部屋づくりに欠かせない、カーテンの役割りとは
こだわりのある住まいづくりをする場合、部屋の中で最もお金がかかるモノのひとつが、カーテンだと言われている。外からの視線や日光を遮るのはもちろん、遮熱遮音効果、さらにはインテリアとしても大事な役割を果たすカーテン。どの部屋にどんなカーテンを選ぶかで、部屋全体の印象がガラっと変わるほど、カーテン選びは住まいづくりにとって重要なポイントになる。
今回は、インテリア販売を行う株式会社リリカラ・東京ショールームの加藤益美氏に、カーテン選びのポイントと、日々のお手入れ方法を取材してみた。
知っておきたいカーテン選びのポイント
「まず、取り付ける場所によってカーテンの役割は異なります。色やデザインを決める以前に、その部屋でどう過ごすのかを考えること。例えば、リビングは家の中心であり、家族の団らんの場・お客様を迎える場。心地良く過ごせるよう、ご家族の皆様で相談し決めることをオススメします。お子様がいらっしゃる場合と、そうでない場合、昼の時間がメインで明るく楽しめる空間にしたいのか、夜の時間がメインで落ち着いた空間にしたいのか、その部屋での過ごし方がポイントとなります。リビングと対照的なのが、寝室のカーテン選び。プライベート空間なので、落ち着く色や遮光カーテンを選ぶ方が多いです。ただ、朝起きられない方やお子様の為に、わざと遮光性能のないカーテンを選び、朝陽が入りやすくする方もいらっしゃいます。どちらにせよ、その部屋でどう過ごすのかに着目すると、選び方が決まってくるでしょう」と、加藤氏。
ついつい色やデザインに目が行きがちだが、それ以前の大事なポイントを伺えた。
色やデザインに迷った場合どうしたらいいか。カーテンに限らず、部屋全体の調和(バランス)を考えることがポイントだ。
「もともとインテリアに興味があり、部屋の完成イメージが出来る方はすんなりと選べますが、イメージができないという方は、既存の床や壁・天井などの色に合わせたり、家具のスタイル(形や色)にあわせると全体に統一感が生まれ、調和(バランス)のとれた空間になります」
注意したいのが、方角。西日が入る部屋は、夏は特にサウナ状態になりエアコンも効きづらくなる。逆に、日差しが入りづらい東側や北側には、あえて明るい色のカーテンを設置することによって、部屋全体を明るい印象にすることもできる。
日々のお手入れ方法~カーテンの洗濯頻度とは?~
カーテンは、外気の汚れをシャットアウトしてくれるアイテムでもある。カーテンは繊維なので、部屋のニオイやチリほこり、花粉が付きやすい。日頃からハタキをかけるなどのお手入れすることは大切だ。ウォッシャブルマークがついてるものに関しては、基本的に洗濯機でも洗えるのでカーテンであれば1年、レースであれば半年に1回程度は丸洗いをするとよい。
クリーニングに出すと、その間はカーテンがない状態になってしまうので気をつけたい。替えのカーテンがあればいいが、ない場合は家の洗濯機で丸洗いすることをオススメする。軽く脱水をした後に元の位置にかけて干せば、皺や型崩れなく、替えのカーテンがなくてもいい。また、カーテンの汚れがひどい場合は、ぬるま湯に30分~1時間程度漬け置きをしてから洗うといい。
※ 綿、アクリルでも例外はある。
※ 漬け置きは汚れがひどいときに行う。
住む場所や季節によってそれぞれ異なるカーテン
カーテンの買い替え時は、地域によって、人によって様々だ。例えば、北海道と沖縄のカーテン寿命は違う。日差しや紫外線が強い沖縄だと、やはりダメージは早く数年で色褪せたり劣化が生じる。一概に買い替え時はいつとは答えられないが、カーテンにこだわりを持つタイミングというのはあるようだ。
最近、人気の遮光カーテン。光を遮るだけでなく、生地自体が高密度に織られているため、窓から侵入する暑さや寒さを遮る効果も期待できる。冷暖房効率がアップするという訳だ。エアコンの設定温度を1度上げる(冬の場合は下げる)と約10%の節電効果があるといわれている。夏は涼しく、冬は暖かくすることによって節電につながり、よりエコロジーな生活を送ることができそうだ。
ひと口にカーテンと言っても、そこにはトレンドや傾向が存在する。
「ショールームに足を運ぶ方で、最も多いのがはじめての住宅購入者で、主に20代後半~40代のご家族です。インテリア空間の傾向と同じく、シンプルな無地調のもの、ナチュラルな素材感のカーテンが人気です。また、東日本震災後の節電に伴い、省エネ効果のある遮光カーテンや遮熱レースのニーズは多いです。バリエーションは年々増え、窓際を飾るインテリアや日除けとしてだけではなく、省エネ効果も期待されています」
冒頭でも述べたが、カーテンひとつで住環境はガラっと変わる。今回、加藤氏との取材を通して、快適な暮らしを実現するための、住環境におけるカーテンの重要性と可能性を改めて感じた。
取材協力:リリカラ株式会社
http://www.lilycolor.co.jp/
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