空前の古民家ブームといえる状況が続いていますが、そのままの状態で現代的な暮らしを送ることは難しく、引越し前にリフォームが必要になるケースが一般的です。

今回は、古民家リフォームを行う際に必ず覚えておくべきポイントをご紹介し、利用するとお得な補助金、そして目安となる工事費用について詳しく解説します。

断熱工事の様子

古民家をリフォームする際に特に大切なのは、以下の3つのポイントです。まずは安全性、そして暮らしやすさを意識したリフォームを行いましょう。

耐震基準は1981年6月に改正されています。それ以降に建築確認を受けた物件は新耐震基準に準拠していますが、古民家の場合は旧耐震基準でつくられた可能性が高くなります。

もともと耐震性能が低いことに加えて、地盤が弱くなったり、柱や梁などが劣化したりしている場合も多いため、そのまま住むには危険が伴うのです。

 

また、断熱性に関しても近代的な機能が備わっていない、あるいは経年劣化により機能が損なわれているというケースが目立ちます。断熱性能の低い住宅は、冬は寒く、夏は暑くなりやすいうえ、エアコンも効きにくくなりますから、快適な暮らしのためにリフォームを行いましょう。

古民家の場合、屋根が劣化していることも多く、雨漏りなどのトラブルが日常的に起こり、建物内部の劣化を早めてしまう危険性があります。特に積雪地帯の古民家では、雪の重さに耐えられずに崩壊を招くリスクも潜んでいますから、屋根もリフォームが必要です。

 

外壁も、見栄えをよくすることのほかに、雨や風から建物を守るという役目を果たしていて、10年に1度程度のペースで外壁塗装工事が必要になります。前回工事を行ったタイミングが分からない場合は、リフォーム会社に調査してもらい、どの部分に工事が必要か確認しましょう。

古民家のトイレや浴室、キッチンは汚れが蓄積されていることが多く、設備も古いものが多いため、全面的なリフォームが必要になります。

水回りも10年周期がリフォームの目安です。ユニットバスなどへの変更や、和式トイレから洋式トイレへの変更には高額な料金がかかります。

上記の項目では、古民家で優先的にリフォームすべき箇所をお伝えしましたが、ここからは、より住みやすい暮らしを実現するためのアイデアをご紹介します。それぞれにメリットがあるので、プラスαとして、必要なリフォームを選んで進めていきましょう。

古民家には、バリアフリーという概念が取り入れられていないことが多く、介護が必要な方と同居する場合には、バリアフリー化することも重要です。建物の中に段差がある場合には、なくすことにより、車いすで移動しやすくなりますし、歩行する場合も、手すりを設置することで転倒を予防できます。

 

トイレや浴室といった箇所にもバリアフリー化を取り入れ、衛生的で事故を防ぎやすい内装に変更するとよいでしょう。

暮らしに必要なエネルギーを削減できる設備を取り入れることにより、月々の光熱費を安く抑え、地球環境にも貢献できます。たとえば、高性能な断熱材や窓を取り入れるだけでも、外気を遮断して気密性を高められるので、暖房の熱気や冷房の冷気を閉じ込めやすくなり、エアコンの稼働時間を減らせます。

 

古民家の場合、大きな屋根を備えていることも多いため、太陽光発電を取り入れたリフォームを行うこともおすすめです。初期費用はかかりますが、電気代が安い夜間につくった電気を昼間に使うことができたり、余った電気を売却したりできるため、長い目で見れば黒字になることもあります。

古民家には大規模なリフォームが必要になることが多く、トータルでリフォームを行った場合、1,000万円を超えたり、2,000万円近くになったりするケースも少なくありません。

 

リフォームにかかる費用は、元の家の状態や、リフォームをする必要のある箇所、そして材料・デザインへのこだわりなどによって大幅に変動するのが特徴です。あくまでも目安の費用にはなりますが、各箇所をリフォームする場合にかかる費用は、以下のようになります。

耐震リフォーム 300万円~
断熱リフォーム 3万円~(1m2あたり)
屋根リフォーム 300万円~
外壁リフォーム 300万円~
水回りリフォーム キッチン:50万円~130万円
トイレ:20万円~70万円
浴室:100万円~150万円
洗面所:15万円~40万円
バリアフリー化工事 50万円~200万円
省エネ化工事 断熱工事:300万円~
太陽光発電:150万円~300万円

古民家で暮らす

多額の費用がかかる古民家リフォームですが、補助金や減税制度を活用することによって、費用を抑えられます。リフォームを実行に移す前に、どのような制度があるのかを知っておきましょう。

太陽光発電パネルの設置や、省エネタイプの給湯器の設置、LED照明の設置、断熱性向上の工事などを行った場合、補助金が支給されます。

高性能建材による住宅の断熱リフォーム支援事業」は、高性能な断熱材やサッシなどを使った断熱改修を行う際に利用できる補助金で、2020年度は補助対象経費の3分の1以内、上限120万円(一戸建ての場合)の補助金が受け取れます。

次世代省エネ建材支援事業」は、高性能断熱パネルや調湿建材等を使用し、住みながら短期間で施工可能なリフォームをする場合に補助金を受け取れます。

いずれも年度により実施内容が異なる場合がありますので、最新の情報を確認するようにしましょう。

 

参照:一般社団法人環境共創イニシアチブ

令和2年度 高性能建材による住宅の断熱リフォーム支援事業

令和2年度 次世代省エネ建材支援事業

要支援または要介護1~5に認定された居住者がいる住宅で、バリアフリー化に向けた一定の工事を行う場合には「高齢者住宅改修費用助成制度」の対象となります。最大20万円までの工事費用について、9割の補助金が支給されます。こちらは着工前の申請が必要なので、担当のケアマネージャーなどに事前に相談する必要があります。

 

また、各自治体がバリアフリーリフォームに関する助成制度を設けている場合もありますので、確認してみましょう。

耐震補強工事を行う場合に、補助金を支給している自治体もあります。それぞれ条件や補助金額は異なるため、制度をよく確認するようにしましょう。

そのほか、地方自治体が独自で行っている補助金制度もあるため、古民家のある地域を管轄する役場のホームページ等を確認しましょう。

一例として新潟県の場合には、伝統的木造建築技術により建築された築50年以上の住宅をリフォームする際にかかる費用の一部を、上限100万円まで支給する制度があります。

古民家で快適に暮らすためには、水回りや屋根、耐震性などをリフォームする必要があり、状況に応じてバリアフリー化や省エネ化も必要になります。

これらの工事には1,000万円以上の高額な費用がかかることが一般的ですが、さまざまな補助金を活用できるので、費用を抑えるためにも、利用できる制度を見つけましょう。

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