- 特定優良賃貸住宅は「最長20年・所得に応じた家賃補助」が受けられる、質の高い賃貸住宅
- 特定優良賃貸住宅とは、良質な住まいをファミリー層へ提供するのが目的で、最長で20年間にわたって家賃の一部が補助される制度です。なお補助率は、世帯の所得や入居する人数によって異なり、年数が経つにつれて入居者の負担額は増加していきます。詳しくは、「特定優良賃貸住宅(特優賃)とは」をご覧ください。
- 制度自体は縮小傾向にあり、「今も新規に借りられるか」は物件ごとに確認が必要
- 特定優良賃貸住宅の管理期間が終了した後、現在は一般の賃貸物件と切り替わっているケースが多いです。また新規に建設される事例が少ないため、自治体によってはそもそも特定優良賃貸住宅がない地域もあります。まずは、希望するエリアに特定優良賃貸住宅があるのか、確認する必要があります。詳しくは、「【宅建士監修】特定優良賃貸住宅は今も新規に借りられる?制度の現状」をご覧ください。
- 原則ファミリー向けの制度のため、入居条件や補助終了後の家賃変化を事前に把握しておくことが大切
- 特定優良賃貸住宅は、ファミリー層の家賃負担軽減を目的とした公的制度です。つまり、誰でも利用できるわけではありません。入居の条件や補助終了の時期、補助額の減少割合などについては、役所の窓口や物件を提供する会社に確認し、事前に把握しておくことが大切です。詳しくは、「特定優良賃貸住宅のデメリット・注意点」をご覧ください。
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毎月支払う家賃を少しでもおさえたい方に、家賃の補助を受ける方法をご紹介します。
収入が一定以下の世帯や子育て世帯を対象に、国の補助を受けられる「特定優良賃貸住宅」をご存じですか?
この記事では、特定優良賃貸住宅の概要と入居要件、申し込みの流れ、公営住宅やUR住宅との違いまで分かりやすく解説します。記事の後半では、特定優良賃貸住宅のデメリットや注意点も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
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特定優良賃貸住宅(特優賃)とは

特定優良賃貸住宅とは、国や地方自治体の家賃補助が受けられる賃貸住宅のことです。略称として特優賃とも呼ばれます。
住宅供給公社あるいは民間の不動産会社が所有する、良質な住まいの提供を目的とした公的な制度です。
家賃補助は国から不動産オーナー(大家さん)に支給され、本来の家賃との差額を入居者が負担します。
最長20年の家賃補助が受けられる
特定優良賃貸住宅では、最長20年間にわたり家賃の一部が補助されます。
補助割合については毎年下がり、年数が経つにつれて入居者負担額が増加してく仕組みです(増加の利率は自治体によって異なります)。
ただし、補助を受けられる期間が終了しても、入居者負担額が本来の家賃を超えることはありません。
一部の特定優良賃貸住宅では、対象期間内固定の割合で補助されるケースもあります。なお、共益費・駐車場代は補助の対象外です。
補助金額は所得に応じて変化する
特定優良賃貸住宅では、所得金額に応じた補助金の区分が定められています。補助割合の算定のために、所得を証明する書類の提出が毎年必要です。
収入の増加により補助金の区分が変化した場合でも、負担額が急激に上がることのないよう段階的に変化させる緩和措置があります。
将来的に世帯所得が大きく増加した場合は、家賃補助の対象外となる場合もありますが、住宅を退去しなければならないわけではありません。
特定優良賃貸住宅は今も新規に借りられる?制度の現状
特定優良賃貸住宅は、入居から毎年一定率で補助額が減少し、入居者負担額が本来家賃に追いつくまで最長で20年間にわたり実施される制度です。
特定優良賃貸住宅の管理期間が終了し、現在は一般の賃貸物件と切り替わっているケースが多くあります。さらに、特定優良賃貸住宅の制度を活用した物件はほとんど建設されていないことから、自治体によっては特定優良賃貸住宅がない地域もあります。(※)
特定優良賃貸住宅への入居を希望する場合は、まずは希望するエリアに該当する物件があるのか、確認することから始めましょう。
※出典:東京都ホームページ 住宅政策本部「都民住宅のご案内」
※出典:神奈川県ホームページ 「県内の公的賃貸住宅」
※出典:埼玉県住宅供給公社 「事業概要」
特定優良賃貸住宅とUR賃貸・公営住宅・公社住宅との違い
特定優良賃貸住宅に似た賃貸住宅に、UR賃貸や公営住宅、公社住宅がありますが、それぞれ運営元や対象、特徴が異なります。
4つの賃貸住宅の違いを、以下のとおり表にまとめてみました。
特定優良賃貸住宅 | UR賃貸 | 公営住宅 | 公社住宅 | |
|---|---|---|---|---|
運営 | 民間事業者 | UR都市機構 (旧日本住宅公団) | 各自治体 (都営・県営・市営など) | 地方住宅供給公社 |
対象者 | 中堅所得者層(※) | 中堅~高所得者層(収入の下限あり) | 低所得者層 (収入の上限あり) | 中堅~高所得者層(収入の下限あり) |
家賃 | 国や自治体から家賃補助がある | 周辺の家賃相場と変わらない | 入居者の収入によって異なる | 周辺の家賃相場と変わらない |
特徴 | 原則20年までの制度 礼金・更新料・保証人不要 | 礼金・更新料・保証人が原則不要 | 人気の物件は抽選になる 自治体によって初期費用は異なる保証人が必要なケースが多い | 礼金・更新料が不要 保証人いない場合保証料がかかるケースが多い(各自治体によって異なる) |
なお、自治体によって条件が異なるケースもあります。実際に入居を検討する際は、ホームページや担当窓口でご確認ください。
※出典:一般社団法人全国住宅供給公社等連合会「公的賃貸住宅とは」
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特定優良賃貸住宅の入居条件

特定優良賃貸住宅は、おもに中堅程度の収入のあるファミリー層の家賃負担軽減を目的とした公的な制度です。
誰でも入居できるというわけではなく、申し込みにはいくつかの基準を満たす必要があります。
おもな申し込み基準・申込者が成人である(婚姻済であれば未成年も可)
・入居予定者全員が日本国籍を有しているか、外国人登録を受けている
・自ら入居するために住まいを借りたい(持ち家がある人は原則不可)
・連帯保証人を立てることができる(保証会社の利用が可能な場合もあり)
・住民税を滞納していない
・収入があり、基準に適合する(世帯の月額所得20万〜60万1,000円)
・同居予定の親族がいる(単身者は原則不可)
・現在同じ地域の特定優良賃貸住宅に入居していない
ただし、これはあくまでも入居資格の目安です。上記の基準を満たさなくても申し込みが可能な場合もあるので、お住まいの地域の自治体や特定優良賃貸住宅を提供する会社に相談してみましょう。
高齢者向け特定優良賃貸住宅
特定優良賃貸住宅はファミリー層向けの制度ですが、満60歳以上の人を対象とした高齢者向け特定優良賃貸住宅では、単身者も申し込むことができます。
おもな申し込み資格・本人または同居者が満60歳以上
・身元引受人が立てられる
・自立した生活が可能な健康状態
高齢者向け特定優良賃貸住宅は、バリアフリー設計かつ緊急通報システムが設置されているため、安心して暮らすことができます。
自治体独自の単身者向け枠がある場合も
特定優良賃貸住宅は、原則ファミリーを対象とした制度ですが、特定優良賃貸住宅の供給の促進に関する法律の一部改正にともない、単身者の入居申し込みも可能になりました。(※1)
ただし、単身者のすべてが申し込みできるわけではありません。同居親族がいない、または3ヶ月以上空き家である物件への申し込みなど、一定の要件を満たす必要があります。(※2)
ちなみに、高齢者向け特定優良賃貸住宅は、単身者でも申し込みできます。
※出典1:大阪市住まい公社 「特定優良賃貸住宅 公社すまいりんぐ」
※出典2:港区ホームページ 「区民向け住宅(区営・区立・特定公共賃貸・地域優良賃貸)」
入居後に単身世帯になった場合はどうなる?
当初は家族で入居し、何らかの事由が生じて単身者となった場合でも、基本的にはそのまま住み続けられるケースがほとんどです。
ただし単身者のまま入居を続けると、契約違反とみなされてしまう可能性があります。世帯が変更になった旨の届出は、くれぐれも忘れないようにしてください。
ちなみに、入居人数の変更により、家賃補助額が変更になる可能性があります。
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特定優良賃貸住宅のメリット
特定優良賃貸住宅には、家賃の補助以外にもさまざまなメリットがあります。
礼金・仲介手数料が不要
特定優良賃貸住宅は、契約時の礼金・仲介手数料が不要です。そのため、敷金(家賃1〜3ヶ月分)と前家賃のみの負担となり、入居時の初期費用を大幅におさえることができます。
更新料が不要
一般的な賃貸住宅は2年ごとに契約更新となり、更新料として家賃1ヶ月の支払いが必要ですが、特定優良賃貸住宅では更新料が不要のため、住まいのコストが軽減できます。
一定以上の規格を満たしている
特定優良賃貸住宅となる物件には一定の基準を満たしているため、快適な暮らしを送ることができます。
・1世帯につき約60m2以上の専有面積を確保している
(地域によって異なります。例:横浜市 55m2以上、千葉県 50m2以上)
・専有面積のうち9%以上の収納を確保している
・耐火構造または準耐火構造
・天井高が2.3m以上
特定優良賃貸住宅のデメリット・注意点
家賃補助など、メリットが多い特定優良賃貸住宅ですが、実はデメリットもあります。ここでは、注意すべき点として、4つのポイントを解説します。
建物や設備が古い場合がある
特定優良賃貸住宅は、築20年近い物件も多く、建物自体の劣化が進んでいたり、水回りの設備などが古くなっていたりすることがあります。
内見時によく確認するようにし、設備の状態や足りないものがないかなどチェックしておきましょう。
たとえば、以下のような項目をチェックすると良いでしょう。
- キッチンや浴室など、水回りの設備が古すぎないか
- 給湯器に追い炊き機能がついているか
- ガスコンロや照明器具、網戸などがついているか(自分が持ち込む必要がある設備の有無など)
- 窓や建具に不具合がないか
- 雨漏りやシロアリ被害の履歴があるか
抽選になることがある
一定の要件を満たす必要はあるものの、家賃の一部が補助される特定優良賃貸住宅は人気があります。そのため、空室数以上の入居希望者が集まることも少なくありません。立地や条件によっては、抽選になることがあり、抽選結果が出るまで時間がかかることもあります。
ただし、なかには先着順で受け付ける物件もあるため、募集要項をよく確認しておくことをおすすめします。
原則ファミリー世帯向けで単身では入居しづらい
特定優良賃貸住宅は、原則ファミリー世帯を対象とした制度です。条件によっては単身者も申し込みできますが、かならずしも入居できるとは限りません。特定優良賃貸住宅に限定せず、一般の物件も並行して探すようにしましょう。
補助終了後は家賃が上がる可能性がある
特定優良賃貸住宅は、毎年少しずつ家賃負担額が上がっていく(補助額が減少する)仕組みです。補助終了後も住み続けることはできますが、本来の家賃を支払うことになります。
賃貸借契約書を結ぶ前に、重要事項説明書などをよく確認するようにし、将来の家賃の支払いに無理がないか、事前によく確認するようにしてください。
特定優良賃貸住宅の探し方・申し込みの流れ

各地方自治体のウェブサイトでは、特定優良賃貸住宅を提供する住宅供給公社や民間の不動産会社を紹介しています。役所の窓口に直接相談するのもよいでしょう。
また、LIFULL HOME’Sでも特定優良賃貸住宅を探すことができます。
特定優良賃貸住宅を申し込み、引っ越しするまでの流れは、以下のとおりです。
- 各地方自治体のウェブサイトや民間の不動産会社のポータルサイトを検索する
- 希望に合う物件に空室があるのか確認する
- 入居申し込みの条件をチェックする
- 入居申込書を提出する(所得を証明する書類や住民票などを提出する)
- 入居審査(所得や支払い能力の有無など)
- 審査通過
- 重要事項について説明を受け、賃貸借契約を結ぶ(敷金や前家賃などを支払う)
- 特定優良賃貸住宅へ引っ越し
特定優良賃貸住宅の詳細は地方自治体によって異なる
特定優良賃貸住宅の申込資格や補助金の仕組みを紹介しました。おおまかなポイントは全国共通ですが、詳細は地方自治体によって異なります。
分からない点があれば、役所の窓口や物件を提供する会社に問い合わせてみましょう。
よくある質問
最後に、特定優良賃貸住宅に関する、よくある質問にお答えします。
Q1.特定優良賃貸住宅に一人暮らしで入居できますか?
特定優良賃貸住宅は、ファミリーを対象とした家賃補助制度です。しかし特定優良賃貸住宅の供給の促進に関する法律の一部改正にともない、単身者の入居申し込みも可能になりました。
ただし、単身者のすべてが申し込みできるわけではなく、同居親族がいないなど一定の要件を満たす必要があります。3ヶ月以上空き家である物件に関しては、単身者の入居が認められるケースもあるため、詳しくは役所の窓口や物件を提供する会社に相談してみましょう。
ちなみに高齢者向け特定優良賃貸住宅は、単身者も申し込むことができます。
Q2.補助額の目安はどれくらいですか?
特定優良賃貸住宅の補助額は、一律で決まっているわけではなく、世帯の所得や人数、物件の家賃、立地などによって変動します。実際には、数万円単位の軽減となることが多いでしょう。
また入居者負担額は毎年約2〜3.5%ずつ上がっていくため、家計に負担がかからないか、よく考えたうえで入居を申し込むようにしてください。
Q3.入居後に一人暮らしになったら退去しないといけませんか?
始めは家族で入居した場合でも、長く住んでいるうちに家族が亡くなるなどして、単身者になってしまうことがあります。
基本的には、そのまま住み続けられると考えてよいでしょう。ただし、特定優良賃貸住宅は原則家族で住むことを条件にしているため、世帯が変更になった旨の届出を忘れないようにしてください。
Q4. 特定優良賃貸住宅はどうやって探したらいいですか?
各自治体のホームページを検索するか、役所の窓口に直接相談してみましょう。なお、自治体の多くは、特定優良賃貸住宅を提供する住宅供給公社や、不動産会社を紹介しています。
なおLIFULL HOME’Sでも、特定優良賃貸住宅を探すことができます。
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更新日: / 公開日:2018.09.18










