相続税・贈与税の計算に利用される路線価

国税庁は2016年7月1日、相続税や贈与税を算出するときの基準となる路線価(2016年分)を公表した。
路線価は、国税庁が道路ごとに1m2当たりの価格を定めており、毎年1月1日時点で評価される公示地価を参考に、その80%程度の水準になるように路線価が決められる。なお、2016年分の路線価は、2016年1月1日から12月31日までに発生した相続・贈与に関わる相続税・贈与税の計算に利用されることになる。

2015年1月1日の相続税法改正により課税強化が実施されたことで、路線価の税金の負担増につながる世帯は、約1,200万世帯(+600万世帯)にのぼる。
2016年の路線価にはどのような傾向がみられるのだろうか。

東京都、神奈川県、大阪府などの6都府県が3年連続の上昇

路線価の全国平均は、前年比0.2%のプラスで、リーマン・ショック前の2008年以来8年ぶりに上昇に転じた。
上昇した都道府県の数は14都道府県で、前年と比較して4都道府県増加している。このうち、都道府県別の平均では、東京都が2.9%プラスでもっとも高い上昇率をを示しており、次いで東日本大震災復興の影響が現れた宮城県2.5%、福島県2.3%が続いている。
宮城県と愛知県(共に1.5%)は4年連続の上昇となったほか、東京都、福島県、大阪府(1.0%)、神奈川県(0.5%)、千葉県(0.4%)、埼玉県(0.2%)の6都府県が3年連続の上昇、さらに沖縄県(1.7%)と京都府(0.8%)が2年連続の上昇となっている。
また、北海道(0.8%)、福岡県(0.8%)、熊本県(0.1%)の3道県は、今年から新たに上昇へ転じた。

その他の33県は引き続き下落しているものの、静岡県、三重県、滋賀県、徳島県を除く29県は下落率が縮小している。静岡県と徳島県の2県については、前年と同じ下落率となり、三重県は▲1.7%から▲1.8%、滋賀県は0.0の横ばいから▲0.2と再び下落に転じている。しかし、下落したのは5道県から2県へと減少しており、3%を超える下落は前年の4県に対し、2016年は秋田県(▲3.9%)の1県にとどまっている。

なお、東京電力福島第1原発周辺の帰宅困難区域、居住制限区域などは、今年も引き続き、評価額を「ゼロ」としている。

都道府県庁所在地は25都市で上昇

都道府県庁所在地別で最高路線価が上昇したのは、前年よりも4都市増え、25都市となった。
上位から、大阪市北区角田町(御堂筋)が22.1%の上昇をはじめ、東京都中央区銀座5丁目(銀座中央通り)が18.7%の上昇、京都市下京区四条通寺町東入2丁目御旅町(四条通)が16.9%となっており、札幌、仙台、東京、金沢、名古屋、京都、大阪、神戸、広島、福岡の10都市が10%以上の上昇率になっている。
なお、最高路線価のトップは東京都中央区銀座5丁目の銀座中央通りで、1m2当たり3,200万円(前年比18.7%プラス)と、31年連続トップとなっている。

一方で、青森市が前年の横ばいから▲3.1%と下落に転じ、秋田市が▲3.7%から▲3.8%、鳥取市が▲4.2%から▲4.3%など下落率が拡大している都市もある。
路線価全国平均が前年比0.2%のプラスとなったものの、その実態は都市部の上昇率の伸びが強まったに過ぎず、引き続き「地価が上がる都市部と、下落が続く地方」という状況は変わってはいない。
東京都においては、2020年のオリンピック開催が追い風となっているものの、今後も継続して上昇するかは不透明な状況である。

都道府県庁所在地の最高路線価上位10位都道府県庁所在地の最高路線価上位10位

調査概要

<目的>
相続税や贈与税において土地等の価額は、時価により評価することとされてる。しかし、納税者が相続税等の申告に当たり、土地等についてご自分で時価を把握することは必ずしも容易ではない。そこで、相続税等の申告の便宜及び課税の公平を図る観点から、国税局(所)では毎年、全国の民有地について、土地等の評価額の基準となる路線価及び評価倍率を定めて公開してる。
出典:国税庁HP
 https://www.nta.go.jp/kohyo/press/press/2016/rosenka/index.htm

※評価方法などの詳しい情報についても、国税庁のHPを参照

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2016年 07月11日 11時05分