中古住宅をフルローンで購入することはできるか

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実際の購入価格に必要な金額の
借入が厳しい可能性があります

フルローンとは、頭金などの自己資金なしで、金融機関から全額融資を受けるローンのことです。

住宅ローンの手数料や保証料などの諸費用を含めて借りることになります。

中古住宅ではフルローンが難しいという話を聞きますが、まずは中古住宅をフルローンで購入することができるか解説していきます。

中古住宅を購入する際、新築住宅と同じく住宅ローンを利用することができます。

しかし新築住宅とは異なり、建物の価値が減少した状態で購入することになります。そのため、金融機関が評価する担保額と実際の購入価格の差が出てしまうことがあり、諸費用やリフォーム費用を含めて借りようとしても借りられない可能性があります。

金融機関は査定に基づいて融資金額を決めていますので、中古住宅をフルローンでは「購入できない」としているわけではありませんが、購入予定の物件によっては希望通りの融資が受けられない可能性があるのは確かです。

中古住宅を購入する際の諸費用

フルローンを利用できるかどうかは担保評価と諸費用、リフォーム費用の額によります。ここでは中古住宅を購入する際に必要な諸費用がどのくらいかかるか確認しておきましょう。

例:3000万円の中古住宅を購入する場合

【物件価格】3,000万円(土地1,500万円・建物1,500万円)
【固定資産税評価額】土地1,000万円・建物500万円
【借入】借入額3,000万円+α 30年返済、金利1.5%
<融資に関する費用>
諸費用の合計84万円
保証会社保証料61.8万円
保証会社事務手数料3.2万円
印紙代2万円
登記費用17万円

<保険料>
諸費用の合計15万円
団体信用生命保険料(金利に含まれる)
火災保険料15万円

<住宅取得に関する費用>
諸費用の合計105.5万円
印紙税1.5万円
不動産取得税0万円
登録免許税10万円
仲介手数料104万円

諸費用の合計が204.5万円(84万円+15万円+105.5万円)で、購入価格に対する諸費用の割合は6.8%となります。

今回の物件価格は控除により不動産取得税がかからない設定ですが、不動産取得税がかかるケースも考えると、諸費用は7~10%程度かかる可能性があります。つまり、「購入金額+10%」分を借り入れると考えておいた方がいいでしょう。

またリフォームを希望する場合は、リフォームする箇所によって費用は異なりますが、さらに費用がかかることになります。

そもそも諸費用やリフォーム費用も住宅ローンで借りられるか?

諸費用がどのくらいかかるかシミュレーションしましたが、では住宅ローンは諸費用やリフォーム費用も含めて借りることができるのでしょうか。A銀行の例で確認してみましょう。

<A銀行の住宅ローン>
A銀行には、普通の住宅ローン、リフォーム資金を含む住宅ローン、リフォームローンの三種類が対応しています。

<A銀行 商品概要説明(抜粋)>
資金用途借入金額
住宅ローン中古住宅の購入資金
住宅の増改築・修繕費用
50万円以上1億円以内
住宅ローン
リフォーム資金対応
リフォーム資金50万円以上1億円以内
購入物件価格の最大130%以内
リフォームローン住宅の増改築
設備機器資金・耐震免震工事
10万円以上500万円以内


「住宅ローン」は、一般的な住宅ローンで、新築や購入資金、住宅用土地の購入資金などに使えますが、新築や購入する物件の価値の範囲内で融資を受けることができます。

担保価値が減少している中古住宅の場合、諸費用やリフォーム費用まで融資を受けるのは厳しいかもしれません。

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ローンの種類によって額が異なります

「住宅ローン(リフォーム資金対応)」は、購入物件価格の最大130%以内まで借りることができますので、諸費用やリフォーム費用まで融資を受けたい人に対応できる商品となっています。

諸費用が物件価格の10%程度と考えると、物件価格の20%程度はリフォームにあてることができます。

「リフォームローン」は、借入金額が500万円以内となっていますので、購入資金ではなく、リフォームのためだけの融資だとわかります。

このように、購入資金と諸費用、リフォーム費用をまとめて借りるフルローンの場合、購入物件価格以上を借りられる商品を選べばよいことがわかります。

希望通りの金額が借りられない原因は?

新築・中古に限らず、諸費用(リフォーム費用)を含めて借りたい方は多いと思います。中古住宅なら新築住宅より価格は低い場合が多いので、収入面では基準をクリアされているかもしれません。

しかし、収入や返済負担率(収入に対する借入金額の割合)など資金面では問題なくても、物件面で条件に満たないことが考えられます。

物件の条件に満たないケースについて解説していきます。

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購入予定の家の価値はどうでしょう

担保価値が購入価格より低い
金融機関による担保価値査定では、中古マンションは売買事例で評価し、戸建ては築年数や構造、広さで算出することが一般的です。

木造戸建ては築年数10数年~20年で資産価値がゼロとなり、鉄筋コンクリート造であっても少し延びる程度です。

修繕回数や費用などは考慮されていませんので、リフォーム済みの物件であっても、購入価格は上昇しますが、担保価値も同程度上がるわけではありません。

また築年数を考慮して返済期間が決まりますので、返済期間が短くなり、その結果、毎月の返済額が増える可能性もあります。融資額や返済期間が希望通りではなかった場合、担保評価が原因かもしれません。

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建築基準法に則っているか確認しましょう

建築基準法の基準を満たしていない
建築基準法では、前面道路の幅(幅員)や耐震性などの規定があります。

建築基準法は昭和56年に耐震基準が導入されていますので、これ以後に建築された住宅かどうかがポイントとなります。

住宅ローンの商品説明書に次のような記載があることからも分かります。

“不動産は、建築基準法およびその他法令の定めに合致していることが必要です。”

以上のことから、築年数30年以上の中古物件の場合、建築基準法の耐震基準に満たないことが原因かもしれません。

中古住宅の購入は資金面でなく物件面での基準クリアが必要

フルローンは手持ち資金を減らさずに物件を購入することができますし、中古住宅であれば新築に比べ安く購入できますので、フルローンでも毎月の返済は可能かもしれません。

ただ収入や返済などの資金面で問題なくても、中古住宅の場合は担保評価や法令の面で基準がクリアできず、希望金額を借りられなかったり、審査が通らなかったりします。

価格が手頃でもフルローンが使えないことも考えられますので、場合によっては自己資金を使うことも検討しましょう。

●まとめ●
・中古住宅の諸費用は、物件価格の7%~10%程度を見込んでおく
・中古住宅購入に対応した住宅ローンの商品がある
・フルローンでは、審査の結果、必要資金額を借りられないことがある
・審査がクリアできないのは、担保評価価値や建築基準法に関係している可能性も


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(2018/01/19)