待望の本格的ペットシェアハウスが東海エリアにオープン
<写真上>名古屋市北区に位置する「Pet Share180°上飯田」。緑色の壁がひと際目を引く。家の形と動物をモチーフにしたイメージイラストとシェアハウス名を大きく出したのは、株式会社シェア180・伊藤正樹社長の案。東海エリア初ということもあり、認知度アップを図る<写真下>外階段には散歩帰りにペットの脚を洗えるシンクを設置過去、当サイトでDIYをコンセプトにしたシェアハウスを取材(参照:アトリエ・工具付きDIYシェアハウスでの暮らし。人生を180°変える「住む+学ぶ」を目指す)した株式会社シェア180(ワンエイティ)が、ペット共生型シェアハウスの管理・運営をスタートさせた。
同社には“ワインと猫”をコンセプトにした物件があったが、猫に限らずにペットと共生できるシェアハウスとしては東海エリアで初となる。コンセプト型シェアハウスを多数手掛ける中、問合せも増えていたというペットOKの物件。倉庫付きの住宅をリフォームし、待望のオープンとなった「Pet Share180°上飯田」を訪れた。
広さのある共用キッチンなど、内装はおしゃれな雰囲気
「Pet Share180°上飯田」は全14室。2018年3月にオープンし、現在は約半数の部屋が埋まっている。
居室のある2階と3階それぞれに温水洗浄便座、シャワールーム、浴室(2階のみ)、洗面室、洗濯機、乾燥機を完備。そして1階は共用キッチンと台所のほか、ここの大きな特徴となる、ペットの手入れができるグルーミングルームとペット用のプレイルームを備える。
グルーミングルームやペット用プレイルームは飼い主にうれしい充実度
グルーミングルームには、ペットの体や用品を洗えるシンク、ペット用品専用の洗濯機、ペットの手入れができるトリミングテーブル、ドライヤーを用意。筆者にも愛犬がいるが、トリミングテーブルは“あると便利だろうなぁ”とちらっと思ったことがある。また、ペット専用の洗濯機も、汚れてしまったりしたマットなどを気兼ねなく洗うことができるのは飼い主としてうれしいだろう。
一方、プレイルームは人工芝が敷いてあり、屋根付きのスペースなので、天候に関係なく遊ばせることができる。現在入居者が飼っているのは、犬2匹とセキセイインコ2羽、ウサギの3種類。室内で放せるのは自室かプレイルームだけで、相性もあるため、一斉に遊ばせることは難しいが、互いにコミュニケーションを取りながらプレイルームを利用する時間を決めているという。
その他、掃除しやすいようにコンクリートの打ちっぱなしにした床や、飛び出し防止のゲート、リードフック、玄関には散歩帰りにすぐ利用できる汚物ダストといった工夫もされている。
シェアハウスでペットと暮らすということ
東京や大阪では増えているペット共生型シェアハウス。東海エリアでこれまでなかった理由について、「やはり音やにおいの問題、それから物件保存の観点からいっても原状回復のための費用がかかるのではと躊躇されるオーナーさんが多いのだと思います」と株式会社シェア180の山田安奈さん。
「このシェアハウスにはオーナーさんがいて、私たち運営者がいて、入居者さんがいます。何かあったときにはもちろんオーナーさんの負担になるのですが、私たちも管理責任が問われます。そういう意味では、ペット共生は難しい点もありました。ですが、私たちの会社はシェアハウスの運営を4~5年続けてきたノウハウがあり、次はペットという要素をプラスするところまできたのではとの思いがありましたので、今回のオーナー様に提案しました」。
では、ペット共生型のシェアハウスを選ぶのにはどんな利点があるのだろうか?
「もともとご実家暮らしの人にとって、一人暮らしを始める、かつ、ペットを連れて行くとなると、金銭的にも負担がかかります。家電・家具をそろえることも必要です。一人暮らしは自分でしなければならない手続きも多いですし、そういうことが煩わしかったり、ご両親などが一人暮らしをすることに少し否定的な考えがあったりという方にとっては、シェアハウスで暮らすということでハードルが低くなることがあります」と山田さん。
さらに、実際に暮らしてからのこととして「例えば、海外旅行に行きたいという時、シェアメイトにペットのお世話をお願いすることもできるのが理由として大きくありますね。ここでも実際にありました。顔なじみの入居者さんに世話をしてもらえるのは安心ですし、こういう風にしてね、とお願いもしやすいようです」。もちろん、これは必ずお願いできることではないが、こういう信頼関係を築くことができるのも確かな利点のひとつだ。
「Pet Share180°上飯田」では、現入居者の全員がペットを飼っているわけではない。動物好きな人や、これから飼いたいと考えている人にも選ばれている。1人ではまだ飼えないと思っていても、ひとつ屋根の下にいるペットを可愛がらせてもらいながら経験を積んだり、楽しんだりできるというわけだ。
また、この夏、東海エリアは猛暑で40度近い気温がたびたびニュースになり、ペットの飼い主としては光熱費も気になるところなので聞いてみた。「ペットによっては湿度など管理が必要かと思いますので、ここは共益費を他より高めにしています。ほかでは約1万3,000円が多いところ、ここでは1万5,500円です」。ちなみに、家賃は3万9,000円からだ。
系列シェアハウス住人も楽しみを共有する
「名古屋のシェアハウスの中では、弊社が一番入居審査が厳しいのではと思っています。入居者さん自身がシェアハウスの魅力の一つでもあるので、人に良い影響を与えられることができる方なのか、今後そういう風になれるのかというところは見させていただいています。私たちスタッフも住み込みをした経験から、向き不向きがわかったりもします」と山田さん。「Pet Share180°上飯田」ではさらにペット同伴の内覧も推奨している。
株式会社シェア180は人と人の出会いを大事にしていることから、管理・運営するシェアハウス間の交流が盛んなのも特徴だ。バーベキューやキャンプ、運動会などのイベントを実施している。そんな中で、今回「Pet Share180°上飯田」がオープンし、動物好きの入居者が訪れて、ペットと触れ合う楽しみが増えたのもよかったという。
「最初は、実はペットを飼っている皆さんがちゃんと入居してくれるか不安だったのもありますし、入居者さんのペットに頼ってペットシェアと言ってしまうのもどうかなと思い、共有のペットを飼うことも考えていました。ですが、現状では入居者さんのペットをみんなで可愛いがらせてもらえているので、共有ペットの計画はいったん中止しています」。
ペット可の賃貸住宅も増えている中、シェアハウスを選択肢に入れる人はまだ少ないのが課題だという。「弊社のホームページ流入の検索キーワードを見ていても、“犬・賃貸”で検索された中で、たまたまシェアハウスで飼えるんだと見つけられることが多いように感じています。最初からペットとシェアハウスというのが関連付けられていない」と山田さん。
「ライフスタイルを180°変化させる」をテーマにする株式会社シェア180。また新たな出会いとライフスタイルを築けるシェアハウスを登場させた。今後もさらに新しいコンセプトのシェアハウスを予定しているそうで、それも楽しみだ。
取材協力&写真提供:株式会社シェア180 https://www.sharehouse180.net/
公開日:






