渋谷が激的に変わる!?

「渋谷」と言えば、ハチ公前、モアイ像、スクランブル交差点…。多くの人が行き交う渋谷だが2027年までに劇的に変わるのはご存じだろうか?現在も再開発は進められているが今後4エリアごとに大規模な再開発が行われ、2027年までには9つのビルが建造されるという。

その中の一つ、高さ230mの東棟は渋谷駅の真上に建つ予定のビルだ。渋谷駅ではこの東棟と交通網の動線整理を含めて、大規模な工事が行われている。今回、この工事を取り仕切る東急電鉄が地下工事見学会を開催した。現在の渋谷の地下から地上にかけての乗り換えの不便さを解消するという。現在、3割強の進捗度という渋谷再開発の全容と、渋谷の地下が実際どうなっているのか今回の記事でお伝えしたい。

渋谷駅街区の2027年のイメージ渋谷駅街区の2027年のイメージ

日本一訪れたい街へ

渋谷駅街区 東棟展望施設(屋外展望施設と富士山の眺望イメージ)渋谷駅街区 東棟展望施設(屋外展望施設と富士山の眺望イメージ)

今回の渋谷周辺地区の再開発は4エリアに該当する。まずは、渋谷駅街区は現在工事が進んでいる駅周辺の開発にあたるエリアだ。今後、渋谷区南街区、道玄坂一丁目駅前地区、渋谷駅桜丘口地区とあわせて4エリアが「日本一訪れたい街」になるべく開発が進められる。また4エリア以外にも、周辺では2015年1~4月に3つのビルが開業。渋谷宮下町計画も進んでおり、2017年に開業予定だ。

現在進んでいる渋谷駅街区。駅の直上に、東棟、中央棟、西棟の3つのビルができる。現在工事が進む東棟は地上47階、地下7階で高さ約230m、渋谷ヒカリエより50m高い。2019年完成予定だ。約3万m2もの商業施設と約7万m2のオフィスができる。また、駅上という立地から万が一災害が発生した際に帰宅困難者を受け入れる空間が確保されており、防災対応機能を兼ね備えた施設となる。また同ビルでは屋上展望台もオープンする予定だ。展望台からは渋谷のスクランブル交差点が臨める。

東京急行電鉄(株)都市創造本部 開発事業部 渋谷開発一部 課長の奥木卓司氏によると「五輪の開催予定にともない外国人の訪問数増加が見込めるため、当初予定していた東棟の開発を一部見直して、観光客用に屋上展望台を設置することにしました。ヘリの緊急地発着も含めて、全て展望台デッキに使用します。日本最大級の規模と言えます。屋上の下には屋内の展望回答やラウンジを設け、天候に関係なく楽しめるようにしました」とのことだ。

中央棟は地上10階、西棟は地上13階建てでそれぞれ2027年までの開業を目指す。

渋谷の地下では大規模な工事が進んでいる!

渋谷の東口を中心に渋谷の地下と地上を走る鉄道の利便性をあげるべく工事が進んでいる。2020年の五輪開催までには概ねの機能確保を図りたいとのことだ。

渋谷駅は京王井の頭線、東急東横線、東急田園都市線、東京メトロ銀座線、東京メトロ半蔵門線、東京メトロ副都心線、山手線、埼京線、湘南新宿ライン、成田エクスプレスが複雑に乗り入れ、鉄道会社的には全4社になる。地下から地上まで複雑に鉄道が交差しており、渋谷駅を使ったことがある人は迷った経験があるだろう。

この複雑な駅の動線を、「駅改良工事」、「アーバンコア設置」、「東口地下広場設置」の3つのアプローチから解消をおこなう。駅改良工事では銀座線をヒカリエ側に移し、山手線と埼京線を並列にする。アーバンコア設置は、現在渋谷ヒカリエでも採用されているが今まで一つしかなかった縦移動を最大5つまで増やす。所要時間は約半分に減るということだ。また東口地下広場を設置することで、地下にある東横線と東京メトロ線の乗り換え時の歩行がしやすくなるという。位置的には現在の地下の宮益坂改札口のすぐ近くということだ。

しかしこの東口地下広場を作るには、現在「封印された川」として有名な渋谷川が流れている場所に作る必要があった。集中豪雨時の雨対策も兼ねて、渋谷川の移設と雨水貯留槽の設置が今回行われることになった。

渋谷駅 構内動線改良。</br>東急急行電鉄(株)提供渋谷駅 構内動線改良。
東急急行電鉄(株)提供

封印された川「渋谷川」のお披露目

今回、メディア向けに行われた渋谷地下の工事見学会。その様子をここでリポートしたい。

もともと「渋谷」は、地名が表すように谷があった地形だ。例えば目黒川と言えばすぐ思い浮かぶが、渋谷川と聞いてもなかなかイメージできない人も多いと思う。渋谷川自体は宮益橋から天現寺橋まで通る約2.6kmの川。半世紀前の工事により姿を消し一部では「封印された川」とも呼ばれている。

駅前の工事用の階段から地下に降りて、渋谷川を見ると何とも言えない気分になった。水量はわずかだが、確かに地下に川が存在した。地下の照明ともに何とも物悲しい気分になったのが正直なところだ。渋谷川は現在の位置より東側に移設される。縦の位置的には東口地下広場の上にちょうど流れる形となる。

渋谷川だけでなく工事中の東口地下広場についても見学させてもらったが完成が実に楽しみだ。

2020年までに渋谷だけでなく様々な街で大きな変化が訪れるが、どう街は変わっていくのだろうか。利便性や景観の向上によりさらに魅力的な街になる一方で、生まれ育った街並みが消えていくのは否めない。今後の街の変化に期待しつつ、正直なところ消えゆく街に寂しさも感じる。

封印された川「渋谷川」。地下見学会では、長靴、ヘルメット、軍手をつけて渋谷川に沿って散策。</br>現在の渋谷川の水路と、移設後の水路、両方見学させてもらった封印された川「渋谷川」。地下見学会では、長靴、ヘルメット、軍手をつけて渋谷川に沿って散策。
現在の渋谷川の水路と、移設後の水路、両方見学させてもらった

2015年 07月23日 11時07分