賃貸住宅を探しているときに、「定期借家」や「定期借家法」という物件を目にしたことはありませんか?

通常の賃貸借契約では、借主が更新時に引き続き住みたいと希望すれば、貸主側は正当な事由がない限り、更新の拒絶や解約はできませんでした。

定期借家契約とは

 

2000年に「良質な賃貸住宅等の供給の促進に関する特別措置法」の中に、定期借家権が新たに導入され、契約で定めた期間が満了を迎えると更新されることなく、契約が終了する借家制度ができました。

 

定期借家の特長は、契約期間が1年未満からでも自由に定められること、契約書とは別の書面にて、契約の更新はない旨を説明する義務が課せられることなどが挙げられます。

 

もし、契約時に貸主側からこの説明がされなかった場合は、定期借家としての効力が失われ、従来型の賃貸借契約のように更新が可能です。

 

では、定期借家契約の満了後も引き続き住み続けたい場合、必ず出ていかなければならないのかというとそうではありません。当事者双方が合意すれば「再契約」という形でその建物の使用を続けることは可能です。

 

しかしあくまで、貸主の事情が優先されるため、必ず再契約できる訳ではないことを心得ておく必要があります。契約時に再契約の可否、再契約時の金額などについて貸主に詳しく確認しておきましょう。

 

より長く住みたいと考えているなら、契約期間が5年や10年など期間の長い物件を探すのも一つの方法でしょう。

 

また、定期借家でも従来型の借家でも借主側の理由による中途解約の際は、契約時に定めた特約に従うのが一般的です。

 

ただし、定期借家に関しては、借主に転勤や親族の介助などやむを得ない事情が認められた場合、特約がなくても法律により中途解約ができます(床面積が200m2未満の居住用建物に限る)。

定期借家は通常より安い賃料の場合も

 

一見、借主にとってはメリットが少ないように思える定期借家。契約が満了すると家主側が再契約に同意しない限り、住み続けることが出来ないことが最大のデメリットと言えます。

 

また、基本的に短期間での契約のため、例えば設備などに不備があってもなかなか家主に言うのができないのが現状と言えるでしょう。しかし、そんな定期借家ですが、借主にとっても有利な契約になる可能性もあります。

 

基本的に定期借家は自分が気にいった住まいでも継続して住めることが少ないため、借り手がなかなかつきにくいという声を聞きます。

 

そのため貸主は賃料を相場より低く設定したり、礼金を不要にしたりあの手この手を使って集客数を増やそうとします。その結果、借主は良質な物件を予算内で見つけやすくなるというメリットが生まれます。

 

また、もしお隣にトラブルを起こす住民が新たに入居してきたとしても、契約期限が過ぎれば貸主の判断で退去させることができるので、問題を起こす住民が長く居座り続けることができない仕組みになっています。

 

定期借家は数が少ないので、細かく見て探しましょう

 

さらに、通常の賃貸借契約は1年以上が原則なのに対し、定期借家の場合、契約期限が1年未満でも借りることが可能な物件が探せます。

 

進学や転勤などによって期間限定の短期間だけ借りたい人にとっては、定期借家契約の方がかえって好都合だという場合もあるでしょう。借主・貸主双方の条件がマッチさえすれば、定期借家契約のメリットを最大限に生かすことができるはずです。

 

流通している物件数の中でも定期借家の割合は圧倒的に少ないため、インターネットで見つけようと思っても難しいかもしれません。よく見ると、備考欄に小さく「定期:○年○月○日まで」などと明記されている場合もあります。

 

より確実に見つけるには希望するエリアにある不動産会社に、定期借家物件はないかどうか直接足を運んで尋ねてみましょう。

 

期間限定ではなく長期的に住むことを検討している場合は、必ず契約期間(契約終了年月日)と再契約できるかどうかの確認を忘れずにしましょう。

普通借家では見つけられなかった物件に巡り合えるかも

 

貸主側が定めるいくつかの制約はあるものの、定期借家はデメリットばかりではありません。にもかかわらず、定期借家は全物件契約の中でもたったの数%程度しか利用されていないというのが現状です。

 

それは、「家賃が安いのは、契約更新ができないからだろう」というイメージが入居者に広まっているからかもしれません。

 

しかし、定期借家制度が創設されて以来、従来の普通借家では見つけることが難しかった物件に巡り合えるのも定期借家ならではのメリットです。

 

たとえば、建て替え・転勤・シェアハウスなど、期間を限定した借り方が可能です。逆に貸主にとっては未使用期間の別荘やセカンドハウスなどを貸し出すことも可能です。双方の期限が合えば貸主側、借主側どちらにとっても検討する価値があります。

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