ペットの飼育が許可されている賃貸物件であれば、猫を飼うことができます。しかし、1匹ではなく、2匹以上の飼育となると事前の確認が必要です。
無許可で飼育を始めれば、ほかの入居者の迷惑になるだけでなく、最悪の場合は退去を迫られる可能性があります。いわゆる多頭飼いを行うときは、あらかじめ注意すべきポイントも多いので、しっかりとチェックしておきましょう。
今回はワンルームで猫2匹を飼うときの注意点、部屋探しのコツを解説します。
猫の多頭飼いができる物件を探す猫と暮らす物件を探す
猫2匹はワンルームでも飼育できる?

ワンルームで猫を2匹飼いたい場合、まずは猫の飼育が可能な賃貸物件を見つけるところから始めましょう。
そして、猫の飼育が可能な物件であっても、多頭飼いはNGとしている物件もあるので、管理会社や大家さんに相談することが大切です。
また、多頭飼いの許可をもらえたとしても、ワンルームで飼育ができるのかをよく見極める必要があります。猫の多頭飼いでは、次のようなポイントに気をつけておきましょう。
ポイント
- 縄張り意識の強い猫には、それぞれのスペースが必要
- 食事場所、トイレは専用のものを用意することが好ましい
- 病気にかかったときの隔離が、多頭飼いでは難しい
- 多頭飼育が禁止されているペット可物件が多い
猫1匹あたり1部屋あるのが理想ですが、ワンルームの場合であれば収納スペースなどをうまく活用してみるといいでしょう。縄張り意識が特に強い猫の場合、それぞれのスペースを設けてあげることが大切です。
食事場所やトイレは、猫ごとに専用のものを用意するのが望ましく、ケンカになるのを避けることが肝心です。
また、ワンルームでは病気になったときの隔離が難しいので、元気な猫のほうをペットホテルに預けるなどの工夫が必要だといえます。
そして、ペット可の賃貸物件であっても、多頭飼いが禁止されている場合が多くあります。その場合でも、あきらめずに一度交渉してみましょう。物件の貸主(大家さん)からすれば、猫の多頭飼いを認めてしまえば、次から次に猫が増えるのではないかという懸念があるからです。
「猫を飼うのは2匹までにする」「クリーニング費用として敷金を追加で支払う」などの条件を守れば、多頭飼いが認められるケースもあるので、丁寧に説明をしていくことが大事です。
猫の多頭飼いのメリットと注意点

猫の多頭飼いはメリットがある半面、注意すべき点もあります。それぞれどのような点に気をつけるべきかを見ていきましょう。
猫の多頭飼いを行うメリット
2匹の猫がじゃれ合っている姿を見るのは、飼い主としてもほほ笑ましいでしょう。
また、猫が2匹いれば、お互いに遊び相手に困ることがなくなり、運動不足が解消されるといえます。留守中のときなどに寂しい思いをさせずに済むので、猫の健康状態を保つことにもつながります。
そして、ほかの猫と関わることによって、猫として社会性が身につきやすくなります。ほかの猫や人間に対する接し方を学んでくれる点は、大きなメリットといえます。
猫の多頭飼いを行うときの注意点
猫の多頭飼いについては、次のような点に注意が必要です。
注意点
- 猫同士の相性
- 飼育環境、室温管理
- 費用、飼育の負担
- 健康管理、食事管理
- 災害時の避難
まず、猫は基本的に単独行動を好む生き物であり、ほかの猫と一緒に暮らすことにストレスを感じる場合があります。2匹の猫を飼うときは、お互いの相性が良いかどうかの見極めが大切です。
また、ほかの入居者の迷惑とならないように、騒音対策などを事前に行う必要があります。多頭飼いの場合、避難所に猫を移動させるのも一苦労なので、キャリーカートを用意するなど日頃から対策を取っておくことが大切です。
そして、多頭飼いは食費や医療費などが多くかかりますし、健康を維持するための世話も頭数分だけ必要です。きちんと面倒を見続けられるかという点をよく考えてから飼い始めましょう。
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部屋探しのポイント1:猫が暮らしやすい特徴を押さえる

人間にとって暮らしやすい環境と、猫にとって暮らしやすい環境は違ってくるので、猫に配慮する形で物件を見つけていくことが大切です。
猫と一緒に生活を始める場合には、以下のようなポイントを押さえて、部屋探しに取組んでみるといいでしょう。
ポイント
- 爪が引っ掛かりにくい壁紙の物件を選ぶ
玄関と部屋の間に扉がある物件を選ぶ
(この点においては、ワンルームよりも1Kが望ましい)
- なるべく低い階の部屋を選ぶ
- 日当たりに優れ、外を眺められる出窓などがあるといい
- 運動できるスペースの確保ができるかどうか
- トイレの換気は可能かどうか
部屋探しのポイント2:多頭飼いに適しているかどうかを見極める

多頭飼いに適している飼育環境としては、猫1匹につき1部屋あるのが望ましいです。ワンルームであれば、8畳以上の広さがあるといいでしょう。
猫がリラックスできる環境であれば、押し入れなどを1部屋とカウントしてスペースを考えてみるといいでしょう。
また、頭数分の食事場所やトイレのスペースが確保できなければ、猫同士のケンカが始まってしまうので注意が必要です。
入居してから猫のスペースを考えるのではなく、内見時に具体的なイメージを持って飼育のシミュレーションを行ってみましょう。猫の視点で住みやすさを考えてみると、意外な部分にも気づきやすくなるはずです。
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多頭飼育を行う際に必要な手続きとコツ

猫の多頭飼いを行うときは、いくつかのコツを押さえておくとスムーズです。多頭飼いを成功させるポイントを解説します。
猫同士の相性を確かめよう
猫を2匹飼うときには、相性の良さはとても重要なポイントです。一般的に相性の良い組み合わせといわれているのは次のとおりです。
相性の良い組み合わせ
- 子猫×子猫
- 成猫(7歳未満)×子猫
- 異性同士(去勢・避妊手術済み)
- 兄弟同士
上記以外の組み合わせである、成猫×成猫やオス×オスなどは相性が悪いケースもあるので、より注意するようにしましょう。
新しく猫を迎えるときの注意点
初めから2匹飼うのではなく、後からもう1匹迎え入れる場合は以下の点に注意しましょう。
注意点
- 健康診断、ワクチン接種
- 去勢や避妊手術
- 新入り猫に必要なグッズを準備する
- 何をするにも先に飼っていた猫を優先させる
新しい猫を迎え入れるときの基本は、先に飼っていた猫が嫉妬心を抱かないように配慮してあげることです。
また、いきなり対面させるとお互いにストレスを感じてしまうので、2週間ほどかけて徐々に慣らしていくようにしましょう。
お互いのニオイに慣れさせたり、ケージ越しで対面させたりするなどの工夫が大切です。
まとめ

- ペット可もしくは相談可の賃貸物件であっても、多頭飼いを行うときは事前の確認が必要
- 多頭飼いでは猫同士の相性を確かめたり、飼育環境を整えたりすることが重要
- 猫の習性を理解したうえで、住みやすい物件を探していくことが大切
- 猫1匹に対して1部屋あるのが理想的だが、ワンルームであれば8畳以上の広さがあるといい
- 健康診断やワクチン接種、去勢や避妊手術など多頭飼いで必要なことをよく確認しておこう
更新日: / 公開日:2021.11.26










