来訪者の応対だけがインターホンの役目じゃない
住宅に必ず設置されている「インターホン」。しかし性能や機能にそれほど差が出るイメージがないため、お部屋選びや家づくりの際にインターホンにこだわりを持って選んでいる方は少なそうだ。
だが、最近のインターホンは、防犯に一役買うなどさまざまに機能や使い勝手が工夫されている。カラーのTVモニター付きのインターホンは現在でも当たり前だが、近年はさらに録画機能が付くのがトレンドだという。
そこで今回は、「インターホン」トレンドを、インターホンメーカー「アイホン株式会社」のショールームでうかがってきた。
古いインターホンからの取り換え時の注意点なども教えていただいたので、ぜひ参考にしていただきたい。
「録画」と「広角レンズ」が防犯に威力を発揮
お話をうかがったアイホン株式会社 東京支店 東京営業所 市販第二グループ 四方天大輔氏。横の壁に掛けられているのが同社の一般家庭向け最新機種「ROCOタッチ 7」。防犯に役立つ広角レンズを採用。上下左右にズームができるので、インターホン横に隠れられてもしっかりと足元まで見える今回お話をうかがった「アイホン株式会社(以下、アイホン)」は、なんと創立が1948年。戦後まもない時代から、インターホン一筋で製品を提供し続けている。
東京支店 東京営業所の四方天 大輔氏によれば、同社の製品第一号は、旅館の女中さんなどへの連絡を目的にした業務用機器。そこから複数間通話が可能になり、バブルの頃はエアコンや照明などの家電と連携、その後機能を絞りつつもモノクロのTVモニタータイプが登場し、現在ではカラーのTVモニタータイプへと変遷してきているという。
最新タイプのトレンドになるのは大きく分けて3つのポイントがあり、「録画」「広角」「電気錠連携」がついたものが人気だという。これは、防犯を意識した機能だ。
なぜ、こうした機能が防犯に有効なのか? 空き巣犯などの場合、犯罪に及ぶ前にインターホンを鳴らしてその家の留守を確認することが多いという。もちろんその時に空き巣犯は顔を見られるのを嫌う。アイホンが提供する最新機種が「広角レンズ」を使っているのはそのためだ。同社の最新機種「ROCOタッチ 7」では、玄関先がほぼ真横まで見えるパノラマワイドを採用している。これであれば、空き巣犯が脇に隠れながら手を伸ばしインターホンを押しても、室内のモニターからその姿をしっかりと確認できる。怪しいと思えばその場で録画することもできるし、留守中も自動で録画も可能だ。「実際に、インターホンの録画画像が犯罪者の検挙に役立ったという話も聞いています」(四方天氏)
空き巣などの犯罪防止には「時間」「目」「光」「音」の4原則があるという。
「侵入に時間をかけるのを嫌う犯罪者には、インターホンと連動する電気錠システムが有効です。また電気錠システムはピッキングなどの際に警報音で威嚇ができます。人の目を避けると言う意味では録画機能が役立ちますし、当社ではインターホンと連携するセンサーライトカメラも用意していますので、敷地内への侵入者に対してはライトで威嚇をすると同時に、室内に通報し録画することができるのです」(四方天氏)
防犯対策といえば、防犯カメラやセキュリティシステムにまず意識がいくが、最新タイプのインターホンであれば、かなりの部分でその役割を担うことができそうだ。
2013年グッドデザイン賞を受賞した優れたデザイン
「ROCOタッチ 7」のモニター付き親機は、「2013年グッドデザイン賞」受賞製品。7型のワイド画面でタッチがしやすく、液晶ボタンも直感的に操作がしやすい。高齢者でもはっきりと識別できるように色分けされた液晶ボタンは遠目から見ても違いがはっきりとしていた。厚みがなくスリムなデザインも嬉しい最新タイプのインターホンは、このほかにも細かなところにも気を配った工夫が多い。前出の一戸建て住戸用の最新機種「ROCOタッチ 7」では、室内モニターにタッチパネルを採用しているが、これまでの3.5型から7型へと大幅に画面を大きくしている。
「お子様や高齢者ですと、タッチパネルのボタンを押すにも小さいと苦労をされます。そうしたご要望にお応えし画面を大きく見やすくしています。操作性も考慮して、必要なボタンが前面に出るように配慮していますし、色合いも機能によってボタンをはっきりと色分けするなど気を配っています」(四方天氏)
ショールームで実際にモニター付き親機の画面を操作してみても、確かに直感的で分かりやすかった。2013年のグッドデザイン賞を受賞(※)しているだけあって、操作性に優れながらパネルに不要なボタンもなくすっきりとしている。パネル自体もスリムでワイド画面といえどもリビングで邪魔にならない印象だ。
もちろんワイヤレス子機を付属させることも可能で、こちらもモニター付きで家の中のどこにいても訪問者の確認、さらには家族間でのコミュニケーションができる。
さらに、二世帯住宅を想定した機能も便利そうで気になった。片方の家族が留守中の場合、訪問者の呼出を自動転送機能でもう一方の世帯に送ることができる。宅配便の荷物を代わりに預かるといったこともスムーズに行えるという。
チャイムからインターホンへの取り換えは要注意!
インターホン裏の配線。通常はこの配線をつなぎ直すだけで取り換えができるが、チャイムからインターホンの取り換えには注意が必要。対応する電圧が異なるためチャイムの配線をインターホンにつなぐと一発でショートする。ちなみにこちらの写真の商品は100V電源直結式で電気工事の資格がないと工事できないものだ来訪者の応対をするだけと思っていたインターホンだが、そのシンプルな用途にも様々な工夫がされていることが分かる。古い機種を使っているご家庭なら、最新機種に取り換えれば利便性の違いをはっきりと感じられそうだ。そこで気になるのが、インターホンの取り換えは素人でも簡単にできるかという点。
量販店でもAC100V電源プラグ式インターホンは販売しているが、自分で取り換えることも十分に可能だという。既にTVモニターが導入された時代の機種から、最新機種への変更は後ろの配線を付け替えるだけなので、素人が行ってもさほど問題はない。
また、建売の家で入居してみたら子機がなかったというような場合でも、対応機種であれば後から子機を追加することも簡単にできる。
ただし、注意が必要なのは電気錠の後付けやチャイムからインターホンに切りかえる場合だ。電気錠がついていなかった家庭で後付けとなると当然ドアを丸ごと取り換えなければならなくなるし、場合によっては玄関の壁から修繕を加えなければならない。電気錠を検討するなら、新築時または大規模修繕時に考えなければならないだろう。
「また、問題になってくるのは呼出の音だけがなるチャイムからインターホンへの変更です。チャイムなどの配線にはAC100Vのタイプがあります。インターホンはDC18Vに変換して接続していますので、チャイムの配線を直接インターホンにつなぐと即座にショートし壊れてしまいます」(四方天氏)
こうした場合は事前に量販店の店員にきちんと確認をとったり、同社でもお客様相談センターでサポートをしているため事前に相談してもらえれば提携企業を紹介しているという。
ちなみに実機を見たいということであれば、今回取材でお邪魔した同社のショールームは個人でも来場が可能だ。事前に電話で予約をすれば対応してくれるという。取材当日はショールームに海外からのお客様も視察に訪れていたほか、量販店などで実機が展示されていなかった機種を確認しに個人の方がみえたり、集合住宅の大家さんなども多く見学に訪れるそうだ。
集合住宅ではシステム連携が進む
今回は一戸建て向けのインターホンを中心に見てきたが、最後に集合住宅用のインターホンにも少し触れておきたい。集合住宅用になるとさらに多機能で様々なシステムとの連携が強化されている印象だ。例えばエレベーターと連動し、夜間の指定階へのノンストップ運転などを操作したり、宅配ボックスの着荷を表示したり、管理室からの居住者の安否確認を可能にする。EVの充電状況をインターホンで確認できたり、電気料金の見える化やスマートフォンとの連携、施設予約など多岐にわたる。
集合住宅になると居住者がインターホンを選べるわけではないが、最新トレンドを知っていると物件選びの際に、どんな機能があるのか意識できて楽しいかもしれない。
「インターホンというのは、一年中どんな時でも確実に電源が入っているもの。これからも色々な可能性があると思っています」(四方天氏)
身近にありすぎて正直なところあまり意識をしてこなかった「インターホン」だが、知ってみるとやはり様々な工夫がされている。特に家づくりをこれから考えられている方は意識してみると面白いのではないだろうか。
(※)「ROCOタッチ 7」にも採用されているモニター付き親機が2013年のグッドデザイン賞を受賞
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