オール電化へ変更するとガス代(基本料金)が不要となり、時間帯別電気料金プランや太陽光発電の活用によって効率的に光熱費を削減できます。
詳しくは、「オール電化にリフォームする4つのメリット」をご覧ください。
一戸建てのフル導入費用相場は約80万〜150万円で、マンションでは管理規約による電気容量や搬入経路の制限を事前に確認する必要があります。
詳しくは、「オール電化リフォームの費用相場|設備別の工事費目安」をご覧ください。
IHクッキングヒーター導入時には200V電源工事が必要となり、調理器具の制限や停電時の防災対策(カセットコンロ等の準備)が欠かせません。
詳しくは、「オール電化リフォームで後悔しないための注意点・デメリット」をご覧ください。

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近年、リフォームや新築で導入が増えている「オール電化」。調理や給湯などの熱源をすべて電気にまとめることで、生活がどのように変化し、どんなメリットが得られるのか気になっている方も多いのではないでしょうか。

 

オール電化へのリフォームは、光熱費の削減や安全性の向上といったメリットがある一方で、設備費用や既存の調理器具が使えなくなるといった注意点も存在します。

 

今回は、オール電化リフォームに必要な主要設備から工事の費用相場、具体的なメリット・注意点、さらに工事をスムーズに進める手順まで詳しく解説します。

 

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IHコンロを使う女性

オール電化リフォームとは、これまでガスや灯油を使って利用していた調理、給湯、暖房などの熱源を、すべて電気のエネルギーで賄う住宅システムへ変更する工事のことです。

 

ガスコンロを撤去してIHクッキングヒーターに置き換え、ガス給湯器をエコキュートや電気温水器へ変更することが基本的な内容となります。オール電化リフォームで導入される代表的な3つの設備とその役割について紹介します。

IHクッキングヒーター

電磁波を利用して鍋やフライパン自体を発熱させ、直火を使わずに調理する設備です。火が出ないため火災のリスクが低く、トッププレートが平らなフラットデザインなので、調理後のお手入れも拭くだけで簡単に行えます。

 

なお、一般的なガスコンロからIHクッキングヒーターへ変更する場合、多くの製品で200V(ボルト)のハイパワー電源が必要となります。そのため、既存の分電盤(ブレーカー)から200V専用回路を引き込む配線工事が必要となる点が特徴です。

エコキュート・電気温水器

屋外に貯湯タンクとヒートポンプユニット(電気温水器の場合は本体のみ)を設置し、電気の力でお湯を沸かして溜めておく給湯設備です。

 

特に「エコキュート」は、大気中の熱を利用して高効率でお湯を沸かすシステムで、電気エネルギーのみで沸かす従来の電気温水器と比べて約3分の1の消費電力でお湯を作ることができます。

電気式床暖房・蓄熱暖房

電気を使って部屋全体を暖める暖房システムです。夜間の割安な電気代を利用して蓄熱材に熱を溜め、昼間に放熱する蓄熱式暖房や、エコキュートで沸かした温水を床下に巡らせる温水循環式床暖房などがあります。

 

温風を出さずに足元から部屋全体をムラなく温められるため、空気の乾燥を防ぎながら清潔で快適な暖房環境を整えられます。

 

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自宅をオール電化へリフォームする場合、気になるのが工事費用です。一戸建て全体をオール電化へフルリフォームする場合の費用相場は、設備本体代金と施工工事費を合わせて「約80万〜150万円」が一般的な目安となります。

設備ごとのリフォーム費用目安

導入する設備の種類やグレード、設置状況によって費用は変動します。主な設備別の費用相場は以下の通りです。

導入設備費用相場(本体代+工事費)主な工事内容
IHクッキングヒーター約10万〜30万円既存コンロ撤去、200V専用回路新設工事
エコキュート約40万〜80万円給湯器交換、土台基礎工事、配管接続工事
電気式床暖房(8畳〜12畳)約30万〜60万円床材剥がし・張替え、電気配線工事

 

IHクッキングヒーターのみを部分的に導入する場合は10万〜20万円程度で施工可能ですが、給湯器を含めたオール電化へ完全移行する場合は、電気の契約アンペア数を変更するための幹線工事や分電盤の交換工事が必要となり、全体の費用が上がります。

 

初期投資が必要となるオール電化リフォームですが、導入することによって日常生活や家計面で多くのメリットが得られます。

1. ガスの基本料金がかからず光熱費を一元化できる

ガスと電気を併用している場合、それぞれに毎月の基本料金が発生します。オール電化にリフォームして熱源を電気一本に絞ると、ガスの契約自体を解除できるため、ガスの基本料金(月額数千円程度)が一切かからなくなります。

 

さらに、電気料金プランを夜間の単価が割安な「季節別時間帯別電灯契約」へ変更し、夜間の安価な時間帯にお湯を沸かすことで、日々の光熱費を効率的に抑えることが可能です。支払い窓口がひとつにまとまるため、家計管理が楽になる点も魅力です。

2. 直火を使わないため安全性が高くお手入れが簡単

IHクッキングヒーターは火を使わずに加熱するため、衣服への着火や周囲の油跳ねによる火災リスクを大幅に軽減できます。高齢の方や小さなお子様がいるご家庭でも安心して料理ができます。

 

また、凸凹のないフラットなガラス天板は、調理後にサッと布巾で拭くだけで汚れが落ちるため、キッチンの掃除にかかる手間と時間を劇的に減らせます。

3. 災害時のライフライン復旧が早く非常用水も確保できる

地震や台風などの自然災害が発生した際、一般に、電気はガスや水道と比べて復旧が早い傾向があります。万が一ライフラインが停止しても、比較的短期間で元の生活に戻りやすいという強みがあります。

 

さらに、エコキュートや電気温水器のタンク内には常時数百リットルのお湯や水が蓄えられているため、断水時には非常用の生活用水(手洗いやトイレの流し水など)として取り出して活用することができます。

4. 太陽光発電や蓄電池との相性が抜群に良い

自宅の屋根に太陽光発電システムを設置している、または今後設置を検討している場合、オール電化との相乗効果は非常に高くなります。

 

電気代が高い昼間の時間帯は太陽光発電で創った電気を消費し、夜間は割安な深夜電力を利用することで、買電量を極限まで抑えることができます。蓄電池も併用すれば、昼間に貯めた電気を夜間に回すことができ、電気代高騰の影響を受けにくい自給自足に近い暮らしが実現します。

 

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メリットの多いオール電化ですが、導入後に「こんなはずではなかった」と後悔しないために、事前に知っておくべき注意点とデメリットを確認しておきましょう。

1. 使用できる調理器具(鍋・フライパン)が限定される

IHクッキングヒーターでは、磁石が引っつかないアルミ鍋や銅鍋、底が丸い中華鍋、土鍋などは使用できません。IH対応(鉄・ステンレス製で底が平らなもの)の調理器具を新しく揃え直す必要があります。

2. エコキュートの設置スペースと搬入経路が必要

エコキュートは貯湯タンクとヒートポンプユニットを設置するため、機種に応じた設置スペースとメンテナンススペースが必要です。

 

敷地が狭い一戸建てや隣家との隙間が狭い場合、設置場所が確保できなかったり、機器を搬入できなかったりすることがあるため事前確認が必須です。

3. マンションでは規約や電気容量の制限で工事できない場合がある

マンションでオール電化リフォームを検討する場合、管理規約の制限を受けることがあります。特に古いマンションでは、マンション全体で使える電気容量の上限が決まっており、各戸で200V電源への引き込みや契約アンペア数の増設が許可されないケースが存在します。

 

また、エコキュートの大型タンクをベランダやパイプスペースに置くことが禁止されている物件も多いため、管理組合へ事前にリフォーム可否を問合せる必要があります。

4. 停電時にはすべての熱源がストップする

家全体の熱源を電気に頼っているため、停電するとIHクッキングヒーターや電気式暖房などは使用できなくなります(エコキュートはタンク内に貯まっているお湯を利用できる場合があります)。

 

万が一の停電時に備えて、非常用のカセットコンロやポータブル電源、石油ストーブなどを防災用品として準備しておくことが大切です。

 

オール電化リフォームを失敗なく進めるための標準的な5つのステップを紹介します。

ステップ1:自宅の電気容量と設置可能スペースの確認

現在の分電盤の容量(アンペア数)や、屋外にエコキュートを置くスペース、機器の搬入経路があるかを事前に確認します。

ステップ2:リフォーム専門会社への相談と現地調査

複数のリフォーム会社に現地調査を依頼します。専門業者に分電盤の状況、給水配管の立ち上げ位置、屋外基礎の設置可否をプロの目で見極めてもらいます。

ステップ3:見積もりの比較と契約

提示された見積もりについて、機器本体代金だけでなく「電気幹線工事」「旧給湯器・コンロ撤去費」「基礎工事費」などが明確に含まれているかを比較検討し、納得できる会社と契約を結びます。

ステップ4:施工(工事の実施)

通常のオール電化リフォームの工事期間は「約1〜2日」程度で完了します。工事中は一時的に水や電気が止まる時間帯があるため、事前のスケジュール調整が必要です。

ステップ5:電力会社へのプラン変更・試運転

工事完了後、電力会社へ夜間割引が適用されるお得な電気料金プランへの変更申請を行います。機器の初期設定と動作確認を行えば、その日からオール電化生活がスタートします。

 

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Q.1 オール電化リフォームの工事期間はどのくらいかかりますか?

A.1 標準的な一戸建ての場合、工事期間は「1〜2日」程度です。IHクッキングヒーターの交換のみであれば半日〜1日、エコキュートの設置・配管工事を含めても2日程度で完了し、生活への影響は最小限に抑えられます。

Q.2 マンションでもオール電化にリフォームすることはできますか?

A.2 マンションでも可能ですが、事前に管理規約の確認が必要です。電気容量の上限設定や、ベランダ・パイプスペースへのエコキュート設置制限がある場合、工事が認められないケースがあるため、必ず管理組合へ事前に相談しましょう。

Q.3 今使っているフライパンや鍋はIHクッキングヒーターでも使えますか?

A.3 鉄やステンレス製で、底が平らな調理器具であれば引き続き使用できます。ただし、アルミ製や銅製、底が丸い中華鍋、土鍋などはIHで使用できないため、IH対応の調理器具へ買い替える必要があります。

Q.4 エコキュートのお湯は飲用できますか?

A.4 貯湯タンク内のお湯は一度沸騰消毒されていますが、長期間タンク内に溜められたお湯であるため、そのままの飲用は推奨されていません。飲用する場合は一度沸かし直すか、料理用として加熱して使用するのが一般的です。

更新日: / 公開日:2020.06.26