畑付きの自然素材エコアパートで実現するエコライフ

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木造2階建て、床面積50平方メートルのメゾネットが4室並んだプラン

■都会でも、賃貸でも可能な自然との共生

2007年11月に完成した足立区の「花園荘」は、当時ちょっとしたブームを呼んだ自然派エコ賃貸です。TVや新聞、雑誌などさまざまなメディアで取り上げられ、「畑の付いているエコアパート」として広く知られる存在になりました。オーナーの息子の平田裕之さんは、足立区でコミュニティガーデンを運営していたNPOの代表。老朽化したアパートの建て替えにあたり、畑付きエコアパートにリノベーションしようと思い立ったのがそもそもの始まりです。

畑付アパート「花園荘」

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畑と室内を結ぶのが玄関兼用の土間

この「花園荘」を設計したのはビオフォルム環境デザイン室の代表、山田貴宏一級建築士です。その設計コンセプトを語っていただきました。

「まず極力自然素材を使うこと。次に冷暖房にも自然の力をできるだけ利用する。それから菜園を各住戸に付ける。この3点が大きな特徴ですね。プランから作ってゆく過程を平田さんがブログで公開し、それが1冊の本にまとまっています。募集もブログで行い、多数の申込みがあったそうですよ」

≪畑付アパート「花園荘」のこだわり≫
・極力自然素材を使う
・冷暖房にも自然の力をできるだけ利用する
・菜園を各住戸に付ける

畑と室内を結ぶのが玄関兼用の土間。立ち話をしたり、作業場としても機能する。障子を閉めればプライベート空間に変わる。杉板の床は傷つきやすいが肌に当たる柔らかさが魅力。無垢なので表面を削ればきれいな木目がよみがえる。壁仕上げ材の漆喰やNHL(天然水硬性石灰)には調湿機能と吸臭機能、有害化学物質の吸収機能も備わっている。

建材にはこだわりの自然素材を使用

「花園荘」では、建材にもこだわりの自然素材を各所に使用しています。

【エコなポイント】「花園荘」のエコ建材
・構造材と内装材:東京産の杉板
・内壁:石膏ボードのしっくいと NHL(水硬性石灰/詳しくはエコにリフォームするのページにてご紹介)で仕上げ
・屋根:ガルバリウム鋼板
・土間:レンガ調タイル
・浴室上部の壁:サワラの板張り(※ただし浴室自体は樹脂製のハーフユニットバス)

また、面白いのは断熱材。PET樹脂を使った「パーフェクトバリア」は、自然素材ではないのですが、リサイクルでき、燃やしても水とCO2しか発生しない点を評価して使用したとのこと。随所にエコへのこだわりが考え抜かれています。

「オール自然化」な環境システム

冷暖房には環境創機社の「そよ風」というソーラーシステムを採用。この装置は、屋根裏で温められた空気(あるいは夏の夜に冷やされた空気)をファンで床下に送るというシンプルな仕組みです。さらに夏の日差しを遮る長い庇(ひさし)と通風の確保が、夏場の室内環境維持の助けにもなります。外壁にはゴーヤなどの緑のカーテンを這わせることで、外壁の気温を下げる工夫も施されています。

また、畑の水やり用には中古のワイン樽を再利用した雨水タンクが活躍するなど、東京23区内でありながら、自然の恵みを日々実感できる住宅になっています(図2-1)。

「花園荘」の環境システム 太陽光と風、雨水の力を巧みに取り込んだ「花園荘」の環境システム。「オール自然化」とでも呼びたくなるナチュラルな仕組みだ。

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図2-1

自然共生型の生活と温かなコミュニティ

■食住隣接の理想的な形

注目の畑は15平方メートルほどで、やや小さめの市民農園1区画ほどの広さがあります。市民農園はちょっと離れていると手入れが行き届かなくなりがちですが、家にあればいつでも負担なく手を入れられるので、「食住隣接」の理想的な形ともいえそうです(図2-2)。

小規模な敷地ながら緑地に囲まれている「花園荘」のランドプラン。西側のらせん状のハーブガーデンは、環境デザインの世界で話題のパーマカルチャーのシンボル的な存在でもある。山田さんは神奈川県藤野町でパーマカルチャースクールの講師もしている。

「畑は入居者同士のコミュニケーションの場であるとともに、地域にもある意味開かれていて、地域交流の場にもなっています。家賃は周辺相場9万円のところ、12万円と共益費。プラスアルファの部分は良質なコミュニティの価値でもあるといえるのではないでしょうか」
と山田さん。

いま、注目される「農業」と「住まい」との新しい組み合わせに、今後ますます関心が高まっていきそうです。

取材協力
ビオフォルム環境デザイン室

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図2-2

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