しているといえます。

 

続いて、一戸建てを購入する場合と比べたメリットを見ていきましょう。

一戸建てを購入する場合と比べたメリット

  • 初期費用を安く抑えられる
  • 転勤などのライフスタイルの変化に対応できる
  • 設備や建具の不具合の修理費を自分で負担せずに済む
  • 自然災害時の経済的リスクが小さい
  • 固定資産税等がかからない

購入する場合は、仲介手数料や不動産取得税、登録免許税などの各種税金、住宅ローン関連費用などの諸費用がかかり、諸費用だけで数百万円にもなることがあります。

 

一方、賃貸でも敷金や礼金などの初期費用はかかるものの、「家賃の4~6ヶ月分」が目安とされています。

 

また、賃貸であれば急な転勤や収入低下などの変化にも柔軟に対応できます。購入の場合、売却や住み替えといった負担が大きい手続きが求められるため、この点は大きな違いといえます。

 

さらに、メンテナンス費や税金の負担、自然災害時の経済的リスクといった一戸建てを買う場合にある程度背負わなければならない問題も、賃貸であれば特に気に掛ける必要はありません。

 

リスクを負わずに一戸建てに住めるのが、賃貸での大きなメリットといえます。

賃貸一戸建てのデメリット

 

次に、賃貸一戸建てのデメリットについても詳しく見ていきましょう。

 

集合住宅を借りる場合と比べて、一戸建ては物件ごとの違いが大きい面もありますが、主に以下のようなデメリットを持っています。

集合住宅を借りる場合と比べたデメリット

  • 古い物件も少なくない
  • 定期借家契約も多い
  • 防犯対策を自分で考える必要がある
  • 庭や外構の手入れに手間がかかる
  • 立地に対して家賃は割高なケースが多い

賃貸一戸建てには、一定以上の築年数が経過している物件も多くあるため、物件選びは慎重に行う必要があります。

 

水回りの修繕が済んでいるかなど、同じ築年数でもリフォーム状況によって状態に大きな差が生まれるので、必ず内見時に確認しましょう。

 

また、契約更新ができない「定期借家」の物件も少なくないため、契約の種類にも注意が必要です。

 

物件情報をチェックすれば、インターネット上でもすぐに確かめられるので、気になる人は情報収集の段階で確認しておくといいでしょう。

それ以外のデメリットとしては、管理の手間がかかってしまう点や家賃が割高な点が挙げられます。

 

一戸建てが立つのは駅から離れている立地である場合も多く、立地条件の割に家賃が高いと感じられるケースもあるでしょう。

 

購入する場合と比べたデメリットには、以下のようなものが挙げられます。

一戸建てを購入する場合と比べたデメリット

  • 家賃を払い続けても資産にならない
  • 自由に設備の変更ができない
  • 原状回復義務がある

持ち家とは違い、家賃を払い続けても資産にはならず、所有することはできません。そのため、ライフプランによっては出費がもったいないと感じられるケースも多いでしょう。

 

また、一戸建てといってもあくまでも借り物なので、特別な許可がない限りは自由にリフォームなどを行うこともできません。

 

原状回復義務があるため、故意や過失によって損傷を与えてしまった場合には、退去時に修繕費用を請求されてしまうため注意が必要です。

 

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賃貸一戸建てに向いている人の特徴

 

賃貸一戸建てに向いているのは、以下のような特徴に当てはまる人です。

賃貸一戸建てに向いている人の特徴

  • 一戸建てを購入する前に暮らしを経験してみたい
  • 広い住まいでのびのびと暮らしたい
  • 生活音をあまり気にしたくない
  • 庭のある生活に憧れがある
  • やや駅から離れていても問題がない

賃貸一戸建ては、マイホーム購入に向けて実際に一戸建て生活を体験したい人に適した選択肢といえます。

 

実際に住んでみると、一戸建ての意外なメリットやデメリットが見つかり、マンションとどちらが向いているかを判断するのにも役立つでしょう。

 

また、広いスペースを必要とする人や生活音を気にしたくない人などにも適した選択肢です。

 

さらに、駅から離れた立地にある物件も多いので、どちらかといえば自家用車がある人に向いているといえます。駐車場付きの物件を選べば、駐車場代を抑えられるのもうれしいポイントです。

持ち家 vs 賃貸…50年間住むならどちらがお得?

 

一戸建てに住むうえで、持ち家と賃貸のどちらがいいかは、それぞれのライフプランや価値観によって異なります。

 

ここでは、それぞれの総住居費をシミュレーションして、費用面からどのような違いがあるのかを見ていきましょう。

 

なお、今回はシミュレーションにあたり、賃貸の場合は「家賃12万円」、持ち家は「住宅ローン返済月額12万円」と設定しました。

 

賃貸物件でかかる住居費用には、主に家賃と初期費用、更新費用、管理費などがあります。

 

初期費用を家賃の5ヶ月分、更新費用は2年に一度家賃1ヶ月分、管理費を家賃の5%(6,000円)と設定すると、50年住んだときのトータルコストは以下のようになりました。

  • 初期費用:60万円
  • 家賃:7,200万円
  • 更新費用:300万円
  • 管理費:360万円
  • 総住居費:7,920万円(同じところに住み続けた場合)

 

持ち家でかかる住居費用には、主に住宅購入額、諸費用、維持費などがあります。

 

毎月12万円の返済を35年間続けることを想定し、LIFULL HOME’Sの「住宅ローンシミュレーター」で購入可能な住宅価格を計算したところ、結果は約3,500万円となりました。

 

そこで、今回は3,500万円の住宅ローンを借りるケースについて、総住居費を計算しましょう。なお、諸費用は住宅購入金額の8%と想定します。

  • 諸費用:280万円
  • 住宅ローン総支払額:約4,500万円(全期間固定金利1.5%の場合)
  • 維持費・修繕費:2,000万円(年間40万円と想定)
  • 総住居費:6,780万円

 

上記の条件で試算をすると、賃貸に住み続けるよりも持ち家を購入した方が、トータルコストは安く済むことが分かりました。

 

持ち家の場合は、住宅ローンを完済してからの負担が大きく軽減されるため、長い目で見るとお得になるケースも多いです。

 

ただし、今回のシミュレーションでは、賃貸でも同じところに住み続けることを前提とした結果である点には注意が必要です。

 

賃貸なら、子どもが独立したタイミングでより狭い物件に引越し、家賃を下げるといった選択もできます。

 

そうした点を踏まえると、トータルコストを比べたときに、持ち家より安く収まる可能性も十分にあり得るでしょう。

 

このように、一概にどちらがお得とは言い切れない問題でもあるため、ライフプランや家族構成などから慎重に計画を立てることが大切です。

 

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賃貸一戸建てイメージ

 

  • 賃貸一戸建ては、騒音などを気にせず、広い空間をのびのびと使えるのがメリット
  • 楽器演奏やペット飼育、庭でのガーデニングなどを認めてもらえる物件も多い
  • 築年数が経過した物件も多いので、内見時に物件の状態を細かくチェックする
  • 持ち家と賃貸の場合の違いも踏まえて検討することが大切

 

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更新日: / 公開日:2017.12.08