銀行口座から振込をする際には、所定の「振込手数料」が発生します。
では、家賃の支払方法が「口座振込」だった場合、振込手数料は誰が負担すべきなのでしょうか。また、振込手数料は振込の仕方によって、どのような違いがあるのでしょうか。
そこで今回は、家賃を振り込む際の振込手数料の負担先や、金額の目安、節約する方法などについて解説します。
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1.家賃の支払いが振込だった場合、手数料は負担する?

家賃は毎月支払うものだけに、その都度発生する「振込手数料」の負担先はとても重要です。
家賃を振込む際の振込手数料については、原則として「賃貸借契約書」の記載内容に応じて取り扱われます。
例えば、「振込手数料は借主の負担とする」との条文が記載されていれば、振込手数料は借主側で負担しなければならないため、家賃とは別に振込手数料も毎月負担しなければなりません。
反対に、「借主は振込手数料分を差し引いて家賃を振り込むものとする」との条文が記載されていれば、振込手数料は実質的に貸主が負担することになります。
多くの場合、振込手数料は「借主負担」とする賃貸借契約の方が一般的です。
1ー1. 賃貸借契約書に振込手数料の記載がない場合はどうなる?
賃貸借契約書を確認したところ、どこにも振込手数料に関する記載がないこともあります。
そのような場合については、次の民法の条文に基づいて「借主負担」となります。
第485条(弁済の費用)
“弁済の費用について別段の意思表示がないときは、その費用は、債務者の負担とする。ただし、債権者が住所の移転その他の行為によって弁済の費用を増加させたときは、その増加額は、債権者の負担とする。”
法的に家賃は、債権者である大家さんの家まで持参して支払う「持参債務」に分類されます。
よって、家賃が振り込まれた段階で持参した、という認識になるため、振込手数料については、債務者である借主が負担しなければならないのです。
2. 振込手数料の目安は?

家賃の振込手数料は、借主負担であるケースが多いようですが、そもそもいくらくらいかかるものなのでしょうか。
2ー1. 振込手数料の金額に影響する3つの要素とは?
振込手数料の金額については、次の3つの要素に応じて、無料〜800円くらいの範囲内で金額が変動します。
1.振込先の金融機関
振込先の金融機関が、自身の銀行と同一支店である場合については、他支店や他行宛の口座に振り込むよりも振込手数料が割安になります。
振込手数料の傾向:
同じ銀行の同じ支店宛て<同じ銀行の別の支店宛て<他行宛て
2.振込方法
家賃を振り込む方法としては、窓口、ATMからの現金振込、ATMからのキャッシュカード振込、ネットバンキング、テレホンバンキングなどがあり、振込手数料はおおむね以下のような傾向があります。
ネットバンキング ≦ ATMからのキャッシュカード < ATMからの現金振込≦テレホンバンキング < 窓口
このように、銀行側にとって手間のかかる方法については、振込手数料が割高に設定されています。
3.振込金額
振り込みをする金額によっても、振込手数料がかわってきます。
基本的には振込金額が3万円以上になると、振込手数料が高くなることが多いようです。
このように、振込先の金融機関、振込方法、振込金額の3つの要素によって、最終的な振込手数料が決まります。
2ー2.振込手数料の具体例について

振込手数料が最も低くなるのは、振込先が「同行同一支店」に対する振込の場合で、「キャッシュカード」や「ネットバンキング」によって振込をした時です。この場合、振込手数料は「無料」としている銀行がほとんどです。
一方で、「現金振込」や「窓口」で、「他行」に振込をする場合については、「600〜800円程度」の振込手数料がかかります。
また、振込手数料には「消費税」も課税されるため、振込手数料が800円の場合、消費税込みで864円を負担しなければなりません。
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3. 振込手数料を節約する方法について

このように、同行同一支店への振込であれば、振込手数料が無料になる可能性がありますが、自分自身と大家や管理会社の取引銀行が、支店まで完全に一致することは非常に稀なため、多くのケースで振込手数料の実費負担が生じてしまいます。
そこで振込手数料を節約するためにおすすめなのが、「ネット銀行」の活用です。
店舗としての支店を持たないネット銀行の場合、毎月数回まではネットバンキングによる振込で、振込先銀行や支店に関係なく、一律に「無料」というケースがあります。
よって、ネット銀行に口座を作って、そこから毎月振込をすることで、振込手数料の負担を回避することが可能です。
ネット銀行の口座開設の申込みは、インターネットから簡単にできますので、もしも家賃の振込先が自分の口座と同行同一支店ではなかった場合は、ネット銀行に口座を開設することを検討してみましょう。
4. 家賃の振込手数料は、工夫次第で節約できます

家賃は毎月支払わなければならないため、振込手数料の負担はできる限り安く抑えたいものです。振込先が同行同一支店で、キャッシュカードやネットバンキングで振り込むことができれば、振込手数料が無料になる可能性があります。
もしも同行同一支店ではなかった場合は、ネット銀行の振込手数料無料サービスを利用するとよいでしょう。
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まとめ
- 家賃の振込手数料は「借主負担」とするケースが一般的
- 振込手数料の金額は、「振込先の銀行や支店」「振込方法」「振込金額」の3つの要素によって決まる
- 「ネット銀行」に口座を開設すれば、毎月一定回数まで振込手数料が「無料」になる場合がある
更新日: / 公開日:2018.11.12









