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賃貸併用住宅が売れないって本当?リスクや売却成功のポイントを解説

オーナーのマイホームと、賃貸用の居室を組み合わせて1棟の建物を構成している物件が「賃貸併用住宅」です。家賃収入を得られることで毎月のローン返済の負担を軽減できるなど、さまざまなメリットがある一方で、売却の際には単独のマイホームともアパートとも異なる注意点が存在します。

この記事では、賃貸併用住宅の売却について解説します。

マイホームを取得する際に売却まで考慮する人は多くありませんが、賃貸経営の側面では「出口戦略」も大切です。賃貸併用住宅の売却に関するリスクや、売却を成功させるために重要なポイントを、詳しく見ていきましょう。

この記事で分かること

  • 賃貸併用住宅のメリット・デメリット
  • 賃貸併用住宅が売れないといわれる理由
  • 賃貸併用住宅の売却を成功させるポイント

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もくじ

そもそも賃貸併用住宅とは?

賃貸併用住宅とは、マイホームとアパートを組み合わせた住宅です。マイホームとして利用する一戸建て住宅の一部に、賃貸用の住宅を加えた建物です。

二世帯住宅の片方を賃貸に利用するものから、マイホームとは全く異なる間取りで複数の賃貸用居室を備えたものまで、さまざまな構成のものがあります。

自宅としての利用だけでは余裕がある広さの敷地や、容積率が高く3階以上の建築が可能な場合などに、土地の有効活用を目的に建築されるケースが多くあります。

賃貸併用住宅のメリット

自己居住用と賃貸用の物件を1つにまとめた賃貸併用住宅には、双方のメリットも生かせる可能性があります。主なメリットは以下の3点です。

  • 家賃収入をローンの返済に充てられる
  • 節税効果が見込まれる
  • 要件を満たせば住宅ローンを利用できる

家賃収入をローンの返済に充てられる

住宅ローンを利用してマイホームを購入した場合、自身の収入から毎月の返済を行います。賃貸併用住宅の場合、賃貸部分から発生する家賃収入をローンの返済に充てることができます。

自宅だけを建築した場合より借入額が大きくなっても、賃貸併用住宅の方が月々の返済負担は軽くなる可能性があるでしょう。

節税効果が見込まれる

不動産の所有で毎年かかるコストに固定資産税が挙げられますが、単独のマイホームと比較して住戸数が多い賃貸併用住宅では、土地にかかる固定資産税を抑えられる場合があります。なぜなら、住宅1戸にあたり200㎡までは小規模住宅用地とされ、固定資産税評価額が1/6になるからです。

また、賃貸経営で生じた経費や賃貸部分の減価償却費は所得から控除できるため、所得税の節税にもつながることがあります。さらに、賃貸部分に関しては相続税対策の効果も期待できます。

他人に貸している不動産は「所有者が自由に使うことができない」と判断されるので、自己居住用の物件よりも相続税評価額が低くなる特徴があります。

要件を満たせば住宅ローンを利用できる

アパートを取得する際に融資を利用する場合、通常の住宅ローンが利用できません。アパートローンや不動産担保ローンなどを利用することになりますが、これらは一般的な住宅ローンよりも金利が高く設定されています。

一方で、賃貸併用住宅では、「自宅部分が全体の面積の50%以上」など金融機関が定める要件を満たせば、住宅ローンを利用できる可能性があります。

住宅ローンはアパートローンに比べて、金利が低く返済期間が長いなどのメリットがあります。さらに、自宅部分については住宅ローン控除も利用できるので、単独の投資用物件を取得するよりもコスト面で有利になる可能性があるでしょう。

賃貸併用住宅のデメリット

賃貸併用住宅のデメリットとして、マイホームと賃貸物件のメリットを最大限に生かせない可能性がある点が挙げられます。

確かに、単独のアパートで適用されない住宅ローン控除が利用できる場合がある点はメリットといえます。しかし、単独のマイホームを基準に考えれば「ローン残高が控除の対象にならない」というデメリットに転換されてしまいます。

賃貸経営において重要な、減価償却費に関しても同様です。住宅部分は「不動産所得を生む原資」ではないため、減価償却費に計上できません。

このように、マイホームと賃貸物件の双方の特性に基づくメリットが享受できる反面、そのいずれもが最大限の効果につながりにくいというデメリットが生じます。

賃貸併用住宅のリスクや危険性

賃貸併用住宅には、主に以下のようなリスクや危険性があります。

  • 空室リスク
  • 入居者とトラブルになるリスク

空室リスク

賃貸経営では一定の空室リスクがあります。特に、賃貸併用住宅においては、一定部分を自宅が占めることから、賃貸住宅として活用できるスペースが限られ、1戸の空室が全体の収支に及ぼす影響が大きくなります。

賃貸経営においては、入居者が退居してしまえば賃料収入はゼロになってしまいます。そのため、入居状況によっては、家賃収入が毎月の住宅ローン返済額に満たないリスクが生じるでしょう。

当然ながら、自宅部分は収益を生まないため、1棟すべてを賃貸に利用する物件よりもそもそも利回りが低くなります。また、賃貸併用住宅は著しく戸数が限定されるので、空室リスクを分散することが困難です。

入居者とトラブルになるリスク

賃貸併用住宅は、アパートやマンションなどとは異なり、住宅の敷地内に賃貸として利用している部分があります。自宅と賃貸部分の距離が近いことから、プライバシーの配慮が足りていないとトラブルに発展するリスクがあるでしょう。

また、極端にマナーの悪い入居者の場合、根本的な改善が困難になります。入居募集や審査の際は、オーナーがしっかりと見極めることが重要です。

賃貸併用住宅が売れないといわれる理由

賃貸併用住宅の売却が困難といわれるのは、流動性の低さが大きな要因の1つです。

マイホームと賃貸物件を同時に取得できるものの、不動産を購入する際に同じ視点から物件を探す方は少数派といえるでしょう。

ここからは、賃貸併用住宅が売れないといわれる理由を紹介します。

  • 需要の幅が狭いから
  • 投資効率が大きく変動しやすいから
  • 自宅部分の活用が難しいから

需要の幅が狭いから

賃貸併用住宅の売却が困難といわれる理由は、想定される需要の幅が狭いからです。

賃貸併用住宅を購入する人は、一般的な住宅購入者よりもかなり少数だと考えられます。多くの人が自宅として暮らす住宅を求める中、賃貸併用住宅は投資目的や特定の生活スタイルを持つ人にしか需要がありません。そのため、ターゲット層が限定され、売却の機会が減少します。

また、前述したように賃貸併用住宅はオーナーと入居者の距離が近い傾向にあり、いくつかのリスクが存在することからも、手が出しづらい背景もあるでしょう。

投資効率が大きく変動しやすいから

賃貸併用住宅が売れない理由の1つとして、投資効率が大きく変動しやすい点も挙げられます。

賃貸併用住宅は、賃貸部分と自宅部分の両方を持つため、それぞれの収益性やコストが異なります。賃貸部分の空室率や家賃の変動、修繕費用などが収益に直接影響を与えるため、投資効率が安定しにくいといえるでしょう。

さらに、自宅部分の維持費や固定資産税なども考慮しなければなりません。これにより、賃貸併用住宅の投資リスクが高まり、購入をためらう人が増える結果となります。

自宅部分の活用が難しいから

賃貸併用住宅が売れない理由として、自宅部分の活用が難しいことも挙げられます。

同じ立地条件で家を建てるとしても、自宅として利用することを想定した間取りと、賃貸での活用に適した間取りは異なります。仮に、単独の賃貸物件としてみれば高稼働が見込めたとしても、自宅部分が賃貸に適さないケースもあり、売却が困難になりがちです。

また、賃貸併用住宅は賃貸部分と自宅部分が共存するため、住む人にとっては両方のバランスを意識しなければなりません。しかし、自宅部分のプライバシー確保や生活の自由度が制限されることがあります。

賃貸部分の管理業務も伴い、オーナーにとっては日常生活に負担がかかる可能性もあります。 これにより、自宅部分の活用が難しいと感じる人が多く、購入を躊躇する要因となります。賃貸併用住宅を売却する際は、これらの問題点を解消するための工夫が必要です。

賃貸併用住宅の売却を成功させるポイント

賃貸併用住宅を売却する際の重要なポイントは、前述したデメリットをなるべく排除して売却活動を行うことです。具体的に上げられるのは、以下の6つの項目です。

  • 余裕のあるスケジュールを立てる
  • なるべく満室のときに売出す
  • むやみに家賃を下げない
  • 査定は複数の不動産会社に依頼する
  • 賃貸併用住宅の売却実績がある不動産会社に依頼する
  • 顧客の目に触れる機会を重視する

余裕のあるスケジュールを立てる

賃貸併用住宅の特徴を踏まえると、売却期間が長期化する可能性が高くなります。そのため、売却の際にはなるべく余裕を持ったスケジュールを立てて売却活動を行うことが大切です。

不動産全般に該当することですが、売却に充てられる時間的な余裕と売却価格は比例する傾向にあります。期間の猶予が少ないと慌てて売出すことになり、相場より低めの価格で成約に至る可能性があるからです。

良い条件で売却するためには、なるべく多くの顧客の目に触れることが必須であり、時間的な余裕をもって売却に臨むことが不可欠といえます。

なるべく満室のときに売出す

賃貸併用住宅を売却する際、なるべく満室のときに売出すことがポイントです。

入居者の有無は物件の収益力を示す重要な指標であり、購入希望者にとって大きな魅力となります。空室が多いと収益性に対する不安や運営リスクが高まり、購入を躊躇する要因になります。

満室状態を維持することで、物件の価値を最大限に引き出せます。賃貸契約の管理や募集活動に注力し、売却時に最良の状態で物件を提供することが成功のポイントです。

むやみに家賃を下げない

賃貸併用住宅の売却を検討する際、むやみに家賃を下げることは避けるべきです。

家賃の値下げは一時的に空室を埋める効果があるかもしれませんが、物件全体の収益性に悪影響を及ぼす可能性があります。家賃の値下げは、物件の価値を低く見せることにも影響し、将来的な売却価格に影響を与えることがあります。

適正な家賃設定を維持し、物件の価値を保つことが重要です。長期的な視点で物件運営を行い、適正な収益を確保することが、売却時の高評価につながります。

査定は複数の不動産会社に依頼する

賃貸併用住宅を売却する際、査定は複数の不動産会社に依頼することが重要です。異なる不動産会社からの査定結果を比較することで、物件の適正価格を把握できます。

また、不動産会社を比較検討する際には、査定価格の高さだけでなく根拠も見極めましょう。なぜなら、査定価格が高いからといって必ずしもその価格で売却できるとは限らないからです。

査定価格の高さだけで不動産会社を選ぶと、購入希望者のニーズに合わず売却期間が長期化し、最終的には相場よりも低い価格に値下げしなければならないケースもあります。

複数の不動産会社に査定を依頼するなら、LIFULL HOME'Sの一括査定がおすすめです。最大10社に同時査定依頼できるだけでなく、不動産会社の特色や強みも可視化できるため、自分に合った担当者に出会えます。

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賃貸併用住宅の売却実績がある不動産会社に依頼する

賃貸併用住宅は、一般的なマイホームや賃貸物件とは異なる特徴を持つ不動産です。売却を検討する際には、賃貸併用住宅の売却実績がある不動産会社に依頼することも重要です。

仮に、地域で高い売却実績を誇る会社であっても、偏った物件種別の実績が大半を占める不動産会社であれば、賃貸併用住宅の特性を踏まえた仲介を実施できるとは限りません。

賃貸併用住宅の知識や経験が豊富な不動産会社であれば、より適切なアドバイスを得られる可能性も高まります。

顧客の目に触れる機会を重視する

賃貸併用住宅の売却では、顧客の目に触れる機会を重視することも成功のポイントです。

物件を広く知ってもらうためには、インターネット広告や物件サイト、SNSなどのオンライン媒体を効果的に活用することが必要です。高品質な写真や詳細な物件情報を掲載し、魅力的なプレゼンテーションを心がけることが求められます。

また、内覧会も検討し実際に物件を見てもらうことで、購入意欲を高められるでしょう。

とはいえ、売却経験がない売主にとってこれらを有効活用することは容易ではないため、仲介を依頼する不動産会社に、より効果的な売却活動を実施してもらうことが重要です。

賃貸併用住宅の売却に関するよくある質問

最後に、賃貸併用住宅の売却に関するよくある質問を紹介します。

  • 賃貸併用住宅の売却にかかる税金の特別控除はある?
  • 賃貸併用住宅と一般的な住宅の査定方法に違いはある?
  • 田舎にある賃貸併用住宅は売れにくい?

賃貸併用住宅の売却にかかる税金の特別控除はある?

賃貸併用住宅の売却にかかる税金については、居住用部分に対して「住宅ローン控除」や「居住用財産の譲渡所得の特別控除」が適用されることがあります。

例えば、自宅部分100㎡、賃貸部分100㎡の物件を売却したとすると、適用対象となるのは全体の1/2です。譲渡益が5,000万円出たならば、自宅部分の割合に相当する2,500万円は特別控除が適用されますが、賃貸部分の2,500万円は対象になりません。

このように、賃貸部分にはこれらの控除が適用されないことが多いため、税務署や専門の税理士、もしくは仲介してくれる不動産会社に相談することが重要です。

また、賃貸併用住宅の売却時には、固定資産税や都市計画税なども考慮に入れる必要があります。税金に関する詳細な情報を確認し、最適な売却計画を立てることが大切です。

賃貸併用住宅と一般的な住宅の査定方法に違いはある?

賃貸併用住宅と一般的な住宅の査定方法に、大きな違いはありません。ただし、賃貸併用住宅と一般的な住宅では、評価基準が微妙に異なる点に注意が必要です。

一般的な住宅の査定では、物件の立地や築年数、建物の状態、周辺環境などが主な評価基準となります。一方、賃貸併用住宅の査定では、現在の賃貸状況や家賃収入、空室率、管理費用などが挙げられます。

また、将来的な収益予測や賃貸需要の見通しも評価に含まれることがあります。したがって、賃貸併用住宅の査定は、より複雑で多面的な評価が求められるため、専門の不動産会社に依頼することが推奨されます。

田舎にある賃貸併用住宅は売れにくい?

都市部よりも田舎の方が顧客の絶対数が少ないため、賃貸併用住宅は売れにくいケースがあるでしょう。

ただし、賃貸併用住宅の場合には、一般的な住宅よりもさまざまな要素が売却の成否に影響を及ぼすため、単に田舎かどうかで売却の容易さが決まるとは言い切れません。賃貸併用住宅の特性をしっかりと理解した、実績のある不動産会社に依頼することが大切です。

賃貸併用住宅の売却で後悔しないためにもしっかりと事前準備しよう

賃貸併用住宅を売却する際には、賃貸併用住宅が持つ独自の特徴と、売却を困難にしがちなポイントに関する知識を持っておくことが重要です。

一口に不動産といっても、土地かマンションか、居住用か事業用かなどの条件に応じて最適な販売戦略が異なります。売出し価格を決める査定の手法すらも違うのです。

特に、賃貸併用住宅は一般的な住宅とは異なる特性の不動産を組み合わせた物件であり、売出し価格や想定顧客層を決める販売戦略の重要性が高いといえるでしょう。つまり、不動産会社の知識や経験の差が大きな影響を及ぼします。

このような背景から、賃貸併用住宅の売却を成功に導くためには、物件の特性を熟知した不動産会社とめぐり合うことが大切です。

記事執筆・監修

監修者:廣石 倫(ひろいし ひとし)

行政書士・宅建物取引士・貸金業務取扱主任者・2級ファイナンシャルプランニング技能士などの資格を保有。建設業界紙記者や不動産売買仲介営業、住宅ローン(フラット35)代理店経営などを経て、行政書士・FPとして独立。相続業務や農地転用、住宅ローンなど不動産業界の周辺業務を個人事務所にて受任するかたわら、現在ではWEBライターとしても活動中。