住宅購入では変わらないモノのチェックが重要

不動産とは動かない財産である。だとすると、それがどこにあるのかが価値を左右する。つまり、不動産の価値は場所にあるというわけだ。

ところが、特にマンション選びの場合にはついつい、モデルルームに目が行ってしまう。しゃれたインテリア、最新の設備、使いやすそうな間取りが用意されているのだから、夢中になってしまうのは当然だが、長くその土地に住むことを考えて家を買うのであれば、そこがどんな場所であるかを知ることを忘れてはならない。家の内部は後日のリフォームでなんとでもなる。だが、立地、周辺環境を後から変えることはほとんど不可能。あらかじめ、歩いて自分の五感でチェックしておくことが大事だ。

だが、モデルルームを見学した後、街を知ろうと思っても、ただ歩いているだけでは分からないこともある。土地勘のない場所であればなおさらだ。だったら、街の達人に案内してもらおうじゃないかというイベントが実施された。場所は中央線沿線の阿佐ケ谷駅、国分寺駅。それぞれの街で「プラウドシティ阿佐ヶ谷」「プラウド国分寺」という新築マンションを分譲する野村不動産が主催したもので、ゴールデンウィークの週末を利用しての街歩きに同行してみた。

今回、街歩きイベントが行われた阿佐ケ谷は活気のある商店街と見事なケヤキ並木で知られる今回、街歩きイベントが行われた阿佐ケ谷は活気のある商店街と見事なケヤキ並木で知られる

地元の人ならではの情報がいっぱい

買い物や病院、子育てと街の事情で知りたいことは数多い。地元の人に聞ければそうかと分かることもある買い物や病院、子育てと街の事情で知りたいことは数多い。地元の人に聞ければそうかと分かることもある

案内人は街を歩きながら物件を見学するという、これまでにないやり方で賃貸の仲介を手がけている不動産会社、まち暮らし不動産の齋藤志野歩氏(阿佐ケ谷)、篠原靖弘氏(国分寺)。2013年5月にお試しで始めて以来、中央線、武蔵野線、南武線などの沿線を中心にディスカバリーツアーと称した街歩きを実施、街と物件を案内し続けており、私も中央線西国分寺のツアーに参加したことがある。歩いてみると様々な面白いスポットや風景があり、地元の人ならではの案内だった。

今回、参加したのは阿佐ケ谷のツアー「あさぶら散歩」。中央線阿佐ケ谷駅近くにあるプラウドシティ阿佐ヶ谷のモデルルームに集合、阿佐谷パールセンター商店街を歩き、物件現地を通って善福寺川緑地に向かうというコースだ。参加したのは子ども連れの若いご夫婦。阿佐ケ谷には来たことがあり、モデルルームも見学はしているが、街についてはあまり知らないという状況とのこと。早速、ベビーカーを押すご夫婦と一緒に歩き始める。

阿佐谷パールセンターは昭和29年に始まった8月の七夕祭りで有名な商店街で、一説には東京七大祭りのひとつとも。平成11年に新調されたピンクと白のアーケードの下にはスーパーや生鮮食料品店、ドラッグストアや各種飲食店などが並び、賑やか。歩きながら、齊藤氏は「どこのスーパーは何が安い、この店の名物は……」など、地元の人ならではの解説で商店街を紹介。新しくできた店の前では全員で立ち止まり、メニューを眺めるひとこまもあった。今回は食べ歩きタイムはなかったが、本当はそういう時間があったらもっと街に親しみを感じられたかもしれない。

普段着でリラックスして歩く意味

商店街を抜けた後は青梅街道を渡って住宅街の中へ。ほどなく現地である。ここには昭和33年に竣工した阿佐ヶ谷住宅という日本住宅公団が造成した3~4階建て低層マンション、テラスハウスの混在する住宅地があった。豊富な緑地を取った配置計画で知られており、隣接する善福寺川緑地と一体になったような環境は非常に魅力的だった。今回のプラウドシティ阿佐ヶ谷もその記憶を引き継いでか、最も高い棟でも6階建てまでで、2階建ての低層住戸も用意されるなど、極力圧迫感を排除した計画となっている。空地率は約64%となっており、敷地内には緑が多く、空も広い。

その敷地を抜けて善福寺川を渡ると善福寺川緑地。敷地のすぐ近くにあるのだ。川の両側には桜並木が続き、季節には驚くほど多くの花見客が集まるとか。5月は新緑が美しく、好天だったこの日は芝生広場で寝転んだり、食事を広げたり、バトミントンをしたりと思い思いに楽しむ人たちが多く集まっていた。参加したご家族も走り回る子どもの後を追ったり、散歩していた犬連れの家族と話をしたりと楽しそう。地図で隣接していることは知っていても、実際に来てみると印象が変わりますねと話してくれた。

ガイドの齋藤氏によると「不動産会社のスーツ姿の人に案内してもらうのと違い、リラックスして参加してもらえるのが良いところ。ここに住んだら、こんな暮らしができるのかと実感してもらえたと思います」。確かに休日の緑の公園にスーツ姿は似合わない。スーツ姿の担当者とどこか身構えて意識しあって歩くより、普段の格好で生活をイメージしながら歩くほうが家選びには役に立ちそうだ。

また、モデルルームは何度見学してもそこから得られる情報は限られている。決めかねている場合にはモデルルーム以外の情報があれば、決めやすくなるはず。街歩きのようなその街を知る機会の情報提供が増えれば、悩んでいる人も選びやすくなるのではないだろうか。

好天の新緑の季節とあって緑地には大勢の人が集まり、それぞれにくつろいでいた好天の新緑の季節とあって緑地には大勢の人が集まり、それぞれにくつろいでいた

地元の人に案内してもらう家選び

善福寺川緑地で遊んだ後は再び住宅街を抜けて阿佐ケ谷駅を目指す。途中、齊藤氏は5月に行われる予定の「阿佐ヶ谷飲み屋さん祭り」や様々な特典が受けられる街のパンフレットなどを紹介、ここでも個店が多いというこの街ならではの飲食店事情その他、街の達人ならではの情報がいろいろ出てくる。本音でこの街のことが分かると言っても良い。

最後はケヤキ並木が見事な中杉通りを歩いて出発したモデルルームへ。ここでは緑地でプロが撮影した家族の写真が記念に渡され、ご家族は可愛い子どもの写真に声をあげて大喜び。聞くと、どこのご家族も非常に喜ばれるそうで、撮影があるならもっと良い恰好をしてくるんだったという声もあったとか。加えてピクニックセット、地元名物の和菓子もお土産として用意された。

今回、募集告知が始まったのがイベント開始直前だったこともあり、ちゃんと伝わっていなかったのかもしれない。また、こうしたイベントがあったことを周囲に話したところ、行ってみたかったとの声も多数。街を知ってから住まいを選ぼうという考え方の人が増え始めていることを実感した。

齋藤さんも「地元在住の方でも意外に知らなかったということがあったり、逆に参加者に教えていただくこともあり、複数人で歩くと視点が増えて面白いもの。一人で歩くのとは違う発見がありますから、どこか住みたい場所があったら、その街の人にガイドしてもらうとこれまで気づかなかった点を発見できるかもしれませんよ」と話す。

ちなみに国分寺では駅前に集合後、駅前商店街を歩いて、かつて三菱財閥岩崎家の別邸だった都立殿ヶ谷戸庭園を散策、東京都名湧水57選のひとつである東京経済大学新次郎池、野川、ハケの湧水を経てプラウド国分寺のマンションギャラリー着というコース。地元で朝採れた野菜やイチゴジャム、地元名菓などと記念写真がお土産として用意されており、定員いっぱいの盛況だったとか。ゴールデンウィークのことである、阿佐ケ谷、国分寺の物件に関心があったとしても、すでに予定が入っていた人も多かっただろうから、今後、季節の良い時期に第二弾、第三弾の街歩きがあることを期待したい。

プラウドシティ阿佐ヶ谷
https://www.proud-web.jp/mansion/asagaya/#

プラウド国分寺
https://www.proud-web.jp/mansion/kokubunji/

まち暮らし不動産
http://machigurashi.jp/

国分寺で行われた街歩きイベント風景。武蔵野の自然を味わう部分も多い街歩きだった国分寺で行われた街歩きイベント風景。武蔵野の自然を味わう部分も多い街歩きだった

2016年 05月12日 11時07分