大阪発、定価でできるセレクト型リノベーション「TOLA」
通常のリフォームをする場合、内容は業者にお任せで、というわけにはいかない。ましてやリノベーションともなると大幅な間取り変更も伴い「何がしたいか」「どのような仕様か」といった事を何度も打合せをする必要がある。
手間もかかるし、何を使うか?どんな間取りにするか?でコストも変わる。費用と好みを両にらみに話しを進めていくことは、そのプロセス自体を楽しむという捉え方もあるが、発注する側にかなり負荷がかかり、それがネックとなりリノベーションに踏み切れない人も多い。
そのような方にうれしいのが、定価/仕様が予め明示されたリノベーション商品だ。定価がある事をウリにしている会社はいくつかあるが、今回は関西で比較的古くからリノベーションに取り組んできた一級建築士事務所 株式会社アートアンドクラフトが開発したセレクト型リノベーションシステム「TOLA」を一例として紹介する。
セレクト型だからスケジュールもコストも圧縮可能
セレクト型リノベーションシステム「TOLA」が「費用を気にせず」できる理由は、あらかじめ決められたパーツから好きな部材/仕様等を選んでいくだけでリノベーションが完成するからだ。このような手法をとる事によって、スケジュールが短縮される。
通常のリノベーションは「2ヶ月間に8回程度の打合せが必要」(アートアンドクラフト 廣川未来さん)であるが、「TOLA」は「2〜3回の打合せで済む」(廣川さん)。スケジュールが短縮されることによって設計者の手間も少なくなる。
「通常のリノベーションであれば施工費の10%前後必要」である設計料が「TOLA」では工事費に含まれており別途出費が不要となる理由はここにある。また、リノベーション推進協議会が提供する「R1保証」を受ける為の費用も標準工事費の中に含まれている。
ライフスタイル別にパターン化された間取りからセレクト
また、間取りの決め方については、同社独自の工夫が見られる。
まずは中古マンションの間取りを大きく7タイプに分類し、各タイプ毎に「個室が欲しい〜LDKを一体的にしたい」「和室が欲しい方へおすすめ〜TATAMI PLAN」「個室が欲しい〜独立したキッチンスペースをつくりたい」「広々LDKがほしい方へおすすめ〜LIVING PLAN」の4つのプランを用意している。リノベーションしたいマンションを7つのパターンのどれにあたるかを確認し、4つのプランの中でライフスタイルにいちばん合うものを選べばまどりはこれで決定。コストダウンできるのもうなづける。
ちなみに4つのプランは、同社で10年以上リノベーションを手がけてきた実績を元に作られた間取りであり、細かい部分迄、社内で考え抜かれてで作られたものである。
選べる建材は「イチオシ」、コーディネートも手軽
「TOLA」では選べる間取りを「太鼓判」とよんでおり、選べる建材パーツ集を「イチオシ」とよぶ。建材パーツも間取り同様、同社が過去に施工した事例を基にセレクトされている。
リノベーションの醍醐味は、好きな材料等を選べる事。しかし建材の種類はあまたあり、「すべての建材」から好きな商品を選ぶのは到底不可能である。過去にリノベーションをした方によく利用されており、かつ、施工面やコーディネートを考えて同社が推薦したパーツから選ぶことは、手間がかからないうえに、好きなものを選んでいくだけでコーディネートが整う。
自分の好みでパーツを選んでいったが、全体的にちぐはぐな仕上がりになった、という失敗も未然に防ぐ事ができる。
60m2で550万円(税別)からのリノベーションプラン
このセレクト型リノベーションシステム「TOLA」の価格は60m2のマンションで550万円(税別)。専有面積が広くなるにつれて価格は上がるが、全体金額は事前に提示され、決められた間取り/建材パーツから選んでいけば追加費用は発生しない。もちろん追加費用を発生させて建材のグレードアップをする事も可能である。今回取材をしたのは大阪市西区のマンションの一室。希望者は、実際に「TOLA」を利用して出来上がる間取りの現物を見る事ができる。リノベーションはやりたいが面倒なのは嫌い、そんな方にはうってつけのシステムであると言えよう。
ちなみに気になるネーミングの由来。同社がリノベーションを始めたのが1998年、そしてこのセレクト型リノベーションシステム「TOLA」を立ち上げたのが2010年で、いずれも寅年であったからとの事。「TOLA」には干支が一回りする間に同社が得た知識、経験、実績が集約された商品である。
取材協力:株式会社アートアンドクラフト http://www.a-crafts.co.jp/
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