- 住み替えローンは手元資金を温存して買い替えできる
- 旧自宅が売却額よりローン残額が多いオーバーローンでも、既存の残債と新居購入費を一本化して借入できます。手元の自己資金を大幅に減らさずに済む点が大きな利点です。
詳しくは、「住み替えローンを活用するメリット・デメリット」をご覧ください。 - 売り買い同日決済が必要でスケジュール調整が重要になる
- 多くの場合、旧ローンの完済と新ローンの実行を同日(または連続して)行うことが求められます。取扱条件は金融機関によって異なります。新居探しと売却を並行して進める必要があり、通常の購入より時間の猶予が少なくなります。
詳しくは、「住み替えローンが使える場合と使えない場合」をご覧ください。 - 事前審査の早期完了と余裕を持った返済計画が成否を分ける
- 新居の売買契約前に事前審査を受け、契約にはローン特約や買換特約などを盛り込んでおくことが重要です。また残債分だけ総借入額が膨らむため、返済負担比率を20〜25%以内に収める綿密な試算が欠かせません。
詳しくは、「相談から決済までの流れと注意点」をご覧ください。
転勤や子どもの進学、親の介護などの生活環境の変化によって、住み替えの検討が必要になることがあります。既存の住宅ローンが残った状態で住み替えが必要になると、売却代金だけでローンを完済できるのか、資金面で悩む方も多いでしょう。
このようなケースでは、「住み替えローン」を活用することでスムーズな買い替えが期待できます。この記事では、住み替えローンを利用するメリットやデメリット、事前に押さえておきたい失敗しないためのポイントを詳しく解説します。
住み替えローンを活用するメリット・デメリット
住み替えを検討する際、「住み替えローン」を活用したいと考えているのであれば、まず自分が利用条件にあてはまるかどうかを精査する必要があります。住み替えローンには資金繰りを助けるメリットがある一方で、通常の住宅ローンにはないデメリットや注意点が存在するためです。
住み替えローンが使える場合と使えない場合
住み替えローンとは、旧自宅の売却金額だけでは住宅ローンを完済できない「オーバーローン」の状態になった場合に利用できる金融商品です。旧自宅の残債(完済しきれなかった金額)と、新居の購入費用を合算して一つのローンとして借入できます。ただし、旧自宅のローン返済だけを目的として単体で使用することはできません。
住宅ローンの一部が残る場合であっても、必ず住み替えローンを組まなければならないわけではありません。自己資金(預貯金)を取り崩したり、親族から資金援助を受けたりして旧ローンを完済できれば、新居では通常の住宅ローンを新規で組む選択肢もあります。
判断の目安として、手元には最低でも生活費の半年分と新居購入にかかる諸費用分(物件価格の5〜10%程度)の自己資金を残せるか確認しましょう。手元資金が不足しそうな場合、住み替えローンは手元資金を残すための選択肢の一つですが、借入総額が増えるため、返済計画とあわせて検討しましょう。
住み替えローンを利用するデメリットはある?
住み替えローンを利用する最大のメリットは、手元の自己資金を大幅に減らすことなく、新しい家へ住み替えができる点です。数年以内に子どもの教育費や車の買い替えなど大きな支出の予定があるご家庭にとっては、手元資金を残しやすい仕組みといえます。
一方で、住み替えローンには独自のデメリットやハードルもあります。
1つ目は、スケジュールの確保や調整の難しさです。住み替えローンでは、売却による旧ローンの完済(抵当権抹消)と、新居の購入・融資実行(抵当権設定)を「同日の同じタイミング」で行わなければなりません。売却と購入のタイミングがズレるとローンが実行できないため、売買の決済日をピッタリ合わせる調整が必要です。
2つ目は、借入額が膨らむことによる審査基準の厳しさと返済負担の増加です。残債と新居価格を合算するため総借入額が大きくなり、一般の住宅ローンよりも金利がやや高めに設定される傾向があります。返済比率(年収に対する年間返済額の割合)の制限も厳しくなるため、慎重な返済計画が欠かせません。
住み替えローンの基本的な流れとポイント
前述のとおり、住み替えローンを利用する際は「旧自宅の売却決済」と「新居の購入決済」を同日にそろえる必要があります。実際の決済手続きや日の調整は不動産会社や司法書士が主導しますが、全体の流れと事前準備の手順を理解しておくことが大切です。
相談から決済までの流れと注意点
住み替えローンをスムーズに進めるための基本的な手順は以下のとおりです。
1. 不動産会社への売却査定依頼
現在の自宅がいくらで売れそうかを知ることから始まります。予想売却額とローン残高を比較し、差額(不足分)を把握します。査定額どおりに売れるとは限らないため、やや低めに見積もっておくと安心です。
2. 媒介契約と新居探し
査定額をもとに不動産会社と媒介契約を結びます。不足額が出ることが判明した時点で、不動産会社へ「住み替えローンを利用したい」旨を明確に伝えておきます。並行して新居探しをスタートします。
3. 事前審査の申し込み
新居の候補が決まり始めたら、売買契約を結ぶ前に必ず金融機関へ住み替えローンの事前審査(仮審査)を申し込みます。事前審査を通すことで、借入可能額の上限を把握できます。
4. 売買契約と本審査
旧自宅の売主・買主間での売買契約、および新居の売買契約を締結し、住み替えローンの正式申し込み(本審査)を行います。売り・買い双方の契約書に「同日決済」を条件とした特約などを盛り込む調整を行います。
5. 同日決済(融資実行と売却・購入の手続き)
決済当日は、一般的に「午前中に旧自宅の売却手続き(代金受取と旧ローン完済)」を行い、「午後に新居の購入手続き(融資実行と代金支払)」を同日中に一気に完了させます。
住み替えローンを賢く使うポイント
住み替えローンでは、新居の購入価格以上の金額(残債分)を借り入れるため、借入総額が予想以上に大きくなりがちです。無理な資金計画を立ててしまうと、住み替え後に毎月の返済が困窮し、新居を手放さざるを得なくなる危険性もあります。
リスクを避けるためには、現在の年収に対する年間返済比率を20〜25%以内に抑え、将来の金利上昇リスクや定年後の返済負担まで考慮した無理のないシミュレーションを行うことが不可欠です。あらかじめ複数のシミュレーションツールや専門家への相談を通じて、借入金額と返済期間を詳細に検証しておきましょう。
また、返済計画の試算やローンの比較については、専用ツールや専門の相談窓口を活用するとスムーズです。住宅ローンについて調べることや、家計から住宅購入予算を試算するツールを使って事前にシミュレーションを行うことをおすすめします。
住まいの窓口に資金計画を相談する仕組みを理解して住み替えローンのメリットを生かそう!
- 住み替えローンは、自宅を売却しても住宅ローンを完済しきれない「オーバーローン」の際に活用できる
- 売却と購入の決済日を「同日」に揃える必要があるため、事前のスケジュール調整と素早い行動が鍵となる
- 不動産会社への査定と並行して早期に事前審査へ申し込んでおくことで、審査落ちによるトラブルを防げる
- 残債分が加算されて総借入額が大きくなるため、資金シミュレーションを綿密に行い無理のない返済計画を立てる
よくある質問(FAQ)
Q.1 住み替えローンと通常の住宅ローンの違いは何ですか?
A.1 通常の住宅ローンは新しく購入する物件の価格までしか借入できませんが、住み替えローンは前の自宅で返済しきれなかった住宅ローンの残債(オーバーローン分)を新居の購入資金に上乗せして借り入れられる点が異なります。
Q.2 住み替えローンの審査は厳しいですか?
A.2 一般的な住宅ローンと比較すると審査基準は厳しい傾向にあります。旧自宅の残債と新居の購入額が合算されて総借入額が大きくなり、返済負担比率が高くなりやすいためです。安定した収入や計画的な返済プランが求められます。
Q.3 売却代金で住宅ローンが完済できる場合でも住み替えローンは使えますか?
A.3 売却代金や自己資金で旧住宅ローンを全額完済できる場合は、住み替えローンを利用する必要はありません。その場合は、新居の購入費用のみを対象とした通常の住宅ローンを新たに組むことになります。
Q.4 住み替えローンを利用する場合、売却と購入はどちらを先に行うべきですか?
A.4 住み替えローンは売却決済と購入決済を同日に行う必要があるため、「売り」と「買い」を同時並行で進めるのが基本です。査定と同時に新居探しを開始し、売買契約のタイミングを不動産会社に調整してもらう必要があります。
Q.5 ダブルローン(二重ローン)との違いは何ですか?
A.5 ダブルローンは、旧自宅のローンと新居のローンの2つを同時に組んで返済する方法です。一方、住み替えローンは2つのローンを1つにまとめて一本化するため、月々の返済口数を1つに整理できる違いがあります。
更新日: / 公開日:2020.04.17










