大手住宅会社は前年同月比50%オーバーの駆け込み需要
ついに来年(2014年)4月の消費税増税が決定した。税率が5%から8%になる。
それを見越して9月の注文住宅市場では駆け込み需要が大幅に拡大した。
注文住宅の場合、完成後の引き渡しが14年4月以降でも13年9月末までに建築請負契約を交わしていれば消費税率が5%に据え置かれる特例があったからだ。業界最大手の積水ハウスでは契約額が前年同月比74%増*、また大和ハウスでは50%強(概数)*の増加、旭化成ホームズでは48%増(賃貸住宅含む)*だった。
5%から8%に増税されるということは、3000万円の建物なら90万円多く支払わなければならない。確かに無視はできないだろう。しかし、9月末までの契約に間に合わなかった人は、もう負担増を覚悟しなければならないのだろうか。
今からでも間に合う税率5%で一戸建て住宅を購入する方法とそのリスクを紹介する。
*出典:時事通信社
消費税増税前、まだ間に合う物件種別ごとの各種条件
そもそも14年3月末までの引き渡しであれば、消費税増税は関係ない。
購入する住宅の形態によって以下のように増税前の購入が可能になる。
【注文住宅】
前述の特例は注文住宅に限ったものだったが、たとえ注文住宅でも引渡しが14年3月末までに済めば税率は5%のままだ。
だが、一般的な同住宅の計画開始から入居までの期間は8カ月から10カ月かかってしまう。とはいえ下記スケジュールの目安を見てもらえばわかるように、どうしても期間を短縮できないのは工期の約4カ月だけだ。つまり11月中に契約し、間取り、内装材、見積り金額などを確定させ、12月頭に着工できれば間に合う可能性はある。
最近人気の間取りや設備がある程度決まっている規格型住宅なら、さらに可能性が高いだろう。
【建築条件付土地】
土地の売主が指定する建築会社で、住宅を建てることを条件に売買する建築条件付土地。この土地を選べば、建築依頼先の会社を選ぶ手間がないので、比較的着工までの期間を短縮できる。こちらも引渡しが14年3月末までに済めば税率は5%だ。ただし、その会社が自分の好みの家を建てられるセンス、技術を持っているかを契約前に見極めることが必要だ。
【建売住宅】
すでに竣工している建売住宅であれば、余裕で3月末までの入居に間に合う。立地、間取り、デザイン、設備などに納得できれば問題ないだろう。ただし、多くの建売住宅は万人受けするように無難な間取りとデザインになっている。個性的な住宅を希望する人には向かない。
一般的な注文住宅の計画開始から入居までの期間↓
| 10カ月前 | 計画開始。建築依頼先候補を探す |
| 9~7か月前 | プラン打ち合わせ。見積り内容などを検討 |
| 6カ月前 | 建築依頼先決定 |
| 5か月前 | 内装材、設備類などを検討 |
| 4カ月前 | 着工 |
| 0か月前 | 引渡し |
住宅ローン減税にすまい給付金。増税後の方が負担減になるケースもある
このようにまだ消費税5%で住宅を購入する方法はある。しかし本当に急ぐ必要があるのだろうか。
1997年4月、消費税が3%から5%に増税された。前年の1996年の注文住宅(持家)の着工件数は、前年比15.6%増の63.6万戸。だが1997年には、駆け込み需要の反動で45.1万戸と29.1%も減少した。
現在政府はこのような駆け込み需要の反動による景気低迷を懸念している。その対策が住宅ローン減税の拡充とすまい給付金制度だ。
住宅ローン減税の最大控除額は現在200万円(一部300万円)だが、消費税の増税後は400万円となる(一部500万円)。ローン残高などによっては増税後の方が200万円多く税金が戻ってくるわけだ。
すまい給付金は、消費税増税後に自らが居住する住宅を購入すれば国から給付金が支払われる制度で、世帯の収入によって10万円から50万円を受け取れる。
*詳しくはこちらで確認をしてほしい↓。
http://www.homes.co.jp/cont/press/buy/buy_00010/
これらの制度を利用することで、住宅ローン残高や所得税の納税額によっては増税後の方が負担減になるケースもあるのだ。
さらに住宅会社にとっても駆け込み需要の反動は避けたいものだ。そのため1997年の3%から5%の増税時には値引きによる販売数の維持が相当数あったといわれている。今回も同様の対策が考えられる。
家は生活そのものを左右する。本当に住みたいものをじっくり選ぶべき
家の購入は生活そのものを左右する重大な買い物だ。急いで買って、「ここが気に入らない」「あそこが不便」と毎日感じていれば相当なストレスになるし、家族関係の悪化にもつながりかねない。
住宅ローン減税にすまい給付金、さらに値引きへの期待と、消費税増税後に住宅を購入することは多くの人が心配するほどの負担増にはならないはずだ。
ここはじっくり本当に住みたいものを見極めることが得策ではないだろうか。


