憧れのホームバーを暮らしに取り入れる

シャンデリアのように輝くグラス。カウンターに反射する照明の当たり具合まで絶妙に計算されている。シャンデリアのように輝くグラス。カウンターに反射する照明の当たり具合まで絶妙に計算されている。

間接照明に浮かび上がる重厚感漂うバーカウンター。お酒好きな人やホームパーティーが好きな人ならば、憧れを抱くであろう「ホームバー」。家に作るといっても、どうやったらつくれるのか、どれくらいの費用がかかるのか、いまいちイメージが湧かない人も多いと思う。

お酒自体の消費は、国税庁が発表している平成25年酒のしおりの中から、酒類販売(消費)数量の内訳表内にあるお酒の消費量の推移をみると、日本全国(※沖縄は含まない)平成13年は約950万klだったのに対して、平成23年は約850klと全体的な消費量自体は減っている。しかし、消費量は減っていても「量ではなく質」という人も増えているだろう。家でいい酒を飲みたい人向けにホームバーに特化したリフォームを行う企業もあるという。どんなリフォームができるのか?
株式会社中部ハウスのブランド、「COHAC(コハク)」のショールームに行ってみた。

国税庁のデータ↓
http://www.nta.go.jp/shiraberu/senmonjoho/sake/shiori-gaikyo/shiori/2013/pdf/100.pdf

隠し扉の裏には…?空間を使い分ける工夫をショールームで試そう

「ホームバーのある暮らし」を提案する同社代表取締役・加藤佳男氏にお話を伺った。
「私自身がお酒好きというのもあり、自分が欲しいもの、いいと思ったものをお客様に提案していきたいと思ったのがブランド立ち上げのきっかけです」と加藤氏。
もちろん新築の家にホームバーを作ることも可能でむしろ簡単だ。しかし、実際のところ新築の家を買う30~40代は子育て中心の間取りや設計になることが多く、ホームバーを含めて趣味性の高い空間づくりを考える施主はごく少数だという。時が経ち子供が巣立った後、夫婦二人の生活となった家を趣味性に特化した住まいにリフォームしたいという声は多いようだ。お酒好きな人にはホームバーは魅力的にうつるという。

では、昼間は普通のキッチンとして機能しつつ、夜になると雰囲気のあるバーに変身するという、工夫満載のショールームの仕様について紹介しよう。
マコレ材のバーカウンターは堅い質感で、北欧のデザイナーズハイチェアと合わせて重厚感を醸し出している。キッチン横にはワインセラーが設えてあり、こちらはパントリー(食品庫)としても利用できる。そして、シンクの背面は一見すると白いモザイク調の壁面だが、これが引き戸になっており、開けるとお酒のボトルがずらり! この隠し扉が、昼はキッチン、夜はバーという空間の使い分けに一役買っているわけだ。

バーカウンターだけでなく、LDK全体を見てみても、空間の使い方に工夫がされている。60インチのテレビが置かれた収納ボードの扉は開閉式になっており、扉を中央で閉めるとテレビモニターが隠れ、両サイドにお気に入りを並べられるコレクションシェルフが現れる。生活感をいったんしまい、家にいながらも非日常的な空間を演出できる仕組みだ。さらに、テレビの上部にはプロジェクターが収納され、タブレット端末の操作一つでLDKがホームシアターに変身する仕掛けも。

このように工夫満載のショールームを見ていると、夢が膨らむ。実際にオーダーする場合のプロセスは、どういう流れになるのか伺った。

左上:ワインセラー。オーダーキッチンに市販のワインセラーを組み込むこともできる。右上:中央の扉を開けるとテレビモニターが現れる。下:お気に入りのグラスを並べるショーケース。飾って眺めるもよし、今日はどのグラスで飲もうかと選ぶのも楽しい。左上:ワインセラー。オーダーキッチンに市販のワインセラーを組み込むこともできる。右上:中央の扉を開けるとテレビモニターが現れる。下:お気に入りのグラスを並べるショーケース。飾って眺めるもよし、今日はどのグラスで飲もうかと選ぶのも楽しい。

リフォームというよりはリノベーションに近いイメージ

完成までの流れは
【ショールーム見学】→【建築デザイナーと打ち合わせ】→【基本プラン契約】→【現地調査】→【ラフプラン作成】→【本契約】→【着工】となる。

ホームバーはフルオーダーなので、デザイナーと相談しながら空間の使い方や材質・仕様を組み立てていく。
「お酒というのは、その土地に根差した風土があります。ウィスキーであればイングリッシュパブ、フランスワインならフレンチレストラン、イタリアワインであればイタリアンレストランと、お酒の好みから雰囲気を作っていってもいいと思います。」(加藤氏)
当然金額もピンキリだが、ショールームを例にとると、キッチンスペースにあるバーカウンター、グラスハンガー、オーダーキッチン、バックバー(キッチン背面収納) で、およそ500万円。ワインセラーは100万円~、グラスショーケースは30万円~だそう。取り入れるアイテムや材質・仕様のランクによっても金額は変わってくるが、お金をかけたい場所はどこなのか、考えておいたほうがよさそうだ。

ホームバーを作るのにどれくらいの広さが必要なのだろう。加藤氏に伺うと、「日常生活に溶け込むホームバーを作るには、ダイニング、キッチン、リビングと連動した空間設計が大切になるので、LDKで30m2以上あるのが理想」とのこと。単にお酒を飲むためのカウンターを設置するのではなく、暮らしに溶け込むホームバーを作るには、開放感のある大きな空間があったほうが、より活用の幅が出るというのが加藤氏の考え。古い家になると空間が細かく仕切られ、キッチンとリビングが分かれていることも多い。その場合は壁を壊して、もともとの間取りを大きく変更することになるので、修繕を目的とするリフォームというより、リノベーションに近いイメージになるだろう。

単なる趣味としてだけでなく、人との絆を紡ぐ「ホームバーのある暮らし」

昼は明るい雰囲気の昼は明るい雰囲気の"おうちカフェ"。キッチン背面の白い扉を開けると、お酒のボトルが並ぶシェルフが現れ、バーへと変身する。

「両親は共働きで忙しくしていましたが、二人ともお酒が好きで、仕事が終わって家でお酒を飲みながら話をし、私と姉がそこにいる。それが私の家族の形でした。だから、夫婦の時間、家族との絆を深める一つのアイテムとしてこのホームバーという提案をしたかったんです」と、加藤氏。
家族が集うバーカウンター。人と人とが家族になり、10年、20年と、長い歳月をかけて絆を深めていく。まるで長年かけて熟成されるウイスキーの琥珀色のようにこっくりとした濃厚な味わいを「COHAC」というネーミングに重ねたという。

昼はBGMをボサノヴァにして友人を招いて"おうちカフェ"。夜はJAZZを流しながらムード漂うバー。
どんな楽しみ方をするのかは、使う人次第。夫も妻も、お互いがずっとそこに居たくなる空間作りをすることで、夫婦の時間を共有し重ねていく。「ホームバーのある暮らし」はそんな豊かさを提供してくれそうだ。

家族、友人、客人など、人が集まり、会話が生まれる場所―。
単なる趣味としてだけでなく、人と人との絆を深めるための大きな役割を担ってくれそうなホームバー。お酒好きな人はぜひ取り入れてみてはいかがだろう。


◆ショールーム見学・相談は要予約


取材協力:COHAC(コハク)株式会社中部ハウス
http://www.cohac.jp


2014年 07月08日 11時08分