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【不動産契約にいい日】大安だけじゃ足りない? 住宅購入・投資・売却、取引別「最強の日」の選び方

【不動産契約にいい日】大安だけじゃ足りない? 住宅購入・投資・売却、取引別「最強の日」の選び方

不動産契約の日、どうやって選んでいますか? 多くの人が真っ先にチェックするのは、カレンダーの隅にある「大安」の文字でしょう。

しかし、実はそれでは不十分かもしれません。本当に「最強の吉日」を選びたいなら、大安の奥にある、もっと深い暦の知恵を知っておきましょう。

この記事で分かること

  • ローンで住宅購入をする場合に避けたい日
  • 投資・事業用不動産の場合
  • 賃貸借契約の場合
  • 不動産売却の場合

もくじ

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不動産契約、大安を選べば安心? 実はそれだけでは不十分

日本の暦注(暦に書き添えられた吉凶の注記)は、実は三層構造になっていて、「大安」はその中でも比較的新しく分かりやすい要素です。しかしその奥にはさらに深い知恵があります。

その奥には、飛鳥時代から続く「正統」があり、さらに深層には、平安京を支えた「陰陽道の奥義」が眠っています。

暦注は単なる迷信ではなく、先人たちが「リスクを回避し、最良の結果を導き出すために築き上げた知恵の体系」と位置付けることもできます。

今回は、東洋思想の変遷をたどってきた歴史学の徒という立場から、不動産取引における最強の吉日選びをご紹介しましょう。

暦注の3つの階層、江戸の流行、飛鳥の正統、陰陽道の奥義

日本の暦注は、地層のように異なる時代の思想が積み重なってできています。

【第一層】六曜(ろくよう):江戸時代末期に広まった「流行」

「大安」「仏滅」などの六曜は、日本の暦注の歴史の中では比較的新しく、幕末から明治にかけて急速に普及したものです。

一種の「大衆文化」として広まったため、非常に分かりやすいのが特徴ですが、軍事、朝廷、幕府の公式の意思決定にはほぼ使われた形跡はなく、歴史的な権威や天文学的な根拠は、後述する2つに比べるとやや軽めの位置づけになります。

六曜はその名の通り全部で6種類あり、それぞれの意味は以下になります。

  • 大安(たいあん):「大いに安し」で、何事も吉とされる日。結婚式などお祝い事に最適。
  • 友引(ともびき):「友を引き込む」という意味で、慶事は良いが、葬儀など弔事は避ける日(元は「共引」で引き分けの意味)。
  • 先勝(せんしょう):「先んずれば即ち勝つ」で、急ぐことが吉。午前が吉、午後が凶。
  • 先負(せんぶ):「先んずれば即ち負ける」で、平静を保つのが吉。午前が凶、午後が吉。
  • 赤口(しゃっこう):「赤舌神」が人を悩ます日。正午(11時~13時頃)のみ吉で、朝夕は凶。
  • 仏滅(ぶつめつ):「仏も滅する」日。最も凶とされるが、「物滅(ものが終わって新しく始まる)」と解釈する説も。

六曜
六曜は、幕末から明治にかけて急速に普及しました。日本の暦注の歴史の中では比較的新しいものです

【第二層】十二直(じゅうにちょく):飛鳥時代から続く「正統」

歴史学的に見ると、より重要視すべきは「十二直」です。これは北斗七星の動きに基づいた吉凶判断で、飛鳥時代の暦にはすでに記載がありました。

中世から近世にかけては、この十二直こそが「公的行事の判断基準」として重んじられていたとされ、朝廷や幕府の行事決定にも影響を与えた「暦の王道」と言えます。

十二直は、日ごとの性質を12の分類で表したもので、それぞれに以下の意味があります。

  • 建(たつ):万物が生じる大吉の日。建築・結婚など吉。ただし土動かしは凶。
  • 除(のぞく):障害を取り除く日。種まき、治療開始など吉。婚礼は凶。
  • 満(みつ):物事が満ちる大吉の日。建築、移転、開店など大吉。
  • 平(たいら):物事が平穏に進む。万事大吉。
  • 定(さだん):定まる日。開店、移転、種まき吉。
  • 執(とる):執り行う日。建築、収穫、金銭の出入り吉。
  • 破(やぶる):物事が破れる日。訴訟は吉。神事・約束事は凶。
  • 危(あやう):万事危うい。旅行・登山・船旅は慎むべき。
  • 成(なる):物事が成就する日。建築、開店、新規事吉。
  • 納(おさん):納める日。収穫、商品購入吉。
  • 開(ひらく):物事を始める日。入学、開業、結婚、建築吉。葬儀は凶。
  • 閉(とず):閉じる日。穴塞ぎ、金銭出納、墓造り吉。開店は凶。

十二直の一覧と意味
十二直の一覧と意味

【第三層】三合(さんごう):平安京を支えた「陰陽道の奥義」

最も高度で「攻め」の判断に用いられたとされるのが、陰陽道における「三合」です。これは十二支を正三角形の結びつきとして捉え、五行思想に基づいてエネルギーの働きを強めるという考え方です。三合にはそれぞれ十二支があてはめられています。

平安京の造営では、四神相応(しじんそうおう)の地相が重視されました。あわせて、後世に「三合」の考え方と通じる時間選定が行われていたのではないかと、陰陽道研究の中で指摘されています。

  • 水の三合:申、子、辰の日
  • 火の三合:寅、午、戌の日
  • 木の三合:亥、卯、未の日
  • 金の三合:巳、酉、丑の日

これらの暦注は、それぞれ固有の規則に従って日付へ適用されます。十二直や三合は暦注が記載されたカレンダーを参照ください。

三合(さんごう)
三合(さんごう)

【不動産取引別】住宅購入・投資・売却、最強の吉日はこう選ぶ

不動産取引とひとくちに言っても、その目的は様々です。歴史学的な思想背景に照らし合わせ、ケース別の最強の吉日の選び方をご紹介しましょう。

ローンで住宅購入をする場合は、一粒万倍日は避けて

住宅購入の際、借入(ローン)を伴う契約で、現代人が最も陥りやすいのが、「一粒万倍日」を選んでしまうこと。一般的に何をするにも最高の吉日と思われている日なのですが、ローンに限っていえばそうとは言えません。

<推奨する日>

火の三合である寅、午、戌の日

不動産は五行思想では「土」の性質を持ちます。 この「土」を強化するのが「火」のエネルギー(火生土:火が燃えて灰になり土を肥やす)です。

火の三合にあたる寅・午・戌の日は「火のエネルギー」が最大化します。 ローンという負債を、盤石な家庭の基盤(土)へと変える強力な後押しとなることでしょう。

<避ける日>

一粒万倍日(いちりゅうまんばいび)

「一粒の籾(もみ)が万倍に増える」というこの日は、善きことも万倍になりますが、歴史学的には「増幅」の理。 つまり「借金も万倍に膨らむ」とされ、古来、商人の間では「一粒万倍日は借財には向かない」と解釈されることもあったと言われ、嫌われる傾向がありました。

2026年の一粒万倍日

日付(一粒万倍日) ※避けた方がよい日
1月 1日、2日、5日、14日、17日、26日、29日
2月 8日、13日、20日、25日
3月 4日、5日、12日、17日、24日、29日
4月 8日、11日、20日、23日
5月 2日、5日、6日、17日、18日、29日、30日
6月 12日、13日、24日、25日
7月 6日、7日、10日、19日、22日、31日
8月 3日、13日、18日、25日、30日
9月 6日、7日、14日、19日、26日
10月 1日、11日、14日、13日、26日
11月 4日、7日、8日、19日、20日
12月 1日、2日、15日、16日、27日、28日

投資・事業用不動産の場合は、守り固めるか発展させるか

収益物件や店舗の契約は、目的は「安定」よりも「増殖」と「発展」です。ここでは、より動的なエネルギーをもたらす日が吉となります。強いエネルギーによって積極的に吉運をつかむことを意図した三合で日を選ぶといいでしょう。

<資産を守り固める日>

金の三合である巳・酉・丑の日

金運が結実し、強固な財を成すエネルギーが満ちます。現金一括での購入や、長期保有による資産防衛に適しています。

<事業を発展させる日>

木の三合である亥・卯・未の日。

成長を司る「木」の気が、事業の拡大や高い入居率を後押しします。

<避ける日>

受死日(じゅしにち)

暦注のひとつで、災い・病・不幸を受けやすい日とされ、特に重大事を避けるべき忌み日とされています。

賃貸借契約の場合は、十二直で調和をもたらす日を

賃貸借契約は「所有」ではなく、その土地との「一時的な縁」を結ぶ行為です。積極的にエネルギーを増幅させることを意図する三合より、十二直で日々の平穏をもたらすのに良い日を選ぶほうが向いています。

<推奨する日>

十二直の「平」・「定」 の日

北斗七星の回転から導き出された「平」は、物事が平穏に収まることを意味し、近隣トラブルを避けたい賃貸借契約に向いています。「定」は文字通り、新しい土地に根付くことを助けます。

<避ける日>

土用(どよう)の期間・三箇の悪日

土用とは、立夏・立秋・立冬・立春の直前、約18日間を指し、年に4回あります。この時期は「土公神(どくじん)」という土の神様が活発に動かれるため、土地のエネルギーが非常に不安定になります。

歴史的にも、この時期の引越しや土地の移動は、土地の気が乱れると考えられ、体調や運気を崩しやすい時期とされてきました。

三箇の悪日は、暦注の一種で、婚礼や契約・建築の着手などを避けるべき大凶日とされています(大禍日・狼籍日・滅門日を総称して三箇の悪日といわれています)。

2026年の土用の期間

季節 期間(土用)
冬土用 1月17日(土) ~ 2月3日(火)
春土用 4月17日(金) ~ 5月4日(月)
夏土用 7月20日(月) ~ 8月6日(木)
秋土用 10月20日(火) ~ 11月6日(金)

賃貸借契約におすすめの日
賃貸借契約は、十二直の「平」・「定」 の日がおすすめです

不動産売却の場合は?

不動産の売却は、所有していた土地や建物との「縁を切り」、それを「流動化(現金化)」させる行為です。

いつまでも買い手がつかなかったり、引き渡し後にトラブルが再燃したりすることを防ぐためには、「滞りなく流す」エネルギーが満ちる日が向いています。

<推奨する日>

十二直の「除」・「開」の日

売却においては、古い縁を清算し、新しい主へと扉を開くことが大切です。

除は、十二直の中でも、不浄を除き、古いものを手放すのに最良とされる日です。歴史的には「百凶を除き去る」日とされ、所有権を手放し、身軽になる売却契約に適しています。

開は、閉ざされていた運気を開放する日。広く買い手を募る「売り出し開始日」や、新たな門出を意味する「決済・引き渡し日」に用いることで、取引がスムーズに運びます。

<攻めの戦略なら>

水の三合である申・子・辰の日

売却を「現金化(キャッシュフロー)」のプロセスと捉えるなら、五行の「水」の力を借ります。

水の三合である申・子・辰の日は、水が流れるように物事が動く「三合水局」です。東洋思想では、水は「財の流通」を司ります。

売却価格の交渉を円滑に進めたい、あるいは滞っていた物件を早く現金化したい場合には、この水のエネルギーが満ちる日が向いています。

<避けるべき日>

十二直の「閉」と、「不成就日(ふじょうじゅび)」

閉は、文字通り「閉じる」エネルギーが働く日です。この日に売り出したり契約したりすると、話が途中で止まってしまったり、買い手との交渉が閉ざされてしまう(破談する)とされ、売却には不向きとされます。

不成就日は、一粒万倍日と同様に、六曜などとは別体系の暦注です。この日は、何事も成就しないとされる日とされ、特に「金額の合意」が必要な売却においては、最終的な契約がまとまらないリスクを避けるため、歴史的に忌まわれてきました。

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2026年の不成就日

日付(不成就日)
1月 1日、9日、17日、24日
2月 1日、9日、19日、27日
3月 7日、15日、20日、28日
4月 5日、13日、17日、25日
5月 3日、11日、20日、28日
6月 5日、13日、19日、27日
7月 5日、13日、19日、27日
8月 4日、12日、15日、23日、31日
9月 8日、12日、20日、28日
10月 6日、11日、19日、27日
11月 4日、12日、20日、28日
12月 6日、13日、21日、29日

不動産全般で最低限押さえておきたい六曜

<推奨する日>

六曜の大安、午前中なら先勝も

<避ける日>

六曜の仏滅、赤口(正午だけは良し)

【取引形態別】最強の吉日選び 早見表

住宅購入(ローン)

○推奨:火の三合(寅・午・戌の日)

×避ける:一粒万倍日、不成就日

投資・事業用不動産

○資産防衛:金の三合(巳・酉・丑の日)

○事業発展:木の三合(亥・卯・未の日)

×避ける:受死日

不動産売却

○推奨:十二直の「除」「開」

○攻め:水の三合(申・子・辰の日)

×避ける:「閉」の日、不成就日

賃貸借契約

○推奨:十二直の「平」「定」

×避ける:土用期間、三箇の悪日

全般(最低限)

○推奨:大安(午前中なら先勝も)

×避ける:仏滅、赤口(正午以外)

【取引形態別】不動産契約の吉凶早見表

取引形態 推奨される日 避けたほうがよい日
住宅購入(ローン) 火の三合(寅・午・戌の日) 一粒万倍日
不成就日
投資・事業用 資産防衛:金の三合(巳・酉・丑の日)
事業発展:木の三合(亥・卯・未の日)
受死日(じゅしにち)
不動産売却 十二直の「除」「開」
早期現金化:水の三合(申・子・辰の日)
十二直の「閉」
不成就日
賃貸借契約 十二直の「平」「定」 土用期間
三箇の悪日
全般(共通) 大安、先勝(午前中) 仏滅
赤口(正午以外)

不動産契約にいい日
不動産全般で、最低限押さえておきたい六曜は、推奨する日が六曜の大安(午前中なら先勝も)。避ける日は六曜の仏滅、赤口(正午だけは良し)

吉日選びで、時の運を味方につけて賢く選択する

歴史を振り返ると、大きな時代の転換点を生き抜いた成功者たちは常に、自分を取り巻く「時の運」を味方につけてきました。

私たちが吉日を選ぶのは、単なる気休めや迷信ではなく、心の区切りをつけたり、必要な決断を促すきっかけになります。

特に「売却」という行為は、過去の執着を手放し、未来の資産を形成する重要な転換点。「除」の日に、この土地との縁に感謝して手放すという精神的な区切りをつけるといったような謙虚で知的な姿勢は、新しいスタートへの大きな礎となることでしょう。

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記事執筆

村上 瑞祥” class=村上 瑞祥(むらかみみずき)

歴史学者・東洋古代思想史研究家 /一級建築士事務所 Office Yuu所属
大学院にて東洋思想史の研究に勤しみ、その後アジア各地を歴訪、民間伝承や故事を収集。特に中国古代思想を専門とし、教育心理学、民俗学、宗教学、卜占にも造詣が深い。家相・風水に関するコラム執筆、「幸せになる風水の家相学」執筆・監修など。