行動ではなく「眠り」を見守ることで、心の負担がぐっと軽く

▲離れて暮らす家族のベッドにセンサーを設置することで、眠りを測定。離れていてもパソコンやスマホで、眠りの状態をチェックすることができる▲離れて暮らす家族のベッドにセンサーを設置することで、眠りを測定。離れていてもパソコンやスマホで、眠りの状態をチェックすることができる

高齢者だけの世帯は増加の一途をたどっていて、最新の調査では65歳以上の高齢者のいる世帯のうち、約4分の1が“お年寄りの一人暮らし”という統計が出ている。※

さまざまな事情があって同居は難しいとしても、家族の健康は常に気になるもの。とくに親が一人暮らしをしている場合、体調を崩したり、ケガをしてしまったり…といった急変の時に「すぐ子どもが状況を把握して、対応できるかどうか」で、お互いの安心感は変わってくる。

もちろんカメラを設置すれば一目瞭然なのだが、親が元気なうちはお互い気づまりなこともある。そこで注目されているのが、“さりげない見守りサービス”。例えば、電気・ガスの消費量、トイレや冷蔵庫に取り付けたセンサー、給湯ポットの使用量で確認するなどサービスは多岐にわたり、生活スタイルや、見守られる家族の気持ちに合わせて選ぶことができる。

こうした背景の中2014年7月に、さりげない見守りの新提案として、眠りで見守る『ねむりモニター』が新発売になった。こちらは単なる睡眠時間だけでなく、眠りの深さも分かるのだとか!さっそく開発したアイシン精機へ取材に伺ってきた。

※厚生労働省:平成25年「国民生活基礎調査の概況」より。単身世帯は25.6%

ゴロゴロしているのか、眠っているのか? この違いも確認できる

▲見守りメールと見守り画面の一例。見守り画面では、「離床」「覚醒」「睡眠浅」「睡眠深」の項目があり、寝つきの良し悪しや、夜中に目覚めている時間も分かる▲見守りメールと見守り画面の一例。見守り画面では、「離床」「覚醒」「睡眠浅」「睡眠深」の項目があり、寝つきの良し悪しや、夜中に目覚めている時間も分かる

アイシン精機が手がけるベッド・寝具ブランド「ASLEEP(アスリープ)」から新発売された『ねむりモニター』。実際には、どのように離れた家族の見守りに活用するのだろうか?

「睡眠を測定する睡眠計『ねむりモニター』の有料のプレミアムサービスとして、『見守りサービス』を活用していただけます。こちらでは、ベッドに入った時間と出た時間、睡眠の浅い深いという睡眠状態を、パソコンやスマホで確認することができます。
ベッドの上で起きているのか、眠っているのかも分かりますので、『普段と違う時間にベッドにいるけれど、風邪を引いたのかな』『夜中によく目が覚めているけれど、眠れていないのかな』といった、体調の変化にも気づくことができます」(アイシン精機 住空間営業部 竹内愛嘉さん)

また「見守りサービス」では、忙しくてついうっかりweb画面をチェックしそびれてしまった、という場面を想定して、1日2回メールサービスが届くのもありがたい点だ。

「メールでは、今の睡眠状態と昨日の睡眠時間をお知らせします。メール配信時間は1日2回好きな時間を設定でき、メールアドレスは2つまで登録できます。毎日のメールが、web画面にアクセスするきっかけづくりになると思いますね」(竹内さん)

睡眠は、食事と同じく、健やかに暮らすための原点。いつも通りの毎日に見えても、眠れていない日が続けば「具合が悪いのかしら」と気に掛けることができる。このように『ねむりモニター』は、毎日の見守りだけでなく健康管理にも役立つのが大きなポイントと言えそうだ。

利用するには、ベッドの脚にセンサー設置とWi-Fiが必要

一番の癒やしである眠りの時間。『ねむりモニター』では、カメラなどで監視するのではなく、ベッドの脚に装着したセンサーと解析装置によって、眠りを妨げることなく、さりげなく測定を行ってくれる。

「ベッドの頭側の脚2つにセンサーを設置し、体の動きを検知して解析を行います。実は、『ねむりモニター』は睡眠のために長年研究してきた知見と、トヨタグループの車部品メーカーである当社のノウハウを活かした商品です。北米で販売される自動車のシートに搭載されている『体重検知センサー』を使用していますので、高い精度での体の動きの検知が可能です」(竹内さん)

こうして測定されたデータは、同社のサーバーに送られて解析され、離れた家族もシェアできる。ということは、見守られる高齢者世帯の家にもインターネット環境が必要となるのだが、どうすれば・・・?

「データを送信するために、無線LANルーターまたはWi-Fiルーターの設置が必要です。とはいえ、新たな工事はなかなか大変ですので、ポケットWi-Fiなどを契約していただく手もあります」と竹内さんがアドバイスしてくれた。

『ねむりモニター』は、ネット環境とアプリをダウンロードできる端末が整っていれば、ベッドの脚にセンサーと解析ボックスを設置するだけと簡単。価格も32,400円(税込)で、導入しやすい見守りサービスと言えそうだ。ただし、ベッドの形状など条件があるので、詳しくは確認してほしい。

▲ベッドの脚のキャップのような、シンプルなセンサーを設置。</br>
見た目も違和感がなく、ふだんの寝心地はそのまま、眠りを測定できる
▲ベッドの脚のキャップのような、シンプルなセンサーを設置。
見た目も違和感がなく、ふだんの寝心地はそのまま、眠りを測定できる

イザという時に駆け付けられる「県内・隣県」の家族がターゲット

▲今回お話を伺ったアイシン精機 住空間営業部 竹内愛嘉さん。『ねむりモニター』の詳細については、東京・横浜・名古屋・大阪・金沢にある「ベッドギャラリーASLEEP」へ▲今回お話を伺ったアイシン精機 住空間営業部 竹内愛嘉さん。『ねむりモニター』の詳細については、東京・横浜・名古屋・大阪・金沢にある「ベッドギャラリーASLEEP」へ

『ねむりモニター』は、緊急事態や安否を知らせるサービスではなく、あくまで生活リズムの“見守りサービス”である。緊急通報はなく、ベッドの上以外の見守りもできない。導入したからといって安心するのではなく、「家族とさりげなく繋がるツール」だと心得るとよさそうだ。

「ターゲットは、40~50代とその親世代を想定しています。『ねむりモニター』は緊急対応サービスではないので、『様子がおかしいかな』と感じたらすぐ駆け付けられる、県内・近県の距離で離れて暮らす家族を対象に考えていますね」(竹内さん)

『ねむりモニター』が発売されて約1カ月。「見守りサービス」はサブ機能という位置づけだったが、「とくに寝具を販売する店からの反響が高くて驚いています」と竹内さん。また、有料老人ホームなど向けに、アラート機能などを追加した施設向け見守りシステムの導入も進めていくなど、「眠りで見守り」というニーズに手応えを感じているそうだ。

今後ますます増えていく高齢者の一人暮らし。見守られる側に心の負担をかけずに、家族と繋がっている安心感をもたらすサービスは、今後さらなる注目を集めていきそうだ。

■取材協力
アイシン精機 ベッドギャラリーASLEEP
http://www.aisin-asleep.com/showroom/biginner.html

2014年 08月25日 11時14分