オール電化住宅が「エコな住まい」な理由

オール電化住宅とは？

「オール電化住宅」とは、調理器具にIHクッキングヒーター、給湯設備にエコキュートや電気温水器を使用する住宅のことです。ガスを使わないため、火災のリスクが減少するという安全面でのメリットがあります。

 

【エコなポイント】「エコキュート」って何？

エコキュートは空気中の熱を利用して効率的にお湯を沸かすシステムで、使った電力に対して最大300％の効率でお湯を沸かせます。特に深夜電力を利用することでCO2削減にも貢献します。空気の熱を熱交換器で冷媒（CO2）に集め、冷媒を圧縮して高温化。その熱を水に伝えてお湯を沸かす仕組みです。東京電力によると、エコキュートを採用したオール電化住宅は、ガスと電気を併用する住宅に比べて光熱費を約37％も節約できるとされています。

 

エコキュートを給湯設備として採用したオール電化住宅は、経済的であり、地球温暖化防止にも寄与するエコ住宅といえるわけです。

 

図1-1：住宅の光熱費比較

図は東京電力パンフレットより。同社の試算によると、IHクッキングヒーター＋エコキュートのオール電化住宅の光熱費を100とした場合、IHクッキングヒーター＋電気温水器のオール電化住宅は125、従来のガス・電気併用住宅は157という数値に。夜間電力料金が安い料金メニュー「電化上手」を利用し、さらに5％割引の「全電化住宅割引」の適用を受けられる点も大きい

オール電化に対応した物件

利便性と安全性も人気

使い勝手の良さが光る

IHクッキングヒーターは火を使わないため、熱くなりにくく、周囲に水分や汚れが飛び散りにくいという利点があります。また、火力を正確に保てるため、誰でもレシピ通りの調理がしやすく、室内に臭いがこもりにくいのも特徴です。

 

フラットなIHクッキングヒーターでは、強火力で加熱しながらも、両手で調理器具を使いやすく、安全性も高いです。

 

火災リスクも低減、災害からの復旧も有利

実は建物火災の18.7％はガスコンロからの出火が原因です（図1-2）。

オール電化住宅は火を使わないため火災のリスクが低く、万が一の消し忘れがあってもセンサーが作動して自動的に電源が切れるため安心です。

 

図1-2：建物火災の主な出火原因

火災の出火原因で最も多いのがコンロからの出火の18.7％。火を使わないオール電化住宅は火災のリスクが低減される。万一消し忘れてもセンサーが働き、自動的にスイッチが切れるので安心

オール電化に対応した物件

電気は復旧が早い

さらに、大規模な災害が起きた際、電気の復旧は他のライフラインに比べて早い傾向にあります。1995年の阪神・淡路大震災では、ライフラインの完全復旧まで、都市ガスは83日、水道は90日かかったのに対し、電気はわずか7日で復旧しました（図1-3）。水道が復旧しなければ温水は使えませんが、飲用水の備蓄としては使用できます。

 

図1-3：電気は復旧が早い（1995年阪神・淡路大震災におけるライフライン復旧の推移）

1995年の阪神・淡路大震災では、電気の完全復旧まで7日しか掛からなかったのに対し、都市ガスは83日、水道は90日を要しています。水道が復旧しなければ電気給湯器などは用を成さないが、飲用水の備蓄があれば調理は可能

ガスを利用する住宅のメリット

一方で、ガスを利用する住宅にもメリットはあります。

ガス給湯器は電気給湯器に比べて加熱が速く、突然の停電時でも使用可能です。また、ガスコンロは火力の調節が直感的に細かく行え、料理の幅が広がります。また、電気料金の高騰時には、ガスの方が経済的な選択となることもあります。

 

オール電化住宅とガスを利用する住宅、それぞれにメリットがあるため、自分のライフスタイルや価値観に合わせて選ぶことが大切です。

環境への配慮や経済性、安全性を重視するならオール電化住宅が適しているでしょう。一方で、料理を頻繁にする方や停電時の備えを重視する方にはガスを利用する住宅が向いているかもしれません。賃貸を探す際は、これらのポイントを踏まえて最適な住まいを見つけましょう。

 

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