- 都市ガスとプロパンガスの月額差は約3,000円
- 月々の生活費を抑えたい場合、物件探しの段階でガスの種類を確認することが重要です。一般的にプロパンガスは輸送費などの原価がかかるため、都市ガスに比べて月々の料金が割高になる傾向があります。
詳しくは、「どっちが安い? 都市ガスとプロパンガスの月額料金を徹底比較」をご覧ください。 - プロパンガスから都市ガスへの入居後変更はほぼ不可能
- 基本的に都市ガスの方が経済的ですが、現在契約しているプロパンガスを後から都市ガスに切り替えることは大家さんの許可や配管工事の兼ね合いから現実的ではありません。
詳しくは、「プロパンガスから都市ガスへ変更できる条件」をご覧ください。 - 都市ガス・プロパンガス間で引越す際はコンロ買替が必須
- ガスコンロには都市ガス用とプロパンガス用があり、内部の部品が異なるため互換性がありません。引越し先のガスの種類が変わる場合は、対応する機器を新しく購入する必要があります。
詳しくは、「都市ガス・プロパンガスの注意点」をご覧ください。
住まいを探すときには、ガスの種類にも目を向けておくと、入居後にかかる費用の計算や比較がしやすくなります。ガスには都市ガスとプロパンガスの2種類があり、それぞれ仕組みや料金設定には違いがあります。
今回は2つのガスの種類を比較しながら、どのような違いがあるのか詳しく見ていきましょう。
都市ガスとプロパンガスは何が違う? 3つの比較ポイント

結論から言うと、両者の最大の違いは「料金の安さ(都市ガス)」と「供給網の広さ(プロパン)」です。具体的に以下の3つの視点で比較してみましょう。
ガスの成分の違い
都市ガスでは、液化天然ガスが使われており、主成分はメタンと呼ばれる空気よりも軽い気体です。一方、プロパンガスでは液化石油ガスが使われており、主成分はプロパンやブタンなどの空気よりも重い気体です。
そのため、空気より軽い都市ガスではガス漏れ警報器が天井付近に、空気より重いプロパンガスでは床付近に設定されるといった違いがあります。
なお、プロパンガスで使われる液化石油ガスは「LPガス」とも呼ばれているので、プロパンガスを使っている物件の情報にはLPガスと記載されることもあります。
供給エリアの違い
都市ガスは地下の導管を伝って供給されるため、導入コストがかかってしまい、多数の利用者がいなければ費用を回収することができません。そのため、住居数の多い都市部を中心に利用されています。
一方、プロパンガスはガスボンベを運べばどこでも供給できるので、人口の少ないエリアや住居ごとの距離が離れている地方でも利用できます。
経済産業省が2017年3月に発表した資料(※)によると、都市ガスは国土全体の約6%にしか配管されていません。
また、国内での都市ガスの普及率は約46%(2014年度末時点)で、東京や大阪は80%を超えるものの、20%を下回る道府県が半分以上を占めています。
※ 経済産業省「電力及びガスの小売り全面自由化について」
火力の違い
エネルギー効率は、発熱量の高いプロパンやブタンを使うプロパンガスのほうが高いとされています。火力で比較をすれば、都市ガスに比べて2倍以上の強さがあり、2分の1未満の量で同じエネルギー量が得られます。
しかし、都市ガス用のコンロはプロパン用よりも多くのガスが放出される仕組みとなっているため、実際に利用する場面では火力の違いを感じることはほとんどありません。
料金システムの比較

都市ガスとプロパンガスでは、料金システムに大きな違いがあります。ここでは、それぞれの料金体系について詳しく見ていきましょう。
都市ガスの料金システム
都市ガスはもともと、電気や水道といった公共料金と同じように「総括原価方式」で料金が決められていました。
総括原価方式とは、簡単に言えば、かかった営業費に適正な利益を加えて算出する方法であり、事業者が安定的な運営・供給を行える仕組みのことです。
運営するためには国の認可が必要なので、事業の透明性も確保され、より安定性が高まるのが大きなメリットです。一方、競争原理が働かないため、コスト削減の努力が行われにくい点が問題視される面もありました。
そこで、2017年からは都市ガスにおける総括原価方式が撤廃され、全面的に小売り自由化となりました。これにより、現在では事業者が自由に料金を設定できるようになっています。
プロパンガスの料金システム
プロパンガスの料金設定は当初から自由化されていたため、事業者によってコストに大きな差が生じることも珍しくありません。
消費者も自由に利用するガス会社を選べるため、営業費を下げるなどの企業努力が行われた結果、同じ地域でも2倍程度の価格差が生じるケースもあります。
どっちが安い? 都市ガスとプロパンガスの月額料金を徹底比較
ガス料金は、毎月どのくらい利用するか、あるいはどのようなプランを利用するかによっても異なります。さらに、そのほかの料金とセットで組み合わせることで割安になるキャンペーンなども増えているため、一概に金額を比較することはできません。
ただ、一般的には都市ガスよりもプロパンガスのほうが高くなる傾向があります。その理由は、プロパンガスのほうは「1件当たりの運送コスト」など、原価が都市ガスよりもかかりやすいためです。
それぞれの平均額を比較する公的な統計データはありませんが、たとえば、一般社団法人日本エネルギー経済研究所のデータ(※1)を参考にすると、東京都における2021年10月のプロパンガス利用料金は「基本料金1,760円」、従量料金部分は「5m3で4,482円」「10m3で7,177円」「20m3で1万2,471円」となっています。
ファミリー世帯であれば、1月当たり10m3程度を利用するため、料金は9,000円程度(基本料金1,760円+10m3で7,177円)と計算できます。
それに対して、総務省統計局「家計調査(家計収支編)(2020年)」(※2)を参照すると、東京都区部に住む2人以上世帯では、ガス代の平均月額が5,935円とされています。
あくまで一例ではありますが、両者を比較すると、プロパンガスは平均よりもやや割高であることが分かります。
※1 一般社団法人日本エネルギー経済研究所「一般小売価格 LP(プロパン)ガス 確報(偶数月調査)2021年10月」
※2 総務省統計局「家計調査 / 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表(2020年)」
都市ガスが使える物件を探す IHクッキングヒーター付き物件を探す 一人暮らしにぴったりな物件を探すプロパンガスから都市ガスに変更するためのコスト

これまで解説したように、どちらのガスの種類でも選べるのであれば、基本的には都市ガスのほうがプロパンガスより経済的です。
現在プロパンガスを利用しているのであれば、以下の条件を満たす場合に限り、都市ガスに切り替えることもできます。
プロパンガスから都市ガスへ変更できる条件
・近くにガス導管が通っている ・ガス導管を引き込む工事ができる ・賃貸の場合は大家さんや管理会社からの許可が必要 |
都市ガスを利用するためには、近くにガス導管が通っていることが絶対条件となります。また、まれに近隣の私道との関係によって工事ができない場合もあるので、周囲の条件をクリアしていることも大切です。
そのうえで、賃貸物件では大家さんの許可なしに変更することができないため、必ず事前に許可をとらなければなりません。ただし、アパートやマンションなどの集合住宅では、全室一括で変えなければならないので、許可をとるのは現実的ではありません。
賃貸で変更が認められるとすれば、一戸建ての物件を借りていて、大家さんと直接交渉が行える場合に限られるでしょう。
変更にかかるコスト
まずは、ガス導管の引き込み工事に10万~15万円程度のコストがかかります。ただ、費用はあくまで目安であり、導管から距離が離れている場合にはさらにコストがかかってしまうこともあります。
また、都市ガスとプロパンガスでは使える機器に互換性がないため、給湯器やガスコンロなどを丸ごと入れ替える必要があり、その分の費用として5万円ほどかかります。
現在プロパンガスを利用していて、都市ガスへの切り替えを検討している場合には、利用料金だけでなく導入コストも計算に入れて判断しましょう。
都市ガスからプロパンガスに切り替える場合は?
これまで解説したように、基本的にはプロパンガスよりも都市ガスのほうがお得に利用できます。そのため、都市ガスからプロパンガスへの切り替えでメリットが得られるケースはほとんどありません。
「中華料理などの飲食店で火力を必要としている」など、プロパンガスへの切り替えが適している例外もいくつかはありますが、個人では現在使っている都市ガスをそのまま利用するか、よりお得なプランの取扱いをしている都市ガスを選択するほうがいいでしょう。
都市ガス・プロパンガスの注意点

都市ガスとプロパンガスには、それぞれ料金以外にもいくつか注意しておくべきポイントがあります。都市ガスは利用できるエリアが限られており、プロパンガスからの切り替えができない地域も多いです。
また、賃貸物件ではそもそも切り替えが難しいので、物件探しの段階で注意しておくことが大切です。
特に、もともと都市ガスの部屋に住んでいた場合は、持っているコンロなども都市ガス対応のものなので、プロパンガスの部屋に引越しをする際には買い替えなければなりません。
プロパンガスの部屋から都市ガスの部屋に引越しをする際も同様に買い替えの手間やコストがかかるので、ガスの種類は見落とさないように気をつけましょう。
都市ガスが使える物件を探す IHクッキングヒーター付き物件を探す 一人暮らしにぴったりな物件を探すこだわりの条件からベストな住まいを見つけてみよう
不動産情報ポータルサイトLIFULL HOME’Sでは、地域や路線から物件を検索できるだけでなく、こだわりの条件から物件を絞り込めます。こだわり条件では、ガスの種類も選べるので、あらかじめ検索条件として設定しておくのもひとつの方法です。
理想にぴったり当てはまる物件を探すためには、できるだけ正確に条件設定を行う必要があるので、こだわり条件にどのような項目があるのか確認してから部屋探しをスタートするといいでしょう。
まとめ
- 都市ガスとプロパンガスは、ガスの成分や供給エリアなどの仕組みが異なる
- 一般的にはプロパンガスよりも都市ガスのほうが経済的
- 賃貸物件の場合、入居後にガスの種類を切り替えるのは難しい
- ガスの種類ごとに使えるコンロや機器が異なる点にも注意
- 賃貸物件を探すときには、ガスの種類にも目を向けて条件設定をしよう
よくある質問(FAQ)
Q.1 都市ガスとプロパンガスではどちらが安いですか?
A.1 一般的に、都市ガスの方がプロパンガスよりも安く利用できます。プロパンガスはガスボンベを各家庭に配送するための人件費や輸送コストがかかるため、都市ガスと比較して月額で数千円ほど割高になる傾向があります。
Q.2 賃貸アパートでプロパンガスから都市ガスに変更できますか?
A.2 賃貸アパートなどの集合住宅で、入居者個人の判断でプロパンガスから都市ガスへ変更することはほぼ不可能です。変更にはガス管の引き込み工事や建物全体での一括切り替えが必要となり、大家さんの許可が下りるケースは極めて稀です。
Q.3 引越し先で今のガスコンロはそのまま使えますか?
A.3 引越し先のガスの種類が同じであれば使えますが、都市ガスからプロパンガス(またはその逆)に変わる場合はそのまま使えません。ガスの成分や圧力が異なるため、種類に適合した専用のコンロに買い替える必要があります。
Q.4 プロパンガスにはメリットはないのですか?
A.4 プロパンガスはガスボンベがあればどこでも供給できるため、都市ガスの導管が整備されていないエリアでも利用できる点が最大のメリットです。また、災害時にインフラが寸断された場合でも、個別で早期に復旧しやすいという強みがあります。
Q.5 プロパンガス物件の家賃が安いのはなぜですか?
A.5 アパート建築時に、ガス会社が給湯器などの設備費用を無償提供する代わりに、入居者の月々のガス料金に上乗せして回収する契約になっていることがあるためです。初期費用が抑えられた分、家賃が安く設定されるケースがあります。
更新日: / 公開日:2020.07.08










