賃貸物件でも高まるDIY熱!DIY女子部の登録メンバーは2000人超え

年々増加傾向にあるDIY市場。各地でDIYサークルやワークショップが行われ、その勢いに後押しされる形で、入居者によるDIYを原状回復義務なしで受け入れる賃貸物件が登場したり、UR都市機構では、「DIY住宅」「カスタマイズUR」などカスタマイズ可能物件を積極的に押し出し、入居後にDIY教室が実施されているところもあるという。さらには国土交通省も2014年3月「借主負担DIY型」の賃貸借契約ガイドライン(※)を発表し、個人住宅の賃貸化促進策として入居者によるDIYに期待を寄せている。

「DIYへの関心の高さは名古屋でも感じられます」と話すのは、「DIY女子部」中部エリアリーダーの加藤さゆりさん。2013年の発足当初は5人ほどだった愛知県下の部員だが現在は170人まで増え、関東、九州、近畿エリアを含めると、2000人に。月に3、4回行われるワークショップへの参加者も、発足当初と比べると3~4倍の人数が集まるようになったとか。
今回は、名古屋工房の工房開放にお邪魔して、実際にみなさんがどんなDIYをしているのか、はたまたできるのか、取材してみた。


※国土交通省「借主負担DIY型」の賃貸借契約ガイドライン http://www.mlit.go.jp/common/001039342.pdf

電動のこぎり、ドリル、ペンキが使い放題のDIY女子部・名古屋に潜入!

のこぎり、メジャー、ペンキ、刷毛など、ずらりと並んだ工具はすべて使い放題!いろいろ試したくなる。のこぎり、メジャー、ペンキ、刷毛など、ずらりと並んだ工具はすべて使い放題!いろいろ試したくなる。

工房開放というが、筆者がイメージしていた“工房”とはまるで違い、はるかに広い!
この日は9名の女性が集まっていた。実はこの広い工房、協力企業である株式会社八幡ねじの倉庫を使わせてもらっているのだそう。各自家から持参した木材や廃材を使ってリペア、リメイクを中心にDIYを楽しんでいる。電動のこぎりや、ドリル、ワックス、ペンキ、刷毛、など道具も使い放題!これらの道具は、部費(毎回1人500円)から購入したものと、協賛企業から提供してもらったものなんだとか。

この日初参加の加納知里さんは、親子で参加。
壊れてしまったテーブルの天板を使える部分だけ残してカットし、ミニテーブルとして再生させるのだとか。初めてなのに、慣れた手つきで電動のこぎりを使いこなしていた。今までは自宅でいろいろなものを作ったりしていたが、お母様からDIY女子部の話を聞き、一緒に参加してみることにしたのだそう。
「大きなものを作る場所が家にはないので、こうやって広い場所でのびのび作業ができるのはうれしい」と加納さん。
割れてしまった天板を電動のこぎりでカットして、切断面を電動サンダーでならしていく。隣ではお母様が、生け花用の台を制作中。
「初めてなのでわからないことだらけですけど、みなさんが教えてくださって手を貸してくれるので、完成できそうです」。
名古屋工房には部長の加藤さんほかベテランメンバーが毎回参加しているので、「道具の使い方がわからない」「ここに穴をあけたい」「うまく切れない」といったときに、一緒に知恵をしぼってくれる。

みんなでやるから新しいアイデアがひらめく

昨年10月からサークルに入部し、今回で3回目の参加という上野山ちひろさん。自宅のウッドデッキをご主人と作り上げ、夫婦でDIYを楽しんでいるのだとか。この日は、いらなくなった板に脚をつけ、ウッドデッキ用のテーブルを作るという。
「前回はワークショップでの参加だったので、今回は自由に好きなものを作れるのが嬉しいです」と話す。
孫のために机を椅子を作っていた河江恵美子さんは、「こうしてみんなと一緒に作業していると、新しいアイデアがひらめいたり、自分ひとりではできない作業も手を貸してもらえたりするので、最後まで作り上げることができます」と話す。
子どものベッドの足を切ってリメイクしたり、犬小屋を作ったり、収納家具を作り替えたりと、自宅の大物DIYもこなすツワモノ・ベテランメンバーの福田裕子さんはひっぱりだこで、初参加のメンバーにコツや道具の使い方などを教えていた。
家でコツコツとDIYを楽しむのもいいが、このようにみんなで集まってアイデアを出し合いながら作業を進めていくのは、まさにサークルのいいところだ。

左:奥行のある広々とした工房内。思い思いのものを作るメンバーたち。右上:ベテランメンバー福田裕子さんは、ひっぱりだこ! 脚折れテーブルのアイデアを思案中。右下:初参加の加納さん。分厚い天板をカットするのに手こずりながらも、初めての道具にも臆せず、見事テーブルのリメイクに成功!左:奥行のある広々とした工房内。思い思いのものを作るメンバーたち。右上:ベテランメンバー福田裕子さんは、ひっぱりだこ! 脚折れテーブルのアイデアを思案中。右下:初参加の加納さん。分厚い天板をカットするのに手こずりながらも、初めての道具にも臆せず、見事テーブルのリメイクに成功!

企業協賛のワークショップや、工場見学ツアーだけでなく、賃貸カスタマイズのコラボも!?

人気の高まりを受けて、協力企業も増えてきているという。
部長の加藤さんを筆頭に、メンバーが企画し企業でのワークショップも積極的に行っている。昨年は、藤井ハウス産業株式会社で木材の種類や性質・DIYのポイントやコツをプロから直接教えてもらう工場見学ツアーを開催。株式会社ハンディ・クラウンでは刷毛や塗装、Poshdeco有限会社ではクッションフロアの貼り方など、それぞれの企業でのワークショップを開催。ちょっとした日曜大工的な作業だけでなく、専門的な知識を仕入れることができるのは魅力だ。

さらに、賃貸住宅会社とDIY女子部とのコラボレーションも実現するかもしれないという。先にも述べたように、賃貸におけるカスタマイズ可能物件は増え、希望する入居者も多いが、実際に施工しようと思うと「何をどうしたらいいのかわからない」という人も多いのではないだろうか。そういう人のために、DIY女子部が出張DIYで手助けをするというもの。壁を好きな色に塗ったり、床材を張り替えてみたり、収納棚をつけてみたり。これなら、施工会社に頼むよりも安価で済むし、ワイワイ楽しい気分で作業ができるのも嬉しい。
まだこの案は思案中とのことだが、実現したら賃貸市場の新しい選択肢として人気がでそうだ。

また、クリエイターズマーケットなどの大型イベントへの出品も考えているとのこと。「メンバーで作った作品を持ち寄り出店することで、多くの人に知ってもらう機会にもなる」と加藤さん。こうした活動が増えることで、これからもどんどんDIYの輪は広がっていきそうだ。



取材協力/DIY女子部 http://www.diyjoshi.jp

左:以前、ワークショップで作った黒板の見本。右上:ワークショップで制作するボックスのお手本を作る、DIY女子部・中部エリアリーダーの加藤さゆりさん。右下:「今、タイルにはまっている」という、メンバーの西浦照子さんがこの日仕上げた作品。卓上スパイスラックは辛い物好きなご主人のために作ったのだとか。左:以前、ワークショップで作った黒板の見本。右上:ワークショップで制作するボックスのお手本を作る、DIY女子部・中部エリアリーダーの加藤さゆりさん。右下:「今、タイルにはまっている」という、メンバーの西浦照子さんがこの日仕上げた作品。卓上スパイスラックは辛い物好きなご主人のために作ったのだとか。

2015年 03月17日 11時07分