部屋が暗いと、なんだか気が滅入ってしまうもの。日当たりを遮る建物がある部屋や北向きの部屋のなかには、晴天の昼間でも照明を点けなければいけないほど暗い物件もあるようです。

そんな暗い部屋に住むことで、健康面に影響を及ぼすことはないのでしょうか?

この記事では日当たりが悪く暗い部屋でも快適に過ごすために、賃貸物件でも実行可能な、部屋を明るくする方法をご紹介します。
2階以上の物件南向きの物件

暗い部屋に住むデメリット

日当たりが悪く暗い部屋が及ぼす健康への影響や、デメリットを確認してみましょう。

 

生体リズムが乱れる人間の“体内時計”は24時間ちょうどではないそうですが、朝日の明るい光を浴びることで毎日リセットされ、生体リズムが整えられています。

 

ところが日当たりが悪い部屋に住むと、光によるリセット機能が働かないため生体リズムが崩れてしまうことがあるのです。

 

生体リズムの乱れから、“床についてもなかなか眠れない”“夜中に目が覚めてそのまま眠れなくなる”“夜眠れないので昼間眠くて仕方がない”といった症状に悩まされる人もいます。

 

暗い部屋で読書すると目が悪くなりやすい暗い部屋での読書は、目が悪くなるとよく言われますが、部屋の暗さそのものが視力を直接低下させるわけではありません。ただし、暗い環境では小さな文字が読みにくくなるため、つい本を目に近づけてしまいがちです。このように長時間、目を近距離で固定して物を見続ける行為が、視力低下につながる可能性を高める一因となり得ます。

 

余分な光熱費がかかりやすい日当たりが悪く昼間でも薄暗い部屋では、照明を点ける時間が長くなりがちです。

 

また、明るさだけでなく日光の暖かさも届かないため冷えやすく、特に冬場は一日を通して室温が上がらないケースもあります。

 

暗い部屋は照明や暖房器具をつける時間が長くなるため、日当たりが良い部屋よりも光熱費がかかる傾向が高いです。

 

風通しが悪く湿気がたまりやすい窓のそばに隣の建物が迫っていて日当たりが悪い場合は、風通しも悪くなりがちです。空気の通りが悪いと洗濯物が乾きにくく、停滞した湿気によってカビや結露に悩まされることもあります。

賃貸物件でも簡単にできる、部屋を明るくする方法

日当たりが悪くても快適に過ごすために、部屋を明るくする方法を確認してみましょう。

 

照明の明るさを見直す

照明の明るさの見直しは、居心地の良い空間作りに欠かせません。

 

LED照明のパッケージに記載されている「lm(ルーメン)」は、その明るさを示す単位です。一般的に、6畳の部屋では2,700〜3,700lm、8畳では3,300〜4,300lm、10畳では3,900〜4,900lmが適切な明るさとされています(※)。ですが、部屋が薄暗く感じられる場合は、これらの目安よりも一回り明るい照明を選ぶことをおすすめします。

 

また、シーリングライト一つだけでは部屋の隅々まで光が届かないこともあります。そんな時は、フロアライトや間接照明など、さまざまな照明器具を組み合わせて使用すると、より快適な空間を演出できます。

※出典:一般社団法人日本照明工業会「住宅用カタログにおける適用畳数表示基準(ガイドA121-2014)」

 

インテリアを明るい色でまとめる暗い部屋を明るくするためには、白やアイボリーといった光を反射する色を基調にしたインテリアがおすすめです。

 

ラグや寝具など広い面積を占めるものを白系にして、クッションなどの小物にはオレンジ・黄色・ライトグリーンなど、ビタミンカラーと呼ばれる明るい色を選ぶと部屋が爽やかな印象になります。

 

鏡で光を室内に拡散する光をできるだけ部屋の奥まで届ける方法として、鏡の設置があります。

 

姿見など大きな鏡を窓辺の光が入る場所に置き、暗い方向を照らすようにしましょう。鏡には明るさを増幅させるだけでなく、空間を広く見せる効果も期待できます。

 

プリーツスクリーンで光を室内に取り込む薄暗い部屋では、窓から差す光を無駄なく取り込みましょう。おすすめは、和紙や不織布で作られたプリーツスクリーン(プリーツブラインド)です。

 

障子のように、視線を遮りながら柔らかな明るさを室内に届けることができます。夜間の外への透けが気になる場合は、遮光タイプの製品と重ねれば安心です。

2階以上の物件 南向きの物件

日当たりが悪い部屋でも、ちょっとした工夫で快適さを手に入れることができます。また、多くの人は昼間は仕事や学校で忙しいため、日中の日当たりの悪さをそれほど感じないかもしれません。

 

しかし、毎日暗い部屋に帰ることを考えると気分が沈んだり、夜になっても眠れないなどの問題が生じる場合があります。健康に悪影響が出るほどであれば、明るく日当たりの良い住まいへの移住を検討するのが賢明です。住み替えを考える際には、明るさだけでなく、通勤や通学の便、周辺環境、家賃や購入費用の予算など、さまざまな要素を考慮することが大切です。

・朝に強い光を浴びないと生体リズムが乱れることがある
・暗く寒い部屋では光熱費が余分にかかりやすい
・暗い部屋では照明の明るさを標準の目安よりも明るくする
・インテリアは明るい色を基調にして、窓辺の光を無駄なく取り入れる
・部屋の暗さによって健康に影響を感じる場合は、住み替えも視野に入れよう

2階以上の物件 南向きの物件

更新日: / 公開日:2018.12.17