空き家増加の原因は、新築の造り過ぎ

「経済波及効果があるのだ」として、いつの間にか新築住宅建設は景気対策の道具と化した。
結果として我が国の総住宅数は6063万戸と5年前に比べて5.3%上昇し、空き家数は820万戸、空き家率は13.5%と過去最高に達した。2040年には空き家率が30パーセントを超える予測もシンクタンクから提出されている。

このような中「空き家対策法案」が国会に提出される見込みで、おそらく成立する可能性が高いが、この法案はあくまで空き家という「結果への対処」である。空き家が増加する根本的な原因に迫らなければ本質的な解決につながることは、ない。

空き家が増加する最大の理由は「新築の造りすぎ」に他ならない。OECD(経済協力開発機構)に加盟できるレベルの、いわゆる普通の国の多くが「住宅総量目安」「住宅供給目標」といった計画を持っている。総世帯数、総住宅数や住宅の質の現状を踏まえ、今後10年間にどの程度の新築建設が適切かといった目安である。
この目安に合わせて税制や金融をコントロールしていく。

総務省統計局:平成25年住宅・土地統計調査(速報集計)結果の要約 資料より総務省統計局:平成25年住宅・土地統計調査(速報集計)結果の要約 資料より

疑問が残る新築建設の経済波及効果

産業連関表によれば、我が国では新築住宅建設には2倍以上の経済波及効果があるとされている。
3000万円の注文住宅が一つ建てられれば、資材の発注、職人の給料、そしてそれらが消費にまわるなどして6,000万円の効果があるというわけだ。しかし本当にそうだろうか。

実際にはそんなに効果があるはずがない。
人口減少・世帯数減少局面では、新築が一つ建てられれば、その分以上に空き家が発生する。この空き家が放置されれば倒壊や犯罪の温床となるリスクが生まれ、景観として街の価値を既存する。こうした外部不経済がもたらすマイナスを差し引いたら、はたしてその経済波及効果はいかほどか。

こうしたなか分譲各社は、新築建設に過度に傾倒することのないよう、戸建分譲、リフォーム・リノベーション、中古住宅流通、介護・看護施設等、事業の多角化を志向している。
しかしこれらで分譲事業ほど売上のボリュームが稼げる可能性は、ない。

海外へ打って出よ

新築を造りたいなら、それを強烈に求めている新興国に打って出るといった手もある新築を造りたいなら、それを強烈に求めている新興国に打って出るといった手もある

ところでこれらはあくまで全て国内の話。
新築を造りたいなら、それを強烈に求めている新興国に打って出るといった手もある。むろん大手ハウスメーカーなどは既に海外事業に乗り出している。ところが中堅以下となると「ビジネスレベルで英語を使いこなせ、現地で関係各者と渡り合える能力のある人材」の問題。「新興国では現地の人脈・ネットワーク」が必須だという問題。「事業ポートフォリオのバランスが海外の多くを占めるリスク」など、課題は山積する。

こうした諸課題を解決できないかと筆者は、調査の結果最有望とみられるフィリピン・セブ島でコンドミニアムホテル分譲(http://fd-toushi.com/)に着手した。1棟目は完成1年前にしてあらかた売れてしまい、現在2棟目に着手中だ。

次稿では海外の事業環境、実体験などについてお話ししたい。

2014年 11月19日 11時49分