紫外線の正体とは?

紫外線には長波長・中波長・短波長があり、それぞれ人体に及ぼす影響が違う紫外線には長波長・中波長・短波長があり、それぞれ人体に及ぼす影響が違う

夏が近づくにつれ、気になるのが紫外線対策、UV対策だ。年間を通じて特に紫外線の量がもっとも多くなる7月から8月に向けて、どのような対策が考えられるだろうか。

そもそも紫外線とは、波長が10~400ナノメートル(1ナノメートルは1メートルの10億分の1)の不可視光線の電磁波を指すが、さらに400~315ナノメートルの長波長紫外線(UVA)と315~280ナノメートルの中波長紫外線(UVB)、280ナノメートル未満の短波長紫外線(UVC)に分けられる。このうち地上まで届くのはUVAとUVBで、それぞれ人体に及ぼす影響が違う。
UVAは、太陽が発せられた5.6%が地上に到達し、肌のコラーゲンや弾性繊維にダメージを与えるので、肌の老化を促進するとされる。またメラニン色素を酸化させて褐色に変化させるのもUVAだ。
これに対して太陽光線に含まれるUVBのうち地上に到達するのは0.5%だけで、表皮に作用し、メラニン色素を発生させる。しかしこの際に、カルシウムの吸収を促進するビタミンDが生成されるので、害ばかりではないと覚えておこう。実際、紫外線を恐れて太陽の光を浴びない生活習慣が広がった結果、カルシウム不足による「くる病」(※骨が柔らかくなったり、曲がったり、折れやすくなる骨の病気)の発生が増加しているという指摘もあるから、過度に紫外線を避けるのは考え物なのだ。
一年を通してみると、UVAは季節に関係なく照射しているので、肌の弾力を保ちたい人は、冬でも対策をしておく方が良い。これに対してUVBは、冬季はあまり照射しておらず、夏がもっとも多くなる。だから夏の日差しは肌を黒くするのだ。

ちなみにUVAの遮断率はPAで表され、+の数が多いほど効果がある。これに対してUVBはSPF値で表され、数が大きいほど遮断率が高い。日焼け止めを選ぶ際は、UVAとUVBの作用を考え、自分に合ったものを選ぶと良いだろう。

室内の紫外線対策は窓から!カーテン、フィルム、シェードなどの日除けアイテム

紫外線は窓から入ってくる紫外線は窓から入ってくる

室内にいれば紫外線に当たらずに済むわけではない。UVAは窓ガラスがあってもほとんど減衰しないまま室内へ入ってくるし、UVBはある程度ガラスに遮られるものの、室内にも入り込んでくるので、注意が必要だ。

そこで次に、窓のUV対策を考えていこう。
UVカットガラスに入れ替えれば高い割合で紫外線をカットしてくれるが、工事に時間も費用もかかる。もっとも手軽な方法は、UVカット加工を施したカーテンを窓にかけることだろう。しかし、カーテンをかけると室内が暗くなるのであまり使いたくない人は、窓ガラスにUVカットフィルムを貼ると良い。すりガラスなどの凹凸があるガラスなら、UVカットスプレーを吹き付けよう。この際スプレーは、外側ではなく内側に吹きかけること。そして、長期間そのままにしておくと性能が落ちるので定期的に処理することに注意したい。いずれも使用方法をよく読んで利用しよう。
また、ベランダやバルコニーに設置する日除けとして、シェードという選択もある。日差しに加えて、雨や外からの視線を防ぐ役割もあり、比較的取り付けも簡単である。

さらに、UVカットの性能は落ちるが、グリーンカーテンを作るのも対策の一つだ。
そこで、次の章ではグリーンカーテンの作り方を紹介しよう。

日差しを遮るだけでなく、暑さ対策にもなるグリーンカーテン

窓の外にネットを張り、キュウリやゴーヤなどのつる植物を育てている家庭を見たことはないだろうか。これがグリーンカーテンだ。
植物でカーテンを作ると日差しを遮ってくれるだけではなく、葉っぱから蒸気を発生して周囲の温度を下げる暑さ対策にもなる。さらに光合成により酸素を吐き出すので空気がきれいになるうえ、葉緑素は紫外線をカットすると考えられているのだ。
また、外から見たときに、布のカーテンで閉め切った窓より、植物が繁茂する窓の方が涼しげではないだろうか。

それでは、グリーンカーテンの作り方を説明しよう。
グリーンカーテンに必要なものは、まず植物のタネか苗、プランターや鉢、土、そして支柱、ネットなどだ。普通の植物を育てるのと基本は変わらないので、適宜肥料やプランターの底に敷く石やネットなども用意しよう。
次にどこに設置するかを決める。日差しの強い部屋はどこか考え、窓から入る日光を遮る位置にネットを設置すると良い。近年はゲリラ豪雨などで暴風が吹くこともあるので、ネットを取り付ける紐は強度のあるものを選ぼう。
次にプランターや鉢を準備する。グリーンカーテンに使えるのはつる植物だけだが、花を観賞したいのか実を収穫したいのかで、選ぶ植物が変わる。花を楽しみたいのなら、アサガオやユウガオ、トケイソウなどが人気だ。実を収穫したいのなら、きゅうりやゴーヤ、豆類などがある。大きな実がなるものは収穫せずに放っておくとどんどん大きく重くなるので、コマメな収穫を心がけよう。
また、一年草なら冬になれば枯れるが、藤や鬘などの多年草は地上部分が冬も残るものもあるので、大きく成長しては困る場合は、一年草を選ぶ方が無難だろう。
植物の種類によって、種からでも育てやすいものと、苗から育てないと難しいものがあるから、園芸店で相談して購入しよう。そしてプランターに、種を撒く、あるいは苗を植え替えて、あらかじめ決めておいたネット設置位置の下に置く。茎がのびてきたら、ネットにうまく到達するように、つるをやわらかい紐などでむすんで固定し、伸びてほしい方向に誘導すると良いだろう。

ゴーヤなどのつる植物をグリーンカーテンにすると、紫外線をカットしてくれるうえ、気温も下げてくれるゴーヤなどのつる植物をグリーンカーテンにすると、紫外線をカットしてくれるうえ、気温も下げてくれる

悪い影響ばかりではない紫外線を有効利用しよう

紫外線というと害ばかりがクローズアップされるが、殺虫効果があるのも忘れてはならない。布団を天日で干せば、内部の綿も乾燥してふかふかになるだけでなく、ダニを殺してくれるのだ。
また近年では紫外線を受けると活性酸素を生成し、消臭や抗菌、ホルムアルデヒドなどの有害物質を除去する「光触媒」も注目されるようになってきた。たとえば、カーテンなどに光触媒スプレーを使用すれば、紫外線をカットしてくれるだけでなく、消臭や抗菌できると考えられるのだ。

紫外線といえば、悪者のイメージが強い、しかし太陽光線がなければ人間は生きていけないのだから、上手にカットしつつ、有効利用できる部分では積極的に活用したいものだ。

2016年 06月19日 11時00分