2024年3月16日(土)から4月7日(日)の間は特に引越しが集中

3月、4月の引越件数は他の月と比べて多い。特に3月は通常月の約2倍になっている。(出所:国土交通省『引越時期の分散に御協力をお願いします!』)3月、4月の引越件数は他の月と比べて多い。特に3月は通常月の約2倍になっている。(出所:国土交通省『引越時期の分散に御協力をお願いします!』)

まだまだ寒い日が続いているが、梅が咲き、春の息吹も感じられるようになった。春といえば引越しの季節。公益社団法人 全日本トラック協会の調べによると、3月と4月の引越し件数は、他の月と比べて圧倒的に多い。また国土交通省では、2024年は3月16日(土)から4月7日(日)の間が特に引越しが集中すると予測し、経済団体などを通じて分散を呼び掛けている。

引越しをする際、ピーク時期をずらせば事業者へ依頼する費用が安くなったり、都合のいい日時に予約が取りやすかったりといったメリットがある。勤め先や学校の都合もあるので、どうしようもないケースも多いはずだが、可能ならば混み合う時期を避けるのが得策だ。

さて、今回はそのような引越しの日程調整をした後での注意点を、国土交通省の資料などを参考にQ&A形式で解説しよう。

3月、4月の引越件数は他の月と比べて多い。特に3月は通常月の約2倍になっている。(出所:国土交通省『引越時期の分散に御協力をお願いします!』)国土交通省では、3月9日(土)から4月14日(日)まで混雑すると予測し、なかでも3月16日(土)から4月7日(日)まで特に混むとしている(出所:国土交通省『引越時期の分散に御協力をお願いします!』)

全日本トラック協会のホームページなども活用

Q. 引越事業者が見つからない場合は?

A. 全日本トラック協会のホームページなどから探す

最近は一括見積もりサービスのサイトなどで引越事業者を見つける方法が主流だ。しかし、どうしてもピーク時期になってしまったり、諸々の事情があったりで頼める事業者が見つからないこともあるだろう。そのようなときは全日本トラック協会のホームページを確認してみよう。一括見積もりサイトに登録していない事業者も見つけることができるので、対応してもらえるかもしれない。また、iタウンページで検索して探し出すという手もある。

トラブル防止のために訪問見積もりを

標準的な見積書サンプル。見積書には引越料金だけでなく、解約時の手数料やエアコン取付などの付帯サービス料なども記載されている。後々のトラブル回避のために熟読しておきたい(出所:全日本トラック協会『かしこい引越』)標準的な見積書サンプル。見積書には引越料金だけでなく、解約時の手数料やエアコン取付などの付帯サービス料なども記載されている。後々のトラブル回避のために熟読しておきたい(出所:全日本トラック協会『かしこい引越』)

Q. 見積もりをしてもらうときの注意点は?

A1. 訪問見積もりが安心

インターネットだけでも見積もりは可能だが、家具や廊下の寸法を間違って伝えたり、引越し先での家電設置の依頼を忘れたりといったミスの原因になりがちだ。このようなミスは追加料金や現場での作業時間の延長につながるので、できるだけ現場に来てもらって見積書を作成してもらおう。

A2. 手付金は支払う必要なし

手付金や内金を請求することは約款違反となる。したがって、支払う必要はない。ただし、見積もり時に段ボールを受け取って、他社で契約した場合は返送費を負担しなければならないこともあるので注意が必要だ。

A3. 見積書は熟読して疑問点は質問する

見積書には、金額の根拠やキャンセル時の手数料、付帯サービスの内容など重要なことが記載されている。漏れや必要のないことが入っていないか注意深く確認したい。その際、疑問点があれば後々のトラブルを避けるために納得できるまで質問しよう。

A4. 標準引越運送約款もよく読む

引越事業者は、国土交通省の定めた標準引越運送約款に沿って業務を行っている。これは消費者ニーズの多様化やスタッフ不足などの課題に対応するために2018年6月に改正されたものだ。例えば「見積書に記載した荷物の受取日の3日前までに見積書の記載内容の変更の有無を確認する」「引越当日のキャンセル・延期の手数料は引越料金の50%以内」といったことが定められている。この約款は見積もり時に提示することになっているので、必ず読んでおきたい。

早め、早めの行動が基本

Q. 引越しの前日までにやっておくべきことは?

A1. 荷造りを完了させておく

荷造りが終わっていないで現場で梱包すると、衣類(10箱)で20~50分、食器(10箱)で50~90分追加で時間がかかるといわれている(国交省の大手引越事業者への聞き取り調査結果)。

A2. 不用品は処分しておく

そのことで当日の作業スペースが広がり、時短や費用の節約につながる。粗大ごみの処分方法などは、現在住んでいる市区町村に確認しよう。

Q. 引越し後に見積書よりも多い金額を請求された。支払わないといけない?

A. 支払わないといけない場合もある

約款によって事業者の都合による増額は認められていない。しかし、見積もり時よりも荷物が増えたといったユーザー側の都合による追加料金は認められているので支払う必要がある。

Q. 貴重品は運んでもらえる?

A. 基本的に不可

貴重品は、約款によって事業者側が運搬を拒絶することが認められている。対象は、現金や預金通帳はもちろん、貴金属や高級ブランドのバッグなどだ。また、位牌や親の形見などユーザーの主観によって大切な品も貴重品と見なされるので、ユーザー自身で運ぶことになる。

荷物の破損・紛失については3ヶ月以内に申告

Q. ペットは運んでもらえる?

A. 基本的に不可

動植物も貴重品と同様に運搬を拒絶することが認められている。したがって、基本的にはユーザー自身が運ばなければならない。

Q. 荷物の破損・紛失が発生した場合は?

A. 3ヶ月以内に申告する

荷物の破損・紛失については、約款において引越作業日から3ヶ月以内に申告しないと事業者の責任が消滅することになっている。そのため、気がついたら早急に事業者へ連絡したい。

Q. 家具を傷つけられて賠償額を提示されたが、購入金額よりもかなり安価で納得できない

A. 基本的に修理対応となる

修理できない場合は、時価相当額で賠償することになるので、購入金額を受け取れることはほとんどないだろう。

Q. 床や壁に傷をつけられた

A. 早めに連絡して損害賠償を受ける

荷物以外の破損等は、約款の適用外になり、民法や商法等によって損害賠償を受けることになる。原則として修理対応となるが、月日が経つと引越作業で傷ついたのか証明できなくなるので、目安としては2週間以内くらいに連絡をしたい。


以上のように引越しには、事前に知っておきたいこと、事業者などに確認したいことが複数ある。何かとばたばたしてしまう中で大変だが、できるだけ余裕を持って準備し、スムーズに完了させたい。

公開日:      更新日:

ホームズ君

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