- 無断での壁紙張り替えは原状回復トラブルの原因に
- 退去時に修繕費を請求されないためにも、DIY前の事前相談が必須です。
詳しくは、「賃貸物件の壁紙は勝手に張り替えてもいい?」をご覧ください。 - 原状回復しやすいのは「フリース壁紙×はがせる糊」
- 費用や手間はかかりますが、シールやテープよりも壁を傷つけるリスクを抑えられます。
詳しくは、「2. 「はがせる糊」とフリース(不織布)壁紙を使う」をご覧ください。 - 高層階やキッチン周辺は「内装制限」の確認が必要
- 法律で不燃材料などの指定がある場合、市販の壁紙を勝手に貼ると消防法違反になる恐れがあります。
詳しくは、「内装制限(建築基準法・消防法)に注意」をご覧ください。
インテリアにこだわるなら、大きな範囲を占める壁紙にもこだわりたいもの。海外のインテリアを見ると、目を引く明るい色の壁紙や、美しい模様の壁紙を大胆に使用しています。
しかし、賃貸住宅では退去時に「原状回復」の義務があるため、壁紙を使った大きな模様替えはできないとあきらめていませんか?
近年は賃貸住宅でもインテリアを楽しみたいというニーズが高まっており、原状回復が可能な「はがせる壁紙」や「専用の糊」を使ったプチリフォームが人気を集めています。
この記事では、賃貸物件で壁紙を模様替えする際の原状回復のルールや、手軽にはがせるDIYのやり方、注意点について詳しく解説します。
賃貸物件の壁紙は勝手に張り替えてもいい?
結論から言うと、一般的な賃貸物件において借主が勝手に既存の壁紙を張り替えること(剥がして別のものを貼る行為)は原則NGです。
これは、賃貸借契約における禁止事項(無断での造作・加工の禁止)に該当する可能性が高いためです。
2020年民法改正による「原状回復」のルール
賃貸物件には、退去時に部屋を元の状態に戻す「原状回復」の義務があります。
2020年4月に施行された改正民法により、この原状回復のルールが以下のように明文化されました。
- 貸主(大家さん)負担となるもの:通常の使用による損耗(通常損耗)や経年劣化
- 借主(入居者)負担となるもの:借主の故意(わざと)や過失(うっかり)による損傷
参考:国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」について
既存の壁紙を剥がすことはもちろん、既存の壁紙の上から別の壁紙を貼った場合でも、きれいに剥がせずに跡が残ったり、下の壁紙ごと剥がれてしまった場合は「借主の過失」とみなされ、退去時に高額な修繕費用(壁紙全面の張り替え費用など)を請求される恐れがあります。
DIYの前に必ず管理会社へ相談を
「はがせる壁紙」を使う場合でも、まずは大家さんや管理会社へ事前に相談することがトラブル回避の鉄則です。
物件によっては、少しでも手を加えることを禁止しているケースもあります。「この壁だけなら上から貼ってもいいよ」と許可をもらえる場合もあるので、必ず確認を取りましょう。
また、最初から「カスタマイズ可(DIY可)」として募集されている物件を選ぶのも賢い選択です。
カスタマイズ可の物件
賃貸でもできる! 原状回復可能な壁紙の模様替えアイデア4選
大家さんの許可を得て、既存の壁紙の上から重ねて貼る場合、どのような方法なら原状回復しやすいのでしょうか。
ここでは、賃貸でも使える4つのDIYアイデアを、メリット・デメリットと合わせて紹介します。
1. シール(リメイクシート)タイプの壁紙を貼る
裏面がシールになっており、剥離紙をはがしてそのまま壁に貼れる手軽なアイテムです。100円ショップやホームセンターでも手に入ります。
- メリット:特別な道具が不要で、初心者でも作業が簡単。デザインも豊富です。
- デメリット:粘着力が強すぎると、はがす際に元の壁紙まで破れてしまうことがあります。逆に弱すぎると端から浮いてきてしまいます。
2. 「はがせる糊」とフリース(不織布)壁紙を使う
海外からの輸入壁紙に多い「フリース(不織布)製」の壁紙と、水で溶いて使う専用の「はがせる糊(粉糊など)」を組み合わせる方法です。
- メリット:フリース壁紙は破れにくく、水に濡らすときれいにはがせます。糊残りも水拭きで落としやすく、最も原状回復しやすいおすすめの方法です。
- デメリット:壁紙自体が高価なことが多く、糊を作る手間がかかります。また、国産のビニールクロス(紙製)には不向きです。
3. マスキングテープ+両面テープで固定する
壁にマスキングテープを貼り、その上に強力な両面テープを重ねて壁紙を固定していく、DIYで定番の方法です。
- メリット:賃貸用の特別な壁紙や糊を買わなくても、好みの壁紙(国産クロスなど)を使うことができます。
- デメリット:マスキングテープの質によっては、長期間貼ったままにすると粘着成分が壁に残ってベタベタになったり、色移りしたりするリスクがあります。
4. ホチキスで留める
壁紙を専用のホチキスで壁に打ち付けて留める方法です。
国土交通省のガイドラインでは「画びょうやピン等の穴」は通常の生活の範囲内とされるため、小さな穴なら原状回復費用を請求されないケースが多いです。
- メリット:糊やテープを使わないため、壁紙のベタつきや色移りの心配がありません。
- デメリット:壁紙の重みでたわんだり、浮いてきたりしやすいです。石膏ボードの壁にしか使えません。
賃貸で壁紙の模様替え(DIY)をする際の注意点・落とし穴
手軽なDIYであっても、賃貸住宅ならではの注意点があります。作業を始める前に以下のポイントを確認してください。
内装制限(建築基準法・消防法)に注意
見落としがちな点ですが、高層マンション(一般的に11階建て・高さ31m以上)やキッチンの周辺などでは、火災時の安全確保のため、壁紙の素材が「不燃・準不燃・難燃」でなければならないと法律で定められている場合があります。
ホームセンターで買った燃えやすい素材の壁紙を勝手に貼ると、消防法の規定違反になる恐れがあるため、やはり事前の確認が必須です。
既存の壁紙の機能性をチェック
現在の賃貸物件の壁紙が、「汚れ防止加工」や「撥水加工」が施された高機能クロスの場合は注意が必要です。
表面がツルツルしているため、はがせるシールや両面テープがうまく張り付かず、すぐに剥がれ落ちてしまうことがあります。
カビや日焼けのリスク
壁紙を重ね貼りすると、壁紙と壁紙の間に湿気がこもり、カビが発生する原因になることがあります。
また、一部だけに壁紙を貼った場合、貼っていない部分だけが日焼けしてしまい、退去時にはがした時に色の違いがくっきり出てしまう(借主負担の補修となる)リスクもあります。
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【重要】退去時に原状回復できず費用を請求されるケースとは?
万が一、DIYに失敗してしまった場合、退去時にどのような請求が来るのでしょうか。
前述の「原状回復ガイドライン」に基づいて、壁紙の模様替え(DIY)に関する例を整理します。
費用を請求されない(大家負担)ケースの例
- 壁紙を固定するために使用したホチキスや細いピンの小さな穴(下地ボードまで達していないもの)
- DIYとは関係なく、部屋全体に生じた通常の日照による壁紙の自然な色あせ
費用を請求される(借主負担)ケースの例
- シールやテープの粘着材が壁に残ってベタベタになった(過失)
- はがす際に、下の壁紙が一緒に破れてしまった(過失)
- 重ね貼りをしたことで壁紙の間に結露が発生し、カビが生えた(善管注意義務違反)
- 一部にだけ壁紙を貼った結果、貼っていない部分と日焼けによる色の差がくっきり出てしまった(通常使用を超える)
- 壁紙を固定するために釘やネジを使い、壁に深い穴を開けてしまった(過失)
このように、壁のDIYによる失敗は基本的に「借主の過失」となり、修繕費用(敷金からの減額や追加請求)が発生します。
はがす手間や退去トラブルが不安なら「カスタマイズ可物件」がおすすめ
「退去の際に敷金を引かれないか不安…」「元の壁紙を破らないようにそっと剥がすのは神経を使いそう」と感じた方は、最初から「カスタマイズ可(DIY可)」の賃貸物件を選ぶことをおすすめします。
近年は、決められたルールの範囲内であれば、壁紙を自由に張り替えたり、棚を取り付けたりしても、原状回復の義務が免除される(退去時に元に戻さなくてよい)物件が増えています。
自分好みのインテリアをストレスなく思い切り楽しみたい方は、ぜひ一度探してみてはいかがでしょうか。
もちろん、通常の賃貸物件でも家賃やエリアの条件は様々です。まずは幅広い選択肢から、理想のお部屋を探してみましょう。
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よくある質問
Q.1 賃貸物件の壁紙は勝手に張り替えてもいいですか?
A.1 原則として、借主が勝手に張り替えることは禁止されています。原状回復義務があるため、退去時に元の状態に戻せないと修繕費用を請求される可能性があります。DIY可能な「はがせる壁紙」を使用する場合でも、事前に大家さんや管理会社へ相談することがトラブル回避の鉄則です。
Q.2 退去時に費用を請求される(原状回復できない)のはどんなケースですか?
A.2 借主の過失による損傷が該当します。壁のDIYに関連する例として、「シールやテープの粘着材が壁に残ってベタベタになった」「はがす際に元の壁紙が一緒に破れた」「釘やネジで壁に深い穴を開けた」といった場合は、敷金から費用が引かれたり、追加請求されたりする恐れがあります。
Q.3 原状回復できる壁紙のDIYで、おすすめの方法はどれですか?
A.3 原状回復しやすいのは、「フリース(不織布)製」の壁紙と「はがせる糊(粉糊など)」を組み合わせる方法です。フリース素材は破れにくく、水で濡らすときれいにはがせるため、糊残りも水拭きで落とせます。ただし、費用がやや高めで糊を作る手間がかかる点はデメリットです。
Q.4 壁紙を模様替えする際、法律上の注意点はありますか?
A.4 高層マンション(一般的に11階建て・高さ31m以上)やキッチンの周辺などでは、火災時の安全のため「内装制限(建築基準法・消防法)」が適用される場合があります。その場合、壁紙の素材が「不燃・準不燃・難燃」などの指定要件を満たしている必要があるため、自己判断でのDIYは避け、必ず事前に管理会社へ確認してください。
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更新日: / 公開日:2016.10.21









