リスクを感じる災害は「地震」が約9割
地球規模での異常気象が叫ばれる中、水害や地震災害などのリスクを感じる方も多くなっているのではないだろうか。
一条工務店が行った「住まいの水害・地震災害リスクに関する意識」によると、身近で発生するリスクを感じる災害のトップは「地震」で約9割。6割以上が「台風・暴風雨」、4割以上が「火災」、3割以上が「河川の氾濫」と回答しているという。地方によって多少違いがあり、「地震」に続いてリスクを感じるのは、北海道では「大雪・雪崩」、北海道以外では「台風・暴風雨」が2位となっている。
また、地震に関しては、8割以上の人が5年以内に大きな地震で被災する可能性があると思うと回答。関東が最も多く9割近くにのぼっている。南海トラフ、首都直下地震などの情報がある中、多くの方が被災の可能性を意識しているということだろう。
約7割が現在の住まいの耐震性能に不安
地震災害に遭った場合に心配なこととしては、「家族の安全」「建物の損壊・倒壊」、続いて「電気・ガス・水道などのライフラインの停止」を挙げており、約7割の人が現在の住まいの耐震性能に不安を感じているという。今後、家を購入する際に求める要件(間取り、設備・仕様、性能など)の中で、地震に対する強さを重視すると答えた人が約9割となっているのも当然だろう。
では、地震対策として家を補強する場合、どの程度費用をかけて良いと考えているのだろうか。「100万円以上」が4割強という結果だが、震度5強以上の地震を経験している人に限ると「100万円以上」が約半数に迫る数字となっているという。
地震対策としての補強工事にもいくつかの種類があり、また、リフォームであれば既存建物の築年数、全体に補強するのか部分的な補強とするのかによって、その費用は大きく変わる。補助金制度なども設けられているので、利用できる制度について事前に調べておくことも大切だ。
「台風・暴風雨」「河川の氾濫」など水害への備えに対する意識が高まる
調査では、気候変動が進行していると9割以上の人が感じており、約1割が直近1年で水害に対する備えを強化したという。近年多発する大型台風、豪雨などによる災害状況から、意識するケースも増えてきているようだ。
強化した備えは、「食料・水の備蓄」が8割以上。次いで「ハザードマップの確認」、「防災グッズ・非常用持出袋の準備」、「懐中電灯の購入」、「電池・モバイルバッテリーの購入」。住まいづくりを進める中では、土地選びの際にハザードマップを確認し環境に適した対策を施した住まいとすることはもちろん、非常用持出袋や食料や水などを備蓄できるスペースを確保することなども検討しておきたい。
これから注目したい、水害・地震への住まいの対策と技術
今回の調査からは、災害についての意識の高まりが読みとれる。
家づくりを進める際、耐震性については建築基準法に則ったつくりとすることが基本だが、施工会社・住宅メーカーによってさまざまな工夫や特徴があるので、しっかりと説明を受け、比較検討することが重要だ。
水害対策の技術は、まだ研究途上といえるが、各社からさまざまな提案がみられる。たとえば、床下・床上浸水すると考えられる箇所に対して、建物本体やサッシ等の開口部の水密性を向上させたり、水の浸入や逆流を防ぐ対策もみられる。床下を土や砂利、コンクリートで密閉し床下浸水を発生させないという方法、塀と止水板で敷地への浸水を防ぐという対策などを提案するメーカーもある。
また、一条工務店からは、浮力によって家が浮き、流失してしまう恐れを防ぐため、一定の水位に達した際にあえて水を床下に入れ、その水を重りにして浮上を防いだり、浮力に逆らわずに安全に建物を水に浮かせ元の位置に戻すなどの仕様を開発するなど、水害への新しい提案がみられる。
設備機器や建材選びも災害を意識する傾向が伺える。
たとえば、災害時の停電に備え、太陽光発電の搭載や住宅用の蓄電池などの採用も考えられる。
電気を用いる給湯機である「エコキュート(自然冷媒CO2ヒートポンプ給湯機)」は、緊急時にタンク内の湯水を使用することが可能だ。災害時にある程度の生活用水が確保できることは安心だろう。その他、太陽光発電システムは停電時でも電気の使用が可能、家庭用蓄電池を取り入れればより使い勝手も高まる。
また、台風時の強風対策として窓そのものの強度をあげたり、窓シャッターを設けるなどの方法もある。防犯面はもちろん、飛来物より住まいを守ることができるだろう。
災害時“本当に使えた”防災の「自衛術」とは
家づくりの際に災害対策を施すことは重要だが、暮らしの中で、不安なのに備えが足りないものは何か。看護師や災害レスキューナースとして活躍し、“本当に使えた”防災の「自衛術」を広める活動を行っている辻直美さんによると、「暑さ寒さ対策」そして「災害トイレの準備」「一人一灯、一部屋一灯」の3つが挙げられるという。
ライフラインが断絶した場合、季節によって熱中症や低体温症になってしまう危険がある。「特にこれからの季節は低体温に注意が必要です。知っておいてほしいのが、新聞紙での保温。手首、足首、腰、首にくしゃくしゃにした新聞を巻くだけで温かくなります」と話す。また、「避難所のトイレも意外に使えなくなることが多いのです。購入した災害トイレを触ったことも、使ったこともない方が多いので、一度は使ってみましょう」。その他、「停電時には懐中電灯一本では全く足りません。一人一灯、一部屋一灯は必須。ヘッドライトやネックライトを準備してください」とアドバイスする。
安心な住まいを確保した上で、日ごろからの備えはもちろん、災害時の動きをイメージして試してみる、行動してみることも大切だろう。
【調査概要】
調査手法:オンラインアンケート / 調査期間:2022年7月30日(土)~8月5日(金) / 調査対象:全国の男女 / 有効回答数:834サンプル / 回答者:男性279名、女性555名(10代以下1名、20代101名、30代367名、40代178名、50代121名、60代57名、70代以上9名/戸建住宅319名、集合住宅492名、その他23名/北海道40名、東北59名、関東284名、中部140名、近畿142名、中国・四国82名、九州・沖縄87名)
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても100にならない場合がある
【協力】 一条工務店
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