ヴィジュアル系やサブカルチャー関係を中心にライターとして活動する藤谷千明さんが、38歳にして同性の友人3人との同居をスタートするまでの過程を描きます。
東京都心の1Kで一人暮らしをしていたものの、仕事や趣味のモノで部屋はいっぱい。そんな生活に限界を感じ、同じような趣味嗜好の友人たちに声をかけ、ルームシェアを目指しました。
「広い部屋で友達同士、ゆるゆる楽しく暮らしたい!」。そんな理想を叶える物件はあるのでしょうか? 今回はそれぞれの希望する住まいの条件のすり合わせから、物件探しの過程を紹介します。
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ルームシェア可の物件
登場人物紹介
藤谷:この記事を書いているフリーランスのライター。趣味と仕事の物が多いため、1K暮らしに限界を感じて、広い家でオタク同士のルームシェアを目指す。全員元々趣味を通じた知り合いである。
丸山さん(仮名):アナログゲームオタク。フリーランスの服飾作家をしているため、物が多いのでルームシェアに参加。
角田さん(仮名):都内の企業で働く会社員。観劇オタク。最近は趣味で和装を始めたため、着物でクローゼットが大変なことになっており、ルームシェアに参加。
星野さん(仮名):都内の企業で働く会社員。ソシャゲや二次元のオタク。通勤に2時間かかる実家住まいに不便を感じており、ルームシェアに参加。
マンガみたいにいかないのはわかっている
アラサー&アラフォーのオタク4人でルームシェア。ルームシェアというと、若い人のものというイメージがあるためか、ネットで検索しても前例があまり見つかりませんでした。
マンガだとエッセイからフィクションまで色々あるのですが、エッセイの場合は「誰かの住んでいる部屋に転がり込んで……」というケースも多く、1から物件探しをするというマンガは、3人の女性がルームシェアをする『東京ルームシェア生活』(きのしたきのこ・KADOKAWA / メディアファクトリー)くらいで、その作中でも「ルームシェア物件はなかなか無い」ということは強調されていました。
前回の不動産会社さんの反応から、それは間違ってなさそう。もちろん、現実とマンガは違うので、ルームシェアマンガの金字塔である『NANA―ナナ―』(矢沢 あい・集英社)のようなスピード感のあるルームシェアは、そうそう発生しないことはわかっています。
ちなみに、あの頃誰もが憧れたあの部屋、7階なのにエレベーターがないので、あれから20年経った今では「絶対に住みたくはない物件だな」と思ってしまい、自分自身の足腰の衰えを感じました。
さて、前置きが長くなりましたが、まあ我々の理想への道は厳しそうなのはわかっていますが、案ずるより産むが易しとはよくいったもので、まずは物件探しを始めてみましょうということに。
ルームシェア可の物件チャットアプリでそれぞれの希望のすり合わせ

それぞれの希望する条件を確認しないと話が進みません。なお、基本的にやりとりはLINEグループで行っています。
まずは価格帯。自分たちが一人暮らししている家賃よりは下げたいので、だいたい6万円くらい、つまり4人で24万円以内くらいが妥当だなと決まりました。とはいえ、万が一何かの事情で急に欠員が発生してしまった場合のリカバーを考えると、安いに越したことはないのですが……。
次に立地。星野さんと角田さんの勤務先から近いことが大前提。そして「乗り換えがあると交通費が高くつくので、私鉄沿線よりはJRや東京メトロ沿線が良い」「ライブハウスの多い新宿渋谷から30分以内くらいが理想」「同人イベントの行われる東京ビックサイトまで乗り換えが少ないと嬉しい」「問屋街に近い23区東部のほうが」などなど、各々の生活や趣味に準じた希望を出し合いました。
この条件に合う街は沢山あるというか、極端に都心から離れた場所でもない限り、だいたい大丈夫なのかな〜という感じ。
そして間取り。全員分の個室はマストなので4LDK以上、各部屋の広さにばらつきがなく、できれば各部屋に収納がついている物件が望ましい。
この時点でかなり難しい条件になってきます。4LDKというと、ほぼファミリー物件です。8畳の和室、4畳の子ども部屋、6畳の寝室……のような家族で暮らすことを想定した物件ばかりで、そもそも全部屋に差のない物件が少ないという状況。
その上、私と丸山さんが在宅ワーカーということもあり、リビングは食事だけでなく作業場を兼ねた部屋にしたいので、最低12畳は欲しいですし、築年数にこだわりはないけれど、水回りはリフォーム済がいいし、全部屋にエアコンがあるに越したことはないし、トイレは2つある物件が理想……とか、色々考えてしまうと、ハードルはあれよあれよと、バカみたいに高くなっていき、自分たちでも「『かぐや姫』の貢ぎ物レベルかよ!」とセルフ突っ込みしました。
物件選びのお供にスプレッドシートがおすすめ
まあ今すぐ引越したいわけでもないし、ゆっくりでもいいか〜と、ゆるゆると物件探しを始めました。
私が前回不動産会社から教わった会員制の検索サイト、丸山さんがLIFULL HOME’S、角田さんが某A社不動産情報ポータルサイト、星野さんは某B社不動産情報ポータルサイトで候補になりそうな物件をあげていくことに。
まずはLINEグループに物件のリンクを貼り、「ええやん?」と同意が取れたら、Google スプレッドシートに、「物件名」「間取り」「家賃」「最寄り駅」「徒歩○分」「築年数」などの検討要素を記入して、一覧できるようにし、各物件を改めて吟味して再度「ええやん?」となった物件に問合せて内見という手順を踏みました。これはなかなか効率が良かったので、おすすめです。
ここまではスムーズでしたが、世の中の賃貸物件は、ほぼ「ルームシェア相談」となっています。「可」ではなく「相談」です。この「相談」というファジーな表現に振り回されること数知れず。
問合せても「友人同士のルームシェアは不可」だったり、暗にフリーランスであることが理由でお断りされたり、「そういう形のルームシェアはちょっと……」というふんわりした理由でお断りされることもありました。待って待って? 「そういう形」とは……!?
友人同士のルームシェアというものは、「喧嘩別れなどで破綻した時の家賃未払い」などのリスクもあって、家主さんにとって心配のタネなのはわかるのですが、夫婦やきょうだいなど、戸籍で担保されている関係と違って、本当にルームシェアってハードルが高いのだな……とションボリしました。
ちなみに、巷では「ルームシェア可物件はペット可物件よりも少ない」という説も、まことしやかにささやかれており、「人間様は複数だとワンちゃん以下か!」と遠い目になります。
さらに、女性よりも男性同士のルームシェアのほうが、なぜか審査が厳しいらしく、賃貸の世界では「犬猫>女性>男性」という現象が。まあ、あくまで噂ですが……。
話を戻しますと、そもそも検索項目に「ルームシェア」のない不動産情報ポータルサイトもあるので、今後のために、そこは改善してほしいと声を大にして言っておきたいです。ちなみにLIFULL HOME’Sにはありました(えらい)。
ルームシェア可の物件理想の物件との出会い、そして…

そして、「さすがに簡単に見つからないよね〜半年くらいかけて気長に探そうか〜」と、思い始めた頃、突如我々の理想の物件が検索に引っかかったのです。
- 21万円の一軒家(予算より安い!)
- JR沿線(急行止まる!)徒歩15分(許容範囲!)
- 5LDK(余った1部屋は収納部屋にできる!)
- リビング14畳
- 個室の広さの差は8畳、7.5畳、7畳、6畳(許容範囲!)
- 全室フローリング(嬉しい)
- キッチン・バス・トイレリフォーム済
- トイレが2つ
そして何より、
ルームシェア可!
秒速で不動産会社さんに電話したところ、まだ手付かずだということで、色めき立つ我ら。返す刀で内見日程を決め、サクッと週末には現地で確認。
築年数は古いものの、水回りはきれいですし、日当たりもかなり良い。そして各部屋の南側にベランダも付いていて、小さいながらも庭がある。収納は納戸のほかにシューズクローゼットも備わっているという充実ぶり。
オタク的に電源の数も気になるのですが、こちらも築年数の割に多めで安心。なお、テレビのアンテナはリビングにしかつながっていないそうなのですが、我々はネット配信ばかり観ているタイプのオタクなので、リビングだけで無問題。
駐車場が無いということで、ファミリーからは敬遠されていた物件だそうですが、逆に車の必要がない我々からしたら好都合。
「ここに住みたい!」と前のめりになったところで、そう、我々には「審査」という巨大な壁が待ち構えていたのでありました……。
ルームシェア可の物件更新日: / 公開日:2019.05.27
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