さまざまなことが起こるマンショントラブル!?
左のグラフは国土交通省「マンション総合調査結果について」のグラフを抜粋したものである。近年、マンション内で起きるトラブル数自体はやや減っているが、それでも様々なトラブルが起こっている。
現在取り上げているニオイのトラブルはその中でも「居住者間のマナー」と「建物の不具合」2つに特に関わってくる問題だ。今回、新築マンションを通してマンションのニオイトラブルの原因をみていく。
新築マンションに潜むニオイとは?
新築マンションのニオイトラブルの特徴としては、1軒起きると他の世帯も複数で起こる可能性があること。戸建て住宅と同じく、マンションでも気圧問題が発生するため、空気の流れがトラブルにつながっているケースがみられる。
新築マンションのニオイトラブルとして多いのが、共用部分の内廊下やエレベーターなどの空気と混ざることでひき起こされるニオイ。特に共用の内廊下の場合、廊下が換気されているもしくは密閉されているかによって発生する問題が異なってくる。最近のマンションは戸建て住宅と同じく24時間換気システムが稼働しているが、一般的な第3種の場合には部屋は負圧になってしまう。その状態だと共用廊下の空気を取り込んでしまうために、ニオイのトラブルの原因となる。また、換気が行われている廊下の場合には廊下自体の気圧が下がるため部屋が負圧状態でも、さらに気圧の低い廊下に空気が流出してしまう場合もある。
無臭の場合にはこうした空気の流入・流出は特に問題はないが、料理のニオイやお線香、そして最近多いペットのニオイが流れてしまうとトラブルが発生する。正しい換気ルートではなく共用部分へニオイが漏れ出してしまい、その結果マンション内の複数の住宅でニオイトラブルが起こり苦情へ発展するケースがある。
空気調節が難しいなら24時間換気システムは切ってしまうべき?
では、24時間換気システムを切ってしまった方がいいのではないだろうか?答えはNOである。建築家の人は空気の流れを念頭にしてマンションを造っている。そのため、それに反した使用方法はさらにマンション内の空気環境の悪化をさせかねない。
ただでさえマンションは密閉された空間のため、部屋の中の空気がこもり悪臭が発生しやすい。では、どうすればいいか?
正しい答えは、空気のめぐりと湿気を気にしつつ生活を送ることだ。正しい使い方をすることで、極稀にある構造的欠陥をのぞき、快適な空気の中で生活を送れると考える。
高齢化社会に合わせた最新マンションにもニオイトラブルが
シニアマンションについても注目したい。シニアマンションは老人ホームとは異なり、形態は一般的な分譲マンションである。しかし、看護師や専門スタッフの常駐、様々なサービスが+αで受けられるなど、お年寄りに優しいマンションだ。
しかし、実はこのシニアマンションもトラブルが起こる。シニアマンションはスパやレストランなど居住者用の様々な施設があるが、そのため建物自体のエアバランスは一般的なマンションよりも複雑で、トラブルが起こる率が多少高い。何が複雑かというと、例えば下層にあるレストランが日中仕事を始めると、どんどん換気をしていくため全体的に気圧が大幅に下がる、と言ったようなことが起こる。そうすると、部屋の空気が通常よりもさらに共有部に出てきてしまうことがある。
また、設計者が思うように使用者が使ってくれない現状もある。例えば、電気代がもったいないからといって24時間換気システムを消したり、空気の流れが悪いといって廊下側のドアを開けたり、といった居住者が誤った使用方法をしてしまうためだ。一般的なマンション使用者にもよくあることだが、シニアの入る場所ならさらに使い方について分かってもらう必要がある。
便利かつ高機能な住宅になればなるほど、そこに住む人々に使い方について正しく知ってもらう必要があるのだ。


