増え続ける共働き世帯。2018年には約3分の2が共働き世帯に

内閣府男女共同参画局のデータによると、2018年の共働き世帯は1,219万世帯、専業主婦世帯(男性雇用者と無業の妻から成る世帯)は600万世帯。約3分の2が共働き世帯だ。「夫は外で働き、妻は家庭を守る」という昔からよく言われた言葉は、もう死語といってよいだろう。

夫だけでなく、妻も仕事をする。その場合、家事は誰が行うのか。家族全員で行うのが理想だが、現実には妻が行うことが多いのではないだろうか。仕事をしながら家事を行う大変さは、蛇足だが子ども2人のシングルファーザーである私も実感している。料理のほか、掃除や洗濯などのいわゆる「家事」以外にも、子どもの学校行事、〇月×日までに提出してくださいなどと頻繁にもらってくる学校からの便りへの対応、病院への付き添い、部屋の片づけ、庭の草取りや植木の剪定など、何かと時間を取られる。そうなると、「いかに無駄な時間を短縮できるか」が重要で、同時に「無駄な時間を短縮できる、よく考えられた家」をうらやましく思う。

そんな時、主に子どもを持つ共働き世帯向けに開発され、家事が楽な家づくり提案で好評を博しているという一戸建て住宅『デュークスパフェ(DIWKS PARFAIT)』を知った。デュークスとは、DOUBLE INCOME WITH KIDSの略。PARFAITはフランス語で、英語でいうところのパーフェクトの意味という。

今回、その開発に携わったナイス株式会社 素適住宅研究所 マーケティングプロデューサーの岡部あや子さんと、同研究所 一級建築士の三枝果林さんに開発の背景や"家事ラク"な家づくりのエッセンスなどを教えていただいた。

内閣府男女共同参画局ホームページから抜粋した「共働き等世帯数の推移」データ(一部修正)。</br>1997(平成9)年以降は共働き世帯数が男性雇用者と無業の妻から成る世帯数を上回っている内閣府男女共同参画局ホームページから抜粋した「共働き等世帯数の推移」データ(一部修正)。
1997(平成9)年以降は共働き世帯数が男性雇用者と無業の妻から成る世帯数を上回っている

ラクなだけではなく完璧に家事がこなせる家を。家事はママだけのものではなく、家族全員で

家事ラクで子育てしやすい家を、現実的なサイズの30坪強の延床面積で実現した『デュークスパフェ』。玄関から寝室、ウォークインクローゼットへつながるお出かけや帰宅時などに便利な動線と、玄関からリビング、キッチンにつながる買い物帰りの重い荷物などがある時に便利な動線の2WAYを提案。監修は『妻のトリセツ』の著者で脳科学者の黒川伊保子さん。気になる人は家づくりの参考にぜひ見学に行ってみては(この記事で掲載しているのは「ナイスパワーホーム荏田南ガーデンズ」内に建つ『デュークスパフェ』のモデルハウスの写真)家事ラクで子育てしやすい家を、現実的なサイズの30坪強の延床面積で実現した『デュークスパフェ』。玄関から寝室、ウォークインクローゼットへつながるお出かけや帰宅時などに便利な動線と、玄関からリビング、キッチンにつながる買い物帰りの重い荷物などがある時に便利な動線の2WAYを提案。監修は『妻のトリセツ』の著者で脳科学者の黒川伊保子さん。気になる人は家づくりの参考にぜひ見学に行ってみては(この記事で掲載しているのは「ナイスパワーホーム荏田南ガーデンズ」内に建つ『デュークスパフェ』のモデルハウスの写真)

2018年5月に着手し、2019年1月にリリースされた『デュークスパフェ』開発の背景をお聞きした。
「統計的にも共働き世帯が増えていますが、自分たちが考えている以上に増え方が早いという実感がありますし、実際に社内でも増加傾向です。仕事に加え、掃除や洗濯、炊事、育児など忙しいママが本当に満足できる家が現状では無いのでは、というのが開発の背景にありました。リビングにお父さんとお子さんがいて、キッチンにいるお母さんが2人を見つめている。理想の住まいにそのようなイメージを抱く方も多いと思いますが、実際の暮らしではそのような時間はほとんどないのではないでしょうか。週末もやることが多いですし、まわりの共働きの方にお聞きしても同様でした」と岡部さん。

「これまでは地震に強いとか、断熱性能が優れているなどハード面をアピールしてきましたが、女性にはあまり響かない様子でした。確かな住宅性能を備えているのは当然のことで、ソフト面の充実を訴求しなくては女性に振り向いてもらえないという意見が社内にも多くありました。最終的にはお子さんがいる共働き世帯にターゲットをしぼりましたが、どんな女性にも時短は響くはず。独身、また共働き世帯の男女スタッフが本音で意見を出し合い、完成させた家です」と三枝さん。

家事ラクは当然のこと、『デュークスパフェ』は家事を完璧にこなせることも目指したという。「回遊動線など便利な動線は家事には有効ですが、動線はいいものの家事の出来栄えが80点では、そのしわ寄せは家族にくるでしょう。動線や効率が悪いとママもイライラします。ママが家事をうまくオペレーションできる家は、家族全員がハッピーになれると思うのです。たとえ仕事をしていなくても介護に時間を取られるかもしれないですし、特に男の子など活発な子が3人もいたら目が回るほど忙しいでしょう。仕事を持っているママに限らず、すべての女性の役に立つ家をつくりたいと考えました」(岡部さん)

また、家事の考え方として、ママの家事をアシストするのではなく、自分のことは自分でやるという考え方も必要だと話す三枝さん。
「アシストでも手伝うでもなく、家族はチームです。ご主人の『手伝ってあげた』という言葉はニュアンスが違うと考えています」
次段落以降では、キッチン、洗面、収納など『デュークスパフェ』の具体的な工夫されたポイントを紹介しよう。

調理家電を収納棚にオールインしたキッチン。腰から目の高さまでのエリアに頻繁に使うものを収納

『デュークスパフェ』では、極力歩かなくて済み、また手を肩より上にあげなくて済むような、平面図だけではわかりにくい、高低差にまで配慮した豊富な収納量を誇るキッチンを提案。電子レンジや炊飯器、トースターなど、頻繁に使う家電を使いやすい位置に配置できるつくりも、スムーズに家事をこなせるようにする提案のひとつだ。

「女性の身長の腰から目線までが一番使いやすいエリアなので、その部分を特に意識してつくりました。忙しい朝は、炊飯器も電子レンジも稼働します。トースターやコーヒーメーカーなども含め、あらゆる家電が稼働することもあるでしょう。頻繁に使うものは一番使いやすいエリアに置かないと家事効率が悪くなります。その場所に置きたいものをしっかり置けて、振り向いたらすぐに使えるように工夫しました。さらに扉をスライドさせて閉めることですっきりとした空間にできるため、急な来客があっても安心です」(岡部さん)

「キッチン収納には2口コンセントを4ヶ所設けています。延長コードで家電をつないでいる方もいらっしゃると思いますが、はじめからコンセントを設けておくと家電を設置する時にとても便利です。また、オープンキッチンは人気がありますが、きれいに保つのは難しいもの。特に共働きの方は買い物の時間が頻繁に取れないため、ペットボトルの水やキッチンペーパーなどストック品が多いのではないでしょうか。これぐらい豊富で収納力があると便利だと思います」(三枝さん)

「パワーキッチン」と名付けられた、スムーズな「クッキング&お片付け」を実現するキッチン。キッチン家電のほか、食器類やストック食材なども効率的に収納できる。また、高低差まで考慮されているため、調理しながらでも振り向くだけで必要なものに手が届き、使いやすい。来客時は扉をスライドさせると、一瞬で収納を隠すことができる。頻繁に使うものは腰から目線までの高さに置くことや、家電の設置に便利な複数のコンセント、スライドするだけで空間をすっきりと美しくする扉などが特に参考にしたいポイント。収納内のクロスを個性的な柄にして遊ぶのも面白い「パワーキッチン」と名付けられた、スムーズな「クッキング&お片付け」を実現するキッチン。キッチン家電のほか、食器類やストック食材なども効率的に収納できる。また、高低差まで考慮されているため、調理しながらでも振り向くだけで必要なものに手が届き、使いやすい。来客時は扉をスライドさせると、一瞬で収納を隠すことができる。頻繁に使うものは腰から目線までの高さに置くことや、家電の設置に便利な複数のコンセント、スライドするだけで空間をすっきりと美しくする扉などが特に参考にしたいポイント。収納内のクロスを個性的な柄にして遊ぶのも面白い

朝の身支度タイムもダブルボウルでスイスイ。洗濯物干し&片付けや、メイクにまで配慮した洗面室

天気や時間を気にせずに洗濯などの家事ができる、慌ただしい時間の身支度にも便利なダブルボウルを設えた機能的な洗面室。奥は浴室で隣にはキッチンとクローゼットがあり、キッチン~洗面室~浴室~クローゼットを集中させることで家事動線を短縮。乾いた洗濯物はすぐ隣にあるクローゼットにしまえる。2本のライン照明を設置したオリジナルのミラーは顔に陰が出にくく、メイクにも重宝する天気や時間を気にせずに洗濯などの家事ができる、慌ただしい時間の身支度にも便利なダブルボウルを設えた機能的な洗面室。奥は浴室で隣にはキッチンとクローゼットがあり、キッチン~洗面室~浴室~クローゼットを集中させることで家事動線を短縮。乾いた洗濯物はすぐ隣にあるクローゼットにしまえる。2本のライン照明を設置したオリジナルのミラーは顔に陰が出にくく、メイクにも重宝する

キッチンの次は「パワー洗面」と名付けられた洗面室を見学。2つのボウルを設置し、どうしても重なることが多い朝の身支度の時間もストレスなく使えることに加え、物干しバーを設置し、洗う・干す・(隣のクローゼットに)しまうという洗濯の一連の作業が手早く完結する動線も便利そうだ。一目見てわかるこれらの特徴以外に、どんな工夫が施されているのだろうか。

「ミラー裏の収納にはコンセントが中に6ヶ所ずつ、合計12個付いています。ドライヤーやヘアアイロンなどの使用のほか、充電式の歯ブラシやシェーバーなど、コンセントに差したまましまえるようになっているのでカウンターをきれいに保つことができます。また、窓からの自然光+2本のライン照明を設置したミラーは、顔に陰ができにくくメイクにも好適です。鏡を引き寄せて楽な姿勢でメイクができることも好評で、コンタクトレンズを付ける時などにも便利に使えると思います」(三枝さん)

「洗濯物を外に干すこともできますが、外出している時に雨が降るなどの心配があるので、夜の間に洗濯は全部済ませたいものです。浴室換気乾燥暖房機を使う方法もありますが、例えばご主人が夜遅くに帰宅してお風呂に入る場合など、使いたい時に使えない状況もあるでしょう。そんな時も洗面室に除湿器を設置して洗濯物を干せば、例えばワイシャツやブラウスなどもしわが付きにくく、きれいに乾かすことができます。逆にタオルなどしわになっても気にならないものは、乾燥機付きの洗濯機で乾かせばよいでしょう。湿度が低いと、メイク用品が傷みにくいのもポイントです。天気や時間を気にすることなく、スムーズ&スピーディに家事を行える洗面室です」(岡部さん)

家族の収納ドレッシングルーム「パワークローゼット」。外出時や帰宅時にも有効活用できる動線の核

先ほど紹介した「パワー洗面」の隣に設けられているのが、ファミリークローゼット。『デュークスパフェ』では「パワークローゼット」と名付けられており、衣服だけでなく、小物やバッグなども効率的に収納できる。洗面室の隣につくられていることで畳んだ衣類などをすぐにしまえるのも特徴で、家族全員のクローゼットのため、各部屋に洗濯物を持っていく手間も不要だ。
また、収納としての機能だけでなく、洗面室と寝室を経由して玄関へと続く動線上にあることから、ここで着替えを済ませることで衣服やバッグなどが室内に持ち込まれず、リビングや寝室などが散らからないのも魅力といえるだろう。

「家事動線最短最速を目指してつくった家ですが、わずか10分の時間を削り出すことでできることは意外とたくさんあるのです。例えば保育園帰りに病院に連れて行きたい時、たった5分か10分の差かもしれませんが受付時間に間に合うと間に合わないでは大きな違いです。家事を効率よく、しかも完璧にできる家なら家族で一緒に過ごす時間が増えたり、お子さんの勉強を見てあげられたりと、24時間をより有効に使えると思います」(岡部さん)

「『デュークスパフェ』はお子さんがいる共働き世帯を想定して設計しましたが、女性にとって家事時間を短縮することは、専業主婦の方やお子さんがいらっしゃらない方など、どんな属性の方でもメリットがあると思います。私たちの想いはSNSでも発信しているので、ぜひご覧いただけたら嬉しいです」(三枝さん)

「今まで、家はリラックスできるとか広々としたリビングでゆったり過ごすとか、そのようなことが魅力のように語られていましたが、働くママにとって、家はゆったりとくつろぐ場所ではなく『戦場』です。いかに効率よく家事をこなして生活できるかがとにかく大事なのです」と話していた岡部さんの言葉が印象に残っている。

家事時間を短縮し、ストレスなく上手に家事をこなせる家は、家族一緒に過ごす時間を増やせるのと同時に、家族全員が『勝者』となり、笑顔も生み出しそうだ。住宅設備は時が経つにつれて古くなるし、より魅力的な設備が出てくるのも当然のこと。しかし、一度つくったらなかなか変更がしにくい間取りを含めた動線は、どのような暮らしがしたいかをよく考え、また入居後の生活を細かくイメージしてプランに落とし込むことが大切だろう。特に日々繰り返される家事に関わる動線は熟考が必要だと思う。
今回岡部さんと三枝さんに教えてもらった『デュークスパフェ』のポイントなどを参考に、皆さんの家づくりに活かしてみてはいかだろう。

■デュークスパフェ
http://www.diwks.jp/

左上/外出時や帰宅時の着替えに活躍する「パワークローゼット」。洗面室と隣接しているので、畳んだ服などを手早くしまうことができる。個人的には備え付けのスラックスハンガーがとても便利そうだと思った 右上/延床面積30坪強ながらも、リビング上部を吹き抜けにするなどして空間の広がりを演出。リアルサイズで住み良い家を実現した 右下/お話をうかがった岡部あや子さん(左)と三枝果林さん。「ワークショップを繰り返し、意見を吸い上げながら商品化した住まいです。ぜひ一度ご見学ください」

左上/外出時や帰宅時の着替えに活躍する「パワークローゼット」。洗面室と隣接しているので、畳んだ服などを手早くしまうことができる。個人的には備え付けのスラックスハンガーがとても便利そうだと思った 右上/延床面積30坪強ながらも、リビング上部を吹き抜けにするなどして空間の広がりを演出。リアルサイズで住み良い家を実現した 右下/お話をうかがった岡部あや子さん(左)と三枝果林さん。「ワークショップを繰り返し、意見を吸い上げながら商品化した住まいです。ぜひ一度ご見学ください」

2019年 04月26日 11時05分